一組のクラスメートを出してみました。
ただし、岸里、谷本、てめぇらはだめだ。
……いやおそらく作者に忘れられている岸里さんはともかく、
谷本さんには申し訳ないことを……
ほら、彼女の本番は夏だから……
今は金曜日の夕食後の自由時間。
一年一組は寮の食堂に集まって織斑一夏クラス代表就任パーティーを開いていた。
女子という生き物のこういう時の団結力は凄まじい。
主役である一夏が乗り気でないというのにパーティーは楽しげな雰囲気を醸し出している。
一方俺は隅の方で料理を食べている。
いや一夏に絡んでいってもいいけれど俺が必要とされていないのは分かっているからな。
それに
ふと気が付くと隣に箒が居た。
いやお前は一夏の傍にひっついてろよ。
「箒さんは一夏の所に行かないの?」
俺はキューピッドなんだから背中を押すぐらいはしてやらなくてはならない。
「何故私が行ってやらねばならんのだ。
大体女子に囲まれてへらへらして、情けない。」
あー、拗ねてるらしい。
どうしようかと考えあぐねていると櫻がやってきた。
「箒ちゃん、これ一夏が作ったんだって。」
櫻の手にはおいしそうな料理がある。
このパーティーは購買で調達したお菓子の他に一部が手作りした料理が並んでいるのだ。
まあ一夏へのアピールなんだろうが、
彼女達の誤算としては一夏自身料理が上手すぎることだろうか。
ちなみに俺は肉じゃがを作っておいた。
とりあえず日本食である。一夏監修の下作ったので出来は悪くないはず。
「うむ、あいつの料理は相変わらずだな。」
箒はどこか満足気に一夏の料理をほおばっていた。
「紅侍君もどう?」
「俺は一夏と一緒に料理している時に味見したから大丈夫。」
同室だし、他に食べる機会もあるだろうしな。
というか是非一夏には料理を教えて欲しい。
一夏の技術を教えてもらって、クロエさんに教えてあげたいのだ。
「そういえば櫻は作ったのか?」
思い出した、このチートさんは料理もできるんでしたね。
「私が作ったのはあそこにあるクッキーだよ。」
あっ、さっき食べたやつだ。しっとりしていて美味しかった。
後でどの商品か聞こうと思ってたのに手作りかよ。
恐るべし……チート。
「ああ、あれか。さすが櫻だな。凄く美味しかった。」
「そう、ならよかった。」
もういちいち述べないがやはり良い笑顔である。
「ちょっといい?」
そう言って話しかけてきたのは鷹月さんだった。
生真面目な性格で一週間にしてクラスから信頼されている。
一夏がクラス長に祭り上げられてはいるが、性格的にはこの人の方が向いているだろう。
それとも副クラス長とかでサポートするポジションだろうか。
「なに?」
ちなみに俺と鷹月さんの仲は普通。
互いにとって一クラスメイトであり、俺が男子であるから一目置かれているといった程度。
鷹月さんは一夏のような大衆受けの人に距離を取って、冷静に見られるタイプらしく、
一夏に熱心という訳でもない。
「あなたのISって篠ノ之博士が作ったのよね?」
「そうだよ。」
「じゃあ実際会ったの?」
何故このタイミングで聞いてきたか。
それはここが無礼講で普段聞きにくいことでも聞ける空気なのに便乗しようということなのだろうか。
「ああ、会ったよ。今でも一方的にだけど連絡してるし。」
間違っても自分からとれることは言ってはいけない。
ただISの整備、データとかの関係上、全く連絡をとっていないは嘘つきすぎる。
「どんな人だった?」
どんな人って……。
さっきから箒の視線が怖い。
というか本人に聞かれているのに本人の評価を述べろとか拷問ですか?
