シャドウ   作:ゆばころッケ

44 / 64
シャル、シャルル、シャルロットの

書き間違えが心配な回。

シャル活用形の書き違いがあったら……

すみません。




シャルル「ブリタニィィアァー。」

最初、某皇帝しか思い浮かばなくて

本当に困っていました。





第三十九話 俺 告白される

「ねえ、聞いた、あの話。」

 

「知ってる、学年別個人

トーナメントで優勝すれば、

織斑君とつきあえるんでしょ。」

 

「先輩もこの間教室に

確認にきてたし、まじっぽいよね。」

 

 

 

 

 

 

現在俺は一人で夕飯を食べている。

 

まあ偶々だ。

 

一夏と一緒だと、一夏目当ての女子が

 

多くて面倒くさいし、

 

さゆかと一緒だと、からかわれるので

 

こんなに静かに食事できたのは

 

久しぶりである。

 

とはいっても周りはガヤガヤしており、

 

今はトーナメントで優勝すれば

 

一夏とつきあえるという

 

くだらない話をしている。

 

なにがくだらないって、 

 

本人が明言していないのに、

 

そんな約束が

 

成り立つはずはないと言う点だ。

 

後学年別トーナメントなんだから、

 

先輩もOKなら

 

一夏は最大三股かけられるのか?

 

まあそんなことはともかく、

 

この噂が流れているってことは

 

原作通りの告白を箒はしたのだろうか?

 

一夏は鈍いから告白でもなんでもして

 

アピールしてもらうのは

 

大いに結構なことである。

 

キューピッド的には応援してあげたい。

 

 

 

 

「あっ、幸逆君だ。」

 

「同じ男子だし、

なにか知ってるかもしれないよ。」

 

げっ、気づかれた。

 

「幸逆君、

聞きたいことがあるんだけど。」

 

「……なに?」

 

面倒だなぁ……

 

「トーナメントで優勝すれば

一夏とつきあえるって本当?」

 

「今初めて聞いたよ。」

 

どうしようか?

 

少し修正しとくか?

 

「でもそうだね、

買い物ぐらいなら

一緒にいってくれるんじゃない?」

 

女子たちが何言ってんだ

 

こいつって顔になる。

 

頼むからその顔やめろ、地味に傷つく。

 

「私達が言っているのは

そういうことじゃなくて……」

 

少し苛立った様子だ。

 

「いや勿論分かってるけどさ、

元々誰から聞いたの?

さっきの噂?」

 

「あっ、えっと私の友達。」

 

「誰?」

 

「幸逆君の知らない人。

部活で一緒の……」

 

大体今話してる子は一組だ。

 

一夏の噂をどうして他クラスや

 

上級生から聞かねばならぬのか?

 

「一夏本人はそう言ったの?」

 

「……私に噂を話してくれた

子はそうだって……」

 

「その子の名前は?」

 

「別にいいじゃない。」

 

なんだか雲行きが怪しいぞ。

 

「その子は誰から聞いたの?」

 

「さあ?友達の友達って言ってた。」

 

どっかのホラーゲー

 

じゃないんだからさ、

 

やめようよ、こんな狭い学園で

 

その特定不能な言い方するの。

 

「まあ幸逆君が噂について

知らないならいいや。

じゃあね。」

 

なんだかこれ以上俺と話しても

 

損しかないことに気づいたらしく、

 

その女子たちは逃げるように

 

去っていった。

 

……修正失敗かな?

 

俺としては男女交際できるなんて、

 

非現実的なレベルを諦めてもらい、

 

代わりに妥協点として

 

買い物につきあってもらえる、

 

要するに1日デートを

 

提案したつもりだったのだが……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日、俺達はアリーナで特訓していた。

 

「シャルルってすごいな。

こんなに武装を速く

切り替えられるなんて。」

 

「まあ僕の取り柄は

それだけだから。それに……」 

 

俺の方をちらっと見る。

 

「紅侍の方が速いんじゃないかな?」 

 

「えっ?ああ、そんなことないって。」

 

「追いつめられた時、

すごい速さで出せるじゃないか。」

 

「でもピンチの時にしかできないから

シャルルの方がすごいよ。」

 

