忙しかったといえば忙しかったのもあったのですが、
モチベーションが少し下がっていました。
ただ随分前からどう書くべきか悩んでいたことに
一つ見通しがついたのでこれからは持ち直していけたらと思います。
「二組戦頑張ってね。」
俺は口にある分を呑み込んでからさゆかに答える。
「二組が負けた三組には勝ったんだ。
負ける訳にはいかない。」
昨晩知ったことだが、昨日の午後の二組対三組戦は二組が勝ったらしい。
「ってことはもしかして鈴って、今のところ全敗?」
一夏が大量にあったご飯を平らげて会話に混ざってきた。
相変わらず朝ご飯は量多めだよなぁ……。
「そうなるな。」
「鈴のやつ、気合入れてくるだろうな……。」
「そういえば凰さんは勝気な性格なんだっけ。
ってことは意地でも勝ちにくるのかな。
紅侍達大丈夫だよね?負けないよね?」
さゆかのネガティブスイッチが入ったらしい。
試合前に心配になるようなことは言わないで欲しいと思う反面、
『紅侍達』って言い方が少し嬉しかった。
この学園で俺達二人をまとめる時に一夏より
俺を優先する人なんてさゆかしか居ないんじゃないだろうか?
「お前が心配しても仕方ないことだろう。
勝って欲しいなら応援でもすればいい。」
箒は相変わらずなんというかどっしりとしてるな。
「ああ、箒も応援してくれよ。」
はい、今日のイケメンいただきました。
箒が湯のみで赤くなった顔を隠そうとしてるよ。
「一夏、食後に一応作戦確認するぞ。
今まで作戦通りにいってないから、あくまで参考だけど気休めにはなる。」
「そんなこと言うなよ。
俺は紅侍のISの知識は信頼してるぜ。」
うっ、逆に申し訳ない気持ちになる。
三組戦ではかなり一夏に助けてもらったから、この試合で少しは役にたてばいいんだけど。
ご飯を食べ終え、席を立とうとする時、
ふと食堂の入り口に立っていた櫻と目が合った。
「櫻、今日は遅いんだな。」
櫻に気付いた一夏は駆け寄った。
「少し昨日は眠れなくてね。」
チートさんでもそんなことあるんだな。
櫻は一夏と軽く話した後、俺の方へやってきた。
笑顔で挨拶した後、彼女はすれ違いざまに小さな声で言った。
「分かっていると思うけど、一夏と二組の二人のことよろしくね。」
一夏はともかく、二組の二人って……?
俺は思わず振り返る。
櫻は普段と変わらない様子で色々な人に挨拶していた。
一体なんだって言うんだ……
試合直前、今にも爆発しそうな鈴が居た。
「一夏、よく来たわね。
悪いけど全力でいかせてもらうから。」
訓練で何回もやりあった甲龍ではあるけど、
いざ本番となるとやっぱり威圧感あるな。
本人の異常なやる気も含めてなるべく近寄りたくない。
といっても接近戦は一夏担当ではあるんだけど。
俺は専らサポートでティナさんを抑えつつ、
スキをみて龍砲、衝撃砲を放つ肩部ユニットを壊すのが役割だ。
隣のティナさんは困り顔で笑っている。
外国人の理解できない日本人の表情に、
困った時笑うっていうのがあった気もするがまあいいか。
この二人は奇策とかはしなさそうだよな。
俺は何度もイメージした試合の予想像を思い返す。
大丈夫、やれるはずだ。
試合開始のブザーが……
鳴るか鳴らないかのタイミングだった。
アリーナの遮断シールドを破った
16本のレーザーがティナさんのISを囲うように襲った。
あれは本人には避けられない。
走馬灯モードでなければ、星の欠片でのガードも間に合わない。
16本のレーザーによって、ティナさんのシールドエネルギーが一気に0になる。
ティナさんのISが古いために、多少撃たれ弱いとはいえ一気に0か……。
俺はただただ目の前の事実を受け入れながら深く後悔していた。
ペア戦とかで忘れてたが、このタイミングで干渉があったんだよな。
この世界、原作と違いすぎるんだよ。
俺は子供のように自分の失態に言い訳をした。
真っ先に動いたのは鈴だった。
かろうじてISを纏ったままのティナさんをかっさらうとピッドの方へ向かう。
しかしそこは閉じていた。
『ここから逃げられないってワケ?』
『みたいだな。』
俺はぶっきらぼうに答えた。
『私は戦えそうにないかも。』
『あんたに戦わせるつもりはないわよ。
逃げるくらいならできる?』
『さっきみたいに集中攻撃を喰らわなければ。』
『OK。十分よ。』
ティナさんをどうするかが決まったところで一夏が疑問を口にした。
『鈴、紅侍。あいつらは一体なんなんだ?』
最初の奇襲を終え、侵入してきた四機の異形のISは
まるで見下すように俺らを見下ろしていた。
いや無人機だろうから見下してはいない。
『さあ?
