ありふれない紅き閃光   作:銀翼

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遅くなってしまい申し訳ございません。パソコンの修理が完了したので再開します。


悪夢

それから、ゼロはクロワールの痕跡を頼りにハジメを探していき、そして等々とある扉の前に到着した事で何かを発見した。

 

一組の男女と、その男女の傍らにいる、仄かな光を放つ妖精。

 

ようやく見つけた。ゼロはカッカッと足を鳴らしながら歩くと、その足音に気付いた三人はその方向に身体を向ける。

 

クロワールの報告通りの容姿だ。男性は元々黒髪だった頭髪が正反対の白髪に染まっている、元々黒だった瞳は真紅に変色、更に元々は少しヒョロっとした体格だったが今はそれとは正反対にガッチリとした長身の体格になっていたりと、元々見知っている容姿とはだいぶ懸け離れている。背中には何か布に巻かれた物体を背負っているが、今はそれはどうでも良い。

 

少女の方は男性が元々着用していたであろう少し古ぼけたコートを素肌の上に着用している。腰まで伸ばした艶やかな金髪、血を思わせる真紅の瞳、年相応に見える小柄な体格。

 

「零……。零、なんだな?」

 

「あぁ」

 

クロワールからゼロが追ってきている事を聞かされていないのか、ハジメは目を見開き驚いた顔をする。

 

ゼロは近付きながら、ちらりと流し目でクロワールを見てみると軽く頷いている。ゼロが来ている事を差し引いても、ここまでハジメを導いたのはクロワールの補助とハジメの生への執着があったればこそだ。

 

そしてお互いの顔が良く見える距離まで近づき、ゼロは改めてハジメの傍らに立つ少女を見る。ゼロの刃物を思わせる鋭い眼光を向けられても、全く物怖じしていない。

 

クロワールからの報告で既にゼロは知っているが聞いてみた。

 

「……知らない顔があるな」

 

「あぁ、此奴は」

 

「ユエ。吸血鬼の姫でハジメにとっての大切な人」

 

「……そうか」

 

物凄く簡潔な自己紹介だが、いちいち指摘するのも馬鹿馬鹿しいのでそこはスルーを決め込む事にした。

 

「ハジメ。渡すものがある」

 

「何だ?」

 

ゼロが腰にあるアーティファクトの中に手をやると、ごそごそと漁って中から何かを出してきた。

 

「ッ!」

 

それを見たハジメは先ほどよりも大きく目を見開かせる。ゼロが出してきたのは、一つのサンドイッチと飲み水の入った水筒、手を洗う為の水が入っている水瓶だった。

 

「食材はメルド。袋型アーティファクトはラングルだ。お前が生きていると信じていた」

 

「そう、か……」

 

口には出してないし、クロワールにも漏らしていないが二人に見捨てられたと思っていたハジメだったが、これらを見て思えばあれだけ気を使ってくれてたのに見捨てる選択肢を選ぶわけがない。

 

深紅に染まった瞳から零れ出そうになっている涙を堪えて、ハジメはゼロの手にある水瓶で手を洗い、水筒とサンドイッチを手にしてそれを口の中に掻き込んでいった。

 

「うめぇ……うめぇよ……ッ!」

 

一口噛んで、飲んでいく度に目から涙が零れ落ちる。これまで血生臭く、火を通しても不味い味しかしなかった魔物の肉を食っていたのだ。当然のことだ。

 

一つなくなるとゼロがまたサンドイッチと水筒をハジメに差し出す。ハジメはそれらをかっ込んでいくというのを繰り返していく。

 

そしてーー。

 

「ふぅ……、零、ありがとうな。お陰で生き返ったような気がする」

 

「そうか」

 

新鮮な食材と水を摂取、更に涙を流したことでハジメの雰囲気が柔らかくなった。ゼロはそのハジメを見て、水筒と水瓶をアーティファクトに直し軽く頷くと、奥にある扉を見る。

 

一見すると普通の扉であるが、ゼロの戦士としての直感が告げる。この扉をくぐった先にいるのは、紛れもなく強敵ーゼロからしてみると別だろうがーだと。

 

「あれが、最後の扉か」

 

「あぁ、これまでの扉とは明らかに違うものを感じる。ぜってぇにボスだ」

 