武装の展開の速度には

 

走馬灯に頼らずとも、

 

それなりの自信はあるが、

 

シャルにはかなり劣る。

 

俺ぐらいだと展開のために

 

隙を見つけなければならないことに

 

変わりはないのだ。

 

その点シャルはそんなの要らないから

 

走馬灯に近い動きも

 

できるんじゃないだろか。

 

「それだけじゃなくて、

自分の遠くに

展開できるのもすごいよ。」

 

なんか俺について随分と詳しいな。

 

「遠くだと時間かかるけどね。」

 

「二人ともすごいよなぁ。

俺なんか……そもそも武装ないし。」 

 

「まあ零落白夜は強いし。」

 

「どうして二次移行してないのに

ワンオフ・アビリティーが

発現しているんだろうね。

それに織斑先生と同じ……」

 

「ねえ、紅侍は篠ノ之博士から

何か聞いてないの?」

 

「全く。

あの人と白式の話

なんてしたことない。」

 

「そうなんだ。」

 

「それは考えても仕方ないさ。

早く訓練の続きしようぜ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最近の一夏が訓練しているのは

 

色々な武装を知ることだ。

 

知っているのと知らないのでは

 

対応のしやすさが全く違う。

 

その点、シャルは

 

コーチとして有能だった。

 

シャルは実際に自分が使った感想を

 

踏まえて、一夏に武装の説明ができる。

 

俺だと専用の武装しか使わないので、

 

知識としての説明しかできない。

 

櫻はどんな武装も使おうと思えば、

 

使いこなせるが、

 

天性の才能によるもので使い手の気持ちを

 

説明するのにはむかない。

 

鈴やセシリアさんの立場は

 

俺に近い感じだ。

 

また上手く伝わらなければ、

 

自分の武装を貸して一夏に使う側の

 

気持ちになってもらうこともできた。

 

本当にシャルはコーチとして有能だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「一夏ってさ、

箒から告白されたの?」

 

男子更衣室で俺は一夏に聞く。

 

前は部屋で二人きりだったが、

 

今はこういう機会しかない。

 

シャルは俺らと同じタイミングで

 

着替えるのを避けるからいない。

 

「……どこから聞いたんだ?それ。」

 

「まあ風の噂?」

 

風の噂なんて友達の友達より

 

ひどい言い方だと我ながら思った。

 

「やっぱり、あれそうだような。

最近、剣道の訓練中も

妙によそよそしいし……。」

 

「で、実際どうなんだ?」 

 

俺は真面目な口調で聞いた。

 

「……今日、俺の部屋

来てくれないか?

相談したいことがある。」

 

こっちも真面目な口調だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「シャルルはいないのか。」

 

俺は一夏の部屋につく。

 

俺が居た面影はどこにもない。

 

「後で来る……。

三人で話したいこともある。

ただその前に二人で

相談したいことがあったんでな。」

 

「俺でよければどうぞ。」

 

「その前に今から話すことは

他言無用でお願いできるか?」

 

ちょっと前だったら、

 

束さんに聞かれてしまうために

 

躊躇したかもしれないが、

 

一夏の白式からも束さんの

 

監視ができると知った今、

 

俺は開き直っていた。

 

「ああ。」

 

「ありがとう。

その相談っていうのは

箒のことなんだ。」

 

「告白されたこと?」

 

「ああ。

俺は箒が嫌いじゃない。

大切な好敵手だ。

でも……恋愛感情はきっとない。」

 

はっきりと恋愛感情はないと

 

言われてしまった。

 

俺はどうしたらいいんだろうか。

 

束さんとは連絡がつかなかった。

 

「それで一夏はどうしたいんだ?」

 

「でも断ろうとは思わないんだよ。」

 

俺は少しむかついた。

 

「あのなぁ、じゃあつきあうのか?」

 

「いや……」 

 

「なんで断ろうとは思わないんだ?」 

 

「……きっともう失いたくないんだ。」

 

好みのタイプに一緒に

 

居てくれる人って答えてたな。

 

「一夏はさ、断ったからといって、

箒が一夏のことを嫌いになると思う?」

 

一夏は黙っていた。

 

攻め方を変えるか。

 

