シャドウ   作:ゆばころッケ

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という訳で二話目もあげました。
うん、なんでこんなことになったのか自分でも分かりません。
※修正しました。
大筋は変わっていないので
一度みていただいた方はご覧にならなくても大丈夫だと思います。


第二話 俺、inIS世界

俺が俺であることをおぼろげながらも思い出したのは4歳になってからだった。

 

今俺は幸逆(こうさか)紅侍(こうじ)として生きている。

 

変な名前なのはまあ仕方ない。パラレルワールドだし。

 

織斑とか篠ノ之だって変な苗字だし。

 

うん、仕方ない。でも幸が逆って不吉な苗字だな。

 

名前にいたってはうーんどうなんだろうか。

 

そんなことはいいとして、4歳の今少し困ったことがある。

 

幼稚園がすごく苦痛ということだ。

 

見た目は子供、素顔は大人を地でいくのはかなり辛い。

 

某探偵ももしかしたらパラレルワールドでこんな苦痛を味わっているのだろうか?

 

いやいやそんな他人のことはどうでもいい。問題は今、目の前の事実だ。

 

はあ。早く大人になりたいな。

 

あっ、これ子供が思うことだ。

 

大学生だったことのある俺からすれば子供の方が良いという事実を知っている。

 

知ってるんだけどなぁ。

 

一方家はけっこういい感じだ。

 

両親は良い人だし、なんだか大人びてきた俺をあまり気にしていないようだ。

 

というよりはなんかぬけた家族で少々心配になる。

 

いつも慌ただしい。

 

ほら今朝も寝坊している。

 

仕方ないので俺が起こす。

 

「お母さん、起きて。」

 

「うーん、あと5分……。」

 

駄目だ、こいつ。早く何とかしないと。

 

仕方ない。父さんを頼ろう。

 

「お父さん、起きて。」

 

「うーん、あと10分……。」

 

お前もか。

 

というかそのセリフはどちらかというと俺が言うセリフなんじゃないだろうか。

 

「起きてよ。」

 

ドサッ。

 

最終手段で父さんのお腹に飛び込んだ。

 

「グぇ……。」

 

低い呻き声を出す。

 

「おぉ。我が愛すべき息子の抱擁でし寝るとはなんという幸せ。という訳でおやすみなさい。」

 

おい!頼むからしっかりしてくれよ……。

 

 

 

 

 

 

それから二年後ボケーっとテレビを見ていたらそれは突然やってきた。

 

そう所謂白騎士事件だ。

 

IS開発者である束がISを世間に広めるために起こした事件で、

 

後に白騎士と呼ばれることになるたった一機のISが

 

東京に向かってくる2341本のミサイルを撃ち落とすことになる。

 

原作通り一夏が高1の時の10年前なら、

 

一夏と同い年か。まあそうなるよな。

 

「かっこいいわねぇ、あのロボット……。」

 

母さんがまたずれたことを言っている。

 

でも俺もそう思ってしまった。

 

だってロボットに乗りたくって転生したぐらいだし。

 

白騎士の動きは現実離れしていてまるで映画のようだった。

 

次々と飛んでくるミサイルを切り伏せていくその姿はかっこいいとしか言い様がない。

 

初期型だからハイパーセンサーのためのバイザーをつけていて顔の見えない分、

 

正体不明の英雄といった印象を受ける。最もなにが悪かは分からないのだが。

 

ミサイルが落ちたら困る人はいるのだから、一般市民からすれば今の白騎士は英雄だ。

 

それに加えて後からやってきた世界中の軍隊も処理していく。

 

この軍隊の目的は勿論ISの捕獲あるいは撃滅だった。

 

明らかに人が乗っていると分かるにも関わらず、容赦のない攻撃がISを襲う。

 

だが、それは当然だ。

 

むしろ情けをかけているのはIS側で軍人を殺さぬよう兵器のみ破壊している。

 

「ずいぶん真剣に見ているわね。」

 

「えっ?」

 

「だってこーちゃんがそんなに真剣になったことなかったわよ。

今まで何見てもあまり興味なさそうだったのに。」

 

言われて始めて気づいた。

 

確かに転生者の記憶を取り戻してからこんなに胸がワクワクしたことはなかったろう。

 

「あれに乗れる日がいつか来るといいわね。」

 

この人は何を言っているんだろう。

 

乗るとか乗らないとかそういう問題じゃないと思うのだけど。

 

「なに鳩が豆鉄砲喰らったような顔してるのよ。いえこの場合天使が……」

 

また訳わからないこと言い出した。

 

でも母さんの言う通り、俺はいつかISに乗る。乗るはずなのだ。

 

この時から俺はISに乗るために努力を始めることにした。

 

神様も言ってたけど、俺の我儘で転生させてもらったようなものだ。

 

少しは頑張らないと……。

 

「父さんに天使が何を喰らうか相談すべきね、私一人じゃあ決められないわ。」

 

まだやってたのかよ……。

 

というか6歳の男の子に天使という表現はもういい加減やめてほしい。

 

……結局ISが夕日とともに消えていくまで俺はテレビにはりついていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あの日以来両親はIS関連の本を良く買ってくれた。

 

俺が唯一興味を示したのがISだったからだ。

 

そして今日はあれから一年、第一回モンド・グロッソの決勝の日だった。

 

俺たち家族はテレビでその中継を見ている。

 

世間がISをどの程度兵器として見ているのかは定かではないが、

 

戦争が起こっていない限り、戦闘機をかっこいいと思う人がいるように、

 

スポーツ面でのISの人気はそれなりにあった。視聴率もかなり良いらしい。

 

『さあ、選手の入場です!Aピットから出たのは我らが日本代表織斑千冬選手だーーーー!