しかし、だからと言って逃げる選択肢は選ばない。ハジメは好戦的な笑みを浮かべ、大腿にあるホルスターから拳銃、ドンナーを抜いて親指でハンマーを下す。ユエの方もデフォルトな無表情ながらも、その深紅の瞳にやる気を通り越して殺る気を起こしている。

 

だがここで尻込みをしてうじうじするより遥かにマシだ。

 

「よし、行くぞ」

 

「あぁ」

 

「んっ」

 

ゼットセイバーを手にしたゼロが先導して、その扉に手を掛けてゆっくりと開けて中に入る。

 

照明はついていないが、部屋の中はだだっ広く、奥に特殊な彫刻が施された大きな観音開きの扉が見える。

 

中に入り半ば辺りに到達すると、周囲にあった柱が光を辺りを淡く照らすように光り出し、地面にあのベヒモスが召喚された時よりも遥かに巨大でありながら、同時に精緻な魔法陣が現れて脈動するように光り出す。

 

「「……」」

 

光が強くなり、その魔法陣から何かが召喚されてきた。人の身の丈を何倍も超える巨大な黒い体躯、各々色違いの色と刻印を宿した太くて長い六本の首、鬼灯のような赤い輝きを放つ六対の目。自分たちの世界にいた伝説の魔物、ヒュドラに酷似した魔物だった。

 

普通の人間なら震え上がるだろうが、あいにくここにいるのは普通の人間ではない。

 

「行くぞ。散れ!」

 

ヒュドラが完全に召喚されると同時に、ゼロの号令が響き狙いを絞らせないよう三人は各々別行動を取る。

 

紅蓮と深蒼、翡翠の頭から、炎と氷、風のブレス攻撃が三人に降り注ぐ。ゼロはシャドウダッシュとダブルジャンプと天駆脚、ハジメは天歩の能力で躱していき、ユエは防御魔法を駆使して防ぐ。

 

炎や氷の攻撃を躱し、ハジメは手始めにドンナーを翡翠の頭に向かって数発発砲。掠めはしたが、その首は怯んだ。そこにユエの魔法が閃く。

 

「『凍雨』」

 

ユエの魔法が発動して、先程ブレスを放った首に無数の氷の刃が降り注ぐ。

 

「攻撃は通るぞ!」

 

理不尽な防御能力を持ち合わせていないということに安堵するハジメ。

 

しかし、ここを守っている魔物の攻略がそんな簡単にいくはずは無い。何か特殊な能力を持ち合わせているとゼロは踏み、ゼロはゼットセイバーを振るい、黄色い首に傷をつけていく。

 

そこで変化が起こった。

 

「■■ーーッ!」

 

白い頭が叫ぶと、白い光が放ち出して、先程に首の傷が瞬く間に回復していった。

 

「白は回復かよ!?」

 

「なら」

 

答えは簡単ということで、ゼロはゼットセイバーからバスターショットに持ち替えて、白い首に向かってノーマルショットを何発か発砲。しかしその白い首の目の前に黄色い首が立ちはだかる。黄色い光が浮かび上がり肋骨によって頸部の皮膚を広げて防御する。

 

「黄は防御か」

 

最奥の魔物に相応しい強さを誇る強さと能力を持つヒュドラだが、予想出来ていた事なのでゼロは慌てない。

 

相手の動きを止めれば良い。それも同時に長時間。ということで、ゼロはヘッドチップをオートチャージに変更。バスターショットとゼットセイバーを同時にチャージしながら機会を伺う。

 

「ユエ!」

 

「んっ!」

 

ハジメの声でユエが援護のために魔法を放とうとーー。

 

しかし、それよりも早く、黒い頭の瞳が怪しく光り出しーー。

 

「ッ!?い、嫌ぁぁぁぁぁッ!!」

 

その瞳を見たユエは突如として頭を抑えて這いつくばった。どうやら精神的な何かの干渉を受けてデバフを掛けられたようだ。

 

「ユエ!?チッ、邪魔だ!」

 

「チッ……。ハジメ、ユエを頼む」

 

「あぁ。任せたぞ」

 

しかし、誰かを守りながら戦う余裕がない。ハジメは邪魔をしようとするヒュドラに対して天歩の能力の一つ、「豪脚」での蹴りを見舞った。その際にできた隙についてユエの救助を完了させた。そのユエをハジメに任せて、ゼロはヒュドラを睥睨する。そして、とある物を視界に収めた時に、ゼロの視界は暗転した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここは……?」

