ありふれない紅き閃光 作:銀翼
パソコンが故障してしまい、これほど遅れてしまいました。申し訳ありません
あれからゼロは、怒涛の快進撃でオルクス大迷宮よりも下層にある「真オルクス大迷宮」を踏破していった。
上層よりも遥かに格上の実力を持った魔物達も、ゼロの前では何の障害にもなり得る事は無く、寧ろ逆に返り討ちに逢い、力ある魔物は逆に自分の能力をゼロに奪われる羽目になった。
例を挙げるとすれば、蜥蜴型の魔物バジリスク。目から獲物を石化させる能力を持ち、それでゼロに襲い掛かった。しかしその目から石化光線を放つ隙を突かれ逆にバスターショットによってその両目を撃ち抜かれて悶絶している時にゼットセイバーで首を刎ねられた。
その時に得たのが、ゴルゴンアイというEXスキルだ。
バスターショット専用のEXスキルであり、バスターショットのフルチャージショットが石化光線になる。しかし完全な石化では無く何秒か動きを止めるモノだがゼロにとってはこれは大きなモノだった。
光線自体の攻撃力は少ないが石化された相手は柔軟性が無くなる事で逆に脆くなる。そこを他の武器で狙う事が出来る。
手にしたEXスキルを試し、時折武器のメンテナンスや人間に戻って休息や食事を挟みつつゼロはクロワールが残した痕跡を頼りに確実に歩みを進めていく。
孤独な戦いであるが己はレジスタンスを逃がす為に囮として一年、しかし親友は己が姿を消してからたった一人で百年続けていたのだ。時間の感覚は解らないがこれくらい別にどうという事は無い。
「扉……?」
痕跡を頼りに暫く進んでいくと、目の前に扉が現れた。しかしクロワールの痕跡が残っている所から、ここに入ったのだというのが解る。
しかも僅かばかりに開かれた跡があるので、ハジメとクロワールがこの扉を潜り抜けていったのが解る。
――ゴゴゴ……
重い音を立てながらその扉を押し開き、中に入ってみる。扉の奥は人の手が加えられた事が良く解る部屋だった。
ハジメやクロワールはもう影も形もないが、痕跡は部屋の奥にある階段まで続き、更にその奥の下り階段まで伸びている。
「……ここは……確か」
暗視の能力で部屋の中を見渡してみると、聖教教会の総本山、神山にあった神殿と良く似た内装をしている。
しかし、初めて見た割に驚きがない。その理由について考えていると――
「っ!」
巨大な―あくまで人の身と比べてみるとだが―何かがゼロに向かって降ってきた。それに気付いたゼロは間一髪それを躱して降ってきた相手に対して睥睨する。
暗視の能力で見えたのは硬い鋼も容易く切断出来てしまいそうな鋭いハサミと、同様にその鋼を容易く貫通出来てしまいそうな鋭く太い針を持った尻尾を二本持ったサソリだ。
メルドの言ったように、転移したトラップがまた再発すると同様に魔物を用いたトラップも再発するように出来ているらしい。
「■■■ーーッ!!」
サソリ型の魔物、以下サソリモドキはゼロを押し潰す事が叶わなかった事に対して苛立った様子で咆哮を上げるがゼロはそんなことはお構いなしにゼットセイバーとバスターショットを構える。
更にフォームチェンジシステムを起動してボディを、紅からアイツと同じ色、青に変える。バスターショットの攻撃力や連射力を高めるエックスフォームだ。
そしてヘッドチップをオートチャージに変更して常時チャージ状態になる。
そしてサソリモドキに向かって疾駆。当然そのサソリモドキはゼロの動きに反応。鋭い切れ味を秘めているだろうハサミをゼロに向かって何遍も突き出す。
だが、そんな直線的な攻撃等当たる方が難しい。
ゼロはそのハサミを紙一重で躱し、バスターショットのノーマルショットを放つ。
しかし、ノーマルショット程度では甲殻の表面を少し凹ませる位で破壊するには至らない。
「■■ッ!」
攻撃が効かないことでサソリモドキがせせら笑うような声を上げるが、ゼロはその隙にとあるEXスキルをONにする。
しかし、その間にも他のハサミに加えて尻尾から分泌される酸性毒、鋭い針の連射攻撃が迫るが、ゼロはそれらをバスターショットのチャージを継続しながら躱していく。
「■■ッ!!!」
怒涛の攻撃が全く当たらないことに苛立ったのか、サソリモドキが一気に攻撃を決めようと尻尾を大きく引いていく。
ここだ。
「ッ!」
ゼロはその隙にバスターショットのチャージショットを放つ。しかしそのチャージショットは、これまでのエネルギー弾ではなくオレンジ色の光線を照射するタイプのものだった。
その光線を浴びたサソリモドキは、ねずみ色に変色して全く動かなくなった。
チャージバスターショット専用のEXスキル、ゴルゴンアイ。
時間こそ短いが、相手を石化させて動けなくさせると同時に脆くさせる。当然サソリモドキは短時間だが動けなくなる。
その隙に、もう一つチャージしていた武器。ゼットセイバーを思いっきりサソリモドキの頭部に振り下ろした。
凄まじい攻撃力を秘めたチャージゼットセイバーの衝撃波と斬撃は、石化して脆くなった身体で受け止めるには余りにも重すぎた。
チャージゼットセイバーをモロに受けたサソリモドキは、停止した思考のまま、己が死んだことにも気づかぬまま、精神と共に石化した身体がバラバラに砕け散っていった。
