こんちは、台風大丈夫っすか?
こっちは台風の影響で昨日と今日が休みになったんでこいつを上げる事が出来ましたが、川が増水し道路には大きめの枝が落ちてるなど影響は少なからずあります。
皆さんもお気を付けて。
どうか、たわいなく退屈で笑える日が続きますように。
『さぁー大変な事になりました!!一体誰がこんな展開を予想したでしょうか!!両者一歩も譲らぬ激しい攻防!!1セット目は六騎聖!!2セット目は石矢魔がそれぞれとり、そしてデュースに次ぐデュース!!試合は第3セットまでもつれこみ得点は27対28!!石矢魔5回目のマッチポイントです!!』
意識が飛んでた内に終盤まで進んでいた。
ベンチから身体を起こして周囲を見る。
皆、真剣に試合を見ている。
始まる時にはこっちをバカにしてた生徒も、何も期待していなかった先生も、例外なくこの試合を見ている。
『おっと姫川選手サーブが乱れました!!』
『もう体力の限界なのでしょう』
コート内を見る。
皆疲れ果てている。
石矢魔も六騎聖も関係なく、そこに立つ全員が汗に濡れ今にも倒れそうだった。
『さぁー六騎聖チャンスボールです!!出馬選手の渾身のスパイク!!!ブロックはじいたーッ!!邦枝選手これを追うが間に合わない!!』
夏目さんの手が後ろへ弾かれるほどのスパイク、邦枝さんが走るが間に合いそうになかった。
でも、その後ろを走ってるあいつなら、
『な、なんと男鹿選手…ポジションを無視してこれにくらいついている!!』
そうだよな男鹿、お前なら、やれる。
足りない高さを補うために飛び上がり、ケンカの時のように思いっきりボールを殴る男鹿。
ターンと音を立てつつ落ちたボールの位置は…
『は、入ったーーッ!!入りました!!まさかの返球に一歩も動けず!!27対29!!エキシビションマッチバレーボール対決を制したのはなんと、石矢魔です!!!』
次の瞬間、歓声で体育館が振動した。
皆が思い思いに喜び涙を流した。
選手が整列し、邦枝さんと出馬会長が握手すれば拍手の嵐。
ここで終われば、いい一日で済んだんだけどな。
『あ、ちょ、何ですかあなた!!返してくださいっ!!ちょ…』
『あーあーテステス』
最低だよ、このクソマリモ。
霧矢令司、中学での有名な渾名は「マムシ霧矢」、男鹿と三木君の仲が拗れてしまった原因の男の名。
始まりは中学一年の終わり、雪の降る下校中の事だった。
奈良に引っ越すという三木君との思い出を増やしたくて、買ってきたおやつを男鹿と三木君の3人で食べるために普段入らない廃ビルに入った。
少し喋って帰る途中、三木君が忘れ物をしたと言って廃ビルに戻るのを男鹿と追いかけたら、そこには三木君以外にも霧矢とその取り巻きが居た。
男鹿は取り巻き達を瞬殺した後、三木君が霧矢から忘れ物を取り返そうとするのを尊重して初めは手を出さなかった。
まぁ、最後は手を出してしまったんだけど。
その次の日、霧矢がうちの中学まで報復しに来た。
男鹿が出ていくのと共に三木君も出てくると男鹿は三木君との関係を隠すために三木君をズタボロになるまでボコった。
男鹿は、三木君と同じように霧矢も奈良に引っ越す事を知っていた。
だから三木君を傷付けることで、三木君を守ったのだ。
男鹿は、自分の思いを通す為なら人に暴力を振るう事に戸惑いがない。
それは相手だけでなく自分自身も含めて。
だから、今も男鹿は霧矢からの暴力を耐えている。
バレー試合で勝ち取った結果を無下にしないために。
でも、三木君は耐えられなかった。
観客を人質にするために十数人の帝毛の生徒が観客の傍にいる中、霧矢に殴りかかった。
鍛え上げた武術の一撃は霧矢が持っていた鉄バットを折り曲げた。
そして因縁なら自分にもある筈だと叫ぶ三木君。
そこで発覚した霧矢が奈良へ引っ越した事実に固まった。
三木君の事だ、すぐに分かったんだろう、男鹿が三木君を守ってた事を。
そんな三木君を足蹴に登場した四人組。
チャラいの、デカいの、武人風の、オカマのハゲの帝毛生だった。
喋ってる4人組にまた挑む三木君、それを迎え撃つ武人風とオカマのハゲ。
吹き飛ばされ追撃を受けそうになる三木君だが、
「死ぬのは、てめぇらだっ!!!」
背後から駆け出した二人の顔を床に叩きつける黒い影。
「しょーがねぇ、てめーとの勝負はおあずけだ。とっとと片づけんぞ…三木」
もちろん、男鹿だった。
さて、男鹿と三木君が帝毛の「影組」と呼ばれる四人組を瞬殺する前に邦枝さんと近くに居た七海さんに小さい声で話しかける。
「邦枝さん、レッドテイルの皆で観客の傍にいる帝毛をやっちゃいましょう、六騎聖の方々も協力してください。人質解放作戦です」
「でも大勢で動いたら気付かれるでしょ?どうする気?」
「男鹿は絶対にあいつらを一撃で瞬殺します、おそらく三木君もそうでしょう。こんな騒ぎの中なら意外と気付かれないものです、目線に注意しつつ二人か三人ずつ向かいましょう」
「わかったわ、出馬君達にも話しとく」
「こっちも寧々達に伝えるわ、古市」
「お願いします」
まぁ皆すごい強いし心配ないけど。
いやー、影組と霧矢は強敵でしたね。
なんて冗談を零しつつベル坊にミルクを飲ませる。
夕日が差し込む屋上、私と男鹿の他にもヒルダさんやアランドロンが居る中、男鹿がヒルダさんに相談する。
あの後、男鹿がチャラいのとデカいのを、三木君が武人風のを一撃で倒した後、霧矢が人質を使う前に残りの帝毛生を皆がとっちめて。
焦る霧矢は男鹿とベル坊の全開ゼブルブラストによって黒焦げ+パンイチにされた。
帝毛の生徒を全員追い出せた訳だが、見せてしまった魔王の力は出馬会長と七海さんの協力により隠す事が出来た。
だが、男鹿は出馬会長がすれ違う去り際に言われたらしい。
悪魔の力を無闇に見せてはいけない、と。
男鹿が聞けばヒルダさん達にも思い当たる節がないらしい。
謎を残したまま、今日は終わった。
短いけどもしかしたら日曜にもう一話上げるかも…いけるかな…?