シャドウ   作:ゆばころッケ

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長めです。

またIS戦闘入れました。

おまけ
プレサイス 相手に衝撃だけを与える細いレーザーの出る銃。
      リロードの時間がほとんどない。


修正 9月ってなんですかね……。
一行目が9月11日になっていたのを3月11日にしただけです。


第十三話 麻耶、反省を生かす

3月11日朝7時半、俺は家にいた。

 

束さんによると、ここに居ればIS学園から迎えが来るらしい。

 

重要人保護プログラムのせいで両親はずっと家に居なかったようだ。

 

家主を失った家というのは静かなものだ。

 

俺はしばらく何もせずにいた。

 

最近の忙しさに対して、この静かさは何か感じるものがある。

 

ピンポーン

 

静寂を破るようにインターホンが鳴る。

 

反応が少し遅れる。

 

正直良く分からない感傷に浸っていた。

 

ピンポーン、ピンポーン

 

せっかちな奴だな……

 

「はーい、今出ます。」

 

俺は駆け足で玄関に向かった。

 

「どちら様でしょうか。」

 

そう言いながら、俺は覗き穴を覗き込んだ。

 

あっ……

 

「扉を開けろ。」

 

来訪者は少しいらついた様子でそう言った。

 

もし俺がその来訪者の顔を知らなかったら、

 

急いで二階に駆け上がり、消火器等護身用の兵器を持って自室に立てこもるだろう。

 

それぐらい扉の前に居た女性は恐ろしかった。

 

いやあれって殺気放ってるよね?

 

「開けろっと言ったはずだが?」

 

「い、今開けます。」

 

俺は扉を急いで開けた。

 

 

 

 

 

 

 

目の前にいたのは関羽……じゃなくて千冬さんだった。

 

「幸逆紅侍で間違いないか?」

 

「はい……間違いないです。」

 

『生ちーちゃんだ、生ちーちゃんだ。』

 

その時束さんから通信が来る。

 

この間の戦闘の時には気にする余裕はなかったから気にしてなかったが、

 

どうにもこの眼鏡、俺の視覚情報と聴覚情報は筒抜けらしい。

 

「ついて来い。」

 

いやいや……説明しようよ。

 

おそらく原作通りならIS学園の教師のはずだから、

 

その迎えなのだろうけど……。

 

俺に動く様子がなかったからか、

 

千冬さんはめんどくさそうに説明し始めた。

 

「お前はIS学園を知っているか?」

 

「……はい。」

 

「なら話が早い。

世界でたった二人の男性操縦者であるお前はIS学園に入ることになった。

私はその迎えだ。」

 

「あの……織斑千冬さんですよね?」

 

とりあえず確認をとってみることにした。

 

「とにかく車に乗れ。」

 

俺は車に乗せられた。

 

運転は事務かなんかがやるようで、

 

後部座席に千冬さんと二人で乗せられた。

 

いや、冗談抜きに怖いって。

 

「先程の質問だが、いかにも私が織斑千冬だ。」

 

「御会いできて光栄です。」

 

「そんな型どおりの挨拶はどうでもいい。

こちらからいくつか質問させてもらおうか。」

 

「質問ですか……。」

 

『どうしますか?』

 

俺は束さんに尋ねた。

 

『まあてきとーに答えてよ。

束さんはちーちゃんも見るのに忙しいから。』

 

『……了解。』

 

このやろう。

 

「さて、まず一つ目だが、」

 

恐らくはこの10日何してたかだろう。

 

 

 

 

 

 

 

「その腕時計と眼鏡はどうした?

腕時計なんて失踪前は着けてなかったな。

まあそれはいいだろう。

しかしその眼鏡はなんだ?

政府から聞いていた情報だと、眼鏡をするほどの視力ではなかった気がするが?」

 

はい、専用機と、束さんとの連絡ツールです。

 

嘘だろ?わりとピンポイントで重要なとこから聞いてきたぞ……。

 

『腕時計の専用機のことは言っていいけど、眼鏡は上手くごまかして。』

 

ごまかせってなぁ。

 

「眼鏡はえーと……伊達眼鏡です。おしゃれの一環ですよ。」

 

まずはどうでもいい情報を流す振りして、

 

「……この腕時計は俺のISです。」

 

「ふむ……。束か?」

 

よし、眼鏡の方から話を逸らせた。

 

「はい、束さんに作っていただきました。」

 

「そうか……。

おそらくそのISのコアは未登録だろうから登録もしなければならないな。」

 

『そうなんですか?』

 

『そうだよ。』

 

知らんかった……。

 

「さてそれは置いておくとして、」

 

束さんの名前は出したし、そのことについて聞かれるよな……?

