シャドウ   作:ゆばころッケ

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先週は投稿できずすみませんでした。

正月も投稿できなかったので

最低週一投稿のタグをはずそうかとも思いましたが、

外したら外したで自分が投稿ペースを落としそうだったので

このままつけさせてください。


武装の復習
小雨 10本のレーザーを一気に放つ銃。

直径30m、15m、5m以内のどれか一つを選び、

その範囲に散らばって放つことができる他

10本を一本化して威力重視にもできる。







第三十一話 俺と一夏 完敗

俺はピッドから出た。

 

頭痛もおさまって落ち着いてくると腹がすいてきたのだ。

 

廊下を歩いているとさゆかに会った。

 

「試合見てたよ。おめでとう。」

 

「でも俺何もしてないぜ。」

 

セシリアさんも、シリアさんも一夏が倒したからな。

 

「そんな私みたいなネガティブなこと言わないの。

シリアさんとのやり取りはすごかったよ。

見ていて私なんかじゃあもう訓練の相手にならないなって思っちゃうぐらい。」

 

そういうとさゆかは少し頭を下げて暗い顔をした。

 

「そんなことはないって。

かなり性能差があったからなんとか戦闘維持できただけで、

初めてさゆかと模擬戦した時と同じで単純な技術面じゃあ劣ってる。」

 

最近分かってきたのだが、

 

ある程度強い人と戦うと走馬灯を連発することになるので、

 

自分の下手さをごまかせる面がある。

 

「そうかな。

じゃあまた一緒に訓練してくれる?」

 

「もちろん、こっちから頼みたいぐらいだよ。」

 

俺は顔を逸らしながら答えた。

 

訓練してくれるかどうかを聞くさゆかの顔が赤くなっていて、

 

なんだかこっちまで無駄に照れてしまったからだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

食堂に着くとなにやらいつもに増して騒がしかった。

 

「号外、号外だよ。」

 

黛先輩を始めとした新聞部の面々が号外を配っているらしい。

 

俺も一枚受け取った。

 

『・一組対三組 織斑一夏、二人討ち!』

 

まあこういう見出しになるよな。

 

もう一つの見出しは……

 

『・二組対四組 生徒会長の妹 更識簪、圧勝!』

 

あれ?原作じゃあこの時期には専用機完成してないよな。

 

てっきり訓練機で出たと思っていたんだけど、写真を見る分には打鉄弐式のようだ。

 

「私は紅侍も活躍してたと思うよ。」

 

俺は引きつった顔をしていたらしい。さゆかから微妙なフォローをされた。

 

「いやそこを気にしているんじゃなくて。

こっち、四組の方。櫻だけでも相手にならないのに相方も強いのかと思って。」

 

「ああ……そっちかぁ。

簪さんもすごく上手だよ。

櫻という日本国代表がいるのに、同い年で候補生に抜擢されるぐらいだし。」

 

記事によると、48基のミサイルで一気にティナさんを潰した後、

 

櫻と二人で鈴を圧倒したらしい。

 

マルチロックオンシステムも完成しているとしたら本当に厄介だ。

 

原作で山嵐という名が与えられていたあの武装は、

 

48基のミサイルがそれぞれ独立の動きをしながら追尾してくるというもの。

 

正直手に負えない。

 

まともに全弾喰らったらそれだけで星の欠片を使い切りそうだし、

 

俺ならともかく一夏を狙われたら守り切れない。

 

これどうすればいいんだろうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「一夏、48基のミサイルだってどうする?」

 

今は一夏と箒とさゆかと食事中。

 

「どうするって……避けるとか?」

 

「確かに単調な軌道だったらそれでいいだろうけど。」

 

「そうじゃないのか?」

 

「えーと……どうだろう。

この中で四組の試合見た人は……?」

 

居る訳ないよなぁ。

 

「鈴に聞きに行くか。」

 

一夏がそう言って立ち上がりかけたのを横にいた箒が止めた。

 

「一夏、奴にも次の試合の準備があるだろう。」

 

「でも他に二組や四組の知り合いいないぜ。

まさか対戦相手の櫻から聞く訳にもいかないし。」

 

