シャドウ   作:ゆばころッケ

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すごい短いです。

まあ番外編ですし……。

なんかまた携帯投稿ですし……。

誰が得するのかも分からない

三日連続投稿ですし……。


番外編③ シャルロット 何もない

俺は書類に名前を書き終わり、

 

ようやく解放された。

 

「ただいま。」   

 

部屋には誰もいなかった。

 

あれ?シャルルは?

 

すると水の音が聞こえてくる。  

 

「あぁ、シャワーか。」

 

俺は合点がいき、テーブルに座った。

 

見るとテーブルの上に 

 

替えのシャンプーがある。

 

あれ?シャルルは忘れたのか。

 

よし、届けよう。

 

シャワールームの前にある

 

脱衣所に置いとけばいいだろう。

 

俺は脱衣所のドアを開けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目の前にいたのは、

 

金髪の美しい女性だった。

 

あれ?俺、部屋間違えたかな。

 

俺は静かにドアを閉じた。

 

 

 

 

……というか裸だった。

 

裸……はだかぁああああ!?

 

これはやばい……。

 

待て、落ち着け。

 

そうだ、自首しよう。

 

勘違いとはいえ、女性の部屋に入って、

 

裸まで見てしまったのだ。

 

ごめん、

 

千冬姉、鈴、箒、

 

紅侍、セシリア、シャルル……

 

俺、もうお前らと居られないよ……。

 

そしてさ

 

 

 

 

 

 

 

 

俺はフラフラしながら部屋を出た。

 

部屋番号を見る。

 

1025室だ。

 

あれ?

 

合っている……?

 

俺はもう一度ドアを開けて中に入る。

 

ドアが開くした音がした。

 

脱衣所だ。

 

俺は反射的にそちらを見る。

 

「一夏……。」

 

シャルルの声だ。

 

目の前にいるのは女子だ。

 

そしてシャルルだ。

 

シャルルは男子だ。

 

この三つは同時には成り立たない。

 

一つが間違っている。

 

女子であること。

 

これは正しい。

 

さっき裸を見た時、

 

間違いなく胸があった。

 

今もあるし。

 

シャルルであること。

 

これも正しい。

 

声は同じだし、顔も間違いない。

 

シャルルは男子であること。

 

……

 

もしかして……

 

「シャルルって女性なのか……?」

 

彼いや彼女は小さく頷いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺も、おそらく彼女も

 

何を話していいか分からなかった。

 

互いのベッドに座り見つめ合ったまま、

 

一時間ぐらい過ぎただろうか。

 

「あ、あの。」

 

二人同時にはなしかけようとした。

 

また沈黙。

 

「一夏からどうぞ。」

 

シャルルがしばらくして言った。

 

なんとなく遠慮がちな所は

 

やはりシャルルなんだろう。 

 

「なあ、どうして男装してたんだ?」

 

「それは……」

 

シャルルはぽつぽつと話した。

 

そして俺は知った。

 

彼女がデュノア社の社長と

 

その愛人の子であり、

 

ひどい扱いを受けていることを。

 

デュノア社は経済的に

 

危機に陥っていることを。

 

シャルルに白式のデータを

 

盗ませて新しいIS を

 

開発しようとしていることを。

 

「……聞いてくれてありがとう。

少しだけすっきりしたよ。」

 

シャルルは笑った。

 

俺はその時思い出した。

 

あの雨の日、櫻が俺に見せた笑顔に

 

似ていた。

 

や、やめてくれ。

 

そんな笑顔を俺に見せるな。

 

俺はあの時何もできなかった。

 

きっと今回も何もできない……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その時、鈴の言葉を思い出した。

 

『一夏は昔と同じなの?

違うでしょ。』

 

そうだ。

 

俺は違う……違うんだ。

 

 

 

 

 

 

「シャルルはこれからどうするんだ?」

 

「さあどうなるんだろう。

フランスに強制送還され、

フランス政府を騙した責任を

とらされるのかな?」

 

「シャルル、

俺の言ったこと聞いてたか?」

 

「えっ……」

 

「どうなるとかどうされる

とかの話じゃないんだ。

親とか政府は関係ねぇ。

シャルルがどうしたいか

聞いてるんだ。」

 

 

俺は勢いに任せて言った。

 

シャルルはポカーンとしていた。

 

それから顔を下に向けて呟いた。

 

「でも僕にはもう

なにもないから……。

だからあの人に

命じられるままに生きてきた。」   

 

 

 

 

 

……なにもない。

 

シャルルには大切な人がいた。

 

シャルルの母親だ。

 

その人が失われたばかりに、

 

シャルルにはなにもなくなった。

 

俺はどうだ?  

