今回の話は一話以来のIS戦闘なしです。後一番短いです。
というのも今回の話は本来なら一話使うつもりなくて、
1000字くらいで済ませるつもりでした。
なんか書いてたら長くなったそんな感じです。
まあ他の方に比べたらいつも短いんですけどね。
読書感想文の2000字に苦戦していた自分を考えれば3000字は長いはず。
「紅侍、最近やけに緊張しているな。」
「まあ受験近いしね。」
俺は嘘を吐いた。
一度大学まで行った俺が高校受験に苦戦するはずはない。
ただし首都圏を始めとした偏差値が異常に高い高校は除くものとする。
俺はあくまで県で一番頭の良い進学校に進むだけだから余裕なのだ。
俺の県にはそこまで頭の良い高校がなかった。
ラッキー。
どうせ行かない所に労力はかけたくない。
運動?
小学、中学と野球をしていたが、最後の大会はあっさり初戦負けした。
初戦負けってヘボに聞こえるかもしれないが、
初戦に一番多くのチームが消えるんだよ、
そう、だから俺は悪くない。
「なんか別の理由な気がするんだよなぁ。」
父さんが唸っている。妙に勘がするどいんだよ。
「愛している息子のことが分からないなんて、パパも甘いわね……」
フフフと言いながら母さんが割り込んでくる。
「くっ……教えてくれ。」
「こーちゃんは高校デビューに緊張しているのよ!!」
「なっ、なんだってー!」
……違うよ。否定するのも面倒なので俺は自分の部屋は行くことにする。
「でもなんか違う気もするのよねぇ……」
そんな声が遠くから聞こえた。
俺が何に緊張しているか……。
もちろん原作にいよいよ関わるということだ。
今まではテレビとかでしかISを見なかったし、
原作キャラで見たのは千冬さんと篠ノ之束博士とセシリアさんだけだ。
セシリアさんは中学二年あたりから表向きに代表候補生としてデビューした。
原作開始三年前に両親の事故があったことを考えるとこれもほぼ原作通りだろう。
今までこの世界にいながら原作、原作と考えてきたのはまだ俺が舞台の観客席に居るからだ。
現実にあってもおよそ関わり合いのない世界にすぎなかったのだ。
しかしそれは変わるはずだ。
藍越学園の入試日……2月18日に……
その日が訪れた。
今は朝、まだ物語は始まっていない。
分かってはいるが、どうも緊張する。
とりあえず俺は学校に行くことにする。
その日はずっと集中できなかった。
入試が近いから問題演習みたいな授業だから別にいいのだけれど、
計算ミスはするし、解答欄はずれるしもうぼろぼろだ。
ああ……さっさと家に帰りたい。そしてニュースをつけて……。
帰りのホームルームが終わる。
俺は友達との会話もあまりせず、急いで帰る。
家に着き、母さんにただいまを言う。
どんなに急いでもこれを忘れちゃいけない。
忘れると母さんがすごくめんどい。
こーちゃんが不良になったなどと言い出すからだ。
そんなことはともかく俺はテレビをつける。
俺が帰ってきてすぐテレビをみることなどまずないので、
母さんは不思議そうに俺を見ている。
その画面には見知った顔が映っていた。
男のアナウンサーがやや興奮気味にニュースを伝えている。
テレビを見て俺の感情は複雑に入り乱れる。
そうか、そうかお前が織斑一夏か……。
インフィニット・ストラトスの主人公にして第一の男性IS操縦者……。
黒髪のその少年は男の俺からみてもかっこよかった。
でも顔だけなら一夏以上のイケメンはきっといるだろう。
ハーレム系主人公の一角を担うその実力は果たしてどこから来るのだろうか……。
そんなくだらないことでも考えないと気がおかしくなりそうだった。
一夏がISを動かしてから全国男性IS適正調査が始まった。
俺のいるところには一週間後に来るらしい。
ちなみに今日は20日。
正直一夏をみてから緊張とかはなくなったけど、なんだか生殺しだ。
早くISに乗りたい。
早くISで空を飛びたい。
「最近のこーちゃんはなんだか落ち着きがないわね。」
「母さん、理由が分からないのかい?」
「くっ……なんだというの?」
「今紅侍は恋しているのさ。」
「なっ、なんだってー!」
やめてくれ、その理屈だとホモになってしまう。
俺は面倒だったので自室に行こうとする。
