シャドウ   作:ゆばころッケ

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紅侍「ついに俺にも主人公っぽいイベントが来たか。」

一夏「?」

紅侍「追い詰められて覚醒!
   どう考えても主人公!」

一夏「この作品って主人公は紅侍だけど、
   この世界の主人公は俺らしいぞ。」

紅侍「……」

一夏「……」

紅侍「ふざけるなよ。
   そんなのが許されるのか?」

一夏「作者が言うタイミング、ずっと見失ってて
   前書き書くこと思いつかなかったから
   今入れたんだと。」

紅侍「あんまりだーーーーーーーーーーーーーーー。」


第四十三話 俺 覚醒

さてなんとか箒を倒したわけだが……

 

「さあ、もうお前にまともな武装は残っていないな。」

 

ラウラの言う通りだ。

 

さっき箒を倒している間に、龍の尾は粉々になり、

 

下に逸らしたフレイルは

 

落ちていた巨人刀を狙い撃ち、真っ二つにした。

 

となると俺に残っているのは裂空と小雨しかない。

 

俺は急いで小雨の一本化をとき、

 

乱発型に変えて、牽制しながら距離を取る。

 

「そうだ、それしかお前にはない。

このフレイルの威力に耐える武装はお前には星の欠片しかない。

それも星の欠片を使い切ったら終わりだ。」

 

ただフレイルは距離を取ればそこまで怖くない。

 

スラスターを使っているとはいえ、

 

あれだけの重量の物をコントロールするのはやはり難がある。

 

距離があけばなおさらだ。

 

更に距離があけば鉄球部分を無視して、鎖を壊されるリスクが増す。

 

加えてAICによる動きの封印も距離があるとしづらいはずだ。

 

遠距離まで届きうるのはカノンぐらいだろう。

 

しかしそれだって避けられる。

 

問題は俺にも攻め手が小雨ぐらいしかないことだ。

 

とりあえずしばらくはレーザーを乱発する。

 

俺は右手にも小雨を展開した。

 

ただ小雨によるダメージなんて期待していない。

 

俺が小雨でダメージを与えようとしていると相手が考えてくれると都合がいい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺の狙いはラウラのエネルギー切れだ。

 

仕方ないから粘っこくいく。

 

正直あの装甲を貫ける武装なんてもうない。

 

でもその装甲があるってことは、

 

ISを動かすエネルギーはかかるってことだ。

 

それだけじゃない。

 

プラズマ手刀を維持するのにもエネルギーはかかるし、

 

さっきのフレイルに使ったスラスターだってエネルギーを喰う。

 

まあエネルギー切れなんて上手く行った例ないんだけど。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ラウラは瞬時加速をしてくる。

 

だが、それはピンチであるとともに、チャンスでもある。

 

というのは瞬時加速の時は直線的な動きになるからだ。

 

動きが大変予測しやすい。

 

瞬時に小雨のレーザーを一本化し、装甲がない部分を狙い撃つ。

 

予想しやすい動きとはいえ、撃つ部分が狭いので、撃ちにくい。

 

ヤマを張って、狙っていくしかない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何発か当たる。

 

そうするとさすがにエネルギーが削れる。

 

よし、いい感じだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は瞬時加速を使えないので、距離は詰められる。

 

俺の予想ではラウラはAICで動きを止めにくるだろう。

 

正直AICを使わなくても押し負けるだろうが……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ラウラはAICを使ったらしい。

 

コンディションッドリフレックで空間圧を感じた部分に

 

星の欠片を展開しAICを止める事に成功した。

 

AICは結構集中しなきゃいけないから、止められると動揺もするだろう。

 

俺はできた隙で距離をあけ、小雨のレーザーを乱発化する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ラウラの二度目の瞬時加速。

 

俺はまた一本化したレーザーを装甲のない部分に当てる。

 

「さすが篠ノ之博士の作ったISと武装だ。

でも乗り手は凡庸だな。瞬時加速もできないとは。」

 

ラウラに再び接近を許す。

 