「一夏は好きな人いる?」

 

「……分からない。」

 

「じゃあ鈴でいいや。

例えば一夏が鈴に告白したとする。

それで断られた。

だからって縁をきるか?」

 

「きらない。

というか鈴はきらなかった。」

 

……

 

「一夏って隠し事とか

できそうにないな。」

 

俺は思わず笑ってしまった。

 

「な、なんだよ。

笑うのはいくら

なんでもひどくないか。」

 

「いやいや、鈴にも告白されたの?」

 

「えっ?なんでそれを知って……」

 

「だってさっき

『鈴はきらなかった』って

言ったじゃん。」

 

俺はまた笑った。

 

何がおかしいのか分からないが、

 

おかしくて仕方なかった。

 

「あっ……」

 

一夏は顔を赤くした。

 

その赤は恥ずかしさだけではなかった。

 

どうにも箒よりは鈴の方が 

 

恋愛感情に近い何かがあるらしい。

 

「ちなみに鈴も断った理由は?」

 

「鈴曰く、俺が櫻を好きだかららしい。」

 

……これ箒に勝ち目あるの?

 

「一夏曰くは?」

 

「……本当に愛してると

言える自信がなかったから。」

 

ふーん……

 

本当に愛してるか……

 

「ちなみに櫻のことはどうなんだ?」

 

一夏は息を深く吸った。

 

そして全部はきだすように、

 

でも弱々しく言った。

 

「……きっと好きだった。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そこで一夏の相談は終わった。

 

シャルが夕食から帰ってきたからだ。

 

「もしかしてまだ相談中だった?」

 

シャルは心配そうな顔をする。

 

僕、また出ていこうか?って

 

言いそうな勢いだ。

 

「いや、もう大丈夫だ。

ありがとな、紅侍。

相談にのってくれて。」

 

「本当にもういいのか?」

 

俺がこう聞いたのは

 

俺が言わなければならないことが

 

ある気がしたからだ。

 

「僕に遠慮しなくていいよ。」

 

シャルは困った顔をしている。

 

「いいんだよ、

それにこれから

話すことの方が大事なんだから。」

 

そいつはダウトだ。

 

一夏が他人に優しいのは知っているが、

 

いくらなんでもこれから話すことの方が、

 

大事なんていうのは箒、鈴、櫻に失礼だ。

 

しかし一夏がいいと言うなら

 

俺がシャルを追い出すのは

 

できない気がした。

 

気がしただけだ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「じゃあ聞かせてくれ。

三人で話したいことってやつを。」

 

「じゃあ、シャルル。頼む。」

 

一夏がそう言うと、シャルは頷いた。

 

想像はしていた。

 

「僕は実は女なんだ。

本当の名前は

シャルロット・デュノア。」

 

「驚かないのか?」

 

一夏が驚いた顔で俺に聞く。

 

いや、お前が驚いた顔してどうすんだよ。

 

「だって、シャルル……

じゃなかった。シャルロットって、

デュノア社長の子供だろ?

俺だったら、

大々的に広告塔として使うよ。

でもシャルロットの存在は

未公開だった。

だから女性なのかな?って

なんとなくは思ってたから。」

 

デュノア社……

 

IS 業界では名の知れた会社だ。

 

有名所はラファール・リヴァイブだろう。

 

だが第三世代型のIS が開発できず、

 

おちぶれてきている。

 

「ああ……そうだよね。」

 

シャルは落ちこんているようだった。

 

「なあ、紅侍。

シャルロットの話を

聞いてやってくれないか?」

 

「シャルロットは話したいの?」

 

「……できればしたくないかな……」

 

それはそうだろう。

 

あんな話、俺だったらしたくない。

 

「じゃあいいよ、しなくても。

で、シャルロットは

これからどうしたいの?」

 

「……僕はここに居たい。」

 

シャルは一夏をちらっと

 

見てから言った。 

 

少しだけ頬が赤かった。

 

うん、またライバルが増えたね、箒……

 

「分かった。

じゃあ俺はシャルロットが

女子というのを隠すのを

手伝えばいいのかな?」

 

「……ありがとう。

本当は拒絶されるんじゃないかって

心配だったんだ。」

 

