銀の雪は溶け残り   作:Tkmraeua2341

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や、やっと単行本1巻をやり終えた…
今回かなり会話多いし視点変わり多いからかなり読みにくいかもしれない…
流れ的には、TS古市→城山→第三者視点→TS古市となります。
文才が、文才が欲しい…

※R6 8月15日誤字修正しました、報告ありがとうございました
※R6 8月17日誤字修正しました、報告ありがとうございました…あれぇ?
流石にもうない…よね…?


第4話

今日、男鹿がとうとう蠅王紋(ゼブルスペル)を発現させた。

男鹿の忘れ物を届けに来たヒルダさんとアランドロンによって語られる説明を聞くと、原作では見慣れていたそれがかなりレアなものだったと再確認した。

ゼブルスペルは王家の紋、過去数千年のうち数える程しかその紋を刻まれた人間は居ないそうだ。

 

「確かに初見じゃびっくりするけど、割とかっこいいし似合ってるぞ男鹿」

「わかっているな古市、坊っちゃまの侍女見習いとして自覚が出てきたか」

「…え?」

 

侍女見習い?ヒルダさんむっちゃ仕事人で認めた相手じゃないと侍女でもかなり厳しいと思ってたんだけど…何より正式に仕えることになってない人にはそんな事絶対言わない人だと思ってた。

 

「なんつーか、ヒルダさんらしくないっすね」

「何がだ」

「私を侍女見習いって言う所。ほら、ヒルダさんって大魔王やベル坊にすげー忠誠心あるから、私みたいな人間の小娘はどうでもいいか邪魔に思ってるのかと」

「…男鹿の家族もそうだが、お前も坊っちゃまを大切に思ってくれているだろう、坊っちゃまの人間界での好物を探したりそこのドブ男より坊っちゃまのお世話をしている、そのまま精進していけば侍女悪魔の補佐の末端にはなれるだろう」

 

まじか、割と高評価だったんだが…あれか?たまごボーロやソフトせんべいやら持ってきてベル坊が食べれるかヒルダさんに確認取ってたりしてたからなのか?

っとベル坊暴れるなよ〜やっとミルク人肌まで冷えたからな〜

 

「…あいつ、オレより親してね?」

「本当はお前がするべき事だぞこのドブ男」

「あ"ぁ?」

「私の疑問はこれくらいにして…確か最初の頃に親の資質が、とか言ってましたよね。王家の紋が出たってことは、魔王の親は男鹿で確定ってことなんですか?」

「いや、この刻印はいわば触媒のパラメーターなのだ」

「えぇ、まだ幼すぎる坊っちゃまが人間界で魔力を発揮するには触媒となる人間の助けが必要です。どれ程、巨大な電力があってもそれを通す丈夫な電線がなければ意味がありません」

「そして伝導率が上がる程、坊っちゃまは巨大な力を引き出せる。男鹿、貴様の拳の刻印は坊っちゃまと同調すればする程、複雑に増えていく。つまり貴様が周りの人間をボロ雑巾の様に扱えば扱う程、坊っちゃまの力が引き出され、真の魔王に近づけるだろう」

 

 

 

「いやーさっきはビビったよ」

「なに?」

「男鹿のヨメだよヨメ!!」

「あの腰巾着な銀髪の?」

「そっちじゃねーよ!多分男鹿の連れてる赤ん坊を産んだ方、クソ美人、つか外国人」

「マジ?」

「マジマジ、目の色一緒だったし。しかも超凶暴、ありゃ完全に尻にしかれてるな」

「ハハッなっさけねぇ、アバレオーガも人の子ってわけだ」

「そーなると男鹿の奴、女二人も作ってたってわけだよな」

「そんなクズ野郎に負けたのか神崎、大した事なかったんだろーな」

「東邦神姫の中じゃ一番下だよなーヒャハハ」

 

「……」

 

昼飯を食べようとして聞こえてきた話に、つい手が止まった。

神崎さんが男鹿に敗れて数日、かつて勢力下だった者達は、すぐに離れていった。

神崎さんはあの後すぐに搬送されたが診察の結果、全治一ヶ月。

戻ってこられた時、神崎さんはこの伽藍堂になった勢力を見て何を思うのだろうか。

 

「東邦神姫か…そう呼ばれるのも終わりかもね」

 

もはや誰も近寄らなくなった俺に話しかけてきたのは、オレとも関わりの深かった2枚目のキザな奴。

 

