宅配したらどこぞの異常物体収容施設だった件。   作:月夜見優

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 どうも、作者です。投稿を休んでしまってすみませんでした。ただでさえ文字数少ないのに……!

 ちょっと文字数多めになるように頑張るゾイ☆あ、ちなみに解説的なものを脚注で入れてみました。

 胃腸炎って、すごいんだなぁ……(小並感)




二話 腹立つアイツとの遭遇

 

 「アー、博士?もうすぐ一時を過ぎるンだが。流石に腹減ッたぞ」

 

 ぐぅ、と音を鳴らす腹をさすりながらも、無機質な箱に向かッて話しかける。時計の短針は一を刺していた。……あァ、腹減ッた。いい加減クロステスト*1してくンねェかな。ピザ、ピザねェ……そこまで好きじゃねェんだよな。

 

 何も音のしないスピーカーに目をやりながらも、この後頂くであろうピザ、もといscp-458を思い浮かべる。アレ、俺だとどんなピザになるンだろうな。腹膨れる奴だといいンだが。

 

 scp-458、The Never-Ending Pizza Box、日本語だとはてしないピザボックス。ごく普通のピザボックスの見た目をしていて、それを開けた人間の嗜好に合わせたピザが生成されるとか言う、世界の食糧難を救えそうな代物だ。このSCP担当の博士が中々好奇心の強いやつで、scp-073 *2やscp-076 *3、scp-682 *4、scp-999 *5、そしてscp-4999 *6などととんでもなくヤベェ奴から優しい奴(scp-4999は流石に優しすぎて泣く)に渡ッてクロステストを行ッてきた。今回の件も多分それだろうな。いやにしても好奇心に駆られすぎだろ。どんな考えに至ればscp-076とかscp-682にクロステストしようと思うんだよ。しかもクソトカゲの時には博士の生首ピザだッたし。やッぱクソトカゲはクソトカゲだッたな。*7

 

 いや、こンなことはどうでも良いンだ。(良くはない)

色々と気になる事がありすぎる。

 

 第一に、何故つい最近収容されたばかりの俺でクロステストを行う?普段の財団ならこンなことはしない筈だ。いやまぁ、確かにscp-458の博士はイカれてるが、流石にそこまでアホじゃないだろ。いくらなんでも、実態のよく分からン奴をいきなりクロステストしたりするのは良くないだろ。……もしかして、俺の嗜好だとか性質だとかを知るためか?確かにこのSCPの異常性はそう言う風に使えるとは思うが、まさかな。

 

 ……案外あの博士ならやらなくもない、か?なンかあり得そうな気がしてきた……

 

 まァ、これはクロステストの時に様子を見ながら考えれば分かるだろ。それにそこまで重要じゃあない。

 

 第二に、俺の異常性が何なのか、さッぱり分からない。今朝、ある程度纏めてはみたが何となくそう言う次元じゃないような気がする。あのクソトカゲが俺にビビッた事も関係有りそうだしな。どうせなら本人に聞いてみたいが、財団は流石に会わせてくれないだろう。正直俺も会いたくない。アイツ地味に気持ち悪いンだよな。何だろう、同族嫌悪に近しいような…… 何言ッてンだ俺?!アレと同族はやべェだろ!!

 

 ……話が逸れたが、結局のところ俺の持つ能力はよく分からない。現実改変能力者*8だッたらもッと財団が焦るだろうし(クソトカゲがビビるレベルなら相当ヤバいからな)、かと言ッてこれまでの生活の中では特に目立ッた異常性は無かッた。だが、俺自身は以前から特殊な体質だッたし、普通に次元移動、しかも俺にとッての二次元の世界への移動だ。何かしらの能力を持ッたッて不思議じゃない。

 

 まァ、能力の内容についてはよく分からねェがその内分かるだろうし、追々考えていくとするか。

 

 それから、他にも________と思考を進めようとすると、先程まで何の音もしなかッたスピーカーからジジジ、とノイズ音がした。……やッとかよ。

 

 「……scp- ███-jp。遅れてしまいすみません。早速ですが、移動の準備を始めてください」

 

 準備?なンの事だ?と首を傾げていると、普段食事が出される小さな窓口から黒色のチョーカーが出された。……は?

 

 おいおいおい、まさかコレを付けろッてか?そりゃまたどうしてだ?ていうかチョーカー付けたことねェぞ俺。

 

 頭に多くの疑問符を浮かべているとスピーカーから咳払いが聞こえた。というか驚いて咽せているに近いか?