今日も暮桜がいかしています。よっ、日本一!』

 

やたらテンションの高い実況がその名を告げる。

 

織斑千冬、インフィニット・ストラトスの主人公織斑一夏の姉にして史上最強のIS操縦者……。

 

ここまで圧倒的な実力で勝ち進んでおり、下馬評では決勝も圧勝だろうとのこと。

 

『対するはぁぁ、イギリス代表!!ガーティー・ムーア!!!!!

身に着けるISメイル・シュトロームは驚きの白さ!○ールド!』

 

俺にはどうやったらそんなに!をつけて話せるのか分からない。

 

というか○ールドとかよりも全身装甲に近いとかの方が言うべきだろ。

 

それはともかく二人とも若いなと7歳の俺は思う。

 

千冬さんは15歳、相手は18歳だ。

 

やはり発表後一年では人材はそこまで集まらなかったようだ。

 

ISが発表されたからおよそ一年という短い期間でこんな大会を開いたのは

 

世間のISに対する恐怖の緩和が目的だろう。

 

恐れられていてはIS適正の高い人を集める上で都合が悪いのだ。

 

一方でISの力をかざして男性を押しのけようとする流れも生じてきている。

 

二つは矛盾しているようだが、女権団体から言わせれば矛盾してないようだ。

 

たった一年で世界は大きな変革を見せていた。

 

『さあ、今試合が始まりましたぁぁあああぁっぁ。』

 

『おぉおおっと、織斑選手開始早々地面に降りました。これは一体どういうことなのでしょう!』

 

ISは宇宙活動を想定しているもので普通は浮いているものだから、この実況の疑問は当然だろう。

 

『はっ、イエローモンキーは木がないと高いところには居られないようですわね。(和訳)』

 

英語なのでよく分からないが、対戦相手がすごい暴言を吐いた気がする。

 

『でも安心してくださいまし。私があなたを天に昇らせてさしあげますから。(和訳)』

 

うん、とりあえず『ダイ』とか言ったのは聞こえた。

 

その暴言の後、彼女は彼女のISメイル・シュトロームの

 

唯一の武装ガトリングシュトロームで攻撃してきた。

 

シュトロームとは渦のことであり、ISの名前はこの武器から由来した名前だ。

 

ガトリングシュトロームはレーザーを無規則に乱発する武器で(一回に30本以上は出る)、

 

その発射口が渦のように見えるとか。

 

口径は50㎝でレーザーはターゲットとの距離が遠い程、

 

広く散乱する代わりに威力は低くなるという性質がある。

 

見た目は筒状でバーズカのような印象だ。

 

さてこのレーザー、回避はとても難しい一方、扱う方は扱いやすいという特徴がある。

 

イギリス代表が決勝に勝ち残った理由はここにある。

 

つまり世界大会といえどその強さはほぼ武装に頼っているのだ。

 

単純な操縦技術なら千冬さんが準決勝で戦ったイタリア代表の方がよっぽど高かっただろう。

 

試合の方は彼女が下向きに撃ったレーザーが千冬さんを襲う。

 

地面に向かって撃ったためか、レーザーの3割くらいは地面に当たり、粉塵をあげる。

 

千冬さんの姿が見えなくなったと思ったら……

 

『織斑選手、完全に回避ぃぃぃいいい。粉塵の中から垂直に飛んできました。

そして一気に距離を詰めます。伝説の瞬時加速ぅぅううううううううう!!!』

 

イグニッション・ブーストぅうううううってなんだ?

 

後第一回なのに伝説もくそもあるか。

 

この実況はともかくガトリングシュトロームには一つ弱点がある。

 

リロードが長いことだ。

 

本来なら相手がレーザー処理に戸惑っている間にリロードできるのだが、

 

こうも容易く回避されたとなると……やはりイギリス代表はリロードが終わっていなかった。

 

逃げようとするイギリス代表を千冬さんが追いかける。

 

スペックは千冬さんの方が高そうだが、距離があった分リロードの方が速いか?

 

『この勝負もらいましたわ!!(和訳)』

 

イギリス代表が砲口を千冬さんに向けた時、

 

千冬さんとガトリングシュトロームの距離は近すぎた。

 

『甘いぞ。』

 

白いエネルギーを宿した雪平の先端がガトリングシュトロームにぶつかる。

 

瞬間、ガトリングシュトロームは爆発した。

 

『なんですって!?(和訳)』

 

この時、勝負は決した。

 

第一世代しかいないこの大会ではほぼ全てのISが初期装備のみだ。

 

つまりイギリス代表には勝つ術はもうない。

 

いや最初から勝負は決まっていたのかもしれない。

 

地面に撃てばレーザーの攻撃範囲は大きくせばまることになる。

 

最初何も考えずに地面に向かって撃ったイギリス代表の作戦負けだろう。

 

『織斑選手、圧倒的力の勝利を見せつけての豪快な勝利です!!』

 

実況がこう宣言するまでそう時間はかからなかった。

 

「やっぱりこーちゃんはISが好きね。」

 

「父さんなんか夢中になっている紅侍を見るのに夢中で試合見てなかったよ。」

 

……この親は……。まぁいいんだけどさ。

 




お疲れ様でした。
メイル・シュトロームは名前だけ出てました。
よって設定を捏造しました。
後悔していますが、反省はしていません。
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