銀の雪は溶け残り   作:Tkmraeua2341

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すみません皆さん、寝坊しました…
だから今回1900文字くらいのいつもよりさらに短いです。
無駄に忙しすぎるんじゃぁ…課長仕事しろぉ…私に押し付けるなぁ…



第22話

 

一瞬、時が止まったかのような静けさが訪れ、姫川さんがボールを入れた。

テンッテンッと跳ねるボールを見て釈然としない顔をしながらも加点する審判、それを実況…間違えた司会進行の古奈さんが伝え館内が揺れた。

三木君が正当な抗議をしているが姫川さんに丸め込まれてる、ほんとこういうの好きよな姫川さん。

思う所があるはずの邦枝さんも目を瞑るようだ。

こうして、ベル坊の加勢が認められたまま試合が進んだ。

 

親子時間差、ベル坊ブロック、電撃による金縛り。

もはややりたい放題、ねこの畑山さんが言う通りバレーではない。

ベル坊の活躍により点差は逆転、21-24でこちらのセットポイント。

だが、

 

「な…」

「あかんわーもう、あかんあかん」

 

出馬会長のサーブボールが、邦枝さんを吹っ飛ばした。

 

「1セット目は普通のバレーしとこ思ってたのに…君らのせいやで?」

 

二度目のサーブ、ボールを上に上げ、構えをとり、銃が弾を吐き出すようにボールを打つ。

ボールが今の何倍にもなったかのような錯覚をしてしまう程の威力。

 

「ぐっ…あぁ!!」

 

腕で受け止める邦枝さんだが、勢いを止めることができず。

また、吹き飛ばされる。

1セット目はこの出馬会長のサーブを決め手に、六騎聖にとられてしまった。

 

 

 

 

 

「あーあー、すげぇ赤くなっちゃってるね、大丈夫?」

「ええ…」

「あのクソメガネ…なんちゅーサーブ打ちやがる」

 

戻ってきたチーム、しかし空気は重いものであった。

邦枝さんの腕はボールを受け止めた辺りが赤くなっており、本当にバレーでできた負傷とは思えないものだった。

 

「これ一回休んだ方がいいっすね…葵姐さん腕上がんないっしょ?」

「……」

「そうね…でも代わりなんて」

 

花飾りの可愛い花澤さんがスプレーで邦枝さんの腕を冷やしつつ寧々さんも交えて相談する。

これは…やるしかないな。

 

「…寧々さん、ユニフォーム確かあと1着ありましたよね」

「あるけど…まさか古市あんた!」

「私が出ます」

 

絶句する周囲、それもそうだろう、病み上がりの女に何が出来るかって話だし。

ここにはレッドテイルの人達だって居る、私の出る幕ではないかもしれない。

でも、

 

「腕が治った後、ヒルダさんに特訓をつけて貰ったんです。ある程度ならなんとかなるかと」

「でもあんた病み上がりでしょ!?」

「出たいんです、ケンカ出来ない私だって、石矢魔なんです。邦枝さん、私は長くは持たないでしょう、でもその腕を回復させるまでの時間くらいは稼いでみせます。だから」

「……わかったわ」

「姐さん!?」

「古市、頼んだわよ」

「はい」

「ああもう!由加、包帯とかすぐ使えるようにしといて!氷嚢も!」

「りょ、了解っス」

「寧々さん…」

「は〜…無茶すんじゃないわよ」

「…はい!」

 

 

 

 

 

 

『さぁ第2セットが始まりました!!もう後がない石矢魔!!果たして逆転は出来るのか!!』

「すみません皆さん、お待たせしました」

『おおーっと石矢魔チーム選手を代えてきましたね!!邦枝選手に代わり入ったのは古市選手!!同チームである男鹿選手と六騎聖の三木選手との三角関係が疑われている話題に欠かない方です!!そのうち取材させて頂きますね』

「まじか」

 

出場したら取材を受ける事になった件、端折りすぎて意味わからん状態。

まぁいい、切り替えろ。

私は私に出来る精一杯をするんだ。

 

『古市選手地味にアンダーサーブーッ!!六騎聖は流れるような連携でこれを返すー!!おぉ!?』

「…っ!!」

 

ボールは拾えたが、夏目さんには程遠い。

ボールに一番近いのは…

 

「神崎さん!」

「わかってる!」

『古市選手が六騎聖のアタックを拾い神崎選手がボールを繋ぐ!!それを夏目選手がアタックー!!しかし鉄壁の守りにより先制点は六騎聖が持っていったーっ!!』

 

それから試合は進み、点数は8-4、出馬会長のサーブを拾えた事でざわめきもあったがどんどん身体の動きが悪くなり点差も開く一方だった。

 

一度流れを切るためにタイムを取る。

 

「はぁ…っはぁ…っ」

「古市が限界近ぇか、やべぇな…」

「はぁ…っ…まだっ、動けっゲボっ」

「辞めとけ、今までレシーブは邦枝に任せっきりだったからな…古市以外全員ザルだ」

「てめーが一番ひでぇけどな」

「「あ"?」」

「やめなさい!!」

 

チームが無力感と焦燥感でギスギスしていると、邦枝さんが止めた。

 

「古市、交代よ…よく頑張ったわ」

「はぁ…っはい…っ」

 

思わず崩れ落ちそうになってレッドテイルの飛鳥さんと梅宮さんに支えられる。

ベンチに戻りながら、背後から聞こえる声に。

 

「みんな聞いて、今から全部のボール、私が拾って拾って拾いまくるわ」

 

見ることが出来ないけど、想像する。

 

 

 

「だから、絶対、勝つわよ」

 

「「「「「おぉうっ!!」」」」」

 

 

 

皆の姿を、想像する。

声だけでこれなんだから、

 

「絶対、かっこいいんだろうなぁ…」

 





キリが良かったのでここまで…
後途中までこれで行こうと考えてた事をボツ案として載せときます。
いやだって今回古市退学組に入ってないからユニフォーム作られてないよねって思って…
後勿体ないから着てみた花澤さんが面白可愛かったから…
その後の展開ですげーノイズだったので「予備が1着あった世界線」という事で進ませて頂きました。

※ボツ案

「すみません皆さん、お待たせしました…」
「おーやっと来たか古いっブォ!」
「な…!!」
「おいおい、サービスなら他所でしろよ…」
「…ユニフォーム、これしか無かったんです…」
『おおーっと石矢魔チーム選手を代えてってなんだその格好はー!?スク水と大差ないデザインのそれで今度は色仕掛け攻撃かー!?頬を赤らめ身をよじるその姿は破壊力抜群!!館内の男子全員の目線を独り占めだー!!!』
『すごく…エッティです』
「由加…あれ捨ててなかったの?」
「いやー中々捨てれなくて…古市、今度焼肉奢るっス」
「そうしときなさいこのバカ」
『おっと六騎聖の三木選手が唐突に崩れ落ちたー!!顔を赤くしてる様子から刺激が強過ぎたようだー!!!やはりあの二人にはアヤシイ関係でもあるのかー!!??』
「好き勝手言いおる…」
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