 

 「げほっ、っ、ごほっ、な、なんで貴方がここに?!先程ここへの立ち入りは禁止すると言ったでしょう?!」

 

 本当にごく僅か、うっすらとだが、博士の酷く動揺した声がスピーカーから聞こえる。普通だと聞こえないレベルの大きさだが、耳がかなり良い俺には聞こえる。これ俺が聞いても大丈夫なのか?と言うか立ち入り禁止ッて一体何したンだよソイツ。

 

 「ははは!君、意外と動揺するタイプなんだねぇ。キライじゃないよ?私」

 

 「そんなことはどうでもいいですから!早く出ていって下さい!」

 

 ケラケラと愉快そうな男の声が耳に入る。というか何気にコイツ口説いてね?博士男だぞ?博士の声からは心なしか焦燥を感じられる。可哀想に、と心の内で合掌していると、不気味な笑い声がスピーカーから漏れる。

 

 「ククク、その事についてとても良い知らせがあるんだ」

 

 「……その、不気味な笑みをやめて下さい。まさかとは思いますが、彼の主任研究員になっただとか言ったりしませんよね?」

 

 切実そうな声を捻り出す博士。一体どんな笑みを浮かべてるのか、博士は今までに聞いたこともないくらいに疲れていた。(まだ出会ッてから一日も経ッてねェけど)

 ……というか主任研究員ッて、要するに俺担当ッてことだろ?それッて██博士のことじゃねェのか?

 

 「あぁ、惜しい!……その良い知らせは、今回の実験から私がscp- ███-jpの補助監督官になった、という事なのだよ。O5からの直々の命令さ」

 

 わざとらしい口振で惜しい、と言う男に心なしか苛つきを感じた。なんだろう、すッげェムカつく。博士、ソイツ殴ッていいぞ。てか殴ッちまえ!

 

 そんな……私が彼を抑えろと……?O5は正気なのか……?

 

 そンな俺の予想とは裏腹に、博士はまるで一目惚れした美女が男だッたと知ッた人のように(実際俺の友人がソレだッた)激しく狼狽え、動揺した声を上げていた。え、何?何だよ、ソイツそンなにやべェの?そンなのが俺の実験すンの?え、絶対嫌なンだが。

 

 あたふたと慌ててついカメラを凝視してしまうと、どうやらその男がカメラを通して気付いたようで、おッ、と声を上げた。やッべ。バレちッた。

 

 「██博士?どうやらスピーカーを切れていなかったようだけど、これは意図的かな?」

 

 「ちょっと、ダイヤルを上げないで下さi……ぇ?そ、そんな筈が」

 

 「ほら、scp-███-jp。先程までの内容、話してくれるかい?」

 

 動揺している博士を他所に、良い玩具でも見つけた子供のような声で語り掛けてくる男。博士を遮ッてやンなよ、何気に傷ついてる声が聞こえてくンぞオイ。

 

 答えたくないな、と思いながらもその男がそれなりに偉い立場にありそうなので、嫌々ながらも答える。

 

 「……アー、急に乗り込んできたアンタが博士を口説いて、挙げ句には俺の実験担当につく?ッてとこか?」

 

 「そう、その通り。実に簡潔で素晴らしい答えだ。「口説いたことを否定しないんですか貴方は?!」……どうやら初めから聞いていたらしいね。とはいえどダイヤルはしっかりと回っていたし、私も気付けなかった。……耳が良いんだね?」「何か反応して下さいよ……」

 

 偉く真剣な声をして話す男に少しばかり肩をすかす。というか意外と頭が良いらしい。……口説いたのは否定しないあたりコイツの人間性は目に浮かぶがな。博士カワイソ。

 

 「……っ!……っ!っくく!……」

 

 「……そりゃあどうも。これでも一サイトの管理官をしている者でね」

 

 「……ン?声に出てたか?」

 

 「()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()、などと口にしていたが?」

 

 苛立ッているのか、はたまた挑発しているのかは知らないが、俺が口にしたであろう言葉を嫌に強調してくる男。……コイツは多分こンな事で苛つくタイプじゃねェだろうな。(というか多分日頃から言われてそうだな)

 じゃ、別に事実だし謝ンなくてもいいだろ。つーか博士がツボりながらサムアップポーズをしてンのが目に浮かぶンだが。ツボりすぎだろ。

 

 「ほーン?じゃ、次から気をつけるわ。別に事実言ッただけだし、謝ンなくてもいいよな?」

 