いや鷹月さんには分からないことだけどさ。
「身内を大切にするって言うけど、本当だったよ。
あの人は他人に冷たいんじゃなくて、他人に気遣う分も身内に使っているだけじゃないかな。」
箒さんからの視線がもっと厳しくなる。
まるでそんなことないと言わんばかりだ。
「えーと、つまり?」
「人並み、いやそれ以上の優しさはあるんじゃないかってこと。」
鷹月さんは楽しそうにこう切り返した。
なんで楽しそうなんだろうな。
「随分と高評価だね。」
「そうかな。でも悪く見る理由もないしね。
俺はISでなくともロボット全般が結構好きでね。
架空のものだったそれを実現してくれた束さんには元々感謝してるんだよ。」
何時から話を聞いていたのか、さゆかがひょっこりやってきた。
「でも女子しか操作できないこととか恨まなかったの?」
鷹月さんが少し呆れたように言う。
「そう考えるのはあなたのネガティブ思考だよ。」
いくら相手が鷹月さんだからといってもうマイナス思考のことばれてるのか。
「ええ、そうかな。私なら最初からなかった方がよかったって思うな。
変な期待を持たされるよりはよっぽどいいじゃん。
まあ紅侍は操縦できた訳だからいいのかもしれないけれど。」
実際どうなのだろうか。
俺は転生者だから操縦できると自分を信じさせていた。
でももしそうでなかったら?
「元から現実にないものだったんだ。
自分が乗れなくても目の前にあるだけでも嬉しいよ。」
その時の俺はどうも上手い演技ではなかったようで、
「もしかして幸逆君もさゆか寄り?」
なんて鷹月さんから言われてしまったのである。
あの後三人でしばらく話していたが、
鷹月さんは四十院さんに誘われて別の会話グループへと移って行った。
「紅侍は何か料理作ったの?」
さゆかに聞かれる。
「あそこにある肉じゃが。一夏監修だからたぶん美味しいとは思うけど。」
それを聞いたさゆかがいたずらっぽい笑みを浮かべる。
「おっ、ここから見える位置ですね。
もしかして評判気になってる?」
「少し……」
ばれたか。
いや俺は人に料理を出すということが滅多になかったから心配症に陥っても仕方ないんだ。
ということにしておいて欲しい。
えっ?束さん?
だってあれはクロエさんのとんでも料理を普通に食うから失敗しても問題ないし。
「そういうさゆかはどうなんだよ。」
「作ってない。
もし失敗したり、食中毒が起こったりしたらと思うと……。」
おい、それでいいのか。
っていってもさゆかはそこまで一夏に興味なさそうだし、
女子力アピールする必要はないか。
「でもそういう言い方ってことは作れるんだ?」
「少しはね。」
親指と人差し指を使ったジェスチャー付きでの返答である。
食べてみたいと思ったが、さすがに馴れ馴れしいかと思って遠慮しておいた。
「もしかして今食べてみたいとか思った?」
一週間の付き合いのせいか本気で隠そうとしていないことは大分見抜かれやすい気がする。
「まあさゆかがよければだけど。」
俺は渋々言う。
「じゃあ今度弁当交換でもしよっか。」
女子と弁当交換?
男子としてどうなのか、それは。
まあ断る理由もない。
「やってみますか。」
俺がそう返事すると、
「大丈夫、さっき紅侍の肉じゃが食べてきたけど勝てる気しなかったから。」
それさゆか的には大丈夫じゃないんじゃないかなぁ。
「そういえば織斑君は部活入らないの?」
「部活かぁ。ISで忙しいからな。紅侍は?」
俺は今一夏に巻き込まれて一夏目当ての女子との会話に混ざっている。
「俺?どうだろう、中学では野球してたけど。」
「ソフトボール部はあるよ、ちなみに私はハンドボール部!」
そう言ったのは相川さん。
俺は予測する。少なくとも既に一回は自分がハンドボール部であるとこの女は言っているだろう。
「一夏は入るとしたら剣道部だな。
白式には剣術は必要だし、訓練の場が剣道場であることも多いからな。」
ここぞとばかりに箒が出てきた。
「あら?部活というのは息抜きのためにあるものでは?」
セシリアさんが突っかかる。
あんまり派手に動かないでください。
ほら、
『あぁん、あのキンパツ、何言ってんだ。頭に蛆湧いてんのか?』
約一名が怒っています。
「それは違うと思うな。」
そう言ったのは鏡さんだった。