でも俺達にとって味方でないのは確かだ。
教師がなんとかしてくれるまで時間を稼ぐしかない。』
おそらく教師は来られないけどな。
『そうね。そうするしかない。
幸い観客は避難を始めているし、せめて逃げる時間は稼ぐわよ。』
『とにかくやるしかないんだな。』
一夏は迷いを捨てて、敵に向かい合う準備ができたようだ。
『あの熱線の威力は高い。
下手に喰らう訳にはいかないが、四対三だ。
ここは一夏と鈴はペアで行動して三体相手してくれないか。
俺は一体を相手して決着をつけ次第そっちに加勢する。』
『はあ?逆でしょ。
あんたとあたしの役割。
この中でISの操縦暦が一番長いのは私なんだから、
私が単独行動するわ。なんなら一人で二体片付けても……』
『なんとなく察していると思うけど、
俺のISは自分の危機の時のみ素早く展開することができる。
だからレーザーによる致命打はくらわない。
けど鈴に関しては操縦がいくら上手くたって乱戦になったら万が一ということもある。
だから一夏とペアを組んで互いの死角はカバーして欲しい。』
『でも……』
鈴は食い下がる。
一夏は上空をずっと睨んでいた。
『それに俺は自分の身を守れても、
一夏の身を守り切れる自信はない。
一夏を守れるのは鈴だけだ。』
『分かったわ……』
鈴はしぶしぶ答えた。
よし、折れた。
やっぱり一夏のことを言うのが一番効果的だな。
それに俺が一番心配しているのは鈴だ。
おそらくこの無人機は束さんが出したものだろう。
原作でもそうなっていたはずだし、俺は束さんの所で実物と戦ったわけだし。
いくら束さんでも俺や一夏は殺さないと信じたい。
ただ箒の恋敵として敵視すらしている鈴は分からない。
殺さないという主義はあったと思うが、半殺しとかならやるかもしれない。
そんなことを考えているとまた一夏から質問があった。
『なぁ、なんであいつらは攻めてこないんだ?』
『そういえば変ね。
何の目的で来たかは知らないけど、
あんな一撃をぶちかましておきながらなにもしてこないなんて。』
おそらく束さんが作戦をたてる時間くらいはくれたのだろう。
そういえばIS間のプライベートチャンネルは束さんに伝わるのだろうか?
だとしたら今の作戦は聞かれている訳だが、
まあどうせ戦闘になったら陣形からばれる作戦だ。
ちなみに束さんとの連絡はさっきから再三再四試しているがつながらない。
クロエさんも同様である。
『それにあのIS変じゃないか?』
『全身装甲のこと?