 

俺は箒も千冬姉もいなくなった後

 

なにもなくなった。

 

でも鈴に会って、

 

千冬姉も帰ってきて、

 

IS学園の皆に会って……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺はシャルルを抱きしめた。

 

「シャルル、何もないなんて言うな。

そんなこと言わないでくれ。

なにもないなら、

俺がお前の何かになってやる。」

 

「一夏が……?」

 

「そうだ、俺が嫌なら、

紅侍でも鈴でも誰でもいい。

だから……」

 

シャルルは俺を強く抱きしめ返した。

 

「一夏がいい。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しばらくの間そうしていたと思う。

 

その内、興奮が覚めてくると、

 

この状況が恥ずかしいことに気づいた。

 

後胸が当たっていることにも……。

 

「一夏?」

 

シャルルが上目遣いで俺を見てくる。

 

……

 

妙な空気が流れる。

 

「ねぇ、一夏。

さっきは何もないなんて言ったけど、

大切なもの持ってたよ。」

 

「?」

 

「私の名前。

お母さんからもらった

大切なもの……」

 

「なんて言うんだ?」

 

「シャルロット。」

 

「シャルロットか。良い名前だな。」

 

「ねぇ、呼んでよ。」

 

「シャルロット。」

 

「もう一回。」

 

「シャルロット。」

 

「ん」

 

その時シャルロットの

 

本当の笑顔が見られた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「でも、どうしようか?」

 

「何が?」

 

「これからのこと……」

 

「シャルロットはどうしたいんだ?」

 

「一夏とこの学園に居たい。」

 

シャルロットは

 

少し恥ずかしそうに言った。

 

「よし、じゃあシャルロット、

学園の特記事項の二十一項

って分かるか?」

 

シャルロットが首を傾ける。

 

「見てみろ。」

 

「一夏、これって……」

 

「そう、少なくとも

学園にいる三年間は

外的介入はない。

その三年間に何ができるか、

俺と一緒に考えていこう。」

 

シャルロットは力強く頷いた。

 

   

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あの後、一夏は

 

僕の食事を取りに行った。

 

僕は一夏に感謝している。

 

そしてきっと一夏のことが好きだ。

 

一夏はどうなんだろう?

 

見ている限りじゃあ

 

少し気になっている

 

ぐらいの女子ならいそうだ。

 

僕のこともそれぐらいには

 

思ってくれているといいな。

 

 

 

 

 

ライバルは多い。

 

それもみんなとびっきりだ。

 

というか一夏は女性に好かれすぎるよ。

 

きっと私だけじゃなくて、

 

皆に優しいんだろうなぁ。

 

でも負けたくない。

 

僕にも譲れないものがある。

 

あっ、よく考えれば

 

今ってチャンスなんじゃ……。

 

同じ部屋だし……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

でもずるい気もするなぁ。

 

やっぱりずっとIS 学園に居るなら、

 

皆にも本当のこと言って、

 

正々堂々と……。

 

……でも受け入れてもらえるだろうか。

 

まずは幸逆君か……。

 

同じ男子だし、

 

協力は仰がなければならないのは

 

分かるけど……

 

僕には彼が正直分からないな。

 

彼には異常な点が多すぎる。

 

篠ノ之博士と連絡を

 

取り合っているだけじゃない。

 

まず幼少の頃からの異常な頭の良さ。

 

かといって特別IQ が高いわけではなく、

 

学習して身につけたような頭の良さだ。

 

ありえなくはないんだけれど……。

 

加えて異常な速さの展開。

 

でも限定的な状況だけ。

 

最後に遠距離への展開……

 

これは世界的にも

 

類を見ないレベルらしい。

 

目立つ点はこんなものだけれど、

 

細かい点を挙げればきりがない。

 

彼は得体が知れないから、

 

デュノア社もなるべく彼より、

 

一夏のデータを盗むよう

 

指示していたし。

 

……一夏が信頼できると

 

言ったからには信じたい。

 

だけど気をつけなくちゃ……。

 

 

 

 




お疲れ様でした。

なんか一夏のわりに積極的な気もしますが、

原作でもやけに熱くなることありますしね。




どうでもいいことですが、

「俺がお前の何かになってやる。」で

めだかボックスの阿久根君を思い出しました。

いやあれは立場が男女逆ですが。
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