 

「その眼鏡、本当に伊達眼鏡か?」

 

逸らせてなかった。

 

えっ?そこそんなに重要?

 

「本当ですよ。ほら度は入ってませんよ。」

 

俺は眼鏡を渡した。

 

「確かに度は入ってないようだな。」

 

俺から眼鏡を受け取った千冬さんは眼鏡をしばらく見つめた後……、

 

 

 

 

 

 

 

 

バキッ

 

握りつぶした。

 

えっ……

 

「なにやっているんですか!?」

 

俺は眼鏡をすぐさま取り返した。

 

なんとか壊れずに済んだようだ。

 

「随分と丈夫なんだな。」

 

「そういう問題じゃないでしょう。」

 

「まあその眼鏡についてはおいおい調べるか。」

 

『じーくん、ひどいよ。

その眼鏡大切にするって約束したでしょ。』

 

責められるべきは千冬さんだろう。

 

俺の味方はいないのか。

 

『まさか握りつぶそうとするなんて思わないでしょう。』

 

「何をボケっとしている。

IS学園に着くまで約6時間、休む暇はないぞ?

なにしろお前には聞くことがたくさんあるからな。」

 

ひぇぇ、心労で死ぬ。

 

その後俺は千冬さんにおびえながら地獄のような10時間を過ごした。

 

6時間なんて嘘じゃないか……。

 

本当に最後の4時間は辛かった……。

 

 

 

 

 

 

 

IS学園に着くころには午後の6時半くらいになっていた。

 

にしても長かった。

 

電車にも乗ったし、二回の食事を車内で行った。

 

「お前にはこれから入学のためのペーパー試験を受けてもらう。」

 

「分かりました。」

 

俺は学園内の教室の一つに通され、試験を受けることになった。

 

『束さんは教えてあげないからね。』

 

『いや、いいですよ。』

 

どうせ悪い点でも合格だろうしな。

 

 

 

うん、さすがIS学園だ。

 

どう考えても中学内容じゃない。

 

暇なとき、高校の勉強をたまにしておいたかいがあった。

 

それにIS関連の学術資料読むために最低限物理とかは知っておかないといけなかったしな。

 

この分ならそんなに悪い点数ではないだろう。

 

よかった、よかった。

 

 

 

テストが終わるころには11時になっていた。

 

数学、物理、化学、外国語(俺の場合英語)の4教科だったからな。

 

「来い、今日はもう終わりだ。」

 

俺は千冬さんに連れられて寮の一室に通された。

 

おぉ、原作通り豪華だ。

 

「荷物は親御さんから既に送られているからな。

明日は実技試験だ。早めに寝ろよ。」

 

俺は部屋を見回す。

 

成程、俺の旅行用バッグや段ボールが置かれている。

 

その中には服やパジャマがあった。

 

おっ、さすがに母さんは分かっている。

 

IS関連の本も入っている。

 

 

 

 

 

 

俺はシャワーを浴びてパジャマに着替えて、今ベッドに居る。

 

『もう寝るの?』

 

その通信はクロエさんからのものだった。

 

『まあやることもないしね。』

 

『そう。』

 

『そういえば料理はどうだった?』

 

『大丈夫。』

 

『ならよかった。』

 

『……それじゃあおやすみなさい』

 

『おやすみ』

 

にしてもどうして通信してきたんだろうか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 翌朝、俺は指定された時刻に起き、迎えが来るのを部屋で待っていた。

 

にしてもこれだけ荷物が部屋にあるってことはこの部屋が俺の部屋なんだろうか?

 

後で部屋番号見ておくか?

 

一夏は何番だったっけ?

 

確か1025かな?

