シャドウ   作:ゆばころッケ

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すみません。遅くなりました。

久しぶりの投稿なので

色々忘れてて自分でも書きにくかったです。

読む人はもっとだと思うので、やっぱり週二回は上げていきたいところなんですが。


第十七話 一夏、出番有り

LHRは終わった。

 

俺は一夏を誘おうと席を立とうとしたが、

 

今度は向うの方が早く席を立っていた。

 

その顔は少し怒っているように見えた。

 

一夏は箒のところに行ってから、俺の所に来た。

 

箒が後ろからついてきている。

 

「紅侍、昼食食べに行こうぜ。」

 

「あぁ。」

 

俺は曖昧な返事をした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺達は廊下に出た。

 

とりあえず箒に自己紹介しておいた方がいいか。

 

「えっと、箒さんだよな?

俺は幸逆紅侍だ。よろしくな。」

 

「よろしく。」

 

箒が素っ気ない返事をする。

 

そういえば一夏と箒の関係について知らない振りをする必要はないんだよな。

 

キューピッドの話をされた時は素で忘れてたけど、

 

IS業界のゴシップとかを見れば束さんと千冬さんの関係は有名な話だ。

 

そのついでで一夏と箒の話も書かれている時もあるのだ。

 

顔までは掲載されていなかったけど。

 

「それにしてもさっきのはむかついたよな。櫻を馬鹿にするなんて。」

 

俺と箒の自己紹介?が終わるとそれを見計らったように一夏が言う。

 

やっぱり怒ってたか。

 

「うむ、やつが候補生だからなんだというのか。」

 

あっ、やっぱり櫻は箒とも仲いいのね。

 

チートが留まるところを知らないぜ!!

 

しかしこう怒っている人を見ていると自分は冷静になれるもんだな。

 

よく考えればセシリアさんは国に命令されて挑発したんじゃないんだろうか。

 

なんでこんな簡単なことに気付かなかったんだろうか。

 

……千冬さんに絞られた疲れのせいにしよう。

 

「さっきのはたぶん国からの命令じゃないかな。」

 

俺はセシリアさんを庇ってみることにした。

 

「どういうことだよ?」

 

一夏が食い気味に聞いてきた。

 

「いや、だって世界に二人しかいない男性操縦者との戦闘データをとることは意味があるだろ?」

 

一夏は腑に落ちない顔をしていた。

 

「それなら普通に戦いを申し込めばいいだけじゃないか。それに櫻は関係ないだろ。」

 

やっぱり一夏はIS事情には弱いな。

 

「まあそれができれば苦労はないんだけどさ。

それに櫻はあんまり公式戦をしていないから、戦闘データが少ないんだよ。」

 

「そうなのか……。」

 

「時に紅侍、お前は櫻の知り合いなのか?」

 

箒につっこまれた。

 

俺はまたやってしまったようだ。

 

一夏の心をバシバシ読むような連中だからな。油断ならない。

 

「いや……ちょっとね。」

 

俺はてきとうにごまかした。

 

「まあ櫻は顔が広いからな。」

 

それでこの一件は一段落ついた。

 

一夏はセシリアさんの暴言に納得いってないみたいだが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんなこんなで食堂に着いた。

 

IS学園の食堂は一日三食は無料だ。

 

学生証を券売機に通すことで、食券を無料で一日三回まで手に入れられる。

 

普通にお金を払って買うこともでき、三食以外は自腹という訳だ。

 

にしてもメニューいっぱいあるな。

 

「俺は日替わりランチにしよう。」

 

一夏があっさりと決める。

 

あっ、さりげなく箒が同じものにしてる。

 

とりあえず俺は牛丼定食でいいや。

 

ほら、スタミナつきそうだし。

 

席は……

 

「おーい、こっち、こっち。」

 

見ると櫻が手を振っている。

 

そういえば彼女は廊下側の席だから混む前に食堂に着いたんだろうな。

 

「おお、席取っといてくれたのか。」

 

一夏は嬉しそうだった。

 

先頭を歩いていた一夏が櫻の隣に座る。

 

俺は正直一夏の前に座って一夏と少しでも仲良くなっておきたいが。

 

 

 

 

まあキューピッド的には箒に一夏の前を譲るべきだろう。

 