またAICを使ってくれればいいが。

 

 

 

 

 

しかしそんな訳もなく、俺は接近戦を挑まれる。

 

俺はラウラのプラズマ手刀を紙一重で避けながら、

 

プラズマを形成している部位をレーザーで狙う。

 

乱発化した状態の小雨の威力でも破壊できるだろうから分はこちらにある。

 

そしてピンチになれば走馬灯で星の欠片でラウラを拘束して時間を稼ぐ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ラウラの四度目の瞬時加速だ。

 

いい加減エネルギーが尽きて欲しい。

 

二度目、三度目の接近戦の結果として、

 

ラウラのプラズマ手刀の破壊に成功したが、

 

二丁とも小雨は破壊されてしまった。

 

今は代わりに裂空を使っている。

 

星の欠片も結構使った。

 

後頭が痛んできた。

 

四回走馬灯に入ったからあまり無理はできない。

 

ラウラは先程まで収納していたフレイルをまた展開して俺に襲いかかる。

 

俺はなんとかよけ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

世界がスローになる。

 

鉄球のトゲが全てワイヤーブレードのようになって俺に襲いかかる。

 

星の欠片を使ってもいいが、この程度なら……

 

 

 

 

 

俺は空中に強奪者を輪のように展開。

 

のびたトゲをまとめて縛り上げた。

 

変な力がかかったことで、

 

フレイルとラウラはバランスを崩す。

 

俺は力を込めて鎖に裂空で切りかかる。

 

鎖はなんとか断ち切ったが裂空も割れて壊れてしまう。

 

強奪者の方も鎖を力ずくで止めた時、すれてしまいまともに使えそうにない。

 

とはいえラウラにもAICとカノンしかない。

 

エネルギーがない今どちらもあまり使いたくないのではないだろうか。

 

それにAICならコンディションッドリフレックで対応できる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その時だった。

 

6本のワイヤーブレードがのびてきたのは。

 

「時間がかかったな。」

 

「もしかして今まで少しずつ星の欠片を削っていたのか?」

 

「そうだ。」

 

おいおいそれにしたってタイミング良すぎるだろう。

 

ちっこれは本格的にまずい。

 

AICへのコンディションッドリフレックでのカウンタ―は

 

分かってしまえば、そこまで動揺するものでもないだろう。

 

となるとワイヤーブレードでの攻撃もからめられると……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そこからはジリ貧だった。

 

星の欠片と走馬灯でなんとか対応したが、

 

ワイヤーブレードを4本ダメにした代わりに星の欠片はなくなった。

 

「さあ、最期だ。」

 

AICによって動きを完全に止められた俺は

 

二本のワイヤーブレードでじわじわと傷つけられる。

 

そして俺のシールドエネルギーがギリギリになった時、

 

ラウラはカノンをこちらに向けた。

 

ラウラの口角が吊り上がる。

 

シールドエネルギーを貫通したダメージは俺に来る。

 

こいつ俺に怪我をさせる気だ。

 

俺を痛めつけることに喜びを感じて笑ったに違いない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

骨折ぐらいはするだろう。

 

その時俺が心配したのは骨折した時の痛みとかではなく、

 

ISに乗れなくなることだった。

 

それだけは嫌だ。

 

俺はISに乗るために転生したんだ。

 

乗れないなら殺されるのも同じだ。

 

いや三月までは乗っていなかった。

 

 

 

 

 

 

 

……でも乗り始めたら止まることはできないみたいだ。

 

なんか乗るのを邪魔されると思った途端、怒りが湧いてきた。

 

それは今まで感じたことのない程の怒りだった。

 

いくらなんでも怒りすぎな気がしたが、自分でも訳が分からなくなってくる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

更にそこに試合に勝てない悔しさも加わる。

 

いつもあと少しなんだ。

 

セシリア戦の時も、シリアさんと戦った時も……

 

でも勝てない。

 

ちくしょう、なんでだよ。

 

どうして勝てないんだ。

 

俺の何が足りないんだ。

 

勝ちたい、負けたくない。

 

