目次
第6章「昨夜の疑問」
「お2人に…私が書き残した遺書をお渡し頂けますか?」
「いや、それは後だ…」
「え…?」
遺書…?
今さっき…遺書って…
「初めに、俺の質問に答えてもらうぜ。」
「はい…お答えできる事は全て答えさせて頂きます。」
【彼女はそういうと、とても真剣な表情で星次に向き直った。】
「あぁ、これから聞くのはただの疑問だ。そこまで深刻に捉えなくていい。」
「…?はい!」
「疑問…って?」
「俺達がアンタとへカーティアを見分ける為に、あんたが…『
「はっ…確かに!」
『私が死んだと?知ったような口を利かないで下さい…私の『
「僕達には何が何かさっぱりだったっすよね。」
【彼等の疑問に答えようとした彼女は困った表情のまま少しだけ考え込むと
「皆さんにも同じ感覚があるか分かりませんが…彼がコピーした『
「繋がり…?」
うーん…
もしかして…
「一応…何となーく言いたいことは分かるような気もするんですけどぉ…手元から『
くっそ…曖昧だ!
正確に言えない!
でも…俺から『
感知できなくなる…っていうか?
「そうなんです!私も似た様な感覚を覚えました!」
「えっ!?ほんとですか!?」
「とても曖昧な表現になりますが…目を閉じた状態で腕や足を動かしてもどの辺りにあるかが分かるような…私と『
「何mの距離にあるかも正確に分かるのか?」
「はい!そのため、彼がコピーしたものがすぐ目の前にあるにも関わらず繋がりを感じなかったので…彼は『
「めっちゃ凄いっすね。」
「そういう事か…じゃあ次はあんたがアイツを…」
【彼は突然そこで口を
「いや、言い間違えだ…気にしないでくれ。」
正直怪しい…
星次さんが言い直すことって少なかった気がするし…
でも…考え過ぎ…かなぁ…
「あんたの『
「はい!」
「だが…あんたが強化された大鎌を鏡野郎に振り下ろした時は…『
「そういえば… ジョゼフィーヌさんが使ってる蔓…『
「はい…生身の人間では損傷を与える事すら厳しい筈です。ですが彼は私をコピーしていた為、『コピーを解除した後に残っていた私の力の
「その言い方は、『誰かから聞いた』みてぇな感じだが…?」
「……私とした事が…いえ…いずれは…」
【星次にそう指摘されたジョゼフィーヌは、小さな声で独り言を呟くと、深呼吸をしてから口を開いた。】
「星次さん…他に質問したいことはありませんか?」
「そうだな…後は…」
「私が彼の『魔法』によって倒れた後に起きた事
…先程の私の発言に対する答え…星次さんが私に『
「お見通しかよ…」
「えっ…?」
星次さんのことをお見通し!?
…ってかいつの間に星次さんがジョゼフィーヌさんに『
「では…これからはその事についてお答えさせていただきます。」
第7章「心の内」
「では初めに…星次さんが疑問に感じていた事は…『私がへカーティアを殺害する前に抱いていた感情について』ですよね?」
「あぁ…あんたのあの時の感情は… 不安、安心、冷静、焦燥、苦悩、悲しみ、哀れみ、無念、怒り、緊張、責任感、罪悪感、警戒、慈悲、庇護…これで間違いないか?」
「はい…間違いありません。今でもはっきりと覚えています。」
【そういう彼女の表情は、どこか悲しげだった。】
本当に…あんたには一体何があったんだ?
今日の朝からずっとそうだ…あの鏡野郎の話をする度に葬式ムードになりやがって…
いや、実際に葬式を開くような事態にはなってるが…
別にあいつとは仲が良かった訳じゃねぇだろ…?