 

まあ常識的に考えれば一夏と同じ部屋だろう。

 

コンコン

 

部屋をノックされた。

 

どうやら迎えが来たようだ。

 

ガチャ

 

俺、まだ開けてないんですが。

 

「行くぞ。」

 

そこに立っていたのはやはり千冬さんだった。

 

 

「実技試験って何をやるんですか?」

 

移動中に俺は何気なく聞いてみた。

 

「教員と戦ってもらう。」

 

「専用機は使ってもかまいませんか?」

 

「構わない。」

 

むしろ政府は使って欲しいようだなと千冬さんは付け加えた。

 

しかし教員か。

 

誰が相手なのか……。

 

朝食を食堂で食べた後、再び移動。

 

アリーナに着く。

 

とりあえずISスーツに着替えて、バトル場に出る。

 

あれが相手なのだろうか。

 

ラファールを纏った人が既に立っていた。

 

「あっ、連れて来てくれたんですね。」

 

その人(当たり前だが女性のようだ)が千冬さんに向かって手を振る。

 

「では始めるか。

幸逆、ルールは知っているな?」

 

「……はい。」

 

俺はシャドウを纏う。

 

「ほぅ。」

 

千冬さんがそう小さく言ったのが聞こえた。

 

「では始めますよ。」

 

そういうと相手の人はレッドバレッドを展開した。

 

まあ試験だし、一般的な武装しか使って来ないか。

 

こっちも様子見するか。

 

俺は裂空をコール。

 

適当に相手に近づきながら、エネルギー刃を放つ。

 

相手は器用に避ける。

 

しかしさっきから撃ってこないな。

 

レッドバレッドは弾数が少ない武器ではない。

 

普通のアサルトライフルだ。

 

乱発してもおかしくない場面だが……。

 

と思ったらいきなり撃ってきた。

 

その狙いは正確だった。

 

俺の裂空に当たり、俺は衝撃におされる。

 

「だめですよ。

エネルギー刃に頼って、刀を振るう力を全くかけないのは。」

 

「簡単に落としちゃいますよ?」

 

プレサイス!?

 

いつの間にコールしたんだ?

 

最初から武装コンテナに入れておいたのか。

 

基本的にコールするよりラックから取り出した方が速いからな。

 

俺は手を狙われ、裂空を落とした。

 

またレッドバレッドに持ち替えた相手は連発してくる。

 

俺は体を捻ってよけながらとりあえず後退する。

 

武器をコールする時間を稼ぐためだ。

 

俺は巨人刀と紫電を展開した。

 

スマブラだったらワンパターン戦法で怒られそうだが、仕方ない。

 

正直シャドウはそんなに攻めるのに向いてない。

 

おそらく一夏のサポートのために作られたISなのだろう。

 

「大きな刀使わないんですか?」

 

巨人刀を背中にしまった俺に相手がきいてくる。

 

「振ってもどうせ当たりませんから。」

 

俺はまた接近をはかる。

 

紫電で動きを止めるにはもっと近づかなくては。

 

近づくとレッドバレッドによる射撃が強くなる。

 

クソッ、避けきれない。

 

スローな世界の中で俺は小さめの星の欠片で対応する。

 

「今のコールは……?」

 

俺の星の欠片の異常なコールの速さに相手が驚く。

 

俺は急接近して、

 

今だ。

 

紫電を放った。

 

「えっ?」

 

相手のISが突如バランスを崩す。

 

俺は背中から巨人刀を取り出し、切りかかった。

 

相手がレッドバレッドやその他のコンテナの中の武器を俺に向かって投げつける。

 

もちろんその威力はISの機能がほとんど停止しているためほとんどない。

 

しかし盾ぐらいにはなってしまったようだ。

 

巨人刀は致命傷にはならなかった。

 

後一回巨人刀を当てなくてはならないようだ。

 

とりあえず再び紫電を構える。

 

まだリロードできてはいないか。

 

「今の武装はなんですか?いきなりISの動きが止まりましたが……。」

 

「試合中に教える人はいませんよ。」

 

体勢をとり戻しながら、相手はプレサイスを乱発する。

 

俺は体を捻って避けるが、

 

その内の一本のレーザーが紫電の銃口を正確に捉えた。

 

クソ、紫電は爆発し使い物にならなくなった。

 

プレサイスの使い方2だ。相手の銃口に合わせて撃ち、その内部を破壊する。

 

これは本来なら相当難しいことなのだが。

 

「悪くない動きですが、単調ですよ。

動きが予測できてしまいます。それだと今みたいに誘導されてちゃいますよ。」

 

予測しやすくて悪かったな。

 

次に相手が展開してきたのはランスだった。

 

あれは確かドリルランスだ。

 

槍頭がドリルになっている。

 

相手がランスを展開している間に俺は強奪者を展開した。

 

強奪者でとりあえず落ちていた裂空を回収しようとするが、

 

プレサイスで強奪者は弾かれた。

 

「鞭よりもレーザーの方が速いですよ……?」

 

あっ、またやっちまった。

 

俺ってだめだな。

 

さあどうしようか。

 

ランスをコールしたってことは近接戦か。

 

巨人刀と星の欠片でなんとかするしかない。

 

強奪者を自分の腰に巻いて、俺は巨人刀を持つ。

 

「その刀も落としておきましょうか。」

 

またプレサイスが乱発される。

 

距離を詰めてもいいが、そしたらランスがくるだけだ。

 

その時に万が一巨人刀がない状態だとかなりまずい。

 

どうする?