ここで負けたらISに乗れない。

 

そんなの嫌だ。

 

勝つ。

 

勝つ

 

勝つ

 

 

 

 

 

 

 

 

走馬灯の中、声が聞こえた。

 

『力を貸してあげよっか?』

 

 

『シャドウには荷が重いよ。

ボクなら君の願いを叶えてあげられる。』

 

『君は誰なんだ?』

 

『ボク?本当は誰か分かってるんじゃない?』

 

『ああ……』

 

ずっと分かっていたとは思う。

 

でもどこかで考えないようにしていた。

 

知ってしまったらもう戻れないような気がしたからだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『頼んだ、デミスⅢ……』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は腕にそのISを部分展開する。

 

頭が割れるように痛い。

 

だがこの痛みはラウラに返してやるのだと思うとむしろ心地よい。

 

そして右腕を前にのばす自分を、

 

続いて、開いた手を握る様子をイメージする。

 

実際は走馬灯中だし、AICにより縛られている今こんなことはできないが……

 

 

 

絶対搾取(アブソリュートロブ)。』

 

 

 

 

 

俺は呼び出したヘビー・スモーカーを展開する。

 

辺りは煙にまかれてなにも見えなくなる。

 

ヤマダが使ったのとは違う、とびっきり濃い煙だ。

 

そして俺はシャドウを収納し、そのISを纏う。

 

 

もう誰にも見えない。

 

なにをしたって構わない。

 

その漆黒の全身装甲のISは俺の心を表しているようだ。

 

俺は今何かを壊したくてたまらない。

 

こみあげてくる笑いを抑えるのに困っている。

 

楽しくって仕方ない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『絶対搾取』

 

俺はラウラのカノンを呼び出す。

 

既に発射準備を終えていたカノンはラウラに直撃する。

 

ラウラは地面に倒される。

 

 

 

 

右手を前に伸ばし、開いた手を握っていく。

 

『絶対搾取』

 

キャプチャーチェーンを大量に呼び出す。

 

地面にラウラを縛り付ける。

 

ラウラはたくさんのエネルギーを使った。

 

もうこの量のキャプチャーチェーンを破壊できない。

 

もう後はなんでもできる。

 

ただじゃあこの試合は終わらせない。

 

 

 

 

 

 

 

 

『絶対搾取』

 

俺はプレサイスを呼び出した。

 

こいつの局部的で微弱な破壊力ではシールドエネルギーは作動しない。

 

しかし衝撃は相手に伝わる。

 

俺はラウラの首元にプレサイスを押し付ける。

 

ISがどこにプレサイスを当てればラウラを苦しめられるか教えてくれる。

 

こいつだって俺を痛めつけようとした。

 

当然の報いだ。

 

苦しめ

 

苦しめ

 

苦しめ

 

連発してやる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その時だった。

 

ラウラと目が合った。

 

その顔がクロエ……さんとかぶった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

頭の中で何か崩れた気がした。

 

俺は何をしていたんだ。

 

一体何を……。

 

うぐっ、

 

『何してるの?早くやろうよ。

それがボクとあなたの望みでしょ。』

 

声が聞こえる。

 

嫌だ、彼女を傷つけたくない。

 

俺はそのISを無理矢理収納する。

 

それはまるでしがみついてくるそれを引きはがすようだった。

 

俺は近くに落ちていた裂空の破片を掴む。

 

そして再びシャドウを展開し、裂空の破片を自分の首に押し当てた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『試合終了、勝者 篠ノ之箒、ラウラ・ボーデヴィッヒ』

 

 

 

 

 

俺は地面に倒れる。

 

頭が痛い。

 

さっき絶対搾取を使いすぎた。

 

体が言うことを聞かない。

 

首から血が流れる。

 

 

 

 

 

 

 

 

「紅侍、紅侍」

 

さゆかの声が聞こえた気がした。

 

それは本当に心配している声に思えて、なんだか嬉しかった。

 




お疲れ様でした。

少しずつ無駄にばらまいた設定を回収していきます。

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