「ん?え?何ですかその…大量の感情…」
「あとめっちゃ矛盾してるっすね。」
「この事については…『彼を殺してしまえば、私の中に潜む人外の力についての知識を得られないのではないか?』という不安や焦り…『彼を殺せば皆さんを守る事が出来る上に、安全を確保できる』という冷静な思考と安心感…そしてその他の感情は、『彼を殺さなくてはならないという事実』に対する負の感情です。」
「なるほどな…あとは余りの…負の感情に当てはまらない緊張、責任感、警戒、庇護に関しては…まぁ、あんたの事だ、『私が皆さんを守る為』とか考えてて、そこには責任感と庇護が…『へカーティアに他の攻撃手段は無いか?』とかも考えてて、そこに緊張と警戒が入ってる…ってとこか?」
【その言葉を聞いた彼女は、とても驚いた様子で言葉を返した。】
「流石は星次さんですね…!どちらも完全に一致しています!」
「やっぱりな…」
「星次君はやっぱり、誰かの事をよく見るのが得意なんすね。凄いっすよ。」
「いや…いやいやいや!どんな推理能力ですか!?心理学者かなんかじゃないと無理ですって!」
「はっ…毎日ギャンブルやってる奴なら誰にでもできるだろうよ。」
まぁ…俺の親父が心理学者に似た様な奴だったってのもあるがな…
「後は…あんたは何でアイツを殺したくないと思ったんだ?ついでに『
「それについても…後ほどお話させて頂いてもよろしいでしょうか?」
「分かった。それと…すまなかったな…勝手にあんたの心を読んで…」
【彼はそう言いながら彼女に頭を下げた。それを見た彼女は慌てて言葉を返した。】
「せ…星次さん!どうか頭を上げてください!元はと言えば…私が皆さんに対して様々なことを隠しているのが原因ですので…それに、私は全く気にしていません。」
【彼女はそこで言葉を切ると、優しく、穏やかな声で言葉を続けた。】
「私は皆さんのことを信頼しているので、例え皆さんに心を覗かれようと構いませんよ!皆さんと過ごした時間は長く有りませんが…私は皆さんが悪人では無く、心優しい方達だと分かっていますので!」
「はっ…そうかい…」
「えっ…そんな…そんないきなり…!」
「そう言って貰えると嬉しいっすよね。」
「では次は…いえ、その前に星次さんと流輝さんが気絶した後の話からした方が良さそうですね。」
第8章「無意識の内」
「そういえば!あの後どうなったんですか!?」
「…ってか一番最初にぶっ倒れたあんたが何で俺達に起きたことを知ってんだ…?」
【その言葉を聞いた彼女は、申し訳なさそうな顔をした。】
「す…すみません…それもまた後ほど…!今そのことについて話すと話がややこしくなってしまうので…!」
「はぁ…まぁしょうがねぇな。」
「僕も説明するっすよ。」
「はい、ありがとうございます!」
「めっちゃざっくりな説明なんすけど、流輝君はへカーティア君の挑発に乗って突撃しちゃって…」
【その言葉を聞いた流輝はとてつもないスピードで、流れる様に土下座を披露しながら大声で謝罪した。】
「あっのときは本っっっっっ当にすみませんでしたァァァァァアア!!!」
「いや…マジで二度とやんなよ?まぁ過ぎたことだからしゃあねぇが…下手すりゃ今頃は全員死んでたかも知れねぇんだぞ?」
「そうですね…この件に関しては、流輝さん自身も…他の皆さんの死亡率も高める行為です。相手の力量を完全に測れていない際は、とにかく人数有利の状態を保ち、1人で突撃する事は避けましょう!ところで流輝さん…その…ハンカチをお使い下さい!顔をお拭きになられた方が…!」
「いや!大丈夫です…本当にすみません…マジで切腹したいレベルには反省してます…」
「止めろ!片手にそれ持ちながら切腹とか言うなよ!?シャレになんねぇぞ!!」
「流輝君は心の底から反省してるし大丈夫っすよ。次から気をつければ良いんすよ。」
「春喜さん…!ありがとう…ございます…!」
「とりあえず話を戻すと、その次に星次君がギャンブル
に失敗して倒れちゃったんすよね。」
「あぁ… 『HIGH & LOW』で本当にクソみてぇな確率を引いちまったんだよ…まさか『
「うっわぁ…それは…運が悪かったとしか言いようが…」
「『HIGH & LOW』の最低の値が
「確か俺はギャンブルに負けた後は…鼻と口から血を出しながらぶっ倒れたよな?」
「そうだったっすね。」
「チッ…クソだせぇったらありゃしねぇな…その後は?あんたはらはどうなったんだ?」
「そこは…ちょっぴりとしか覚えてないんすよね。でも…前よりも頭がすっきりした気がしてきてるんすよね。」
「記憶が…戻ってきてるとか…ですかね?」
「では、星次さんが倒れた後の事については…彼の『魔法』を受けた私に何が起きていたのかと同時にお話させて頂いてもよろしいでしょうか?」
「お…やっとかよ…」
「ついに…ジョゼフィーヌさんがどうなっていたのかが…!」
「僕も、自分の事も含めて気になるっすね。」
「ここからは少々…複雑で長い話になります。ここまで全力で走ってきましたし、ここで休憩もしておきましょうか!」
あとがき
ここまで読んで頂き、誠にありがとうございます!
今回の様な話のパートが後2〜3回続く予定なので、なるべく早く投稿してストーリーを進めて行こうと思っていますので、よろしくお願いいたします!
それでは次回もお楽しみに!