や!
調子にのって出しに来ましたよ!
セリフばっかりでごめんね!
水槽の魚やジンベイザメを見てご飯を食べた後、私達はイルカショーを見に来ていた。
その素晴らしさたるや、ベル坊が魔界の言葉で叫び散らすほどだ。
「ベル様、もっと前にいって見ませんか?」
「アイッ」
あら〜妹ちゃん攻めるわね〜微笑ましくて内なるおばちゃんが出てきたわ。
「千夜のやつなかなか積極的だな、こりゃオレも負けられねーな」
「ホント、ベルちゃんもまんざらでもないみたいだし。鈍感な所まで親に似なくて良かったわねー」
「なんだあの娘は…坊っちゃまに対してなれなれしい、殺すか」
「ヒルダさん抑えて抑えて、哀場兄の妹なら将来有望だろうし哀場兄が家来になるなら余計不味いですよ」
「……」
…うん、そりゃ男鹿も黙るわ、会話の前後で物騒さがすげーもん。
つい遠い目をしてしまい、ふと視界の端に可愛く動く金髪を見つけた。
…これは…ほう?
「よっベル!!見たか!?イルカジャンプ!すげーなおいっ!」
元気よくベル坊に手を上げて近づく二葉ちゃん、その先にはベル坊の手を握る哀場妹…千夜ちゃんの姿が。
…ほほう?
「なんだ?お前は」
「……あなたこそ、ベル様のなんなのよ?」
場を静かに満たす重圧、幼女達の目が据わり、イルカが空高く飛び跳ねる。
そして、流れに取り残され困惑するベル坊。
わぁ…既視感あるぅ〜。
「髪色だけなら邦枝さんとヒルダさんみたいだなぁ」
「え!?」
「いや違うだろ」
「そうだな、あまり笑えん戯言だぞ古市」
「いやーすみませんヒルダさんに邦枝さん。あと男鹿も、流石に考えなしでした」
「こ…これは…ラブの嵐が吹き荒れておりますぞーーーーっっ!!!!」
「アランドロンうっさい」
男鹿にアランドロンをぶっ飛ばしてもらい、前方の女の戦いの観戦に戻る。
「どこのどいつか知らねーが、二葉の子分に気安く触ってんじゃねーよ」
「あらやだこわぁい子分だなんて、ベル様なんですの?この頭の悪そうな女は」
「てめぇこら何歳だ?」
「4歳ですけどぉ?」
「…じゃあ何月生まれだ」
「はぁ?もう何よ…9月14日の乙女座よっ」
「ちっ」←2月生まれ
「私の名前は哀場 千夜(あいば ちよ)、ベル様の未来のお嫁さんよ♡キャッいっちゃった…」
「……オヨメサンだぁーー?このドクサレビッチがっ!うちのベルたぶらかしてんじゃねーよっ!!はなれろやっ!!」
「まぁっなんて汚い言葉遣いっ!!あなたこそ子分子分って頭おかしーんじゃないの!?ベル様を束縛しないで下さるっ!?」
「例え4歳児でも女か…」
「坊っちゃまはモテモテだな」
「ですね…」
「いいわっ!!だったらベル様に聞いてみましょう!!」
「おもしれぇ!!ベル!!二葉とこいつどっちにつくんだ!?」
「つくとかじゃないですわっ!!ベル様、どちらをより愛しているのかこたえて下さいっ!!」
「はぁっ!?愛!?ばっかじゃねーのお前っ!」
とうとう詰め寄られてしまったベル坊、なんかラブコメの主人公みたいだぞ。
「さぁっ!」
「どっちだベルっ!!」
「………アウ、アウ…」
「ニャッ!」
「ベルっ!!」
「ベル様!」
ベル坊は走った、想いを寄せる女から逃げるために。
というか恋愛はまだ早いからね、こうなってもしょうがないよね。
「何やってんだてめーは、情けねーな」
「あぁ坊っちゃま私めの胸に…っ」
ベル坊はぐしゅっと男鹿の胸に飛び込んだ。
そりゃ初めてだろーなぁ、複数の女性に想いを寄せられて、どっちが好きかと詰められて…赤ん坊の頃にこんな経験済ませてしまうのか…流石魔王、流石王族って事にしよう。
けして現実逃避ではないぞ。
「…どうやらベル様はまだお父様が一番のご様子」
「だな…この勝負はおあずけだ」
「いずれまた」
「あぁ、せいぜい首を洗って待ってな」
こうして、一つの因縁がひとまず幕を閉じた。
閉じれば良かったんだが…。
バゴォッ!!!!
