シャドウ   作:ゆばころッケ

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一応木曜日です。

はいすみません。

水曜の夜に時間がとれたので書きました。



ところで感想で文が詰まっていて読みにくいという御意見があったので、

今回から空白入れてみました。

こういうアドバイスはどんどんしていただけるとありがたいです。


第十話 シャドウ、起動

3月4日、近接戦闘の訓練をした。

 

クロエさんは近接戦闘の技術も高く、俺は何度も吹っ飛ばされた。

 

野球でバットを振っていただけに近接戦闘ぐらいは勝ちたかったものだが仕方ない。

 

3月5日、模擬戦をした。

 

まあ結果はぼろ負けだった。

 

彼女は初期装備も、特殊才能(ワンオフ・アビリティー)も使わなかったけど、一回として勝てなかった。

 

でも、戦闘しているとロボットに乗るという夢が現実になったことを実感できて楽しかった。

 

スポーツとしてのISは色々な思惑の結果生じた歪なものだけど、捨てたもんじゃない。

 

やっぱりあれだ、命を懸けないで戦えるIS世界に転生したのは正解だった。

 

神さま万歳、束さん最高!

転生して良かった。

今なら健康食品のCMばりにこの御二方のことをヨイショできる!

 

 

 

 

 

 

……そんな風に思っていた時期が俺にもありました。

 

 

 

「じーくん、ついに専用機が完成したよ!」

 

6日の朝、俺とクロエさんが朝食を作っていると、束さんがいきなりやってきた。

 

「本当ですか!?」

 

「うん、朝食食べ終わったらお披露目だよ。」

 

俺はこの時有頂天だった。

 

前日の模擬戦に引き続き、専用機が来るとは……。

 

だって専用機だぜ。467しかないコアの一つなんだぜ。

 

俺のテンションは上がりっぱなしだった。

 

俺が俺として存在するなんてもんじゃない。

 

俺が世界の中心になった、そんな気分にさえなっていた。

 

 

 

朝食を食べ終わった俺は束さんの研究室の一つに来ていた。

 

「じゃじゃん!これがじーくんの専用機!」

 

そこには僅かな光に照らされた灰色のISが居た。

 

「その名もシャドウ!」

 

おお、シャドウ!

 

灰色のISだしな。

 

そのスラッとしたフォルムが最高だ。

 

まだ俺のテンションは高かった。

 

「ヒーローを支える影の存在って意味からきてるんだよ。イェーイ。」

 

イェーイ!。どんどんぱふぱふ。

 

うん?

 

ヒーローを支える影の存在……?

 

「という訳で、じーくんのIS学園でのファースト任務を与えようではないか。」

 

ヒーローを支える……嫌な予感がする。

 

ヒーロー → 英雄 → 雄 

 

雄 + IS学園 =

 

「いっくんのサポートをしてくれたまえ。」

 

ぐわぁぁ。

 

一夏のサポート?やりたくねぇ。

 

一夏は優秀だよ、サポート要らないから。

 

だからね、俺は辞退させていただこうと思います。

 

「さらに、それに付随する任務も与える。」

 

束さんは胸を張って力強く言う。

 

まだあんのかよ。

 

いや、大丈夫。一つ目のより重いものが来ることはまずない。

 

……ないよね?

 

「箒ちゃんといっくんの恋のキューピットになるのだ。」

 

束さんがグリコのポーズをとりながら言った。

 

Oh, My God!

 

俺は死んだが、天使になることはなかった。

 

だが恋のキューピットとして転生したのだ!

 

シャドウ ― 一夏と掃除道具のキューピット ―  始まるよ

 

 

 

始めさせてたまるか、ボケ。

 

「あの束さん、織斑君はブリュンヒルデの弟ですし、

俺のサポートなんて必要ないかと思いますが。」

 

「束さんの手足になるって言ったじゃん。」

 

「いや、でも、ほらそれに恋愛は個人の自由な……」

 

「いっくんと箒ちゃんは両想い、トゥルーエンド超絶確定だから問題ないよ。」

 

「ならキューピットは必要ないですよね?」

 

「いやいっくんはその優しさから、あらゆる雌豚を引き付けてきたからね。

そういう邪魔者を排除して欲しいわけだよ。」

 

それは無理ゲーです。

 

一夏のモテ度は現代科学の理解の範疇を越えています。

 

「排除って具体的にはどうすれば?」

 

「束さんとしては殺しちゃってもいいけど……」

 

束さんはそう言いながら弓を弾くような身振りをする。

 

キューピットの弓で射殺せってことか?なんて物騒な。

 

「殺人鬼にはなりたくないです。」

 