しかしどうしてこういう時に鈴はいないんだろうか。

 

いつもならいつも一夏の傍にいるのに。

 

「こんなんなら誰かクラスの人に試合の映像撮ってもらえばよかった。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あるよ、試合の映像。」

 

そう言ってひょいと出てきたのは鷹月さんだった。

 

「さすがしっかり者、神さま、仏様、鷹月さま。」

 

俺と一夏とさゆかの三人が変に盛り上がって褒めまくる。

 

「……いや普通撮っておくと思うよ。」

 

わりと冷静に返された。

 

 

 

 

 

 

 

結局山嵐(48基のミサイル)の弾道は単調なものだった。

 

通常のロックオンシステムを使っているのだろう。

 

ただ櫻の地獄の手のサポートで全弾を命中させていた。

 

「なあ、紅侍。ミサイル結局どうするんだ?」

 

地獄の手のサポートも考えると避けるというのはあきらめたらしい。

 

「一つ考えたのが条件反射でミサイルが出た瞬間に

星の欠片で簪さんを覆うって方法なんだけど。」

 

「おお、それなら内部で爆発を起こさせて自爆させられるってことか?」

 

「そうなんだけど、今言った手は相手も予測できる。

そうなるとISに反応してミサイルは起爆すると思った方が良い。」

 

「つまり?」

 

「さっき言った手を使ったとすると、ミサイルの推進力とかは

大幅に落とせるけどそれ以上は期待できない。」

 

俺は続けてぼやく。

 

「まあ推進力なければこちらに致命打は与えられないから、

星の欠片を全部使うことになってもやるしかないかな。」

 

 

 

 

 

 

 

しばらく沈黙があった後、一夏がこんなことを言い出した。

 

「なぁ、ミサイルの爆発ってエネルギーだよな?」

 

「たぶんそうじゃないのか?火だって熱と光だし、

熱ならエネルギーと考えていいからたぶん……」

 

「じゃあ零落白夜の力で無効化できないか?」

 

「いや零落白夜の光が当たる部分は防げたとしても、48基もミサイルはあるんだぞ。

防ぎきれるのか?」

 

「防ぎきれるさ。全身に零落白夜の光を纏えばいいのさ。」

 

「そんなことできるのか?」

 

「できるのかってさ、零落白夜の光は誰が出してると思ってんだよ?」

 

「まあ……白式?」

 

「そういうことだよ。」

 

そういうことなのか……?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今は試合開始直前。

 

俺、一夏、櫻、簪さんはISを纏い、試合開始を待つ。

 

『俺、あの子になにか悪い事したっけ?』

 

プライベートチャンネルで一夏が聞いてきたあの子とは目の前の簪さんのことだろう。

 

別に睨んでいるという程ではないのだが、空気が良くないのは事実だ。

 

『白式のせいで、簪さんの専用機の開発が遅れたんだよ。

開発元同じだからさ。』

 

『ああ……でも完成してるよな、あれ。』

 

『だよな。』

 

誰が完成させたのだろうか。

 

そんなこんな話をしていたら試合開始のブザーが鳴った。

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は手に小雨(レーザーレイン)を持ってレーザーを放つ。

 

裂空でもいいのだが、櫻の地獄の手のガム状の弾丸をレーザーで焼くことを考えると、

 

刃状の裂空のそれより、一本化してレーザーを太くした

小雨の方が向いていると考えたからだ。

 

櫻は少し後ろに後退しながら地獄の手を放ち、簪さんは夢現でレーザーを防ぎながら近づいていく。

 

夢現は近接型の武器だ。

 

となると当然一夏が打って出ることになる。

 

単純な剣の腕なら負けないと信じたいが、手数は相手の方が多いが……。

 

というのも春雷は手を使わず撃てるからだ。

 

サポートしたいところだが、

 

前に簪さんがいるからか地獄の手はあまり射出されていないにも関わらず、

 

俺は地獄の手を焼き払うのに精いっぱいでサポートできそうにない。

 

「春雷、撃ち落とせ。」

 

背中から出てきた二門の春雷が一夏を狙う。

 

なんとかかわしているようだが、

 