「確かに楽しんでやるのは重要だけど、
真剣にやるのも忘れちゃいけないと思う。」
やや控えめだが、それでいて自分の芯は譲らないそういった強さを感じる発言だった。
セシリアさんはやや面食らったようだったが、
「わたくしとしたことが、失礼しましたわ。」
素直に謝った。
一夏ハーレムは一夏のこととなると見境なくなるからな。
「紅侍は結局どうするんだよ。」
一夏は友達がそうしたから俺もそうするみたいな便乗タイプではないにしろ、
やはり二人しかいない男子の動向は気になるのだろう。
「俺は野球より、ISの方が好きだし。俺もISに専念したいかな。」
野球に関して言えば、
正直ISのために運動しておこうという不純な動機が中心だったし、見る方が好きだ。
「だよな。紅侍は俺と違って知識はあるけど、
それでも櫻やセシリアの操縦時間には及ばないもんな。」
一夏からこういう発言が出ること自体が奇跡に感じる。
櫻の指導の賜物なのだろうか。
そんなこんなで時間が過ぎ、場も落ち着いてきた所、真打がやってきた。
「はいはーい、新聞部でーす、話題の新入生が集まっている一組に取材に来ました。」
会場がまた盛り上がった。
「私は二年の黛薫子。新聞部副部長していまーす。よろしくね。」
確かに黄色いリボンだ。
一年青、三年は……赤だったか。学年によってリボンの色が違うんだよな。
「始めは話題に事欠かない織斑君!クラス代表になった感想は?」
一夏はいきなりのことに戸惑いつつも答えた。
「なった以上はがんばります。」
「えー、それじゃあ新聞に書けないよ。
『お前はもう死んでいる』くらいは言おうよ。」
今そのセリフはおかしい気がするが……。
「まあいいや、てきとーに書いとくから。」
「次、二人目の男子操縦者幸逆君。そーだなー、IS学園の感想は?」
「図書館にISの本や映像があってたくさん最高です。」
「びみょー。
『女子に囲まれて最高です』とかないの。」
えぇ……只の変態じゃないか。
「櫻はいつでも聞けるから、えーと次はセシリアちゃん。」
チートこと櫻は入学前からIS学園の施設で訓練していたらしく、
IS学園に既に知り合いの居る事は知っていたがまさかこの人とも知り合いなのか。
原作キャラ全員と知り合いとか言わないよな……?
「わたくしですか、いいでしょう。なんでもどうぞ。」
黛さんはじぃーとセシリアさんを見た後、
「あなたのコメント長くなりそうだからいいや。
後で私があなたっぽいエレガントなコメント考えといてあげる。」
「な、なっあなた、わたくしを馬鹿にしてますの?」
「いや全然。よし代わりと言ってはなんだけど、
織斑君とのツーショットとってあげる!」
「それじゃ代わりにならないだろ。」
一夏がつっこむ。
「一夏さん、それはどういう意味ですの!?」
最初、喜びで顔を赤くしていたセシリアさんは怒りで顔を赤くした。
なんだか事態が面倒なことになってるな。
「その次は一部の層のために織斑君・幸逆君の男子コンビね。」
どういう意味ですか……それ……。
「じゃあ最後は一組全員集合写真ね。
これは他のクラスのも撮っているから、よかったら後で見てね。」
という訳で全員が一か所に集まる。
「箒ちゃん、木刀持ってる?」
鷹月さんが箒に何か言っている。
「あるが、どうしたんだ。」
「ちょっと貸してもらっていい?」
「ああ、構わないが……?」
「はーい、全員こっち向いて。」
黛さんが写真を撮ろうとする。
「撮るよ、554×369÷582は?」
……554と582は近いから約369……
その時だった。
「約351.25!」
そう言いながら岸原が前面にダイビングしてきた。
どうやらどっかのテーブルの下に隠れていたようで撮る瞬間を見計らっていたようだ。
自分がセンターに踊り出る気だ。
だが、その企みは失敗に終わった。
岸原がずっこけたからだ。
「正解!」
その瞬間シャッターが押された。
後で発行された学園新聞の写真には
いい感じにこけた岸原が写っていた。
そのため最前列に居た専用機持ちの顔を隠すことはなかった。
ちなみに鷹月さんが仕掛けただろう木刀も写っていた……。
要するに岸原は木刀が原因でこけたのだ。
お疲れ様でした。
最近寒いですね。
朝起きるのが……。
家を出るのが毎回10分遅くなってます。