遅い上に短いって。
いや明日もう一話投稿するので……それでお許しを。
なんだか体中が痛いな。
俺は目をゆっくりと開けた。
「紅侍、起きたんだな。」
見ると、一夏とセシリアさんが居た。
「おはよう、一夏。」
俺は周りをキョロキョロ見回す。
ここは保健室のようだ。
どうやら俺はまた気絶したらしい。
「紅侍、大丈夫か?」
一夏が心配そうに俺に聞く。
「大丈夫だ。体が少し痛いけど、大したことないよ。」
にしたってまた気絶するとは……ISの安全性ってやっぱり信用しない方がいいな。
かといってロボットに乗りたいなんて願ったのは自分だし、こんなんで懲りるつもりはないけど。
「申し訳ありませんでした。私が光結晶なんて使ったばかりに。」
あーあ……なんか丸くなってるよ。
「いや、勝つためならなんでもやるのが当たり前だ。
それにしても光結晶なんて使ってくるとは思わなかったよ。
あれは馬鹿みたいに拡張領域喰うだろ?」
これは素直な疑問だった。
セシリアさんがモデルみたいな仕事もやっていること、
加えてイグニッションプランに関係している機体であること、
この二点のためにセシリアさんとブルーティアーズの情報は多かった。
そのため多くの武装は分かっていたのだが……。
「ああそのことですか、私のブルーティアーズはレーザー兵器を好んでいるようでして、
レーザー兵器ではあまり拡張領域を圧迫することはないですの。」
「なるほどなぁ。」
あーあ、まあそこまでは予測できないよな。
同じBT試作機だとしても、武装の好みが同じになるとは限らないから、
そんな情報はどこにも開示されないしな。
「あら、起きたの?」
保健室の先生が気づいたようだ。
「おかげ様で。」
俺は頭を下げる。
「私は何もしてないわよ。
とりあえず今日はここで安静にしてね。」
そんな大したケガじゃないけどな。
俺はよっぽど気にくわなさそうな顔をしてたらしい。
保健室の先生は付け加えるように言う。
「まあ大事があるといけないのよ。」
少し含みのある言い方だった。
世界で二人目の男性操縦者に、という意味だろうか。
「じゃあ安静にしててね。」
そういうと自分のデスクに戻っていった。
それを待っていたかのようにセシリアさんが話し出す。
「それにしても本当に幸逆さんはISに詳しいのですね。
試合でのあなたの動きは私のISについてかなりご存知のようでしたもの。」
やっぱりこういう所は鋭いな。さすが代表候補生。
「オルコットさんのISを知っているというのは
俺のわずかな勝ち目の一つだったしな。」
「そういえばあなたのISの武装は全て見たことないものでした。」
セシリアさんに一夏が続く。
「束さんなら武装まで全部作りそうだ。」
「ああ、俺のISの武装は全部束さんお手製のものだよ。」
俺は素直に答えた。
……うん?何か足りないような。
そうだ、こういう時、俺は束さんの指示を仰いでいたもんだ。
俺はここでようやく眼鏡がなくなっていることに気がついた。
「ところで俺の眼鏡知らないか?」
一夏もセシリアさんも知らない様子だった。
「地面に叩きつけられた衝撃で落ちたのかな。
探しに行きたいけど……。」
おそらく保健室の先生の先生からストップ入るな。
「俺が探してくるよ。」
一夏はすぐ言ってくれた。
やっぱり一夏は原作通り優しい人なんだな。
「頼んだ。」
ここはお言葉に甘えよう。
「私にも責任がありますし、ご一緒させていただきますわ。」
セシリアさんもすぐ反応した。
あれ?