 

視界が暗転したと思えば、今ゼロはとある街の中にいた。トータスの街でも、増してや地球の街でも無い未来的な街並み。その街の中は人間達とともに暮らす、人間に限りなく近い人格が施されたロボット、レプリロイドが数多くいた。

 

「ッ、あれは!?」

 

その中で、ゼロはあるものを見つけた。二人の人影、嫌レプリロイドの姿。一人は他ならぬ当時はオリジナルボディを持っていた自分自身。そしてもう一人は艶やかな茶髪を膝辺りまで伸ばした、可憐な少女型レプリロイド。

 

「アイリス……ッ!」

 

知っている。この光景と、その続きを。そしてこれから僅か数週間後、あの忌々しい出来事が起こる事になるのだ。

 

止めてくれ。見せるな。とゼロは口を動かすも先程まで出ていた筈の声が出ない。まるで黙って見ていろ、とでも言うように。

 

その少女型レプリロイド、アイリスはその性格や容姿が良く似合う、満面な笑みを浮かべてもう一人のゼロと話している。視界の先にいるもう一人のゼロも、表情はいつもとそう変わっていないが、雰囲気が柔らかい処から会話を心から楽しんでいるというのが伝わってくる。

 

『ねぇ、ゼロ』

 

『何だ?』

 

『もし、レプリロイドだけの国ってあったらどんな国なのかしら?』

 

『……さぁな。俺には解らん』

 

『ふふっ、私にも解らないわ』

 

予想通りの答えが返ってきたことで、アイリスは笑みを深くする。邪気も何も、その笑顔の中には存在しない、ただ平和を願う事を思っている顔。

 

『でも、もしそんな国があったら私はーー』

 

そこまで言いかけて、視界は再び暗転。今度は薄暗く、無機質な機械に包まれた部屋の中にいた。

 

もう一人のゼロの視界の先には、紫色の光を放つチップを手にしたアイリスがいた。しかしその表情は先ほどまで、数週間前のあの柔らかな笑みとは正反対の、全てに絶望した顔だ。

 

『アイリス!』

 

『……兄さんと、戦わないでとあれほど言ったのに!』

 

慕っていた兄を他ならぬ目の前で立っている想っていたレプリロイドによって破壊されたアイリスは絶望し、慟哭の言葉を漏らす。しかし、もう全てが遅かった。謝罪の言葉を幾度言っても、頭を何度も下げても、過ぎ去った時はもう戻らない。

 

『……済まない』

 

『もう、遅いのね……。何もかも』

 

その言葉で、ゼロはすぐに全てを察知した。アイリスが今手に持っている物。そしてこれから何をしようとしているのか、と。

 

『落ち着け!アイリス!話を聞いてくれ!』

 

『さようなら、ゼロ……』

 

『アイリス!止せーッ!』

 

そして、その時がやってきた。アイリスは手にしていた紫の光を放つ物体、カーネルのCPUチップを上空に掲げていくと、チップとアイリスの間を一瞬だけ稲妻が繋ぎ、アイリスの形を変えていく。

 

射撃と機動能力に特化した、翼持つ武骨なライドアーマー「イーグル」。その形状はまるで、全てに絶望して心の殻に閉じこもってしまった彼女の心境を表しているようにも見える。

 

『ごめんなさい……。ゼロ……』

 

そして視界はまた切り替わり、徹底的に破壊された部屋の中で一人横たわるアイリスにもう一人のゼロが駆け寄る。

 

『アイリス!アイリス……』

 

『ゼ、ロ……』

 

ゼロの呼びかけにアイリスは閉じていた瞳を開き、弱々しく声を出す。

 

『しっかりしろ、アイリス!』

 

『お、願い……。もう、レプリフォースに、手を出さないで……。一緒に、レプリロイドだけの世界で、暮らしましょう……?』

 

弱々しく、そしてたどたどしい言葉を発するアイリス。だが、そのレプリロイドの世界というのはジェネラルが言った言葉に過ぎない。レプリロイドは人間に力を貸して生きていく事しか出来ないし、同時に人間はレプリロイドに頼らなければならない。

 