俺は即答した。もしそんなことしたら100人以上はやらなければならない。

 

……漢字には変換しないからな。

 

「冗談だよ、じょーだん。対応はじーくんに基本任せるよ。」

 

「それに……」

 

そういうと束さんは研究室の奥の方へ消えていった。

 

なにかを取りに行ったみたいだ。

 

しかし邪魔者の排除か。どうしたもんか。

 

「じーくん、そんなに悩む必要はないさ。」

 

いつの間にか束さんが戻ってきていた。

 

「迷ったら、これを使って、束さんに相談してくれればいいから。」

 

そう言う束さんが渡してきたのは眼鏡だった。

 

銀色の縁の太い眼鏡で、レンズは大きい。

 

「この眼鏡に何かあるんですか?」

 

俺は眼鏡をかけてみる。特に変化はない。

 

「じーくんはさ、個人間秘匿通信(プライベートチャンネル)使ったことある?」

 

「ありますよ。」

 

クロエさんが戦闘訓練の合間に教えてくれた。

 

知識として、頭の右後ろ側で通話するイメージ

とかいうのは知っていたが慣れるのには時間がかかったものだ。

 

「じゃあプライベートチャンネルの要領で、くーちゃんに話してみて。」

 

クロエさんは今ここにはいない。

 

俺は戸惑いながらもクロエさんと

 

プライベートチャンネルを行った時の感覚を思い出してみる。

 

『クロエさん……?』

 

『はい、なにか?』

 

あれ……通じた?

 

「とりあえず、束さんとくーちゃんには通じるからね。」

 

「えーと、これはどうなっているんですか?」

 

当然の疑問だった。あれはISでないと使えないんじゃ……?

 

「分からなくても仕方ないよ。

じーくんじゃあ、天才束さんの発明を理解するのに後1年ぐらいはかかるかな。」

 

まるで褒められて喜ぶ子供のように、束さんは嬉しそうに言った。

 

……それにしても一年か。わりと早いな。

 

「IS学園にいる間はその眼鏡ずっとつけててね。

大切に扱って、誰にもとられちゃだめだよ。」

 

不意に束さんの声が少し低くなったので俺は驚いた。

 

「……約束だからね?」

 

そう言うと束さんは俺に微笑んだ後回れ右をした。

 

そして束さんはシャドウに近づいて、言った。

 

初期化(フォーマット)は済ませてあるから、最適化処理(フィッティング)だけやっちゃうよ。

まあくーちゃんとの訓練のデータは既に入れてあるし、そんなに時間はかからないけど。」

 

いよいよか。

 

俺がシャドウに近づき、触る。

 

打鉄に乗った時とは違う感覚だった。

 

 

 

シャドウ、お前は……。

 

打鉄との一番の違い、それはISと向かい合っているという感覚。

 

上手くは言えないが、ただの機械という感じがしないのだ。

 

「はい、終わり。」

 

いつの間にか最適化処理は終わっていたらしい。

 

「じゃあISを待機状態にして。」

 

俺は頷くとシャドウに一旦戻ってもらうように頼んだ。

 

なんか話しかけるような感じのほうが上手くいく気がする。

 

さっきの向かい合った感覚とかISに精神らしきものがあることとか考えるとな。

 

あくまで個人的な感覚だけど。

 

俺はふわっと地上に降りる。

 

ふと左腕に違和感を覚えたので、左腕を見る。

 

なるほど、どうやらシャドウの待機状態は腕時計のようだ。

 

その黒いシンプルなデザインの腕時計は俺好みだった。

 

時刻は当然くるっていない。

 

恐らく電波時計よりも正確なんだろう。

 

これからよろしくな、シャドウ。

 

 

 

実際シャドウに乗ってみると、

 

一夏の影とかどうでもよくなってきた。

 

例えば俺がガンダム世界に転生したとして、

 

主人公よりエースパイロットになるとは思えないし。

 

そういう風に考えればまあ一夏のサポートぐらいでいいのかもしれない。

 

俺はロボットに乗れればいいしな。

 

でも恋のキューピットはなぁ。勘弁していただきたい。

 

「おーい、何ボヤっとしてんの?

これからアリーナに行って武装について説明するから。」

 

そうだ、ボヤっとしている場合ではない。

 

ここから俺の物語が始まるのだ。

 

「はい!」

 

俺は勢いよく返事して駆け出した。

 




見やすかったでしょうか?

これで良さそうなら既にあげた話も直す予定です。

ちなみに今回であらすじの内容にしようと思っていた部分が書き終わりました。

次回の話をあげるついでにあらすじ書きます。

それにしても今回の終わり方、完全に打ち切りマンガの終わり方ですね。
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