まあそうでなかったとしても、手が異常に長いけど。』
『いや……それもだけど、他のISと違う感じがする。
なんて言えばいいんだろう?』
よく分からないが一夏の勘は冴えてるな。
動きをある程度見た後ならともかく、
無人機は今のところ最初に放ったビーム以外はまだ何もしていないに等しい。
『機械っぽいとか?』
俺は一夏をサポートした。
さっさと無人機で明かした方が戦いやすいだろう。
『そうそう。命がないみたいだ。』
『二人とも何言ってんのよ。
ISは機械だし、命はないでしょ。』
『でも意志があるんだろ?』
『あれって無人機なんじゃないか?』
俺はとっとと答えを言う。
知らないことを想像するのは難しいが、
可能性として答えが挙げられているならば、答えにたどりつくのは簡単なはずだ。
『あんた、ISマニアなんでしょ。
無人機なんてないのは重々分かっているでしょうに。』
鈴は呆れたように言う。
『いや俺が言っているのは
ISそのものが機械っぽいって意味で……。』
俺には一夏のこの発言の意味が分からなかった。
『あんた達大丈夫?』
なんか憐れみすら感じるんだけど、その視線。
『三人とも、アリーナから脱出してください。』
山田先生から通信が入った。
それと同時に無人機から熱源反応が出ていることをシャドウが教えてくれた。
どうやら時間切れみたいだ。
『そうしたいのはやまやまですが、どうにもそういう訳にはいかないみたいです。
一夏、鈴。三体任せたからな。』
俺はそう連絡すると一体めがけて突っ込んだ。
大丈夫、俺は一度勝っている。
あの時より武装のことも分かっているし、操縦の腕だって上がった。
それに巨人刀で破壊できる程度の耐久というのも分かっている。
あの二人が無人機ということを信じてくれないなら、
無人機を目の前で切り刻んでしまえばいい。
前回俺が或る程度まで近づいたら、無人機はコマのように回転してきた。
コマのように回転されたら対処しにくい。
まず回転を始めないぎりぎりの距離に近づく。
前回強奪者で腕に絡めようとして失敗したが、
アイデアとしては悪くなかったと思う。
今回は強奪者で両腕と胴体をひとくくりにして縛り付けて
レーザーをまともな狙いで撃てないようにしてから巨人刀で切り付けることにした。
とはいえ普通に強奪者で縛り付けようとしたら失敗するだろう。
そこで紫電をフェイクに使う。
紫電は当たったら動きを止められる一夏の零落白夜に匹敵するぐらいの切り札だ。
無人機がどのような仕組みで動いているのかは知らないが、
俺と戦うことが分かっている上でなら、警戒はしているはずである。
という訳で相手の気を逸らすというだけならまさに最高の武器である。
最も警戒されるというのはそれだけ威力が高いということで、
強奪者をフェイクにして紫電を通すという考えもあるが、
強奪者は処理するだけならよけるなり、掴み返すなり、あえて喰らうなり、
いろいろな方法があるのだ。そのため動きが予想しにくい。
そうなってくると本命の紫電を当てにくいため、あまりフェイクにむかない。
一方で無人機にとって紫電は避けるしかない。
俺の星の欠片みたいに自分と直接繋がっていない盾がない限りは避けるしかないのだ。
さらにわざとど真ん中の左に少し逸らして撃てば、無人機ならば確実に左に避けるだろう。
動きがとても予測しやすいのだ。
そういった状況ならば強奪者も通りやすい。
ただこの作戦には欠点がある。
フェイクの紫電の脅威が本来程の脅威が出せないということだ。
コマのように回転してこない距離を空けなければならないということは、
距離が近くなければ効果のでにくい紫電はあまり役に立たない。
といっても実はこの点ではあまり心配していない。
というのもそれでももし当たれば少しの間動きを止められるからだ。
すると距離を楽につめることができる。
巨人刀で切られて壊れた無人機は
距離をつめられたくないだろうし、脅威にはなるはずだ。
俺は小雨を適当に放って無人機の内の一体に喧嘩を売る。
当然反撃としてくるレーザーを避けながら、
ティナさんや一夏と鈴から違う方向に誘導する。
ここら辺でいいな。
俺は小雨を腰のホルダーに収め、紫電を持つ。
紫電を構えた瞬間、レーザーが激しくなる。
やはり紫電は警戒されてると見た。
俺は紫電を左寄りに放つ。
無人機は俺の想定したように避け、
俺の想定したように強奪者を当てることができた。
俺は久しぶりにIS戦で掴んだ成功に思わずテンションが上がる。
俺は興奮したまま無人機に近づき、巨人刀で切り付ける。
腕を動かせずに反撃もできない無人機にその一撃は直撃したが、
前回と違ってそれだけでは倒せなかった。
耐久性は上がっているようだ。
俺は地面に叩きつけられた無人機に追撃を加えるため急降下する。
その途中で他三機どれかからのビームが俺を襲ったが、なんとか回避できた。
そのままトドメをさそうとした時、
俺は光に包まれた。
……こいつ自爆しやがった……
お疲れ様でした。
最後どうして走馬灯に入らなかったかは次回説明すると思います。
にしてもここ最近の話はIS戦闘か食事シーンばっかな気がします。
早くシャルやラウラを出したい気持ちもありますが、
クラス対抗戦が終わったら、一話くらい番外編はさんでからにしたいと考えてます。