ありふれない紅き閃光   作:銀翼

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前に書いたものがちとあれでしたので書き加えました。反省してます。


兎人族

ハジメが行動を起こし始めていた時。サイドカーで大人しくしていたシアは、アディオンを操縦しているゼロに声を掛けた。

 

ゼロ自身意図していた訳ではないが、このサイドカーにはキャノピーがついている為に通信機があり、操縦者と常時会話する事が可能となっている。

 

「あの、ゼロさん?」

 

「何だ?」

 

「さっきはつい流してしまいましたけど、この乗り物は一体何なのですか?それに先程もらったのは確実に魔法ですよね?この峡谷では使えない筈なのに」

 

確かに、シアの言っている事は理解できる。魔法が発展している世界はその引き換えに科学文明が発展しないし、逆に言うと科学文明が発展していると魔法そのものが無い。しかもゼロのいた世界は科学文明がこの世界と比べて極端と言えるほどに発展しているので魔法とも見分けがつかないのが多い。

 

特にこのアディオンはこのトータスに住んでいる者達からしてみれば車輪(ホイール)が無い、駿馬に引かれていないという訳なのに、馬車よりも早く移動出来ているので疑問を抱くのも致し方ない。

 

しかし、ゼロ自身の事ならまだしも二人の事を言う資格は無いので、ゼロは二人については黙っておくことにした。

 

「……二人の事については二人から直接聞け。この乗り物はアーティファクト、クロワールは相棒のようなモノだ」

 

「は、はい」

 

ゼロの雰囲気からさっきまでの明るい雰囲気は鳴りを潜めているが、それでもしっかりと聞きたいことを聞いてきたのでそれはそれで良しとした。

 

「でも、ゼロ?ハジメって来るかな?」

 

「さぁな」

 

ハジメの事はもうこの世にいない親友(エックス)と似ているという事で力を貸していたが、再会を果たした時にはもう親友のそれとは大いに懸け離れていた。しかし、その奥、根底にある芯の部分はトータスに来る前と全く変わっていない。

 

しかしここで来なければ邪神エヒトにとって都合の良い駒である聖教教会や王国上層部と何も変わらないし、何よりクラスメイト達と離れて別行動をしているのか解らなくなる。

 

だからこそ信じるのだ。ハジメが己の意思でついて来る事を。

 

「あ、見えてきました!あれです!」

 

その話をしている最中に、ゼロ達の視界にある光景が映る。多数の魔物達に襲われている兎人族の皆だ。魔物は翼竜(ワイバーン)ような体躯で、個体差はあれどそれぞれ体長3から5mはあり、尻尾の先端にモーニングスターのような固い突起がついている。記憶が正しければ名はハイベリア。この峡谷に住まう魔物達の中でも食物連鎖の上位に位置している魔物だ。

 

まだ兎人族の死体は転がっていないのを見たら攻撃は苦手だが何とか回避したり岩陰を利用しての防御で何とかやり過ごしているがそれもいつまでも保つ事が出来るのか解らない。

 

遠回り(ぐずぐず)していると最悪な未来(一族の全滅)がやって来てしまう。

 

「ゼロ!どうする?」

 

「決まっている」

 

言って、ゼロはあるEXスキルをオンにすると、逆にアディオンのスイッチを切る。それによってアディオンのスピードが慣性の法則によって少しずつ速度が緩み出していく。

 

「ぜ、ゼロさんッ!?」

 

速度がゆっくりと緩んでいくアディオンにサイドカーに乗っているシアが困惑した声を出すが、ゼロはそんなシアを無視して大きく跳躍。ゼットセイバーの柄を右手に握るとその鍔元から(チェーン)を展開させて左手にバスターショットを握る。更にヘッドチップをオートチャージに換装させてそのEXスキルを放った。

 

まずはバスターショットのEXスキル、ゴルゴンアイを照射。石化光線を満遍なく照射する事で襲っていたハイベリアの動きを止めて、防御能力を根底から無くさせる。

 

「「え?」」

 

急に身体を止めたハイベリアに兎人族の皆は戸惑うが、ゼロはそのハイベリアに対してもう一つのEXスキルを繰り出す。

 

「……ッ!!」

 

