Fへの挑戦   作:黒太陽

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「緊急会議じゃ」

 

ギルドの会議室で男に関わる者達が集まっていた

 

「例の活性化についてですか?」

 

受付嬢が問う

 

「違う、そんな事は今はまったくもってどうでもよい、些事じゃ些事」

 

「……!!」

 

先日に大陸を賑わせたモンスターの謎の活性化、沈静化が済んで数日しか経ってないが現在も原因不明の現象

 

そんな原因によっては大事件になりかねない事案を些事だと言う事態に受付嬢は息を飲んだ、よく見ればギルドの幹部達は青い顔をしている

 

「では……?」

 

受付嬢は深刻に問うた

 

「うむ、議題は……」

 

大長老は重い口を動かし、言った

 

 

「彼によるギルド皆殺しルートの回避についてじゃ」

 

 

ギルド幹部全員が顔を伏せた

 

男によってこのギルドが皆殺しに合う危険を感じたからだった

 

「あぁ……」

 

受付嬢も酷く納得した

 

男を騙してFクラスに行かせて現状を作っているのがこのギルド、それがバレた場合男の怒りが向けられる事を改めて危惧したのだ

 

あのギルドナイトとG級をブチのめしたあの事件……

 

猛り暴れるバーサーカーの凶刃が向けられる恐怖を想像したからだった

 

 

「どうします?金でも握らせます?今までの功績だなんだと適当にこじつけて」

 

「金になびく感じではないぞ彼は」

 

 

「では彼にお食事券を1年分進呈するのはどうだろう?」

 

「ふざけてんのか!帰れ!」

 

「高級お食事券だぞ!?」

 

「イビルジョーに食われて死ね!」

 

 

「誤魔化し続けるしかないか……」

 

「それでは延命に過ぎんですよ!?」

 

「では何か良い案を出したまえ!」

 

 

会議が白熱している

 

「そうだ」

 

前にドラギュロスの時に男と話した上役が受付嬢に言った

 

「君、彼を色仕掛けで籠絡したまえ」

 

「えぇ!?」

 

まさかの案に受付嬢は大いに驚いた

 

「ムリムリ!無理ですって!?」

 

「私はいけると思っている、君は彼に気に入られてるからね」

 

「やだぁ~」

 

受付嬢は本気で嫌がっている

 

「頼むよ、そうだ!成功したら臨時ボーナスをあげよう!もちろんこれからのボーナスもアップだ!」

 

「……!」

 

受付嬢がピクリと反応する、欲望に忠実な彼女ならいけそうだと幹部達はニヤついた

 

「でもやだぁ~」

 

しかし受付嬢は拒否した

 

「それまで!」

 

大長老がピシャリと止めた

 

「うら若い女性にそんな事を強要してはならん、訴えられるぞ昨今は……ハラスメントじゃ」

 

「……急にマトモな事言い出すじゃないですか、ハラスメントって竜大戦以前の古代文明時代の概念でしょう?今では適用されませんよ」

 

「うっさいなお前……クビにしちゃうぞ?」

 

「いいですよ、彼に全てを話しますから……大長老様の命令でやりましたとね」

 

「ワシが悪かった」

 

大長老は謝った

 

「まぁ……ワシが責任を取るから現状を続けてみようではないか、それでよいか?」

 

「大長老様がそう言うならそうしましょう」

 

結局、何も決まらず現状維持で会議は終了した

 

「……大丈夫だと思うけどなぁ」

 

一番の被害にあいそうだった受付嬢はポツリと呟き会議室を最後に後にした……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「今日は何だ?」

 

「棘竜エスピナスです!」

 

受付嬢は元気に答えた

 

「初めてのヤツだな、飛竜種で合ってるよな?」

 

「そです!看板モンスターってヤツです!」

 

「看板……?何の?」

 

「あ……」

 

受付嬢はしまったと口を塞いだ

 

エスピナスはF領域で初めて確認されたF領域独自モンスター、そしてそれを記念にした隠語で看板と呼ばれている、極々最近の話だが新大陸でも発見されたとされているモンスター

 

つまりは最近発見された新種として伝えている男に余計な事を言ってしまったのだ

 

「……」

 

「……えーとその」

 

見つめられて受付嬢は言い訳を考えながらたじたじ

 

「……まっいいや、最初寝てんだったっけエスピナスって?」

 

男は追及しなかった

 

「あっ……そですそです!寝坊助さんなんですが起きると暴れるので気をつけてください!」

 

「あーそんなん書いてたな……わかったサンキュー、じゃ行ってくらぁ」

 

男は出発して行った

 

「……頑張ってくださいね」

 

受付嬢はその背を見ながら呟き

 

「君!今危なかっただろ!」

 

上役にシバかれた

 

「ごめんなさぁい……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「マジで寝てやがんな……」

 

樹海でエスピナスを見つけた男は一応用心しながら近付いていく

 

(確か図鑑にゃ樹海に居た古龍に生存競争で勝ったって書いてたな……んで樹海にはあのクシャルダオラが居た可能性があるって……)

 

男が目の前に居るのにエスピナスは無防備に眠りこけている

 

(もしそれが本当ならこいつは古龍級生物ってヤツになんのか、ラージャンとかイビルジョーとかと一緒か……つかあの図鑑、新種の図鑑のクセにやたら詳しいな)

