いよいよIS学園に入学です。
今回は後書きの方が書くこと多いです。
第十五話 俺、友達100人できるかな?
今日はIS学園の入学式だ。
俺は前日からIS学園に帰ってきていた。
が、それがよくなかった。
千冬さんにこってり絞られたのだ。
まあ脱走した時からそれは分かっていたことだ。
とはいえやっぱり結構堪えた。
そんな訳で入学式はぼけっとしていた。
入学式からこんなんなんてな。
一応、更識会長の顔ぐらいは確認したけど。
一方一夏の顔は見られなかった。
『いっくんの背中!背中!』
束さんはうるさかった。
それにしても周りが本当に女子しかいない。
まあこれも分かっていたことなんだけど。
入学式が終わり、俺達は教室に移動した。
とりあえず原作のように一夏は一組で、俺は同じクラスだった。
ガラッと扉が開いて子供のような女の人が入ってきた。
「皆さん、初めまして。
このクラスの副担任の山田麻耶です。
一年間よろしくお願いしますね。」
あれが山田先生か。
そうだ、試験の時戦った女性はあんな感じだったな。
「今日は午後からは授業ですが、
午前中はLHRですので、定番通り出席番号順に自己紹介にしましょう。」
自己紹介か。
考えてなかった。
「出席番号一番相川静香、
ハンドボール部に所属するつもりです。
趣味はスポーツ観戦とジョギングです!」
うわぁ、気合入ってる。
この流れで来て欲しくないな。
申し訳ないけど今日の俺は疲労感マックスなんだよ……。
一夏で流れ変わる可能性あるし、なんとかならないかな。
そんな感じで一夏の出番が来た。
「えっと……織斑一夏です。」
クラス中に静けさが広がる。
これが一夏か。
なるほど、モテる理由が分かった気がする。
なんか不思議な魅力がある。
でもそんな不思議な魅力も
こんな圧倒された空気では無意味だった。
一夏は戸惑っていたようだが、
息を大きく吸い、そして気合を入れて
「以上です!」
教室のほとんどがそれだけ?って感じだが、
こんなにプレッシャーかけておきながらなんてやつらだ。
しかしそんな一夏に悪魔が近づく。
バシーン、
重い一撃が一夏に下る。
「お前はまともな自己紹介もできんのか。」
「千冬姉?」
追撃が当然来る。
「織斑先生と呼べ。」
「はい……。」
「織斑先生。」
いつの間にか涙目になっていた山田先生が千冬さんに近寄った。
「LHRを任せてすまなかった。ここからは私がやろう。」
「私がこのクラスの担任の織斑千冬だ。
諸君が何を目的としてこの学園に来たのかは知らんが、
私は私のやり方でお前らを鍛える。
だからお前らは這ってでもついてこい。」
さて、ここでおそらくクラス女子の歓声が上がっている。
これは耳栓を用意したので問題ない。
『キャー、ちーちゃん、ちーちゃん。
うぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお。』
やめろ、字数稼ぎみたいだ。
じゃなくてマジでうるさい。
おっ、一夏が席に着いた。
とりあえず終わりかな?
俺も自己紹介の内容考えないと。
「次、鏡。」
山田先生の代わって、担任らしいことをする千冬さんが言う。
俺の出番は後何人くらいだろうか。
「次、華蛇。」
「はい。」
廊下側の一番後ろという実に羨ましい席からゆっくりと櫻は移動した。
「華蛇櫻です。
日本国代表をやらせていただいてます。
師匠は千冬さんです。」
出席簿が飛んでくる。
櫻は当然のように避ける。
「師匠、ひどいですよ。」
もう一度凶刃が櫻を襲う。
また避ける。
「師匠。自己紹介が終わりません。」
笑顔でそう答えていた。
に、人間じゃない。
チートどころか人じゃなかったか。
「学校では織斑先生と呼べ。」
「先生を師と仰ぐのはおかしなことではないですよ。」
「もういい、次、岸里。」
ひどいなぁって小さな声で言うと櫻は席に戻った。
……あの千冬さんに勝った。
俺はショックでしばらく呆然としていた。
しかし、
「次、岸原。」
「岸原理子でーーーーーーす。
りこりんって呼んでね。キララッ」
このウザキャラのおかげで正気を取り戻した。
それ違うアニメのキャラだし、お前も字数稼ぎか。
俺は視界からウザいのが居なくなるまで耳栓をしていた。
「次……」
「では次、幸逆、やれ。」
「はい。」
俺は返事をしてみんなの前に立つ。
視線が俺に集まる。
正直千冬さんの弟として知られている一夏への注目度の方が高く、
俺に対する視線はそこまでではなかった。
だがこうして集まってくると……
うぐ、やっぱり緊張するものだ。
「俺の名前は幸逆紅侍です。
中学までは野球をしていました。
ISが昔から好きで、今は乗ることが楽しくて仕方ありません。」
怖い目にもあったが、やっぱりロボットは最高だった。
だからISに乗れる喜びが今の俺の全てと言えた。
「一年間よろしくお願いします。」
なんとかなったっと信じたい。
一夏ほどではないが拍手が送られる。
ホッとしながら俺は席に戻る。
『じーくん、束さんはうれしいよ。』
『どうしてですか?』
『ISを純粋に好きな人はこの世界に少ないからね。』
スポーツとしてならともかく、
軍事的に脅威となるISは嫌われているのも無理はない。
『むしろ束さんが作ってくれたことに俺は感謝してますよ。』
これは俺の本心に近い。
転生とか色々面倒な事情抱えているから100%本音ではないが。
『なら、眼鏡ともどもシャドウを大切にしてあげてね。』
『はい。』
それにしても今眼鏡関係あったか?
