ありふれない紅き閃光   作:銀翼

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本当に長くなってしまい、申し訳ございません。何とか生きてますしこれからもよろしくお願いします。


樹海

連結させた馬車をハジメが運転するシュタイフと零が操縦するアディオンで牽引していくように進み、その周囲を馬に騎乗した兎人族で固めて進んでいく。

 

更に、ハジメの方にはユエは言わずもがなではあるがシアも乗っている。

 

これは零がアディオンに付属させていたサイドカーはもう必要ないと判断したために取り外したのだが、それに猛反発をしたのがシアだった。

 

何でもアディオンに乗っていた時の疾走感が忘れられず、サイドカーを仕舞った時に零に対して散々駄々を捏ねたのだ。しかし当の零はそんなシアに対して全く取り合おうともせずに無視(シカト)。ゼロに続いてクロワールも諦めろと一点張りだった。

 

そこでシアの目についたのがハジメだった。

 

しかしハジメのシュタイフに乗り込もうとしたが既にユエという先客がいたし、ハジメもシアが乗る事を許さなかった。だが何が何でもシアは諦めなかった。何度蹴り落されても何度強力な魔法をあびせられてもゾンビのように復活してハジメにしがみついたのだ。

 

そして結果、ハジメとユエが折れてしまい今の状態になったのだ。

 

暫くの間、零もハジメもユエも無駄な話をするタイプではないが、シアだけは違った。

 

「あの、皆さんの事を教えてくれませんか?」

 

「俺たちの事?」

 

「はい、能力の事じゃなくて、何故奈落?という場所にいたのか、旅の目的についてや、私達を助ける前は何をしていたのかを聞きたいんです」

 

「……聞いてどうする?ついていきてぇとかは無しだぞ」

 

「え、えぇ?つ、ついていきたいとかは無い、かもですが……、ただ知りたいんです。私はこの体質のせいで一族や両親に沢山迷惑を掛けてきました。もちろん、皆は迷惑じゃないって言ってくれましたし、今はそんな自分を嫌ってませんが、でも言い方は悪いですが皆さんも世界のはみ出し者のように思えたんです。勝手ながら、その、仲間のように思えてきて、もっと知りたいって思ったんです」

 

途中から恥ずかしくなり顔を赤くしながらも小さくなっていくシアの言葉でハジメは考える。零とクロワールはその話が聞こえていたのか横目でハジメの方を見ているが、それでもアディオンを操る腕には一点の狂いは無い。ユエはじとーっとシアの方を無言で見ている。

 

「なぁ、零。俺たちの事を話しても良いか?」

 

「お前の好きにすれば良い」

 

零らしく簡潔な言葉だが、天之河光輝のように美辞麗句も言わないその言葉がハジメには有難かった。

 

「……先に言うが、あまり気分のいい話じゃねぇぞ。気分が悪くなったとかの言い訳は聞かねぇからな」

 

そして、ハジメは自分たちに起こった経緯(いきさつ)を出来る限り簡潔に、しかし出来る限り詳しく教える事にした。

 

そして粗方教わった時。

 

「うぇぇ……皆さん辛すぎですぅ……」

 

シアは滂沱の涙を流していた。

 

自分がこの世界で一番とは言わないが、不幸な人生を歩んでると思っていたがハジメが語った事で自分よりももっと不幸で、苦労という言葉すらも陳腐に聞こえるほどに大変な思いをしていると聞いて、それしきで不幸な顔をしていた自分が如何に情けなく、小さかったのかと察したのだ。

 

そして一頻り泣いた後、キッと何か決意を秘めたような顔立ちになった。

 

「決めました!私――」

 

「ダメだ」

 

「まだ何も言ってないじゃないですかゼロさん!?」

 

シアが何かを言おうとした時に、零がたったの三文字でそれを否定。否定らしい否定をこれまでしてこなかった零に即座に否定された事でシアが何でやねん!と言いたげにツッコみを入れるが零は視線すら合わせる事無く言葉を紡ぐ。

 

「現在進行形で危険に晒されている奴が、都合が良い様に俺達について来ると困る」

 

「うっ!」

 

その時、漫画であれば零の台詞の吹き出しが鋭い棘となってシアの胸に突き刺さってるような構図がハジメとユエの脳裏に浮かんだ。

 

