泉新一のいる実力至上主義の教室   作:salong

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よう実0巻が欲しい…


CとDのいざこざ

7月1日。今日はポイントが支給される日だ。みんなこの日を待ち侘びていたことだろう。しかし、何度携帯の画面を確認してもポイントは振り込まれていない。一体どういうことなのだろうか。俺たちは授業態度や生活態度で問題になるようなことは一切起こしていないし、いくらなんでもクラスポイントが0だなんてことはありえないはずだ。そう思っていると時間になり、真嶋先生が教室に入ってきた。

 

「少しトラブルがあってな。そのため、1年生へのポイントの支給が遅れている。大変申し訳ないがしばらく待ってほしい。それと今から今月のポイントについて発表する」

 

そう言って先生は筒の中から厚手の紙を取り出し、黒板に磁石で貼り付ける。

 

・Aクラス1004cp

・Bクラス663cp

・Cクラス492cp

・Dクラス87cp

 

「流石はAクラスの生徒なだけはあるな。これからもこの状態を維持していってほしい」

 

そして先生はその後、今日のことについて説明し、教室から退出していった。先生が出て行った後の生徒たちの様子からポイントの支給が遅れていることに不満を抱いていることが分かる。ずっと待っていたのだからそうなるのも無理ないが。それにしてもなぜ1年だけポイントの支給が遅れているんだ?先生は少しトラブルがあったと言っていたけど。

 

「どうして1年だけポイントの支給が遅れるのよ。わけわかんない」

 

「トラブルがあったって言ってたからとりあえず待つしかないだろ」

 

愚痴をこぼす神室を宥める。みんな一緒なんだから仕方ないことだ。

 

「でもそのトラブルって何なのかしら?」

 

「さぁな。そのうち分かるんじゃないか」

 

「そう?ならいいけど」

 

出来ればすぐに解決してくれるといいんだが。この前の件もそうだけど、犯人が早く捕まってくれないとスッキリしないからな。ただでさえ卒業するまでの3年間はここから出られないのだから。

 

 

 

やがて午前の授業が終わり、昼休みに突入したが今日は食堂には行かず、教室で食べることにした。昼食を食べ終えて一息ついた後、残りの時間を気分転換のために図書館で借りた本を外で読もうと思い、教室を出る。外にはいくつかベンチがあり、そこで本を読むつもりだった。すると早速ベンチを見つけたのだが、すでに先客がいた。その先客は女子生徒で午前の授業で疲れたのかうつ伏せになって眠ってしまっているようだ。俺は他のベンチを探そうと思い、その場から離れようとすると…

 

「泉新一」

 

突然自分の名前を呼ばれ、振り向くと先程までうつ伏せで寝ていた女子生徒が起きていた。しかも、顔をよく見ると同じクラスの生徒であることが分かった。

 

「森下、起きていたのか」

 

「いえ、あなたが来るまでは爆睡していました」

 

目を擦りながらあくびをする彼女は森下藍(もりしたあい)と言い、他人の名前をフルネームで呼ぶ癖があり、教室では一人いるところをよく見かける。

 

「ごめん、起こしちゃったか」

 

「謝る必要はありません。あなたが来たタイミングで丁度起きただけですから。それより昼休みにあなたが外にいるのは珍しいですね。一体どうしたんですか?」

 

「ちょっと気分転換に外でベンチに座って本を読もうと思ってたんだ。それで今、ベンチを見つけて座ろうと思ったら森下がいたもんだから」

 

「そうだったのですか。そういえばあなたは自己紹介の時に読書が趣味だと言っていましたね」

 

「ああ、よく覚えているな」

 

「あなたには私個人として少し興味があると言うのもあります。それに水泳の授業での圧倒的な泳ぎ、あれを見せられてあなたのことを忘れることはまずありません」

 

話を聞いていると森下は俺に興味を抱いているようで前から話してみたかったらしい。

 