普段の槍状に変えたチェーンロッドを脚を止めて回転させるチャージ攻撃ではなく、チェーン状態のロッドを思い切り振り回して攻撃するEXスキル、ダンシングチェーン。広範囲の敵を同時に攻撃できる代物であるが、ゼロの卓越した技能によって兎人族の皆には掠りもせず、石化して時を止めて防御能力を零にしたハイベリアのみをチェーンロッドの刃が襲う。

 

そして、地上で兎人族を襲っていたハイベリアは成す術も無くゼロによって全滅――。

 

「■■■■ーーッ!!」

 

「ゼロさんッ!!」

 

「ッ」

 

空中に残っていた最後のハイベリアが、憎悪を目に滾らせて仲間の仇であるゼロに向かって急降下してきた。シアがゼロの名前を呼んだ時にはゼロはバスターショットを――

 

――ドパンッ!

 

しかし、ゼロがバスターショットを向けるよりも前にそのハイベリアは別のところから飛んできた弾丸によって頭部を貫かれ、呆気なく絶命してその亡骸を大地に横たえさせた。発砲したのは、銃口から硝煙を立ち上らせたドンナーを構えているハジメだ。もちろんユエもシュタイフの後部座席から顔を覗かせて、ゼロとクロワールに対して「よっ」と手を挙げている。

 

ゼロとクロワールは、シュタイフから降りたハジメとユエと向き合う。

 

「遅いぞハジメ」

 

「へっ。来ないと思ってなかった癖に」

 

「全く、ゼロってば素直じゃないんだから」

 

「ん。でも認めないのもまた良い」

 

各々会話をしているのを尻目に、シアは一族の全滅という最悪の未来を回避出来た。四人の視線の先で族長である父と再会を果たし強く抱擁した。

 

「シア!無事で良かった!」

 

「父様!」

 

熱い抱擁を交わす二人に生き残っていた兎人族の皆も集まっていく。現在死人は出ていないが軽傷を負っているのが見受けられる。しかしハイベリアに襲われて軽傷で済むというのは運が良かったを通り越して奇跡に近い。

 

「一族と娘を救って下さり、感謝いたします。私は族長のカム・ハウリアと申します」

 

丁寧な挨拶だが、ゼロとクロワールはなんだか違和感を覚えた。何故初対面の人間(レプリロイドにサイバーエルフがいるのはこの際伏せておく)をここまで信頼出来るのか。

 

争いを好まず、平和主義と聞いていたがこれほどとは思わなかったが、これが兎人族の特徴なのかも知れないとゼロとクロワールは感じた。

 

「丁寧な挨拶どーも。だがそんな簡単に人を信じて良いのか?」

 

「娘が信じた方々です。我等が信じなくてどう致しますか」

 

被差別種族の族長であるカムが亜人族に対して差別を行う人間(ゼロはレプリロイドでクロワールはサイバーエルフではあるが)に対して頭を下げるのだから、警戒心が余りにも無さ過ぎる。

 

現代で言うと騙されているとも知らずに闇バイトなり詐欺なりの犯罪行為に加担していそうな程の危うさだ。

 

その兎人族から視線を外してゼロは遠く、正確には峡谷の入り口辺りにある九十九折の階段に視線を凝らす。そこには豆粒にしか見えないが帝国兵が何人か屯していた。嫌、何人かじゃない。何十人かだ。

 

今この場はまだ死地に等しいが、脱出するにはあの帝国兵を何とかしなければならない。

 

「先に言っておくが、勘違いはするなよ。俺達はハルツィナ樹海に行きたいだけだ。ここでアンタ等に死なれたら俺達が困る。峡谷までの脱出は手助けしてやるがそこから先は知らねぇぞ」

 

「畏まりました」

 

あっさりと了承してくれた事に少し安堵するも、まだここは死地だ。何とかしなければならない。

 

「ともかくここはまだ死地に等しいよ。早くあの屯してるあいつ等を何とかしないと」

 

「あぁ」

 

いつこのライセン大峡谷に住まう狂猛な魔物達が襲い来るか解らない。しかしライセン大峡谷の入り口の階段に帝国兵が何名か屯している。前門の虎後門の狼の状態だが生憎ここにいるのは伝説の紅き英雄と迷宮を踏破してきた者達だ。

 

世界を敵に回すと覚悟を決めたのだ。これくらいの障害等、先程までいた奈落の迷宮やイレギュラー戦争、妖精戦争、バイル事変等と比べたらふかふかな乳母車のベッドに等しい。