「では行きましょう、一夏さん。」
あぁ……。一夏さんってあんた……。
二人の背中を見送りながら俺は苦笑した。
いや予想の範囲内ではあるが、さすがチョロコットさん……。
はあ、セシリアさんには負けるし、惚れるの阻止できなかったし、眼鏡なくすし、
束さんに合わせる顔がないね、こりゃ。
しばらくぼぉっとしていると保健室の扉がガラッと開いた。
さゆかだった。
「調子はどう?」
顔を傾けたため、その長い黒髪が揺れる。
「全然問題ないよ。」
「よかった。
最後シールドエネルギーが0になってからも随分と攻撃をくらっていたようだから。」
とはいってもそれは競技のルール上のものであって多少の余裕はあるものだ。
「それにしてもすごかったね。
代表候補生相手にあんなに善戦するなんて。」
「そう見えたならいいんだけど。
でもあまりシールドエネルギーは削れなかったし。」
「ネガティブになるのは私の仕事でしょ。」
「紅侍は十分すごかったよ。」
なんか褒められると恥ずかしくなってきた。
こんな時だけ自信満々に言わなくていいのに。
というかネガティブになるという自覚はあったんだ。
「ありがとう。そう言ってもらえて嬉しいよ。」
「でも事実だよ。
それはそうとお見舞いの品持ってきたんだ。」
そういうと彼女はバッグからお菓子を取り出した。
「おぉ、俺の好きなやつだ。」
「やっぱり好きだった?
前、購買でこれ買ってたから好きなのかなっと思って買ってきたんだ。」
そんなの良く覚えてるなぁ。
その後二人で見舞いのお菓子を食べた。
夕食の時間になるとさゆかは帰って行った。
夕食は保健室で一夏が持ってきてくれたものを食べることになった。
「悪い、紅侍。眼鏡見つからなかった。」
「そうか……。」
俺は内心焦っていた。
大事にしろって念を押されていたものだからな。
でも伊達眼鏡ってことになっているからあまり大袈裟に落ち込む訳にはいかない。
「探してくれてありがとうな。」
「お礼はいいよ、見つからなかったわけだし。
紅侍、代わりって訳じゃないけど何かやって欲しいことあるか?」
いきなりそんなこと言われても、
あっ、一つ思いついた。
「じゃあ一つだけ。」
「なんだ、なんでも言ってくれ。」
さっきまで少し元気なかった一夏はやや食い気味に聞いてきた。
見つからなかったこと、気にしているんだろうか。
一夏のせいではないのに。
「明日のオルコットさんとの試合勝ってくれ。」
その瞬間一夏の顔が少し引きつった。
と思ったらキリっとした顔つきになって
「ああ、約束するよ。絶対勝って見せる。」
と言った。
……こういう所がモテるんだろうか?
またしばらくした後、意外な人が来た。
「久しぶり。元気にしてたかい。」
シンさんだった。
俺のISの整備をしてくれる人で、
顔は包帯で分からないが、不思議な魅力のある人だ。
「ほら、これ」
そう言ってシンさんが投げたのは俺の眼鏡だった。
「シンさんが持ってたんですか?」
「まあそういうことだ。ちょっとこいつも見たかったもんでな。
無言で拝借したのは謝るよ。」
そう言った後、シンさんは少し笑った。
「でも大切にしてくれてるんだね、それ。
君のさっきの顔を見ればそれが良く分かるよ。」
やっぱりなんか不思議な魅力があるよなぁ、この人。
誰かに似てるんだけど、誰だっけ?
「そういえばシンさんが来たってことは
やっぱりシャドウのダメージは結構ひどいですか?」
俺は心配になって聞いた。
「うん、いや本体はそんなにダメージはないよ。それより武装がね。」
「武装ですか……。」
「あぁ、巨人刀以外完全に破壊されちゃったし、
束さんがまだ予備を星の欠片のしか用意してないらしくてね。」
まさか……
「まさかって顔してるけど、おそらくそのまさかさ。
明後日の試合、巨人刀と星の欠片だけで戦ってもらうことになる。」
マジか……。
『すみません、負けてしまいました。』
シンさんと別れた後、俺は束さんに謝った。
『まあ、こんなもんじゃない。
それにいっくんのサポートとしてはよくやってくれたよ。』
えっ?
『あのクソキンパツの方も武装の予備ほとんどないみたいだよ。
あいつが使えるのはBTとスターライトMKⅡだけだってさ。』
一夏……。
……いやこの状態が原作通りなのか……。
お疲れ様でした。
次の話ですが、一夏とセシリア戦はカットします。
……原作とかなり似てしまいそうなので。