零の言葉が進む度にシアの顔色が白くなっていくが、棘を通り越して鋭い刃物を思わせる零の言葉はそんなシアの状態など知らないと言わんばかりに続く。

 

「それに加えて一族の無事が確信出来ると一族から抜けようと考えていた。だが心配性の一族の事だ。お前がいない事が解れば探しに行くのは目に見えている。そこで都合よく俺達について行こうと思い立った」

 

「うぅっ!!」

 

零の言葉が進むがその一言一言が図星らしく、シアが胸を抑える。

 

会ってまだそこまで経っていないにも関わらず、考えている事、悩んでいる事をこうまで読まれている。零には隠し事は一切通用しない事を知っているハジメはこの話の行く末を見ている。

 

「だが、考え直せとは言わん。これでも尚冒険者となって俺達の旅について行きたいと考えているなら、俺達を納得させてみろ。余計な心配や気遣いなど一切無用と一族を安心させてみろ」

 

「……はい!」

 

どっかのエセゆーしゃのように安請け合いはしないし、課したのは厳しい言葉と試練。だが希望が見えてきた事で蒼白だったシアの顔色が良くなってきた。

 

シアの様子にクロワールが話しかける。

 

「その約束を交わして良いの?」

 

「奴が潰れればそれまでの事だ」

 

「そうだよね」

 

短いがその零の言葉で納得したのか、クロワールが黙った事で再び無言の時が流れる。

 

恐らくだが、他のレプリロイドから甘さとも取れる優しさを持つ今は亡き親友(アイツ)なら、シアの可能性を信じて同じ様な条件を出すだろう。だが、安請け合いもしてしまいそうな気もする。

 

誰よりも悩み苦しみ、非情になりきる事が出来ない意気地なしの泣き虫の親友(アイツ)だが、だからこそ人やレプリロイド問わず多くの者達から慕われ、愛される。

 

そんな昔の事に思いを馳せながら、アディオンで馬車を牽引させながら進んでいく事数時間、ついにその時が来た。ハルツィナ樹海の入口が一行の前にそのデカい口を開けて待っていた。

 

ハジメとユエ、シアと零は各々シュタイフとアディオンから降りて、それを宝物庫に収納して馬車に乗っていた者、馬に乗っていた者も各々降りるとカムが一行の前に出る。

 

「では、皆さん。四人を中心にして行きますが、中に入ると深い霧に覆われます故、万一逸れると厄介です。中に入ったら決して我等から離れないでください。目的地は森の深部、大樹までですな?」

 

「あぁ」

 

大樹、というのは先程カムが説明したようにハルツィナ樹海の深部にある一本の大樹の事を指しており、亜人達からはウーア・アルトと呼ばれている。

 

また当然の事の如く、亜人達の間で神聖な場所として伝わっており、近づく者は滅多にいない。

 

「では、皆さん出来る限り気配を消してください。神聖な場所とされておりますが、特別禁止にされてる事ではなく、フェアベルゲンや他の集落の者達と遭遇されてしまいかねません」

 

「解った」

 

お尋ね者となっている兎人族の事だ。当然見つかれば戦闘は免れぬだろうし、戦闘が苦手なこの者達は如何にして彼等と出くわさないか、それを避けていけるかが焦点となる。

 

カムからお願いをされて、ハジメとユエは気配を薄くする。だが、ここで一つ問題が発生した。

 

「あ、あれ?ゼロ殿?ゼロ殿?」

 

同じく気配を薄めていた零の存在が見えなくなってしまったのだ。嫌、この場合は見えなくなったというより認識から外れてしまったのだ。

 

元々イレギュラーハンター第17精鋭部隊に所属していたが、忍部隊と呼ばれる第0特殊部隊の隊長を務めていたレプリロイドだ。その経験を用いれば、気配遮断のスキルが無くとも己の気配を全く無くす事くらい朝飯前だ。

 

「ちょ、ゼロ。ちょっとやり過ぎ!もう少し緩めて!」

 

「あぁ」

 

クロワールから指摘を受けて、零は出来る限り薄めていた気配をユエ位に戻す。認識されるようになり、カムの目の前というか一歩たりとも動いていない零が現れた。

 

「あ、ゼロ殿!どちらに居られましたか!?」

 