現にイレギュラー戦争の切っ掛けとなった第一の戦役、シグマの反乱で世界中にあるイレギュラーハンターの八割がシグマについていったことで、自分たちの身を守る術を持たなかった人間達は右往左往する事しか出来なかった。

 

しかし、この事実に気付くものは今の人間達にはいない。嫌、見ようともしないのほうが合ってるのかもしれない。機械人形の分際で、とレプリロイドの事を見下す人間の方が遥かに多いのだ。

 

『アイリス。レプリロイドだけの世界なんて、幻だ!』

 

『そうよね……。でも、信じたかった……。レプリロイドだけの世界で、貴方と……』

 

アイリスが弱々しく差し出してきた手を、ゼロは両手で力強く握る。

 

『アイリス……』

 

『……』

 

アイリスは最後に笑みを見せて、その瞳とともに意識を永遠に失った。

 

『ッ、アイリス、アイリス……ッ!』

 

いくら身体を揺さぶり、声を掛けてもアイリスの意識は永遠に失われたまま。バックアップデータにスペアボディはあるだろうが、あったとしてもレプリフォースにはそれをする余裕すら無いだろう。アイリスの亡骸を、もう一人のゼロは抱きかかえ、それを見ている本物のゼロは思い出したくもない記憶であり、不愉快極まりない様子で目を逸らす事無く見ている。

 

 

 

 

 

 

 

『俺は、俺は……ッ、一体何の為に戦っているんだぁぁぁーーーーーッ!!』

 

 

 

 

 

 

 

視界が暗転し、ゼロの意識が現実のヒュドラとの戦闘に戻る。

 

あれから時間が瞬きするほどしか経っていないらしく、まだあの時のままだがゼロは明確なものを以て目の前のヒュドラを見やる。

 

明確なもの。自分にとって、最もタブーに当たる物に一切の遠慮なく土足で入り踏み躙った事への怒りだ。身を焦がしかねない程の熱い怒りがあるというのに、頭の方はオーバーヒートせず寧ろひんやりと冷たい物を感じられる。

 

ゼロはバスターショットからシールドブーメランに変更、オートチャージでシールドブーメランのチャージを行いつつシャドウダッシュやダブルジャンプでブレスや光線を躱しながらヒュドラに急速に接近していく。

 

そしてチャージが完了して、ゼロは駆けーー

 

「零!」

 

ユエを柱の陰に移動させて回復させたハジメが躍り出て、巻いていた布を取っ払ってある物を出してきた。

 

明らかにドンナーとは違う、細長い銃身を持ったライフル。しかし、その銃身(バレル)が半ばから上下に二つに分かたれており、根本付近はジェネレーターらしき物がある。どう見てもライフル型のレールガンにしか見えない。

 

電磁加速式対物ライフル。シュラーク。その銃口を、片方の頭に向ける。

 

何をしたいのかゼロはすぐに察知して、ゼロはヒュドラに向かって疾駆していく。

 

当然ヒュドラはそのゼロに反応を示して、ゼロとハジメに対して属性ブレスや光線を放ってくるが、ゼロがオートチャージからノーマルチップに切り替える。そのヒュドラに対してチャージをキャンセルしてノーマルのバスターやゼットセイバーを当てていく。当然防御や回復をしていくがその次第でヒュドラの意識をハジメからゼロに向けさせる。

 

そして完全にヒュドラの意識が完全にゼロに向いた。好都合と、ゼロはオートチャージにヘッドチップに換装すると、チラリとハジメの方に視線を送る。

 

「っ」

 

その視線を受けて、ハジメはスコープを覗いて撃鉄(トリガー)を躊躇なく引いた。発射された弾丸は、過たず片方のヒュドラの首、回復と盾役の首を貫通して破壊した。そしてそのもう片方の回復役の首が回復の動作に入る。当然ゼロはその回復役を狙うが、盾役がそれを阻もうと、肋骨を使って皮膚を広げて防御態勢を取ろうとするが、それもゼロは織り込み済みだった。

 

いつの間にか持ち替えたバスターショットでEXスキル、ゴルゴンアイの石化光線を照射。盾役の動きを止めると、その隙に回復役の首にチャージゼットセイバーを叩き込み破壊した。当然まだ動けない盾役の首も、ゼットセイバーの一閃によって刎ねられた。

 

「■■ッ!?」

 