「今あなたは気分転換で本を読みたいようですから雑談はまた今度にしましょう。それともし、よければ連絡先を交換してもよろしいでしょうか?」

 

「分かったよ」

 

俺たちは携帯を操作し、連絡先を交換した。

 

「これでいいだろ」

 

「ありがとうございます。ではまたこれから睡眠に入ります」

 

そう告げると、再びうつ伏せになる森下。余程眠いのだろうか。こんなやり取りをしているとミギーがよく眠っていたことを思い出す。実際今も眠っているんだが。でもそれは一時的なものではなくずっと、すなわち永遠に目を覚ますことはない眠りだ。強い衝撃や近くに仲間がいても起きることはない。だとしてもいつかまた目を覚ましてくれるんじゃないかと何度思ったことか。そんな叶うことのない願いを思いながら、俺は足を進めた。

 

 

 

___________________

 

 

 

 

次の日、ホームルームを迎えると真嶋先生から昨日のトラブルの詳細についての説明を受けた。どうやらCクラスとDクラスの生徒の間で喧嘩が起きたらしい。それを聞いて戸塚を始めとした一部の生徒は不快な顔をしていた。俺たちには関係ないが場合によってはDクラスの須藤と言う生徒は停学となり、クラスポイントの削減も行われてしまうと言う。

 

「この中に喧嘩を目撃した生徒がいるのなら名乗り出てほしい」

 

先生が目撃者がいないか確認をするが誰も手を挙げることはなかった。その後も淡々と説明を続け、ホームルームが終了すると先生は教室を後にした。

 

「何やってんだ、不良品共め!俺たちAクラスにまで迷惑掛けやがって!」

 

「落ち着け、弥彦。そんなことを言ったところで状況が変わるわけではないだろう」

 

「し、しかし葛城さん!」

 

怒りの矛先をこの場にいないCとDにぶつける戸塚。それを宥める葛城。前から思っていたが、どうしてそんな差別的なことを平気で言えるんだこいつは。

 

「喧嘩だったのね。まぁ、CやDには素行が悪い生徒が数人いるみたいだしそうなるのも時間の問題だったんじゃないかしら」

 

「本当にそうなのかな。俺としてはCクラスの連中が何かやったんじゃないかと思ってるんだけど」

 

俺はある男の顔を思い浮かべていた。

 

「何か心辺りでもあるの?」

 

「ちょっとな」

 

「全く、底辺同士の争いと言うもの程見苦しいものはないですね」

 

俺たちの会話を聞いていた坂柳が杖の音を立てて近づいてくる。

 

「なぁ、坂柳は何か知っていることはあるか?」

 

「仮に知っていたとしても教えることはありません。底辺は勝手に自滅してくれれば私たちが動く必要もなくなりますからね」

 

「そうか…」

 

坂柳からするとCとDは眼中にないようだ。

 

「はぁ…何か面白いことがあればいいのですが」

 

退屈そうにそう発言する坂柳。仮に誰か知っていたとしても助けるメリットなんかないしな。とりあえず後で椎名と綾小路に詳しいことを聞いておくか。

 

 

 

昼休み、昼食を済ませて図書館に来た俺は椎名と今回のことについて話していた。

 

「ごめんなさい。今回のことについてはあまり分からないんです。ただ、被害者は石崎君、小宮君、近藤君の3人でした」

 

「そっか、ありがとう。ごめん、本とは関係ないことを聞いて」

 

「謝らないでください。それより泉君、あれから龍園君には何もされてないですか?」

 

「大丈夫だよ。あれ以降何も手は出してきてないし」

 

今のところ龍園からは何も接触はない。あの時のことでもう懲りたんじゃないだろうか。

 

「それなら良かったです。あ、それと泉君に紹介したい本があるんですが」

 

そう言って本を見せてくる椎名。その本は俺も見たことない本であった。

 

「へぇー、こんな本があったんだ。よく見つけたね」

 

「はい。今まで探してはいたんですが中々見つからなくて…それで昨日の放課後に図書館に来たらたまたま見つけたんです。私はもう読んじゃったので泉君にも是非見てもらいたいんです」