 

「俺達で四方を警戒しながら進むぞ」

 

ゼロの言った言葉でクロワール、ユエ、ハジメが頷いた。

 

兎人族を守護す(まも)るように先方の左右をハジメとエックスフォームを装備したゼロが引き受け、後方の左右をユエとクロワールが引き受ける。

 

ゼロのバスターショットとハジメのドンナーとシュラークの正確無比かつ強力な射撃、アニマルレベルを3、または6に上げたクロワールの炎、雷、氷の弾とユエの魔法によって近付く魔物は一例も漏れる事無く絶命していき、兎人族には指一本触れる所か近づかせる事無く切り抜けていった。

 

そして、帝国兵が屯している階段の足元に到着した。

 

「まだいるようだな。数としては30人程、という所か」

 

「そうか」

 

気配探知のスキルを持っているハジメが言うと、ゼロはエックスフォームからノーマルフォームに切り替え、バスターショットを腰のホルスターに収めた代わりに大腿部にあるホルスターからゼットセイバーの柄を――

 

「零。今回は俺にやらせてくれ。少し試してみたい事がある」

 

「……あぁ」

 

ハジメの試してみたい事というのは何なのかは解らないが、ゼロはあっさりとハジメの言った事を了承。掴みかけていたゼットセイバーの柄から手を離す。

 

「あ、あのぉ……。お2人とも大丈夫ですか?」

 

会話を聞いていたであろうシアが2人の会話に入り込む。ユエがシアに視線を向けるが、それに気付く者はいない。

 

「……何の事だ」

 

ジロリ、とゼロがシアに向けて鋭い切れ味を持つ刃を思わせる黒い眼差しを向けて問い掛け、ハジメの方も同じように視線を向ける。その眼差しを受けて、シアは身体を強張らせた。

 

「ひぅッ……。うぅ、あの、これから戦うのはお2人が戦う事になるのは人間族ですよ?どうしてそんなに」

 

「……ならば問うが、お前が未来視で見た光景は何だ?」

 

「あ、はい。お2人が人間族と戦う光景ですが」

 

「……その未来視で見えた光景が答えだ」

 

それだけ言うと、ゼロとハジメは話は終わりだと言わんばかりに視線を前の方に向ける。

 

別に人間相手に対して思う事は無い訳ではないが、状況は状況だ。ゼロはエヒトを心の奥底から信奉する人間はかつて自分がこれまで手に掛けてきた数多の異常者(イレギュラー)と同じだと割り切っているし、ハジメとユエは立ち塞がる敵は全て薙ぎ倒すと決めている。それには人間族も例外なく入っている。

 

そして兎人族を連れて階段を一段ずつ上がっていくと、それと連動して族長であるカムをはじめ兎人族の顔に不安が浮かんでくるが、ゼロ達はそれについて敢えて無視をした。

 

そして、屯している帝国兵達の前に到着した。

 

カーキ色を基調とした衣服と剣や槍等の近接装備に加えて魔法使いの部隊もある。

 

彼等に気付いた帝国兵はすぐに立ち上がり、近付いていく。随分下卑た目と舐め腐った態度だが、ゼロの正体を知っている者達からすると命知らずとしか言いようが無い。現にゼロの鋭い目つきがどんどん変わっていく。

 

初めて親友の紛い物(コピーエックス)と戦う時に見せた、静かなる殺意と殺気に満ちた目だ。

 

しかしそれに気付かず帝国兵は余裕を持って近づく。

 

「おいおいマジかよ。まだ生き残ってやがったのか。隊長の命令で残っていたが、こりゃ良い土産ができそうだな」

 

「小隊長~。俺等にも残しておいてくださいよ~。こんなところで三日間ずっといたんですよ?俺等も分け前欲しいっすよ」

 

「あぁ。だが三人までにしておけよ?だがあの白髪の兎人だけには手ぇ出すんじゃねぇぞ」

 

「ひゃっほー流石小隊長!」

 

「……」

 

如何ともし難い。王国の兵や騎士団は皆規律が行き届いていたし、頼れる所が多かったが帝国の兵は兵士というより野盗という方がしっくり来る。

 

その中でハジメが一歩前に出るとそれに気付いた小隊長がハジメに詰め寄る。

 

