銀の雪は溶け残り   作:Tkmraeua2341

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今回はほぼ第三者視点をしているつもりで書いてますが…説明回にしようとして日本語力の足りなさから、かなり分かり辛いかもしれません。
元から分かり辛い?すまぬぇ…



第8話

 

「葵姐さん…」

「……な、何よ」

 

石矢魔高校の空き教室内で邦枝 葵、大森 寧々、谷村 千秋は昼食を取ろうとしていた。

そんな中、大森は立ち上がり、向かい側で弁当を広げている邦枝にじとっとした目線を向けていた。

 

「正ーーーー直に答えて下さい」

「何なのよ」

 

大森は邦枝を問い詰めていた、その眼光は一切の虚偽を許さぬと訴えていた。

 

「あの男鹿って奴の事、どう思ってます?」

「ど、どうって…べ…別にどーとも思ってないわよ」

「うそっスね」

 

邦枝は明らかに動揺していた、頬を赤らめ目線を顔ごと逸らしていた。

 

「あれからずっと心ここにあらずってカンジじゃないスか!知ってんスよ!まさか本気でホレたとか言うんじゃ…」

「ちょ、ちょっと待ってよ!!そんなワケないでしょ!?そりゃあまあ…確かにあんなこと言われてびっくりしたってゆーか、その、言うほど悪い奴には見えなかったってゆーか…あの赤ん坊もちょっとかわいいなーとか…思ったり」

 

墓穴である。

邦枝が指をもじもじさせながら喋る程に愕然としていく大森、それをサンドイッチを頬張りながらも真剣な目で見ている谷村。

 

「でっ…でもほら!!急に母親ってわけにはいかないじゃない!?ものには順序ってものが」

 

大森は思った、ダメだこれ…と。

 

「─姐さん、まさかうちらの掟忘れたわけじゃないっスよね…男 作るべからず!!先々代から受けつがれてきたレッドテイルの伝統!!男が出来る時はやめる時だけ!!それが今までチームの結束を固めてきた唯一無二の法律です!わかってんスか!?このままじゃ下の者に示しがつきませんよ!?それに男鹿には古市って一年が」

「寧々」

 

そこには、先程までの恋に振り回されている生娘の顔でなく、

 

「だから言ってるでしょ、それはないって」

 

組織の長としての顔があった。

 

「…信じていいんですね?」

「あたりまえでしょ?」

 

「おい見ろっ男鹿だ!!」

 

両者が真剣に見つめあう中、急に廊下が騒がしくなった。

そして男鹿の名を聞いた邦枝はピクンと一瞬で動揺し赤面していた。

幸か不幸か、廊下側を振り返っていた大森には見られていなかったが、谷村はしっかりと見ていた。

 

「騒がしいね…また男鹿?」

「しっ…仕方ないわね、見に行くわよっ」

「あっ姐さんっ!!」

 

すぐに走り出した邦枝に大森は慌て、谷村は(かわいい)と心の中で呟いた。

 

邦枝が廊下に出てケンカの現場を見に来た時には、全てが終わった後だった。

負けたのであろう5人の生徒の傍には男鹿ともう1人、見慣れぬ女性が立っていた。

 

(えぇ!?ちょっと誰!?てゆーかなんであんなカンジで立ってんの!?あれじゃまるで、あ…相棒…?)

 

邦枝は混乱した。

 

「瞬殺だったなMK5」

「つーかこれやったのほとんど女の方だろ」

「ああ、まさに最凶夫婦だぜ」

 

(夫婦!!?)

 

邦枝は、さらに混乱した。

 

「ちょっと…夫婦って…どういう事…?」

「あ?知らねーのか?あのキンパツ姉ちゃんが男鹿のヨメだよ、いーよなーヨメが二人もいて」

「っておい!!」

「くっ邦枝ぁぁっっ!!?」

 

話しかけられた不良二人が振り返ると、そこには能面のように無表情でありながら全身から怒気を滾らせている邦枝がいた。

 

「へー…そーなんだー。一度ならず二度までも」

 

力任せに振られた木刀は荒々しく窓を削り、その殺意を示すようにズタズタになった。

邦枝は今、一つの事しか考えられなかった。

 

(オガ…コロス)

 

 

 

 

ここで、なぜヒルダの登場で邦枝がここまで怒り狂ってしまったのかを説明するならば、それは古市の存在の所為だろう。

言ってはなんだが古市もそこらの女には負けぬ程の美しさを持っていた。

そんな相手が気になった男の傍にいるのだ、気が気でなく烈怒帝瑠の部下にどういう存在か調べさせたのだ。

 

結果は、限りなくグレーに近い白。

 

部下の報告によると、

 

「古市は男鹿と幼馴染で、今でもお互いの家に遊びに行くほどらしいです、小学校から今まで一緒の学校だとか」

「男鹿が中学で頭角を現した辺りから人質として狙われることが多く、それを計画、行動に移した者はもれなく男鹿にヤラれたそうです」

「なんでもあの姫川も古市を人質にして男鹿に病院送りにされたと」

「校内ではよく男鹿と一緒に赤ん坊の世話をしてるらしいです」

「ミルクをあげる所や抱っこしてあやしてる姿がよく見られています」

「しかし、目や髪の色から母親では無いと思われるようです」

 

これらのような情報から、邦枝は古市に対して勘違いをした。

 

邦枝にとっての古市は、たとえ危険な目に遭っても好いた幼馴染を放って置けず、いつの間にかこさえた赤ん坊に対し、子に罪は無いと好いた相手と恋敵の子を愛情もって育てる健気で聖女のような娘だと、そう勘違いをしていた。

 

そう、だからこそ男鹿を許せなかった。

こんな良い子に好かれているのに、それに慄きつつも負けたくないと思った自身を、馬鹿にされたようだったのだ。

あの時の告白(※違います)はなんだったのか、本当に私を貶めるだけの罠だったのか、どうしようもない程の怒りが邦枝の中で湧き続けていた。

 

まぁ、全て勘違いなのだが、本人はまだ気付けないでいた。





…はい、なんか書いてたら邦枝さんが少女漫画のライバルキャラか悪役キャラの立ち位置になってた。
こ、こんなつもりじゃなかったんだ…
でも書いてて楽しかったのでよし。
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