 

今相手との距離は40mぐらい、強奪者がギリギリ届くか。

 

……強奪者でプレサイスを奪う。

 

それしかない。

 

俺はホルダーに巨人刀を戻し、腰に巻いていた強奪者を取り出す。

 

俺はわずかに相手に接近。

 

強奪者を伸ばす。

 

「レーザーの方が速いんですってば。」

 

プレサイスが強奪者を撃ち落とそうとする。

 

今だ、俺は意識を集中して星の欠片を強奪者のガードに使う。

 

大きめのものを出したおかげで乱発したプレサイス全てを防げた。

 

そして厚さは薄くすることでプレサイスにより星の欠片は砕けて強奪者の進路は邪魔しない。

 

プレサイスに巻き付いた!

 

俺は力強く強奪者を引っ張る。

 

「あっ。」

 

相手がプレサイスを手放した。

 

強奪者が運んでくれたプレサイスを俺は宙で掴み、握りつぶす。

 

「へぇ、そんな武器だったんですね。」

 

そう言いながら、相手はランスを持って接近してきた。

 

よし、巨人刀でなんとかしてみせる。

 

ドリルという特質上、先端の破壊力は高いが、他は大したことはない。

 

大きい巨人刀なら広い面積を攻撃できる。

 

チャンスはある。

 

俺は迫るドリルランスの威力を星の欠片で削ぎ、

 

稼いだ時間で巨人刀で切りつける。

 

やれる。

 

ドリルランスは弾いた。

 

これで!

 

「その隕石みたいのは視界をさえぎってしまいますね。

それを考えてもうちょっと、ハイパーセンサーからの情報にも意識を向けないとダメですよ。」

 

相手の肩に展開されていたのはチャージキャノン。

 

数秒のチャージですごい威力を出す大砲だ。

 

俺に向かってど太いレーザーが放たれる。

 

スローになった世界で星の欠片を展開する。

 

「星の欠片の残量がほぼなくなりました。」

 

やはり防ぐのにはかなり無理があったか。

 

 

 

 

 

 

 その後の戦いはひどいものだった。

 

まず落ちていたはずの裂空はいつの間にか破壊されていた。

 

次に強奪者は先程のチャージキャノンで焼き切れた。

 

最後に巨人刀だけでは相手の攻撃に対応しきれるはずなかった。

 

残っているのは何もなかった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

『じーくん、やっぱり君は面白いね。』

 

『負けたのにですか?』

 

今はアリーナの更衣室で着替えている。

 

『強奪者を守るとき、随分と遠くに星の欠片を出したよね。

あれはなかなかできることじゃないよ。』

 

『脳の活動が2倍になっているとか、

空間把握能力が高いとかのことが関係しているんですか?』

 

『そういうことだろうね。後でデータ見せてね。』

 

『はい。』

 

『あっ、後着替えとか風呂とかの時は眼鏡外した方がいいんじゃないかな。

くーちゃんの教育に悪いし。』

 

あっ……。

 

というか今までも普通に眼鏡つけっぱなしだったんだけど。

 

寝るときすら着けてろって指示だったし。

 

 

 

 

 

 その後、途中昼ご飯の休憩があった以外、

 

俺はずっと書類を書かされていた。

 

一段落つくと俺は千冬さんに聞いてみた。

 

「俺の対戦相手って誰だったんですか?」

 

「聞いても分からないとおもうが。」

 

千冬さんは怪訝そうに言った。

 

「いえなんとなく。」

 

まあ教員の名前なんてほとんど原作に出てないし、分からないかもな。

 

「山田先生だ。」

 

 

 

 

……あの人か。

 

 

 

 

 

 

一夏の時は壁に衝突したくせに。

 




お疲れ様でした。

実際千冬さんって怖そうですよね。

あんなんに10時間詰問されたら……

紅侍君の冥福をお祈りします。
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