「夏目」

「石矢魔の4大勢力、東条・邦枝・神崎・姫川、その頭文字を取って石矢魔 東邦神姫 なーんて呼ばれてたけど、神崎君やられちゃったしオレ達もどっかに付かないとやばいかもね」

「夏目、去りたければ去れ」

 

例え何があろうと、オレは神崎さんのそばに居る。

 

「オレは残る」

 

 

 

 

「姫川さん、今日撮った写真です」

「あー?」

「男鹿のヨメらしーですよ」

「ふーん、いいね。いいけど…ヨメ他にいなかった?」

「古市のことっすか?少し調べてたんすが、古市…銀髪の方は男鹿の幼馴染で正確には男鹿とくっついてないらしいです」

「でも一緒にいると…へぇー」

 

「あーっ何見てんすか?やらしー」

「また新しい子?」

「ゴスロリだゴスロリ、姫川さんこーゆー趣味あったんだー。てゆーかおっぱいでかーっ」

「あはは牛かっての、何食ってんだ?」

 

姫川の部下が全員下がり他校の不良女子を二人侍らせ、特注のソファに姫川は腰を下ろしていた。

 

「あのねー君達、もう少し頭のいい会話してくんない?品のない女嫌いなんだよね、殺したくなる」

「えー」

「やだーこわーい、でもそこがしびれるー」

 

そんな姫川に近付く集団が1つ、全員がフードを被り何人かはバットや角材を持っていた。

彼らはチームカラスと名乗るチンピラだ、姫川が部下を下がらせ戦力が少数になった所に奇襲を仕掛ける瞬間だった。

しかしそれが成功すると思っていたのはその集団を率いていた男、アシッド鈴木のみだった。

チームカラスは全員、姫川に買収されていたのだ。

 

「がはっ」

「わかったか?頭はこーやって使うんだ、策を弄するなら完璧に…だ」

 

姫川はリンチにした鈴木の頭を掴み、写真を見せる。

先程まで眺めていた写真を。

 

「明日までにこの女を連れてこい、必要経費があるなら出してやる、てめーの最後のチャンスだと思え。いいか?金で動かねーもんなんてねーよ」

 

 

 

ヒルダさん達のゼブルスペル講習会の翌日、私達は近くの海の堤防に来ていた。

男鹿はベル坊と堤防の先で海を眺め、私は男鹿から少し離れた所で釣りをしていて、ヒルダさんとアランドロンは海の家でティータイムにしていた。

この展開知ってる、ヒルダさんが姫川に誘拐される回だ。

 

今も男鹿がしてるように、ベル坊にケンカしねぇから泣くなって男の約束をした後、姫川に雇われたのか何人かの不良が男鹿の所にやってきて、男鹿はケンカしないように逃走する。

そこに残ってた古市が絡まれヒルダさんがやってきて古市は気絶、目が覚めたら自身もヒルダさんも捕まってたって奴だ。

その後の展開で姫川のクズさ、ヒルダさんのサービスシーン、古市が見せた男気、男鹿がベル坊の力を如何に引き出してみせたかが描かれるかなり魅力的な回で記憶によく残っている。

 

「わはははははっアホ共が!!ついてこれるもんならついてゴボゲバッ!」

 

そうそう、あんな風に泳いで逃げるんだったよなぁ、男鹿の事だから大丈夫だろうけど、ベル坊は濡れたりしなかったかなぁ、この時期に海はまだ冷たいだろうし、目に海水入って泣いたりしてないかなぁ。

 

「あ、男鹿の連れの…ラッキー」

 

…あれ、もしかしてこれ回想じゃなくて今起こってたこと?

私ボーッとし過ぎじゃね?

 

「なーお前いつも男鹿とつるんでるよな、あいつのヨメのケータイバンゴー知ってる?」

「……知らねーっス、つかケータイ持ってないと思うっス」

 

なんか、近ぇ。

え、いやほんと近ぇ、なんで肩組んでくんの?原作でもこんなだったっけ。

 

「あの、離れてもらっていいすか?」

 

余計に近づいて来んじゃねぇよ指で私の胸撫でんじゃねぇよキメぇんだよ!!

 

「そんなつれねーこと言うなよ、あれだろ?お前オガヨメに男鹿取られちゃったんだろ?オガヨメの居場所教えてくれたらオレらが慰めてやっから教えてくんない?」

 

キモっ!キモイわ!こんなのに捕まらなきゃいけないの!?つら!!

 

「何をしている?男鹿と坊っちゃまはどーした?」

「ヒルダさ」

 

急に口元を何かで抑えられ、私は意識がなくなった。

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