石化してバラバラに砕かれたサソリモドキの
その光がまたこれまでと同じ様にゼロナックルに吸い込まれ、また新たな技としてインプットされる。
You leaned ダンシングチェーン
チャージ攻撃で通常のチャージチェーンロッドと差し替えて使用する。チェーンロッドを大きく振り回し、周囲の敵全てを切り刻んで攻撃する。
新しく手に入れた技を確認して、ゼロは改めて周囲を見渡す。
「ここで、ハジメ達が」
ゼロの電子頭脳の中で思い出したのは、この間にあったゼロとクロワールの通信。
部屋らしき場所で封印されていた吸血鬼の少女を助けた。
それから、少女の名前は中国語で月を冠するユエと名付けて奥に進んでいく。
というものだった。
それからハジメ達はどれほど奥に進んでいったのかは解らない。だが確実に追いついているというのが解る。
ゼロはエックスフォームを解除すると、さっさと部屋の奥、クロワールの痕跡を追って駆けていった。
それから、暫く降りていきゼロが到着したのは鬱蒼とした木々が生い茂る森の中だった。
限りなく自然界のモノに近い人工太陽が樹木と木の葉に浴びせられて木漏れ日が溢れている中でゼロは無表情でダッシュを繰り返していた。
後ろからは……。
「「■■■ーーッ!!」」
無数の肉食恐竜型の魔物達がゼロを追っていた。魔物の肉体の形は千差万別なれど、皆共通しているのは頭部や鼻に可愛らしい花を生やしている所だ。
ゼロはこれまでに何枚も恐竜達を屠ってきたし、生えている花を破壊したりしていた。
屠ると同時に花は枯れていくも、花のみを破壊したら恐竜達はより大暴れするので結局屠る事になった。
しかも何体も倒してきたにも関わらず、特攻を繰り返してくるので、操られているという確信に十中八九近いであろう仮説を立てた。
そこで、恐竜達、というよりもその恐竜達を操っている者が最も嫌う事をしてみたのだ。
操っている者のところヘ向かう事だ。
案外にも方角を見出すのは簡単だった。その方角に向かうと一層恐竜たちの攻勢が増したのだ。まるでその方角には行かせないとばかりに。
そして距離が近づくに連れて、比例するようにゼロを追う恐竜達が増えていき、今に至るというわけだ。
恐竜達の脚よりゼロのダッシュの方が速いので引き離していき、到着したのは見上げる程の断崖絶壁。
この崖を登る、のではなくこの崖の中にいる。
ゼロはノーマルフォームから最もパワーのあるパワーフォームに
そしてその崖を拳で叩いて最も音の高い場所、薄い箇所を導き出すと――
「フッ!」
――ズガンッ!
機動能力を犠牲にして底上げされたゼロのパワー、ゼットセイバーに次いで最もある破壊力と、そのゼットセイバーには無い突破力によって壁が破壊された。
しかもご丁寧にゼロが通る事は叶うが恐竜達は入れない。
ゼロはまたフォームチェンジを起動。今度は紫色から赤、ノーマルフォームに変色させる。
本来なら一寸先すら見えぬ真っ暗闇の中だが、暗視の技能で見える。
「……」
いた。目の前に、あの恐竜達を操っていた者。魔力で構成されたであろう妖樹が禍々しい人の形をした魔物が。
ゼロ達の伝承にあった木の魔物、アルラウネとは似ているが違う。以下エセアルラウネ。
「■■……■■ーーッ!」
咆哮と同時にゼロの頭上より何かが降ってきた。
ゼロはそれをシールドブーメラン、おまけにEXスキル、ライジングシールドをONにして展開。出力された刃が大きくなり、おまけに雷によってそれらが焼かれ落ちていく。
放たれたのは胞子だ。
ならば攻略する事位簡単だ。完全に胞子が止んだのを確認すると、ゼロはそのシールドブーメランを投擲。回転する雷の刃がエセアルラウネに向かう。
当然、それを躱してゼロに刃のように鋭くした枝を伸ばして攻撃するが、如何せん相手に寄生させて己の
枝が鋭くても前衛戦闘技能は遠く及ばない。
ゼロはバスターショットを構え、フルチャージしてそれを放つ。しかし放たれたのはエネルギー弾ではなくレーザー。これは何を指すのか……。
「■■――………」
ゴルゴンアイによる石化光線。それをモロに浴びてエセアルラウネはその身を止める。
当然、先程に投擲したシールドブーメランは回転力を維持しながら戻り、エセアルラウネの身体を真っ二つに切断。回転力を衰えさせながらゼロの手の中に戻り、そのまま回転を止めた。
切断されたエセアルラウネの
You leaned パラサイト・ボム
蔦を纏った弾が発射される。当たった敵は他の敵に突進して爆発し、その敵も巻き込んでダメージを与える
「……」
これまでとは違い、相手に寄生する事で操り、しかも特攻までするという一対多に極めて特化したEXスキルだ。
「使いやすそうだ」
ゼロは一言言うと、そのまま更に奥に向かって歩を進めていった。
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EXスキルまだまだ大丈夫ですよ!
味方からも良いかという質問がありましたが、味方からも断然オッケーです!寧ろ味方だからこそ観察できる時間も余裕もあると思います!どしどしください!