という訳で櫻の前には俺が座った。

 

「箒ちゃん、久しぶりだね。」

 

櫻が笑顔で言った。

 

「六年ぶりだな。」

 

箒はなんだか楽しそうだった。

 

「きれいになったね。」

 

「えっと、そっ、そうか?」

 

箒は顔を赤くして照れていた。

 

『さっちゃん、ナイス!さすが!』

 

いきなり通信が来るからなあ。

 

「そうだよ、ねっ一夏?」

 

おっ、キューピッド的にはありがたい支援射撃。

 

「えーと、そうだな……」

 

一夏はまじまじと箒の顔を見てから

 

「昔より大人っぽくなったよな。」

 

イケメンスマイルと一緒に言った。

 

イケメンは違うなぁ。

 

ほら、箒を見ろ。

 

ますます顔が赤くなっている。

 

俺のキューピッドの必要性ってあるのかな?

 

でも一夏があの様子じゃあなぁ。やっぱり必要か。

 

一夏の方は一切照れてないからな。

 

「そういえば櫻はさっきのむかつかなかった?」

 

一夏はまだひきずっているようだ。

 

「あんな挑発は気にしない方がいいよ。

それに猿かどうかは自分の力で証明すればいいじゃん。」

 

イケメンとかかわいい人には笑顔は必須アイテムなんすかね。

 

「そうか、俺が勝てばいいのか。」

 

一夏はやる気が出てきたらしい。

 

「櫻、ISの操縦も俺に教えてくれ。」

 

「いいよ、元からそのつもりだったし。」

 

 

……うん?

 

いや、国家代表の知り合いが居たらそれに教えを乞うのは自然だけど。

 

原作だったら一週間は箒とずっと一緒になるはずなのに。

 

案外まずいのか?

 

そんなことを考えていると、

 

「紅侍君もやる?」

 

櫻は俺も誘ってくれた。

 

非常にありがたい話だった。

 

俺は素直にうなずいた。

 

正直セシリアさんに今の実力じゃ勝てないだろう。

 

「箒ちゃんは?」

 

「参加したいのはやまやまだが訓練機はあるのか?」

 

箒一台分ならまだしも一夏の分も用意しなくちゃいけないのか。

 

「うーん、箒ちゃん一人分なら大丈夫。

国家代表のコネで三日に一回ぐらいならなんとか。」

 

あれ?

 

「俺の分は?」

 

一夏が慌てて聞く。

 

「大丈夫、一夏には専用機があるから。

倉持技研に今日中に持ってくるように言っておいたから。」

 

少し悪戯っぽい笑みで櫻が答える。

 

倉持技研にもコネを利かせたりしたんだろうか。

 

「もうできてんの?」

 

俺は思わず聞いてしまった。

 

原作知識ではセシリア戦の直前まで来ないはずだからな。

 

「できてるよ。一夏が操作できるって分かってから一か月と半も経っているんだから。」

 

たしか束さんは俺のISを10日もかけずに作ってたしな。

 

一般的には一か月もあればIS本体はある程度できるというレベルらしい。

 

でも白式も束さんが作ったはずだったから、出来てて当たり前か。

 

「おお、そうか。いやぁ良かった。訓練できなきゃ始まらないからな。」

 

その時一夏の後ろから笑い声が聞こえた。

 

 

 

 

……セシリアさんだ。

 

「あなた、私に勝つ気でいますの?」

 

そう言いながら隣に座った彼女は一夏を軽蔑しているようだった。

 

「やってみないと分からないだろ?」

 

ああ……また怒りそう。

 

俺も直接言われたらいらつくとは思うけど。

 

というかさっきはキレてたしな。

 

でも少なくとも二年以上は訓練歴に差があるからなぁ。

 

「あなたの頭ではやってみないと分からないことなんですわね。」

 

食ってかかろうとした一夏を櫻が目で止めた。

 

黙った一夏をつまらないような目で見たセシリアさんが視線を逸らす。

 

俺と目が合った。

 

「あら?あなたも居たんですの。」

 

やっぱりむかつくな。

 

今日疲れてて良かったかも。

 

疲れてなきゃ喧嘩しそうだ。

 

「居ちゃ悪い?」

 

