シャドウ   作:ゆばころッケ

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こんばんは、

いやおはようございます。

前回の復習

シャドウの武装

紫電 当たると敵ISの絶対防御以外の機能を停止させる銃。

巨人刀 すごい大きな刀。当たりにくいけど威力抜群。

裂空 反りの強い刀。振ると威力は低いがエネルギー刃が出る。

強奪者 鞭。物に当たると巻き付く。攻撃には使えない。

星の欠片 隕石みたいな見た目の岩。
     走馬灯中に盾として発生させるのが主な用途。

以上です!



第十二話 俺、初戦闘

俺は無人機を前に途方に暮れていた。

 

やつはまだ動いていないが……。

 

『じーくん、そろそろ始めるよ。』

 

束さんがいつの間にかいなくなっていた。

 

『準備OK?』

 

さっきから眼鏡を通して束さんのメッセージが届く。

 

『束さん、始める前に一ついいですか?』

 

『何かな?』

 

『アレのパイロットは誰ですか?』

 

『そんなこと知らなくてもいいんじゃない?』

 

『いえ、もしかしたら……あれには人が乗ってないんじゃないかと思って。』

 

先にはっきりさせておこう。

 

あれに人は乗っていないとは思うが、もし乗っていたら困る。

 

それに乗っていないにしても、腕とかを貫いたりしたら、

 

無人機であることを何故知っているかと言われたら面倒だ。

 

『へぇー、どうしてそう思う?』

 

『いや、腕の形とか明らかにおかしいですし。』

 

『ふぅん、まあいいか。そうだよ、あれに人は乗ってない。』

 

よし、言質は取った。

 

『しかし驚かないんだね。』

 

あっ……演技した方が良かったか?

 

取り繕おう。

 

『開発者の束さんがやることですし。』

 

『じーくんは不思議だよね。

くーちゃんの名前は知っているし、箒ちゃんの事も知っているみたいだしね。』

 

そういえばこの間のキューピットの一件で、気が動転して箒の名前に触れ忘れた。

 

『もしかして今回も知ってた?』

 

俺はまた背筋が冷たくなった。

 

勿論一回目は殺されかけた時だ。

 

『冗談だよ、じょーだん。』

 

『じゃあ、始めようか。』

 

束さんがそう言った直後、無人機は動き始めた。

 

異形のISは気味が悪い。

 

両手にあるビーム砲口から熱線を放ちながら近づいてくる。

 

ISとは思えない程ゆっくりした速度でだ。

 

それが逆に俺に恐怖感を募らせる。

 

クロエさんには体を捻って避けろと教わってはいたが、

 

熱線の恐怖からスラスタ―を使って避けてしまう。

 

クソッ、びびってばっかだ。

 

こっちからもやり返さないと……。

 

なんだ?何を使えば……。

 

思えば遠距離向きの武装なんてない。

 

裂空があることはあるが、あれは威力が低いらしいし。

 

とりあえず腕を巨人刀でぶちぎって、ビームを使わせないようにしなければ。

 

……昨日まで戦闘が楽しかったのが嘘のようだ。

 

そのためには接近しなければならないか。

 

ええぃ、どうとでもなれ。

 

俺はクロエさんに習ったことを思い出しながら、加速。

 

一気に近づく。

 

その時、無人機はいきなり回転を始めた。

 

あっ、そういえばこんな動作するんだっけ、こいつ。

 

まずい、近づきすぎた。

 

ビームの有効範囲は回転前より短いが、今の俺を攻撃するには十分だ。

 

さっきと違って、その不規則な回転は予測しにくい。

 

避けにくい。

 

あっ、これは……避けられない。

 

世界がスローになる。

 

自分の腹が熱線によって焼かれる未来が想像できた。

 

俺は……星の欠片をコールした。

 

世界に時間が戻る。

 

『いいね、いいね。その調子でどんどん武装をコールしちゃってよ。』

 

星の欠片はビームによってドロドロになった。

 

身を守るには十分な厚さだったようだ。

 

形は厚めの正方形だった。

 

今は見る影もないが。

 

回転を止めるか。

 

俺は紫電をコールした。

 

こいつに関しては比較的速くコールできる。

 

これ以上近づくとビームが当たる。

 

俺は紫電のトリガーを引く。

 

バチィ

 

紫色の雷が放たれる。

 

