ありふれない紅き閃光   作:銀翼

16 / 25
ラーニングシステムのアイデアありがとうございます。

まだ募集してますのでよろしくお願いいたします!


魔窟

20階層に降りたゼロだが、まずはロックマウントを始めとした魔物を瞬く間に殲滅し、確認に入る。

 

あの時、天之河光輝が放った天翔閃の角度、威力、場所……。その他諸々を確認して今の自分にできる事……。

 

確認して、ゼロはヘッドチップをクイックチャージLV3に換装。壁蹴りを用いてとある角度まで登り、リコイルロッドを構えてフルチャージで壁の一部に向かって発動した。

 

チャージされたリコイルロッドの破壊力と突破力で、その壁の一部が破壊される。メルドの説明通りなら、その区画から現れたのが――

 

「……」

 

あの時の似非グランツ鉱石。あの時と変わらぬ輝きを放ちその存在感を示している。その似非グランツ鉱石を手にすると、またしてもゼロの予想通り、トラップの魔法陣が発動して転移の光を放ちだした。

 

本来ならば、慌てふためく光景であるが、その光景が待っていたモノであるので地面に着地したゼロはその光の中であの時と同じ転移の罠に掛かった。

 

地面から足が離れ、宙を浮く感触がゼロを襲う。そして20階層からあの時、ハジメが奈落の奥底に落下していったあの階層に転移した。

 

破壊された石橋が元通りになっていて、その中央付近にゼロがいる。

 

そして予想通り、登り側に無数の魔法陣が、下り側に一つの大きな魔法陣が浮かび上がる。

 

ゼロはチャージしながらフットチップをノーマルから、全てのフットチップの能力を複合させた最強のフットチップ「アルティメット」に変更する。

 

そしてリコイルロッドを下の方に撃ち、その反動を利用して大ジャンプ。当然石橋に亀裂が入るが落下するにはまだまだ足りないので大丈夫だ。

 

そして大ジャンプに加えて二段ジャンプを行い、頂点に到達したと同時にリコイルロッドから武器を変更する。一つはバスターショット、もう一つはゼットセイバーの鍔元に(チェーン)が付属して、攻撃力を犠牲にして敵や壁に突き刺す事でトリッキーな動き(アクション)を可能とする武器、チェーンロッド。

 

そのチェーンロッドを天井に突き刺しぶら下がると、転移魔法陣から出てくるトラウムソルジャーに対して、バスターショットの通常弾を何発か発砲。威力は低いながらもその弾はトラウムソルジャーの剣に着弾する。

 

そのトラウムソルジャーの剣は他のトラウムソルジャーに当たり、また別の剣に当たるとその別のトラウムソルジャーに当たり、を繰り返していくと同種であるが己に仇なす敵と判断したのか、同士討ちを起こしていった。トラウムソルジャーが同士討ちを行った事で後方の憂いは断った。ゼロは天井からベヒモスに向かって落下していく。

 

ベヒモスも当然落下してくるゼロに向かって反応。角に熱を持たせて赤熱させると迎撃態勢に出る。だが、ゼロはそれよりも早かった。

 

落下しながら、ゼロは己の中にあるシステムを起動すると、ヘルメットの額部分にあるクリスタル、ゼットブレインが輝き出しヘルメットやボディにある紅い色が虹色に輝き出す。

 

そして、その色が紅から虹色、そして紫に変色したと同時にパワーが根底より上昇した状態でリコイルロッドのチャージが完了。

 

フォームチェンジシステムの一つ、パワーに特化したパワーフォームだ。

 

本来ならパワーフォームよりもパワーのあるフォームであるプロトフォームが存在するが、パワー一辺倒でありその引き換えに防御能力が古びた紙よりも劣る様になり、更にチャージもバスターショットによるセミチャージショットしか放てなくなるので除外した。

 

「ハァッ!!」

 

そのチャージベヒモスの頭部の兜にパワーフォームにより破壊力と突破力が増したチャージリコイルロッドを思いきり叩き付けた。

 

「■■ッ!!」

 

頭部に重量級の相手を吹っ飛ばすほどの強い突破力を受けた事で、重量級のベヒモスの身体は更に石橋に叩き込まれる。ゼロが反動で大きく跳躍するが、先刻放ったチャージリコイルロッドで少なからずダメージを受けていた石橋は、ベヒモスの重量と上昇した破壊力と突破力によって先程よりも亀裂が広がっていき、そして――。

 

――ガラ、ガラガラガラッ!!