「ずっとここにいたが」

 

「さ、左様でしたか。いやはや、皆さま見事としか言いようがありませんな」

 

苦笑いを浮かべるカム。元々兎人族は戦闘用スキル等は低い代わりに諜報能力や隠密能力等に秀でている。しかし、ハジメの気配遮断のスキルもそうだが零の方はそのハジメのスキルすらも霞んでしまう程のモノだった。

 

カムはその見事さに舌を巻き、シアは余りにも差があり過ぎる実力に複雑そうな表情をしている。

 

「では、参りましょう」

 

カムをはじめ四人の兎人族がそれぞれ四方を固めるような陣形を取り、その中にハジメとユエ、シアと零とクロワール、残りの兎人族が入る形で樹海の中に入っていった。

 

樹海に入った途端に侵入者を拒み、惑わせる深い霧が一行を覆うが、カム等の足取りに迷いは一切無く進んでいく。

 

そしてその中を進んでいくと、突然その足取りが止まり、兎人族は皆配給されたナイフを構え、ハジメとユエも戦闘態勢を取り、零もレプリロイド化を発動させてゼロとなる。その理由というのがこの樹海に住む魔物の気配だ。数については十数体はいるであろう。

 

兎人族は皆一様に緊張しきった表情で周囲を警戒しているが、その中でゼロはとあるEXスキルのスイッチを入れ、バスターショットを構えて兎人族の前に立つ。ゼロと兎人族の距離はギリギリ見えるか見えないかの距離だ。

 

「ゼロ殿?」

 

ゼロの行動にカムがナイフを構えたまま問い掛けるが、ゼロはそれに応える事は無く、感じた気配の距離と角度に向かってバスターショットから蔦が生えたノーマルショットを何発か放った。

 

そして、それらの弾丸が過たず魔物に着弾した音が響くと――。

 

「「■■■■ーーーーッ!?」」

 

――ドガァンッ!ドガァンッ!ドガァンッ!ドガァンッ!ドガァンッ!

 

魔物達の断末魔と共に、何かが爆発する音が響き渡り、一拍遅れて魔物達のモノであろう肉片が降ってきた。

 

奈落に生息していた魔物、エセアルラウネから奪ったEXスキル、パラサイトボムだ。

 

その効果は先程通り、蔦のノーマル弾を発射し、着弾した敵は他の敵に突進して爆発し、その敵も巻き込んでダメージを与える物だ。

 

「「……」」

 

ゼロを除く一行は呆気に取られる中で、ゼロとクロワールは聴覚を研ぎ澄ます。爆発を幾度も起こしたのだから、その音に気付いて敵対者がやってくるかもしれないと判断した故にだ。

 

だが、近付いて来る者の気配はない。どうやらまだ気付かれていないようだ。

 

「良し、進むぞ」

 

「は、はい」

 

ゼロからの指摘を受けて、カムがまた先頭に立って進んでいく。進んでいく最中にまた魔物の気配を感じるが今度はゼロのみならずハジメとユエも参戦し、その歩みを止めない。

 

というのも、本来は樹海に生息している魔物達は普通の人間達から見て相当に厄介な者達なのだが、ここにいるのは奈落を踏破した者、魔法に秀でた者、そして異世界の破壊神なのだ。これくらいどうという事はない。

 

しかし、その彼らの目の前に奴らが現れた。魔物とは比べ物にならない人数と練度と連携、そして殺気と殺意を漲らせた者達。

 

兎の耳を忙しなく動かしていたカム達は苦虫を嚙み潰したような顔になり、ハジメとユエ、ゼロとクロワールも戦闘態勢に入る。

 

「お前達、何故人間といる!種族と名を名乗れ!」

 

現れたのは兎人族とは違い、虎の耳と尻尾をその身につけた偉丈夫の者達、虎人族が立ちはだかった。




実は、ハイスクールD×Dとロックマンゼロも描きたくなってしまい、どうしようかなと迷ってまして……。
と、関係ない事はそこまでにして、アンケート取ります

エックスは出すべき?

  • 共闘が見たいからそりゃ出すべきでしょ!
  • エックスVSゼロを見たいからエヒト側で
  • サイバーエルフとしてサポートに特化!
  • もう休ませてやってくれよ……
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