やけに強調するな。
「次、篠ノ之、やれ。」
「篠ノ之箒です。
剣道をやっています。」
それで箒の自己紹介は終わった。
短くあっさりとした挨拶だが、彼女の性格は伝わった気がする。
『箒ちゃん、箒ちゃん、箒ちゃん。』
とりあえずスルーした。
「あの……」
生徒の一人が手を挙げる。
「もしかして篠ノ之博士の妹さんですか?」
『もっちろん、
箒ちゃんはこの私の妹なのだよ。』
「その通りだ。」
箒の代わりに千冬さんが答えた。
また騒がしくなった。
もちろん耳栓はしていた。
だが箒が何かを叫んで辺りが静かになったことは分かった。
それと束さんが静かになったのも。
「次、オルコット。」
「はい。」
「セシリア・オルコットです。
イギリス国代表候補ですから
そのつもりで接してください。」
ビシっとポーズを取った。
こいつも短い挨拶だったが、自信家なのはよぉく分かった。
一夏ってすごいね。
あれが改心するんだから。
「最後だな。夜竹。」
おっ、ようやく終わりか。
クラスは30人前後、半分くらいが日本人だったな。
確か原作もこんなもんだった気がする。
「はい。」
俺の隣の子が席を立つ。
夜竹ってたしかラウラにひどい紹介された人だっけ?
「夜竹さゆかです。
趣味は野球観戦で、
好きな球団は大神ホッパーズです。
後はえーっと……
好きな食べ物はカレーです!」
おぉ、さすがにここでも特徴ありませんとは挨拶しなかったか。
にしても俺と好みかぶってるな。
野球観戦はともかく、好きな球団までかぶるとは。
それにカレーは俺も好きだ。
隣だし、仲良くできるかもな。
さすがに一夏しか友達がいないというのは厳しい。
専用機持ちはどうせ一夏を好きになるんだろうし。
あれ?
キューピッドという設定の俺は阻止した方がいいのかな?
それは一旦おいておくとして
「よろしくお願いします。」
そう言うと彼女はゆっくりと席に戻り始めた。
途中俺と目が合うと、俺に向かって微笑んだ。
……IS学園の生徒って皆可愛いよね。
いや考えないようにしてたんだけどさ。
ちなみに小学校、中学校は前世とそんなに変わらない顔面偏差値だった。
「よし、一通り終わったな。では一旦休憩を取る。
15分後に再開するからそれまでに席についていること、いいな。」
さて休み時間ですか。一夏のとこに挨拶に行くとしますかね。
俺は席を立った。
一夏も俺の所に来ようとしていたらしく、一夏が振り返った所で目があった。
とりあえず俺の方が既に立っていたので俺が一夏の席に向かった。
俺は一夏の前に立って、
「これからよろしく、織斑君」
そう言って手を伸ばした。
俺の手を受け取って握手した一夏は、
「ああ、よろしくな。」
そう言って笑顔で答えた。
はい、イケメンです。
「俺のことは一夏でいいよ。」
そしてフレンドリー。
「じゃあ俺のことも紅侍で頼む。」
「ちょっといいか。」
このタイミングで箒が割り込んできた。
「ちょっと一夏を借りたい。」
「構わないよ。」
キューピットの俺としては、ここは譲るべきなんだろう。
予想より短いファーストコンタクトだけど仕方ない。
俺はやることがなくなって席に座った。
どうしようか。
教科書でも見てるか?