 

「■■■ッ!?」

 

亀裂が走り、崩れていく橋に少しでも足掻こうと橋を爪で引っ掻いて登っていこうとするがそれすら叶わず、前と全く同じようにベヒモスは奈落の奥底に落下していく。

 

そしてゼロもまた、リコイルロッドの反動が無くなるとそのまま重力に逆らわずに奈落の奥底に落下していった。

 

途中でベヒモスを見つけるが、ベヒモスはその重量故にゼロよりも落下していくのが速い。

 

「ッ!」

 

落下していくゼロだったが、途中で横から勢いよく流れて来た水によって、それに乗って流されていく事で落下の速度が僅かに緩やかになる。

 

それを利用しようとその水に乗って水路に入っていき、少しずつではあるが確実に下に降りて行く。

 

そして、ベヒモスの死骸が横たわっている最下層に到達した。真っ暗闇の中ではあるが暗視の技能でゼロの視界は真っ昼間の様に明るく見える。

 

「……」

 

ゼロはフォームチェンジを解除して、パワーフォームからバランスの取れたノーマルフォームに変更すると周囲を見遣る。

 

明らかに上層と違う、ねっとりと粘つくような空気と雰囲気がゼロの身体に纏わりつくが、こんな空気と雰囲気はゼロにとって何度も経験してきたもので特に気にしない。

 

「見つけた」

 

しかし、その雰囲気の中でゼロはある物を感じた。常人や他人の目には見えないがゼロにはしっかりと感じられるモノ。クロワールが残してくれた痕跡だ。クロワールの痕跡があるならハジメが隣にいる。その判断でゼロは痕跡を辿って歩いていく。

 

「?」

 

暫く歩いていくと、とあるモノを見つけた。後ろ脚が異常に発達したウサギ。目は普通のウサギとは違う、明らかに捕食者のような目をしている。だがそんな事はゼロには関係ない。

 

「ッ」

 

そのウサギがゼロに狙いを定めると、そのまま地面を蹴り空中に躍り出る。だがそこでそのウサギは中空を蹴り、方向転換してきた。攪乱の為にそれを繰り返していく。しかしゼロはそんなウサギに視線を向けてゼットセイバーを展開するだけで何もしない。

 

そして、そのウサギがゼロに攻撃を加えようと、ゼロに対して武器でもある強靭な後ろ脚で蹴りを仕掛けていく。だがそんな本能と殺気駄々洩れの直線的な攻撃などゼロには間違っても当たるはずも無い。

 

その蹴りが当たるよりも前に、ゼロはゼットセイバーを何の気なしに軽く振り抜いた。蹴りを仕掛けようとしたウサギの胴体はゼットセイバーの刀身に当たると何の抵抗も無く一刀の元に両断されて、物言わぬ、動かぬ骸となって慣性の法則でゼロを通り過ぎていく。

 

――ドチャッ ドチャッ

 

真っ二つに斬られたウサギは壁にぶつかり、無惨な骸を晒すがその骸が仄かに光り出し、その光り出した骸にゼロは己の手を、正確に言うと掌にあるZの文字を向けるとその光がそのZの文字に吸い込まれる。完全に吸い込まれるとゼロの電子頭脳の中に声が響く。

 

――You leaned 天駆脚(テンクキャク)

 

エアダッシュを行う。ダブルジャンプ及びダッシュジャンプの最中でも出せるが、最大の特徴は上下前後左右の方向に出来る事。チップ「シャドウダッシュ」と組み合わせるとダッシュしている最中は敵をすり抜ける事が可能

 

「ッ!」

 

ラーニングシステムが起動と捕捉を聞くと、ゼロはすぐさま身を翻す。するとゼロが先程までいた空間に鋭い斬撃が飛び、地面や壁に鋭い裂傷を刻む。

 

それをした張本人は、自身の技を察知して避けたゼロに悔し気に唸り声を上げる。ゼロはその魔物を見据える。見た通り熊だが鋭い爪辺りに空気、嫌、風が渦巻いているのが見える。

 

先程に放ったのは恐らく爪から発する風を用いた斬撃。

 

それがあの遠距離攻撃を仕掛けたという訳だ。だが、そんなものはゼロには関係ない。

 