その雷、紫電は以上に速かった。

 

レーザー兵器には負けることはないだろう。

 

実弾なんてなおさらだ。

 

回転は一瞬止まったが、またすぐ再開した。

 

『紫電は近づかないと大した効果はないよ。』

 

頼むからそういうことは早く言ってくれ。

 

だが、少しでも止まるなら近づく際に止めまくった方が良い。

 

またトリガーを引こうとする。

 

スカッ

 

リロードされていないようだ。

 

『紫電にスケルトンになっている部分あるでしょ。そこに紫電が見えている時しか撃てないよ。』

 

あぁ、もう。

 

とにかくこれ以上やつに好きにさせてたまるか。

 

俺は強奪者をコール。やつに向かって放つ。

 

腕に絡めば体勢を崩せるか。

 

『それは悪手だよ。』

 

強奪者はやつの腕に絡んだが……

 

その動きを止めるほどの力は俺にはなかった。

 

離せと俺が思うより速く、無人機の腕は大きく揺れた。

 

それに合わせて俺が吹っ飛ばされる。

 

しかも離してしまったせいで無人機の体勢は崩れない。

 

飛ばされている俺は一気に眩暈に襲われる。

 

ISの生体保護にも限界はある。

 

クッソ、ビームが俺に近づく。

 

世界は再びスローになる。

 

星の欠片を即座にコール。

 

だが、世界は時間を取り戻さない。

 

どうやらあの星の欠片だけじゃ足りないようだ。

 

そうか……やつは4つの砲口全てからあの出力のビームを放ったのか。

 

一本分で足りる訳がない。

 

とにかく星の欠片を……

 

俺が地面に叩きつけられた時世界は元に戻った。

 

『ビームに耐えるにはかなりの量の星の欠片使っているからね。』

 

ならもう接近は厳しいか。

 

ダメージは期待できないかもしれないが、裂空を使おう。

 

一度却下した案ではあるが仕方ない。

 

俺は裂空を振るう。

 

回避に集中している俺は思うように当たらない。

 

ちなみに今右手に紫電、左手に裂空という状況だ。

 

強奪者はどこかへ行ってしまった。

 

あれを使えるような戦闘でもなさそうなので放置だ。

 

しばらくして裂空のエネルギ―刃が当たる。

 

しかし無人機はびくともしない。

 

……やはりだめか。

 

俺は覚悟を決めた。

 

大丈夫、束さんもクロエさんも居る。

 

いざとなったって死ぬことはない。

 

腹を括るしかない。

 

俺は裂空を粒子化すると、巨人刀を出した。

 

それを背中のホルダーに収める。

 

ISのスピードこそ落ちるが、

 

背中から取り出す方がコールするより切りつけるときには便利なのだ。

 

準備は整った。

 

後は近くづくだけだ。

 

俺は加速した。

 

ビームが来る。

 

身体を捻って避ける。

 

そうしないとスラスターを加速に使えない。

 

今まで回転をやめていた無人機だったが、また回転し始めた。

 

一定距離に入ると回転するらしいな。

 

レーザーが不規則に飛ぶ。

 

俺はなるべく体を捻って避け、無理なら星の欠片を使った。

 

十分に近づいた。

 

今だ。

 

俺は紫電を放つ。

 

だが……やつはそれを避けた。

 

信じられない程の反応速度、体の動き……。

 

俺に向かってお返しのビーム4本が来る。

 

星の欠片を使って……

 

『残量限界。残量全てを出し切ります。』

 

クソッ、もうこうなったら……

 

「いけぇえええええええええええええええ!」

 

俺は巨人刀を背中のホルダーから取り出し、

 

「お前、シャドウと色が被っててむかつくんだよぉおお。」

 

意味の分からない八つ当たりを言いながら、

 

星の欠片を焼き切ったビームごと巨人刀で無人機を叩ききった。

 

巨人刀に当たらなかったビームがシャドウと俺を焼く。

 

無人機が真っ二つになったのを確認した後、

 

俺は地面に落ちるの感じていた。

 

シャドウが限界に達したらしい。

 

黒鍵を展開したクロエさんが俺を空でかっさらう。

 

それを確認した俺は意識を失った。

 

……その時のクロエさんの顔を表現する術を俺は知らない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 「初戦からこれですか。」

 

俺は聞いたことのない男の声で目覚めた。

 

「じーくんが最初から度胸を持ってつっこんでれば

星の欠片を使い切ることはなかったんだけどな。」

 

「ISを初めて操縦する彼にそれを要求するのは残酷ですよ。」

 

「四日訓練したから初めてじゃないよ。」

 

「ひよっこには変わりないじゃないですか。」

 

ひよっこねぇ。まあ否定はできない。

 

「それにしても無人機とは、さすが束博士ですね。」

 

「ISの自我を薄くしただけだよ。」

 

「それではあの金属の意味が薄くなるのでは?」

 

あの金属?