「でもなんか違うんだよなぁ。」
そんな声が遠くから聞こえた。
自室は2階にあり、夕暮れ時には夕日が見える。
赤い夕日は綺麗だった。
小学生並の感想だが、綺麗なものは綺麗でいいのだ。
俺が下手な言葉で飾ったら何か違うものになってしまう。
「分かったわ!」
ドアの前まで両親はついてきていたようだ。
「何がだい、ママ。」
「こーちゃんの最近の異変の原因よ。……ずばり……中二病ね。」
「確かに夕日見て何かたそがれてるし……」
「でしょでしょ、もう確定よ。」
……さすがに怒りたくなったが、我慢した。
一週間経った。俺は今体育館にいる。
いつもと違う学校の体育館だ。
検査の方法はいたって簡単で、打鉄に触るだけ。
そのため一度に大量の人を検査できるので
こうして他の学校の生徒とひとまとめにして検査されている。
周りの奴らは今日何して遊ぶか話し合っている。
今日はこのまま早帰りだからなぁ……それもそうだろう。
始めの方こそ俺も乗れるかもと多くの人が期待したもんだが、
世界中で一週間調査されていて未だ一夏しか見つかっていないのだ。
さすがに期待などできないのだろう。
……俺の番はまだ来ない。早く来い来い。
「紅侍、お前もしかして乗れると思ってる?」
「乗れるわけないだろ。」
「しょうがねぇよ、こいつIS超好きだし。」
余程顔に出てたのだろうか……?
「まあ今ぐらいは夢、見させてくれよ」
「夢ねぇ……受験中だってのに迷惑じゃね?」
「お前、いつも勉強してねーじゃん。」
「あれはストレス解消なんだよ。」
そんな感じでくだらない話をしていたらいよいよ俺の番が来た。
俺の前に検査を受けた友人が落ち込んだ顔で出てきた。
その顔は複雑だった。
分かっていても期待してしまったのだろう。
「ちくしょー、だめだった。」
「なんだ、お前も期待してたのかよ。」
「期待0はさすがに無理じゃね?」
分かる、ロボットは男の夢だからね。
「君、早くしなさい。」
係りの女性が俺をせかす。
へいへい、言われなくても行きますよ。
こっちは十五年間と半年以上待っていたんだから、
いや望んでいたという意味では40年近くだ。
……今俺の夢が叶う。
目の前の打鉄は黙していた。
正直に言うと俺は恐れていた。
今まで雑誌やテレビで見てきたISと違い、直接見ているのだ。言うならば舞台袖。
あと少しでも手を伸ばせば、打鉄は俺を舞台に誘うだろう。
だがもしそうでなかったら?
神さまの言う通りでなかったら……
俺の心臓は期待と不安でつぶれそうだった。
「早く。」
催促される……。
急がなければ……
俺は半ばヤケクソになって打鉄に触った。
あの日から俺は嘘をついていた
生きてるって嘘を(←一回死んだ的な意味で)
名前も嘘(←転生前の名前的な意味で)
経歴も嘘(←転生していることを言ってない的な意味で)
嘘ばっかりだ(←見た目は子供、素顔は大人してたらたぶんこうなる)
まったく変わらない世界に飽き飽きして(←IS以外は大差ないから)
でも死って絶望で諦める事もできなくて(←そのままさすがに無理だった)
だけど手に入れた……
だから
今まで味わったことのない様々な感覚が俺に押し寄せる。
だが一番大きかったのはただ嬉しかったことだ。
今までの全てが報われた気がした。
今まで?
この十五年間……いや転生前もか……?
でも転生前の自分には……
俺は興奮のあまり周囲に気を配っていなかったようだ。
「早く降りなさい!聞こえてるでしょ!」
気がつけば係りの人が相当な声で怒鳴っていた。
あれからごたごた色々あって夕方になっていた。
明日に正式に色々するそうで今日は大したことはしていないけれど……
でもついに俺は舞台に上がった。
これから俺は……
「その楽しそうな顔気に食わないな。」
俺の背筋が凍った……
コードギアスファンの方すみませんでした。
コードギアス知らない方もごめんなさい。
なんとなく思いついたのでやりました。
ちなみにコードギアスではルルーシュが一番好きです。
こんな進展のない話だったので明日の朝また一話上げる予定です。
たぶん今日中に書き終わるとは思うのですが、
わりと大切な話の予定なのでミスのチェックをしっかりしてからあげたいので……