「いえ、全く。

そういえばあなたも勝つ気でいるんですの?」

 

その目は明らかに俺を見下していた。

 

「常識的に考えれば勝てない。でもただで負ける気はない。」

 

俺はぶっきらぼうに答えた。

 

「あなたに勝負の見通しなんてつくはずありませんものね。」

 

やっぱり見下しているよな。

 

他の三人を見ると、一夏と箒は黙々と食べていた。

 

一方櫻は悪戯好きな子供を見るような目でセシリアさんを見ていた。

 

「そういえばあなたは篠ノ之の博士の妹なんですってね。」

 

全員に喧嘩を売るつもりか。

 

「妹というだけだ。」

 

箒は興味なさそうに答えた。

 

「私には何かないの?」

 

櫻は楽しそうにセシリアさんに問いかけた。

 

授業中は興味なさそうだったけどな。

 

「そうですわね、死神の鎌とやらを本当に使わなくっていいんですの?

それとも負けた時の言い訳にするつもりかしら。」

 

やはり櫻は笑顔を崩さない。

 

「勝負する上で一つ約束してもらえるかな?」

 

「なんですの?」

 

「もし勝てないと思ったらその時点で降参してね。」

 

セシリアさんが何か反論しようとした時、俺は櫻の目に違和感を覚えた。

 

「ケガさせたくないから。」

 

櫻はそう言うと、席を立ち食堂から出ていった。

 

「なあ一夏、さっきの櫻は……」

 

箒が一夏に話しかけようとする。

 

どうやら箒の目にもさっきの櫻はおかしく見えたらしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だが、箒がそれ以上言葉を続けることはなかった。

 

俺や箒以上に一夏がショックを受けているように見えたからだ。

 

セシリアさんも妙な空気を察したのかそれっきり黙り込んでしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

IS学園の初授業はIS基礎だった。

 

山田先生が気合を入れて授業をしている。

 

一夏を見ると、授業についていけているようだった。

 

そういえば櫻が一夏に教えたんだっけ。

 

「という訳でISは世界に467機しかありません。」

 

山田先生が胸を張って言う。

 

すると後ろに控えていた千冬さんが立った。

 

「山田先生、それは違う。

おい、幸逆、今世界にあるISは何機だ?」

 

わざわざ俺を指すとは……。

 

「……468機です。」

 

「その通りだ。

お前の専用機一機が新しく増えたからな。」

 

千冬さんは少し苛立ったように言った。

 

束さんに向けるべき矛先であって、俺に向けるべきものじゃないからね、それ。

 

「えぇー、専用機!」

 

クラス中が一気に騒がしくなった。

 

「増えたってことは

やっぱり幸逆君が篠ノ之博士の実験体になったって噂、本当なの!?」

 

クラス中の視線が俺に集まる。

 

『言っちゃっていいよ。

どうせちーちゃんが言うと思うし。』

 

束さんから通信が入る。

 

『分かりました。』

 

俺がそう返事をする頃には

 

「そうだ。」

 

千冬さんがばらしていた。

 

まあ別にいいんだけど。

 

「この機会にはっきりさせておくが、

このクラスで専用機を持っているのはオルコット、華蛇、幸逆……」

 

「後、織斑。今日倉持技研の方からお前の専用機も届く。

今日の放課後第3アリーナに来い。」

 

「分かりました。」

 

一夏は驚きもせずに頷いた。

 

「専用機を持っている者には実習を手伝ってもらうことになる。

諸君も覚えておくように。」

 

そういえばそうだったな。

 

俺や一夏が授業の手伝いができるかどうかは怪しいけどな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ちなみにこの後クラスがなかなか静かにならなかった。

 

山田先生は涙目になりかけていた。

 

しかし千冬さんの一喝によって一瞬で静かになった。

 

やっぱりあの人怖い。

 




お疲れ様でした。

一夏のISがギリギリまで来なかったという設定は変えました。

まあ原作設定どおりだと、セシリアさんといい勝負したのに

入試の時しか操作してないっていうのはチートですよね。

とはいっても紅侍より一夏ははるかにチートです。

食堂の設定は原作読んで、なんかはっきりとは決めていなかったようなので、

こんな設定にしてみました。
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