でも一夏が居なくなったことで集まる視線が辛い。
えぇい話したないなら話しかけろ。
おれはやけくそになって隣の女性に話しかけようとした。
ただ、
「ちょっといいかしら。」
その前に
話したいなら話せって思った手前仕方ない。
「何?」
「まあ、この私が話しているというのにその態度はなんですの。」
媚びた態度をとる男が嫌いなくせに。
どういう態度とれってんだよ。
「イギリス国家代表候補生、セシリア・オルコットさん。
およそ三年前程度から代表候補生になり、IS適正A+。
BT適正が最高であることから、
専用機ブルーティアーズを渡されている。」
面倒だからセシリアさんが言いそうなことを全部言ってやった。
一瞬意外そうな顔をしたが、それから嘲笑すると、
「それだけ分かっているのに、その態度ということなら、
あなたには持っている知識を使う脳もないんですね。」
と続けた。
喧嘩を始めたいのか?と正直思ったが、
前日絞られて疲れている俺はそれに乗る気もしなかった。
「そうだね、俺にはその脳がないんじゃないかな。
じゃあどういう態度を取ればいいか教えてくれるか?」
あれ?これも喧嘩腰か?
「それくらい自分で考えなさいな。」
セシリアさんはそう言ってきた。
「考える事ができるなら最初から相応しい態度を取ってるはずだろ?
それを言い出したのは君じゃないか。」
俺は反論する。
ここまで来ると俺の目的は休み時間を消費することだった。
「情けない。教えを乞うことしかできないのですね。」
鼻で笑われた。
「よし、分かった。自分で考えて行動することにするよ。」
教室の空気がピリピリし始めたので俺は立ち上がった。
ゆっくりと廊下側の一番後ろの席に向かう。
「華蛇さん、何かやって欲しい事ある?」
櫻と呼んでいいと言われているけれど、周りから見れば一応初対面のはずだしな。
櫻は一瞬戸惑ってから、すぐ笑顔になってこう言った。
「あそこで顔を真っ赤にしているオルコットさんを笑わせてあげて。」
おぉ、何たる無理ゲー。
俺がセシリアさんを怒らせたのに、その俺に消火しろというのか。
セシリアさんが怒った理由は単純である。
俺が
つまりこれはお前より偉いやつがいるから、
媚び売るにしてもそっちに売ってやるよということである。
そんな過ぎたことはどうでもいいとしてどうしようか?
うーん、博打に出るか。
俺はセシリアさんに近づき、
妙にしわがれた声で言った。
「はりぃいいぽったぁあ。」
どうだ!ハリー・ポッ○ーのドビーの物まねだ。
これならイギリス人にも通じるギャグだ。
セシリアさんはポカーンとしていた。
周りはシーンと静まり返った。
あれ?この世界にも○リー・ポッターあったよな?
後ろを振り返ると櫻は笑顔のままだった。
前を向くと教室に戻ってきた一夏と目が合った。
教室の異様な雰囲気のせいだろうか、一夏は不思議そうな顔をしている。
俺は全力で笑顔を作って、
「ほら、もうそろそろ15分経つ。
席にすわっておこうぜ。」
とりあえずその場はそれで落ち着いた。
おそらくやってしまった……。
『私は面白かったよ……?』
クロエさん、微妙なフォローやめて。
逆に落ち込むから……。
お疲れ様でした。
まず初日の設定を変えたことや紅侍がやたら耳栓したことですが、
なるべく原作と同じ文、同じ展開にしないためです。
次にクラスメートですが、今回自己紹介を省略したキャラも
原作に出ているキャラは出せれば出していきたいです。
主に原作9巻のわずかな出番しかないので
かなりオリキャラ気味になってしまったらすみません。
というかすることになると思います。
最後にドビーのものまねは実際テレビでイギリス人に対して、
やっていたのを見たことがあったので。
キャラ名のものまねなら通じなくはなさそうですが、
向うの声優(俳優?)さんも同じような声を出しているものなんでしょうか。
なおパワポケシリーズと本作は全く関与しないのであしからず。
実際の球団出すのもなんかあれだったし、
パワポケ好きなのでなんとなく出しただけです。