 

男はハンマーを構える

 

「まぁいいさ……オレは気にせずやるだけってな」

 

ハンマーを頭上高く持ち上げ

 

 

「いつまで寝てんだこの穀潰しがぁ!!」

 

 

叩きつけた

 

「……?」

 

「朝だぞコラァ!起きろ!!」

 

エスピナスがその眼を僅かに開け周囲を見回す

 

「……zzz」

 

そして寝た

 

「……テメェ」

 

その態度には男もカチンときた

 

 

「舐めてんじゃねぇぞコラァ!!」

 

 

ハンマーで殴りまくる

 

「ミンチにされてぇならこのまま叩っ殺してやらぁ!!」

 

殴りまくる、それはまるでハンマーの鬼人乱舞のようであった

 

「……!」

 

エスピナスが眼を開け男を視認する

 

「起きたかよ?おはようさん!!」

 

同時にホームランが直撃、エスピナスの顔を大きく揺らした

 

 

「……ッ!!グオオオオオオオオオオオオッ!!」

 

 

直後に俊敏な動きでエスピナスが起き上がり咆哮をあげた、キレたのである

 

「ようやくお目覚めだなぁおい、またすぐに寝かしつけてやるよ!」

 

男はやっと本番だと気を入れた

 

「グオオオーーーッ!!」

 

「うおっ!?」

 

エスピナスの突進を避ける

 

「オオオオッ!!」

 

「またかっ!?」

 

避けるが踏み止まったエスピナスの尻尾薙ぎ払いが男を襲う

 

「アブネッ!?」

 

「グオオオッ!!」

 

また突進

 

「何だこいつ!?キレたディアブロスかよ!?」

 

怒りの角竜を思わせる暴れっぷりに男はてんてこ舞い

 

「ヤベェって!舐めてたわ!あのクシャルダオラに勝ったかもってのも頷けるわ!」

 

これならあの嵐に打ち勝っても不思議じゃないとエスピナスの強さと怖さを身を持って体感する

 

「……あ?何してんだ?」

 

逃げ回っている途中、暴れていたエスピナスが男の近くで止まり首を上げて何かをしていた

 

(……何かヤバイ気がすんな、アレって力溜めてるとかそんなんだろ、口ヤベェもん……離れた方がいいな絶対)

 

急いで離れ始めた次の瞬間、エスピナスの口から吐かれた特大のチャージブレスが一帯を吹き飛ばした

 

「うおおッ!!?」

 

咄嗟の緊急ダイブで避けれたがエスピナスはすぐに男に狙いを定め突進してくる

 

「ッ……調子こいてんじゃねぇぞコラァ!!」

 

やられっぱなしは趣味じゃないと男も立ち向かう

 

 

「ウオラアアアッ!!」

 

「グオオオオンッ!!」

 

 

ハンターと竜の生存を賭けた戦い

 

 

「グオオオオオッ!!」

 

「……クソッ」

 

 

今日の勝敗は……

 

 

「次に会ったら……叩きのめしてやっからな……!」

 

 

男の負け

 

 

 

力尽きました

 

クエストに失敗しました

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「わりぃ……失敗した」

 

血だらけの姿で男は帰って来て報告した

 

「ちょちょ!?大丈夫ですか!?回復薬回復薬!?」

 

受付嬢が慌てている

 

「もう痛くねぇから大丈夫だ、それより失敗して悪かった」

 

「そんなのいいですって……ホントに大丈夫ですか?」

 

「ああ、もうキズは塞がってる……寝たら明日にはピンピンだ」

 

「ええっ!?何それ怖っ!?」

 

男のバケモノ具合に受付嬢はドン引き

 

「……も~無理しちゃダメですよ?貴方の代わりは居ないんですから」

 

「居んだろ、俺より達成率良いハンターなんざいくらでもよ」

 

「……」

 

受付嬢は答えない、言えないからだ

 

男が今やこのギルドひいては全ギルドの中でもトップクラスの実力を持っている事を

 

「そうかもしれませんけど少なくとも私はそう思ってますよ」

 

だから言う、この心配だけは本当だと

 

「そうか……ありがとよ」

 

その言葉に男は微笑み、補償金を貰ってギルドを出ていく

 

 

「……大丈夫ですよあの人は、色仕掛けなんてしなくても……そういう人だから」

 

受付嬢は1人呟く

 

(それに……)

 

書類を纏め、立ち上がる

 

彼女が男に色仕掛けをしたくなかった理由

 

(この関係を続けたいんですよね……もう少しだけ……)

 

それは彼女にしかわからない理由

 

(もう少しだけ?……違うよね、そう……)

 

彼女だけの特別な理由

 

(出来るだけ)

 

カウンター越しの僅かな時間を大事に想う……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




定番?何番煎じ?アーアーキコエナーイ(∩゚д゚)

主人公が居んならヒロインは居ますよねそりゃ、ヒドインかもしれませんが……

この作品男ばっかだな、主人公男にばっか好かれてんな?
うるせー!ハーレム展開は見るのは好きだがするのは嫌いなんだよ!閃光ハメすっぞ!

エスピナスさんは看板モンスターなので優遇して戦闘描写入りました。
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