「あぁ?てめぇは人間族か?」

 

「見て解んねぇのか?その目は腐ってんのか?」

 

帝国兵に負けず劣らず煽りを返すハジメに小隊長の額に青筋が浮かぶが、一応大人なのですぐには爆発せず下卑た笑みを深めていく。

 

「てめぇ良い度胸してんじゃねぇか。だったらてめぇは奴隷商人か?この大峡谷までご苦労なこって。商魂逞しいねぇ。後は俺らが引き受け――」

 

「断る。何であんたらの指図を受けなきゃいけねぇんだよ」

 

「後ろの兎人族は俺たちの保護下にある。峡谷の魔物達に恐れを抱いてここで待ちぼうけをしていた雑魚にやる道理は無い」

 

そしてそのハジメよりも煽るゼロ。実際に追おうと思えば追う事は出来たのだがここで罠を張る事しか出来なかった帝国兵はゼロには総じて雑魚にしか見えなかった。

 

「雑魚だと?てめぇ、俺達が誰だか解ってんのか?」

 

「雑魚の立場や国等知らん」

 

「ッ!?」

 

バッサリと切り捨てた上に煽るゼロにハジメが少し驚いた目を向けるも、ちらっとゼロの目を見た時に吞まれそうになった。檜山達を叩きのめす時とは段違いに強く、しかしそれでいて静かな殺気と殺意を漲らせている。

 

しかし、吞まれそうになったになっただけなのでゼロから視線を逸らして小隊長を見る。

 

帝国兵の小隊長は彼我の実力差に気付いていないのか、余裕の態度を崩さない。そして後ろにいた兎人族に目線を向けると、下卑た笑みを更に深ませた。ユエやシアにも目線を行かせたのだ。

 

「よーく解った。その変なカッコをしているてめぇはただの世間知らずのクソガキって事がな。ちょいと世の中の厳しさって奴を教えてやるよ。後ろにいる嬢ちゃんたちもかなりの別嬪じゃねぇか。てめぇとそこのクソガキの手足を捥い――」

 

そこまで言ったところでいつの間にかゼロがゼットセイバーを抜いて袈裟切りに振り抜いている体勢になっていた。

 

そしてその斬られた痕に沿うように小隊長の身体から血潮が迸り、身体が少しずつズレていく。

 

完全にズレて上半身が地面に落ち、小隊長は下卑た笑みのままに絶命した。

 

「ひ、ヒィィィ……!」

 

小隊長の勝利を確信していたであろう帝国兵だったが、あっさりとゼロの持つゼットセイバーによって両断されたことで浮足立つ。

 

「れ、零……!」

 

「……」

 

まさか先にゼロが手を出すとは思ってなかったであろうハジメが驚いた声を出すが、ゼロは対して取り合わない。寧ろ淡々とした態度だ。

 

しかし、浮足立っている今が絶対の好機(チャンス)

 

「ま、魔法だ!魔法を――」

 

何とか気を取り直した帝国兵が指示を飛ばそうとするも、その時にはゼロによって両断されていき、魔法使いはハジメがドンナーとシュラークを発砲した事によって呆気なく絶命していく。

 

そのドンナーとシュラークを発砲していく中で、ゼロはハジメについてある事に気付いた。

 

纏雷を使用せず、小型レールガン状態ではなく素の状態のドンナーとシュラークを発砲しているのだ。

 

素の拳銃を放つその真意に気付くも、ゼロは何も言わずにゼットセイバーを振るい、絶命させていく。

 

そして瞬く間にたった一人を残して後は全滅に追いやった。

 

「ひ、ヒィィィ……。い、命だけは……。し、知ってることは全部話す!だから……」

 

さっきまでイキり散らかしていたが、今では何とも情けなく、涙と鼻水、汗をまき散らし後退りながら命乞いをしてきた。

 

もちろん、ゼロとハジメはそんな奴を生かしておく義理は無い。しかし聞いておきたい事がある。

 

「ここにいる者達以外はどうした。帝国に移送したのか?」

 

「は、はい……!人数を絞りましたので、もう既に――」

 

人数を絞った。それ即ちどういう事なのかをゼロは瞬時に理解した。帝国に移送する事の出来ない者達、主に老人や障碍者、即戦力にならない赤子はもうこの世に生きていないという事だ。