盾役と回復役を一挙に失ったと同時に、デバフから回復したユエが柱の陰から躍り出る。

 

「『天灼』」

 

ユエの渾身の魔力が込められた魔法が放たれた。防御をしようにも盾役がいないことで防御も使えず、だからと言って回復しようにも回復役も存在しないので、ヒュドラはその魔法をモロに満身に浴びていった。

 

「■■ーーー……」

 

防御で威力を減衰させる事も出来ず、その巨大さゆえに躱す事も出来ず、ヒュドラはその巨大な体躯をゆっくりと横たわらせる。

 

撃破できたことでユエとハジメは気を抜く。だがゼロとクロワールは気を抜かない。迷宮の最後の扉を守護する存在の魔物がこの程度で終わるはずが無い。

 

そして、ゼロの予想していた事が当たった。

 

ーーバキ、メキ、ゴキ

 

「ッ、気を抜くな!まだ生きてるぞ!!」

 

「ハジメ、ユエ!離れて!」

 

「「え?」」

 

ヒュドラの身体から聞こえる不穏な音がゼロの聴覚センサーに反応して、ゼロとクロワールが声を出すと、二人は気が抜けた惚けた声を出す。

 

しかし、時というのは待ってはくれない。息絶えた筈のヒュドラの身体が動き出し、一本の首が鎌首を擡げて現れる。最後の首が完全に形を成して現れると、先程自分の命を奪おうとしたユエに向かって無数の光線を発射した。

 

その無数の光線が向かってくる中で、ユエは一人動けないでいた。しかしそのユエの目の前にハジメが阻み、そしてその目の前をゼロが阻む。

 

そしてその光線をゼロはフォームチェンジを発動させ、攻撃力を犠牲に防御能力を極限まで高めたディフェンスフォームになり、その上でクロワールのアニマルLV7の防御能力を二倍にし、更にシールドブーメランとEXスキル、ライジングシールドを発動させて防御態勢に入る。

 

不幸中の幸いというのは、この光線の攻撃は真っ直ぐにしかやってこないという事だ。もしも偏向射撃でもされようものなら、まず助からないだろう。

 

しかし無数にやってくる光線によって、防御態勢を取る事で精いっぱいで攻撃態勢に移行する暇が無い。しかし逆に言うと攻撃を途切れさせさえすれば勝機は見えてくる。そして確実に倒すにはあの『禁断の技』しかない。

 

「零!どうするんだ!?」

 

ゼロの後ろでハジメが叫ぶ。

 

「ハジメ、閃光弾(スタングレネード)のような物はあるか?」

 

閃光弾(スタングレネード)?あるにはあるが、一個しか無ぇぞ」

 

「あぁ。クロワール」

 

「解った」

 

何をして欲しいのかを瞬時に把握したクロワールは、軽く頷く。

 

「ユエ、ハジメが閃光弾を投げたら目と耳を塞げ」

 

「んっ」

 

「何をするのかは知らねぇけど、任せたぜ……!」

 

ハジメの方も今ここで手を拱いているつもりは無い。後ろの方で頷くユエを見たらゴソゴソとポケットの中を漁り、一個の小さい空き缶を取り出す。

 

隻腕である為にピンを歯で抜いて、思い切り振り被るとヒュドラの眼前に丁度行くように投擲。ゼロも目を閉じた後にユエを守るように抱き締めた後に、閃光弾が爆発した。

 

突如として薄暗い部屋に眩い閃光と爆音が響き、音は部屋の壁や天井に反響し、光は薄暗い部屋に慣れているヒュドラの視界を一時的に奪っていった。

 

「■■■ッ!?」

 

視界を奪われ、聴覚を狂わされ、ヒュドラは大きく隙を晒した。この時を逃したら勝機は無い。

 

ゼロはディフェンスフォームを解除してノーマルフォームに戻るとシールドブーメランからゼットセイバーに持ち替えて、高く跳躍。空中でゼットセイバーの出力を臨界まで高めていき、その禁断の技を放ったーー。

 

幻夢・零!




EXスキル、まだ大丈夫です!それと皆さん、幻夢・零本当に大好きですね!私も大好きですけど。
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=315129&uid=19756

ゼロの過去は出すべき?(映像で)

  • 出す必要なし
  • イレギュラーハンター時代から
  • ロックマンゼロ時代から
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