ゼロはまたフォームチェンジシステムを起動し、今度は機動能力が最も優れたオレンジ色のアクティブフォームに変更させる。

 

熊がまた得意技を振るう隙にアクティブフォームの素早さと「アルティメット」の一部である「シャドウダッシュ」と先程手にした「天駆脚(エアダッシュ)」で攪乱させる。振りかぶられた爪がまた風の斬撃を生み出し、ゼロが先程いた場所やゼロ目掛けて風の斬撃が襲い掛かる。だが。

 

「■ッ!?」

 

当たらない。はっきり見えているはずで良く狙っているのに掠りもしない。嫌、風の斬撃をすり抜けている。

 

未知の技に、その熊は目を見開くがそれはもうゼロにとっては討ってくださいと言っているようなモノだった。

 

ゼロはそのまま熊の懐に入り込み、ダッシュの勢いをそのままにゼットセイバーを縦に構えると、前転運動を利用して回転斬りを仕掛ける。ゼットセイバーの鋭い切れ味を誇る刀身は、何の抵抗も無く熊の身体を真っ二つに斬り伏せた。

 

「――……」

 

――ドチャッ

 

断末魔を上げる(いとま)すら無く、その熊は息絶えた。

 

そしてその熊の亡骸がまた光り出し、ゼロはゼロナックルを起動してその熊の技をキャプチャーする。

 

その光がまたゼロナックルに吸い込まれていき、ゼロの電子頭脳にまた声が響く。

 

You leaned 雷刃撃(ライジンゲキ)

 

離れた箇所から雷を纏った真空刃を飛ばす技。エレメントチップ、サンダーを装備するとより遠くまで斬撃が飛び、当たった相手の背後に拡散する。

 

手に入れた二つのEXスキルを確認して、ゼロはアクティブフォームからノーマルフォームに変更し、歩き――

 

「ッ!?」

 

突如として背中が粟立つのを感じたゼロは、「シャドウダッシュ」のダッシュでその場を離れると先程までゼロのいた場所に雷の弾が着弾した。

 

見てみると、そこにいたのは二つの尾を持つ狼。それがゼロを仕留められず口から鋭い牙をむき出しにしていら立った様子で唸り声を上げている。

 

「■■……」

 

「……」

 

狼は唸り声を上げながら今度こそ仕留めると言わんばかりに、二つの尾を組み合わせて先程よりも大きな雷の弾を形成する。

 

ゼロはその様子を見て、武器を持つ事はせずにただ見遣る。

 

そして、その先程よりも大きな雷弾はゼロに向かって発射された。ゼロはその迫る雷弾を腕でゼットセイバーの柄の両側から刃を形成させた状態で回転させ、シールドを形成してその雷弾を跳ね返した。ゼロの武器の一つ、シールドブーメランだ。

 

「■■ッ!?」

 

シールドブーメランによって己の雷弾が跳ね返されるとは思わなかった狼だったが、何とか気を取り直してその雷弾を躱す。

 

しかしその躱した先には、ゼロが先読みして投擲したシールドブーメランが迫っていた。

 

「――」

 

雷弾は躱したモノの、シールドブーメランの鋭い刃が迫っていた事に気付いた時にはもう遅かった。ゼットセイバーの切れ味鋭い刃で形成されたブーメランは、そのまま狼の身体を真っ二つに両断した。

 

真っ二つに両断された狼の死骸が、これまでの魔物と同じように光り出す。光り出した魔物の死骸にゼロナックルを向けてキャプチャーするとゼロの電子頭脳に同じように声が響く。

 

You leaned ライジングシールド

 

シールドの出力を底上げし、本来防げない物も一部防げるようになる。チャージ時は反射した攻撃、魔法に雷属性を付与する。投擲時は射程が少し短くなるが雷属性の攻撃を行い、相手を少しの間行動不能にする。

 

「時間を喰った」

 

電子頭脳に響く補足の音声を聞き、それが終わるとゼロはクロワールの痕跡を辿り、歩みを進めていった。




ミュトスフォームを除いて初めてフォームチェンジとEXスキルを出したな……。

というか何故他のロクゼロ小説は出さないんだろ?

幻夢・零は出して欲しい?

  • 出して欲しい
  • 出さなくて良い
  • ノーマルボディ限定で
  • ミュトスフォーム限定で
  • ノーマル、ミュトスどちらでも
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。