 

「そんなことはないよ。

生物で言えば無人機は昆虫みたいなもんだよ。

本能という決められたプログラムでしか動けない……。」

 

「しかしそれでは機械によってプログラムを組み込むのと同じなのでは?」

 

「現存の機械だと完全にプログラム通りでしょ?

でも昆虫は少し違う。プログラム+αができる。

無人機も一緒。それに昆虫よりもいくらか柔軟性があるよ。」

 

「加えて戦闘データを投入すれば……」

 

「面白そうではありますね。」

 

その時、コツコツと歩く音がした。

 

……俺のベッドの横のカーテンが開け放たれる。

 

「盗み聞きかい?異常性癖があるならあるで、隠さないとな。」

 

その男は包帯で顔が覆われていた。

 

俺は思わず返事が出来なかった。

 

「おっ、じーくん。気がついたみたいだね。」

 

束さんが何か言っていたが、俺は男の方に意識を奪われていた。

 

髪の毛の色は黒い。日本人なのか?

 

「そちらの方は?」

 

「あぁ、紹介してなかったね。シンさん、自己紹介して。」

 

シン……?聞いたことのない名だ。

 

「私の名前はシン。少年、よろしくな。」

 

親しげな言い方に俺の警戒心は不思議な程あっさり崩された。

 

「シンさんはね、シャドウの整備を担当する人だよ。」

 

「束さんじゃないんですか?」

 

「少年、君は束博士にIS学園に来てもらおうというのかい?

彼女は国際指名手配中の身なのだよ。」

 

そりゃそうか。

 

「そういう訳だから。いざって時はシンさんに整備を頼んでね。」

 

「分かりました。シンさんよろしくお願いします。」

 

「任せてくれ。なぁに大船に乗ったつもりでいてくれよ。」

 

包帯で顔は見えないが、笑ってくれている気がしたので俺も微笑み返す。

 

「でも簡単な整備は自分でしなくちゃいけないよ。」

 

シンさんが少し真剣な口調で言う。

 

「シャドウを束博士が直している間、俺が君に整備を教えよう。」

 

「分かりました。」

 

俺はこの時にはシンさんに対して微塵も警戒していなかった。

 

正直両親と同じくらい警戒していなかったと思う。

 

シンさんはそのぐらい不思議な魅力のある人だった。

 

……いやホモじゃないからな。

 

 

 

 

 

 

 次の日とその次の日、つまり7日と8日はシンさんによるIS整備指導で終わった。

 

シンさんの顔のことを尋ねてみたが、来るべき時に教えてくれるそうだ。

 

要するに教える気はないらしい。

 

シンさんが研究所に居る間クロエさんは何だか元気がなかった。

 

どうやらシンさんのことが苦手らしい。

 

あんなに良い人なのになんでだろうな。

 

9日、10日はクロエさんとISの訓練をした。

 

その際各武装を試したが、

 

紫電だけはクロエさんに向かって撃つなと言われていたのであまり試せなかった。

 

そして……10日の夜。

 

「じーくん、明日IS学園に行って来てよ。」

 

えっ?

 

突然IS学園に行くことになった。

 




お疲れ様でした。

無人機戦です。

一応断ると、現時点で紅侍君が鈴+一夏より強い、もしくは同等なんてことはありません。

あの時二人は疲弊してましたし、

星の欠片という盾がなければ紅侍君はあっさり丸焼きになってます。

紫電と星の欠片が紅侍君の強みです。

後巨人刀で一発でトドメさせるのかということですが、

うーん……紫電の効果とか、無人機がそこまで完成されてないとか

そんな感じに受け取ってもらえればと思います。




あっ、最後に出たのはオリキャラです。

物語にそこまで積極的に絡ませるつもりはないです。

一応重要なキャラではありますが。
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