 しばらくの間沈黙が続く。もしや選択を間違えただろうか、とでも思い冷や汗が僅かに背を伝う。いや大丈夫だ。俺は悪かねェ筈。

 

 「……っふはは!いいよ、確かに君の言う通りだ。但し次からは気を付けるんだぞ?」

 

 まるで耐え切れなかッたかのように笑い出す男。声は少し震えていて、僅かに滲んだ涙を拭う様子が脳に浮かんだ。なンつーか、腹が立つなコイツ。若干声に不機嫌さが出ながらも、了承の意を口に出した。

 

 「あァ、分かッてるわ」

 

 「そう不機嫌にならないでくれ、scp-███-jp。これから一生付き合う仲になるんだ」

 

 「その言い方やめろ鳥肌が立つ」

 

 どうも色めいた意味を含んだようにしか聞こえない男の声に本能的に言い返す。うッわ、久しぶりに鳥肌立ッたんだが。クソトカゲでもなんともなかッたのに、コイツやべェな。

 

 「くくく、すまないね。あまりにも君が良い反応をしてくれるから、つい」

 

 「ついじゃねェよクソッタレ」

 

 「っははは!!」

 

 うぜェきめェなンだコイツ、と苛立ちが収めきれずに足を激しく揺らしていると、安心感のある、昨日出会ッたばかりの声がした。

 

 「……っ!……っはぁ____。すみません、待たせましたね、scp-███-jp。_____クロステストを行う前に、彼の説明をしましょう」

 

 先程まで「…っ!……っ!」とツボり続けていたとは思えない程に冷静で平坦なその声に、俺は動きを止めた。博士、生きてたンだな。(死んでる訳ない)

 

 そンなことよりも、今は先程から自分をからかッてくる男について知らねば、と思い姿勢をピシッと正した。

 

 「……っくふ……こほん。これからの実験の補助監督官として、新たな博士が来ました。それが彼です。自己紹介を」

 

 「やぁ、先刻ぶりだね。……そういえば私の名を言っていなかったか。

 

 

 

 

 

 

私はジャック・ブライト。ブライト博士と呼びたまえ。」

 

 

 

 

 「お前かよこのクソッタレ!!!」

 

 

*1
SCPとSCPを用いた実験的なものだと思えばOK。ちなみに財団では本来行われるようなものではない。(破壊してしまう可能性があり、財団の理念である収容に反するため)。この作品ではぽんぽんやる。これ無しじゃどうやってこの話を進めればいいのか分からんのだよ!

*2
頑丈で記憶能力がバカ高く、周りの植物を枯らす年齢不詳の男

*3
人間絶対殺してやるゥゥ!!で不死身な脱走常習犯

*4
なぜか主人公にビビった不死身で生物絶対殺すマンなクソトカゲ

*5
この子にくすぐられると幸せになる財団の癒し枠

*6
数千年前から孤独な最期の人間に寄り添ってきた優しい人

*7
このピザボックスは本来健康的な人間の嗜好に合わせるため、普通はこんなピザは出ない

*8
意思を持ったもしもボックス的な。正直ここら辺は難しいからwikiもしくは解説動画へGO





 なんかこの子達勝手にどんどん喋っていくんですけど……?!(驚愕)
まったく進まない……もしかしたら彼らは自我を持っているのかもしれない。(白目)

 ちなみに██博士のツボには新たにscp-███-jpが追加されたんだとか。

 「よくぞブライト博士に言い返してくれた……!博士とそっくりだけど……!」(サムズアップ)


SCP-073 - "Cain"
by Kain Pathos Crow
http://www.scp-wiki.net/scp-073
http://ja.scp-wiki.net/scp-073

SCP-076 - "Able"
by Kain Pathos Crow
http://www.scp-wiki.net/scp-076
http://ja.scp-wiki.net/scp-076

SCP-999 - The Tickle Monster
by ProfSnider
http://www.scp-wiki.net/scp-999
http://ja.scp-wiki.net/scp-999

SCP-4999 - Someone to Watch Over Us
by CadaverCommander
http://www.scp-wiki.net/scp-4999
http://ja.scp-wiki.net/scp-4999

【アンケート】 主人公視点においての表現法は変えるべきか。例:小文字をカタカナにする「言ッて」「したくねェ」

  • 今のままで良い
  • 地の文では小文字などをやめて欲しい
  • 小文字などはやめて普通に読みたい
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