「ん?やけにとんだな…」
哀場兄と同じ学校の生徒が聖石矢魔の女子にナンパ…ナンパかアレ?
まあちょっかいを掛けてしまい、邦枝さんとのお出かけを邪魔したしつけとしてデコピンを放った哀場兄…。
それを受けた坊主頭の男子は、隣島の海まで飛ばされてしまった。
騒然とする中、静かにだが男鹿が哀場兄に真剣な目線をやっていた。
「貴様も気づいたか男鹿」
「?」
「…魔力の気配だ」
「えぇっ!?それってあの哀場って人が悪魔かもしれないって事!?」
「かすかな気配だが…あの男…貴様も気になると言っていたが…やはりただの人間ではないのかもしれん…」
不穏だ…。
その後は東条さんが喧嘩を売りに行き、一触即発になりかけたのを邦枝さんが止めに入って終了した。
ひとまず問題事が終わり夕方、何かあれば戦力外になるだろうから私は男鹿達と離れ、お土産を買うために由加さん達と国際通りへと来ていた。
なお男鹿達も行くみたいだったから別れた意味あったかっていうと…うん。
考えすぎたっぽいか…お。
「はじめ、はじめはおらんかっ!?」
前方に恐らく迷子の二葉ちゃん発見!確保!
「さっきぶりだね二葉ちゃん」
「おう」
「神崎先輩の姪っ子ちゃんっスねー」
「迷子?」
「二葉は迷子じゃねーよ、はじめ達がはぐれやがったんだ」
「ほほーそいつはヒドイっスねー」
「まぁ仕方ねーよ、あいつらちょっとぬけてるからな」
「アハハ」
相変わらずの尊大さ、このまま成長すると怖い事なりそうだけど…4歳児だしなぁ…。
つーか由加さん幼児にすっごい慣れてない?…って、何ぷるぷるしてるんだろう。
「リョーコさんっ!ナマイキで超かわいいっス!!だきしめて〜」
「やめてやれ…しょーがねー、一緒に捜してやるか」
「よーし二葉ちん、どっちが先に神崎先輩見つけるか勝負っスよー」
「のぞむところだっ!!」
「あ、ちょ!涼子さん薫さん!一応私ついて行くんで何かあれば連絡します!」
「…大丈夫かな」
「…多分」
結果、はぐれました。
「…まぁ、しょうがないですよね、初見の場所だし」
「だ、大丈夫っスよこんな時こそケータイっス!!」
「オォッすまほってやつだな」
「って神崎先輩の番号しらねぇっっ」
「いや…ふつーにさっきの仲間にしろよ」
「オォッ!!二葉ちん流石!神崎先輩姪っ子なだけあるっスね!!」
「じゃあ私は地図アプリ開きましょうか」
「ハイどーも、ちんぴらですよー」
漫画を一気読みしてると作者様の技量が上がったり画風がいい意味で変わったりするのがわかりやすいですよね。
何を言いたいかって?
女子達の可愛さが更に上がって見えてるんです…。
後ベル坊に二葉ちゃん千夜ちゃんがそのまま中学生や高校生になった妄想で結構ニヤけてます。
姉貴面する口悪金髪ギャルの二葉ちゃんと、自称お嫁さんのお嬢様口調な千夜ちゃんに挟まれる魔王の息子ベル坊…なんてね。
……あれ、これラノベ?