動きが制限され、集中も削がれる分、剣の打ち合いでおされている。

 

戦いを見ていて思ったのだが、

 

あれが原作でシャルがやっていた、砂漠の逃げ道(ミラージュ・デ・デザート)というやつなのだろうか。

 

超近接状態での近接射撃と間合いのある時の

近接格闘の組み合わせのことを言った表現だったと思う。

 

シャルとの違いを挙げるとしたらいちいち武装を交換しなくてもいいところだろう。

 

ラウラのワイヤーブレードもそうだが、手を使わずにすむ武器というのはやはり強いな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな感じで近接戦闘状態を続ける一夏と簪さんだったが、

 

もしこのままの状態が続くならばいつかは一夏が負ける。

 

 

 

なぜなら夢現には……

 

「俺の雪平弐型が……。」

 

超音波によって削る力があるからだ。

 

元々装甲への対応策としての超音波ではあるが、武器も破壊できてしまう。

 

あれしか武装のない一夏にとっては雪平弐型がなくなったら致命的だ。

 

それに懸念していた山嵐(48基のミサイル)も撃ってこない。

 

 

 

 

 

 

この戦いはお互いの我慢比べだ。

 

今状況は俺達が少しずつ不利になりながらも均衡状態にある。

 

優位に立つには

 

一夏が隙を見つけて零落白夜をぶち込む

 

俺が春雷を壊すなどサポートする

 

逆に不利になるケースとしては

 

地獄の手が俺あるいは一夏に当たる

 

簪さんが春雷、あるいは夢現を一夏に直接当てる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

結局俺と一夏はあのままほとんどなにもできずに雪平弐型にガタがきて負けた。

 

 

 

 

 

 

なす術もなく負けた俺達は呆然としていた。

 

「ありがとう、櫻。

あなたのおかげで……勝てた。」

 

簪さんが照れながらも嬉しそうだった。

 

「私のおかげじゃない。あなた自身の力で手に入れた勝利だよ。」

 

「……でも開発のことも、一騎打ちの状況を作ってくれたのも

櫻だから……。」

 

「じゃあ二人で手に入れた勝利だね。」

 

あーあ……久しぶりに無駄に良い笑顔を見た。

 

 

 

 

 

 

 

 

「行こうぜ、一夏。」

 

「ああ……。」

 

俺達はアリーナを後にした。

 

後で櫻から聞いた話だが、

 

櫻が最近やけに開発室に行っていたのは簪さんを手伝っていたからで、

 

試合中は、俺が一騎打ちを邪魔できない程度に櫻は手加減していたらしい。

 

山嵐を使わなかったのは確実に当てるには

 

地獄の手によるサポートが必要だったからだそうで……。

 

櫻は一夏を倒すことで、簪さんに自信をつけてもらいたかったらしい。

 

自信をつけるという意味では

 

一人で一夏を倒さないといけないから山嵐は使わずじまいだったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺達は部屋に帰った。

 

「完敗だな。」

 

一夏が呟いた。

 

「ああ、完敗だ。」

 

俺も頷く。

 

「俺、少し焦りすぎてたよ。」

 

「何にさ。」

 

「櫻に勝つこと。」

 

「勝てるわけないって言ったじゃないか。」

 

「そうだな、実際俺は簪さんにも勝てなかった。

あの人は剣技も上手だったし、あの荷電粒子砲のタイミングも絶妙だった。」

 

剣技が上手いというのはやはり対暗部の家系ということもあるのだろうか。

 

一夏は続ける。

 

「でも……俺はあきらめない。

いつか勝ってみせる。」

 

どうしてそこまで勝とうとするのか聞きたかったが、

 

やる気になっているならよしとしよう。

 

「まずは明日だな。」

 

「ああ。」

 

四組戦で完敗したからこそ、あまり走馬灯を使わずに済んだ。

 

明日は全力を出せそうだ

 




お疲れ様でした。

簪さんついに登場……なのですが、

あまり出番がなくて申し訳ないです。

というか春雷は本当に手で持たない武器なんでしょうか。

アニメ見ていないので……まあ違かったらオリジナル強化ということで……。

お願いします。

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