まあそうだろうな。

 

まだ転入して二週間は経っていない。

 

俺とそんなに仲良い訳じゃないしな。

 

「紅侍、俺からもありがとう。」  

 

「いえいえ、

礼を言われるようなことじゃないよ。

たぶんシャルロットが

悪いんじゃないだろうし。」

 

まあ原作から

 

大体の事情は知ってるしなぁ。

 

それに……いや考えるのはよそう。

 

 

その後三人で色々と

 

注意すべきことを確認して部屋を出た。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『じーくん、部屋に戻る前に

話したいことがあるから

ちょっといいかな?』

 

束さんから通信が入る。

 

『はい、

じゃあ人のいない場所に移動しますね。』

 

通信しすぎるとどうにも、

 

変にぼうっとしているように見えるので、

 

長い通信は人のいないところでする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『じーくん、

今日のやりとりは

ちょっといただけなかったかな。』

 

おそらく箒と一夏の関係のことだろう。

 

『……でも一夏のために一番重要で、

言うべきことは言いませんでしたよ。』

 

『そうだね、

でもあの男装女が

来なかったら言ってたんじゃない?』

 

『たらればの話をしても

仕方ないですよ。

俺は言わなかった。

大事なのはそこじゃありませんか?』

 

『束さんとしては、

機会があればじーくんが

言ってしまうのではないかと

心配なのだよ。』

 

『ははは……。

ご安心ください。

ついこの間束さんの

言うことを信じようと

思ったばかりですので。

わざわざ念押しされたなら

言いませんよ。』

 

『ふーん。

後さ、どうして男装女を庇ったのさ。

あそこでじーくんが

怒っていれば男装女は

追い出せたよ。』

 

『かもしれません。

しかし追い出すことに

意味がありますか?』

 

『いっくんがあいつを女と知った以上、

追い出した方がいいよ。

それにじーくんも気づいてるよね?』

 

『……はい。

シャルロットは間違いなく

一夏のことが好きでしょう。』

 

『そういうこと。

元々男装なんてするやつだから、

どんな手をとるか

分かったもんじゃない。』

 

『……追い出せば、

きっと一夏は俺を嫌っていましたよ。

さっきの話を聞くに、

一夏は失うことを極端に恐れている。

シャルロットにも既に

仲間意識が芽生えているようですし。』

 

『そんなことないよ。

今ならじーくんの方が

男装女より大切なはずなんだから。』

 

『でも一夏を傷つけますよ?』

 

『私を信じるんじゃなかったの?』

 

『……信じてますよ。

でもあなたはこういう件の

対応に自信がないのでは?』

 

『……』

 

『いつも、箒がからむ

重要な話になると、

通信が途絶えますよね。』

 

『……もういいよ。

じーくんの好きなようにすれば?』

 

『ありがとうございます。』

 

 

 

 

 

『じゃあ通信切りますね。』

 

『最後に一つ、質問。』

 

『なんでしょうか?』

 

『じーくんは裏切られるのが

嫌いじゃないの?

あの男装女は……』

 

『強いて言うならシャルロットは

一夏を騙していたんじゃないですか?』

 

『ということはあいつには

裏切られたと思ってないわけだね。』

 

『はい。

まあ女性って知ってましたし。』

 

『ふーん、ならいいや。』

 

 

なにか満足気だった。

 

『じゃあー ねー』

 

通信は切れた。

 

 

 

 

 

  

 

 

 

 

その後、俺は泣いた。

 

裏切ったのは俺だ。

 

俺は一夏を裏切った。

 

俺は言うべきだった。

 

櫻も一夏を好きだったことを。

 

そうすれば二人は

 

分かりあえたかもしれない。

 

でも言わなかった。

 

何のために?

 

誰のために?

 

俺には分からなかった。

 

俺を信頼して相談してくれた

 

一夏を裏切ってまで……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は気づいていなかった。

 

人気のないこの場所には先客がいて、

 

俺を見ていたことを……

 

そして彼女もまた泣いていたことを……

 

 




お疲れ様でした。

タイトルは秘密を

打ち明けられる的な意味ですね。

携帯で書くと辛いので

次はパソコンが戻ってきたらにします。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。