 

「そうなんだ。凄く面白そうな本だね。じゃあ遠慮なく読ませてもらうよ」

 

「はい。ただ少し注意すべきなのは読んでいると面白すぎて時間があっという間に過ぎちゃうことです」

 

「ははっ、気をつけるよ」

 

こうして本について談笑をしたり、本を読んでいる内に昼休みは終了した。

 

 

 

午後の授業が終わり、放課後になった。俺は綾小路に今回のことを聞くために、Dクラスに向かっていた。するとその途中である生徒に声を掛けられた。

 

「あっ、そこの君。ちょっといいかな?」

 

声を掛けてきたのは爽やかでいかにも女子からモテていそうな男子生徒だった。

 

「いいけど。あのさ、もしかして今回のトラブルについてのこと?」

 

「うん、その通りだよ。僕はDクラスの平田洋介(ひらたようすけ)、よろしく。君は?」

 

「俺はAクラスの泉新一、よろしく。実は今からDクラスに向かおうとしていたところなんだ」

 

「そうなの!?ひょっとして何か知ってることがあるのかい!?」

 

「悪い、そう言うわけじゃないんだ。ただ何か協力出来ることがあればと思ってな」

 

「ありがとう!協力してくれるだけでも凄く嬉しいよ!」

 

声を高らかにして俺の手を両手で握ってくる平田。余程嬉しいんだろう。

 

「ところで平田、綾小路はまだ教室にいるのか?」

 

「綾小路君?多分まだ教室にいるんじゃないかな。あれ、綾小路君とは知り合いなの?」

 

「ああ、前に知り合ったんだ」

 

「そうなんだ。じゃあ、僕はまだ聞き込みしなくちゃいけないからまた後でね泉君」

 

「ああ、またな平田」

 

そう言って平田と一旦分かれ、Dクラスに向かう。そしてたどり着いたのだが、中を除いても綾小路の姿はなかった。もしかしてどこかで聞き込みでもしているのか?そう思い、俺は携帯を操作して電話を掛けた。

 

「もしもし、泉か。どうした?」

 

「綾小路、今どこにいるんだ?」

 

「今は櫛田と一緒で学校の外にいるんだ。堀北に須藤の件を協力してもらおうと思ったんだがだめだった。それで泉、何か用があるのか?

 

「用って言うか、今回のこと、俺にも協力させてほしいんだ。何か特別知っているわけでもないけど」

 

「そうなのか、ありがとな。今からそっちに戻るから待っていてくれ」

 

「分かった」

 

そう返事をして通話を切った。そしてそこから数十分後、綾小路と櫛田が戻ってきた。

 

「待たせたな、泉」

 

「気にするなよ」

 

「泉君、協力してくれるんだね!ありがとう!!」

 

平田と同じように両手で手を握ってくる櫛田。それにしてもこの学校は顔が整っている男女が多い気がする。

 

「それで今回のことなんだけどさ、あれってCクラスに仕組まれたことなんだろ?」

 

「ああ、そうだ。須藤を特別棟に呼び出して罠に掛けたんだ。だが、あいつにもちょっと問題があるが」

 

「やっぱりか。あいつらそんなことを…」

 

「泉はCクラスのことについて何か知ってるのか?」

 

「知ってると言うか、前にちょっとな」

 

特別棟であったことをそのまま話すわけにもいかないので少し濁すことにした。

 

「泉君、今から私たちも聞き込みしようとしてるところなんだ。堀北さんには断られちゃったけど」

 

「そうか。じゃあ今から行くか」

 

「うん、行こう」

 

その後は、Dクラスの池寛治(いけかんじ)山内春樹(やまうちはるき)を加えて他クラスに聞き込みを行ったが結局、期待出来るような情報は手に入れることが出来なかった。

 

 




今更ですが、新一の口調は原作とアニメが混ざった感じだと思ってください。
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