 

聞きたい事は聞けたので、その兵士の喉に向かってゼロはヒュン、と軽くゼットセイバーを振るう。

 

――ヒュウゥゥゥ……。

 

瞬間、その兵士の喉から空気が漏れると今度は大量の血潮が迸り、兵士は絶望の表情を浮かべながら絶命していった。

 

ゼットセイバーはビーム状の刀身を持つ剣である為に刀身が血で濡れる事は無いが、ゼロはそのゼットセイバーを軽く振ると刀身をオフにして大腿部のホルスターに収め、ハジメはガンスピンをしながらドンナーとシュラークをホルスターに収納する。

 

その二人に、シアがおずおずといった感じで話しかけてきた。

 

「あ、あの……お2人とも。さっきの人は生かしておいても良かったのでは……?」

 

「何言ってるのシア?」

 

シアの言ってきた言葉に近くにいたクロワールがふよふよとシアの前に浮遊しながら問い掛ける。

 

「で、でも、あの人は助けてやった方が良かったのでは?死にたくないって……」

 

「得物を抜いて振った以上、相手が強いからという理由で収めて頭下げてはい終わり言うこと聞きますから仲直りしましょうって?一度抜いた以上死ぬか生きるかの世界だよ。シアの言ってる事は最も安全圏にいるのに全て知った気になってるバカと同じ事だよ」

 

シアの言った言葉に、クロワールが怒気と毒を言葉に多分に含ませて反論する。

 

「で、でも……あの人は」

 

「それなら、何故貴女のお父さんや一族は二人に守られてる身なのにゼロやハジメにそんな目を向けられるの?さっきまで助けてほしいって言ってたのはそっちでしょ。なのに何故そんな負の感情のこもった目で二人を見る事が出来るの?」

 

「「ッ!?」」

 

クロワールからの指摘にカムとシアを始め兎人族は身を固くする。確かに助けてほしいと言ったのは自分たちの方であり、助けてくれた彼等に対してそんな目を向けたり、その方法を指摘する方がおかしい。

 

「クロワール。言い過ぎだ」

 

「ゼロ!でも!」

 

「……」

 

「……解った。もう言わない」

 

ゼロから無言の圧力を受けて、クロワールは早々に降参。ゼロの傍らに戻る、

 

最も、ゼロはイレギュラーハンター第17精鋭部隊員、または第0特殊部隊長を務めていた時分に背中で守っていた人間達から雨霰のように言われた言葉だ。もうそのような言葉を浴びせられる事には慣れてる。

 

「その、二人とも申し訳ない。こういう状況に慣れていないので、驚いてしまったのだ」

 

最も、その人間達とは違いこの兎人族はカムを始め謝罪をしてきたのだから、人間的に遥かに上だ。

 

「……樹海に行くぞ。移送用の馬車に乗れ。俺とハジメで馬車を牽引する」

 

ゼロの言葉で全員が動き出した。

 

それを見ていた一つの人影に気付かぬまま。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その人影がいたのは、ゼロ達がいるライセン大峡谷の入口から離れた場所。ハジメの気配察知のスキルの範囲から外れた場所に立っていた。

 

樹海に向かう準備をしているゼロ達を翡翠の色をした鋭い眼差しを以てじっと見ている。

 

翡翠の機械的な羽が一対ついたヘルメットを頭に被り、翡翠と白を基調とし、ゼロに良く似た体躯をしているが、背中にある小型の羽を模したバーニアスラスターが見える。

 

肌の色は元々は白が強かったが、今は訳あって褐色の肌をしている。

 

「……ゼロを発見した。これより合流し任務(ミッション)を開始する」

 

『了解』

 

向こうからの返事が来たと同時に、その人物は背中のバーニアを吹かして飛行。どこかに飛び去って行った。

 

その人物を知っている者は、彼をこう呼ぶ。

 

「翠緑の斬撃」「賢将ハルピュイア」




ついに出した四天王……。長かった……。
多分これが今年最後の投稿です。また来年もよろしくお願いいたします。

エックスは出すべき?

  • 共闘が見たいからそりゃ出すべきでしょ!
  • エックスVSゼロを見たいからエヒト側で
  • サイバーエルフとしてサポートに特化!
  • もう休ませてやってくれよ……
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