「おう!今からクエストか?」
ギルドで男が大男達を見つけ話しかける
「ああそうだ、またモンスターが活性化しやがってな」
「またか?前は鳥竜種、甲殻種と甲虫種だったろ?」
謎のモンスター活性化現象は続いていた
一定の期間を置いて謎の活性化をするのだ
「今回は魚竜種、海竜種、両生種だ」
「水棲系統か……」
「どうなってやがんだまったく……」
大男達はうんざりしている、活性化の度に沈静化に向かっているからだ、このギルドのトップである彼等は一番頼りにされているから忙しい
「原因はまだわかんねぇのか?前に言ってたじゃねぇか、古龍観測所の秀才君が調べてくれるって」
「今のところお手上げだってよ、マジで原因がわからんって頭抱えてたくらいだ」
「そんじゃ俺等にゃ余計わからんな」
「そういう事だ、んじゃわりぃが俺様達は行くぜ……落ち着いたら飲みに行くぞ!」
「わーった!じゃな!このまま活性化全種コンプしちまえよ~」
「不吉な事言うんじゃねぇバカがよ!」
クエストに向かった大男達を見送り男は腕を組みながら進む
(俺の相手するモンスターは活性化してないんだよな……何でだろ)
男の疑問はもっとも、活性化しているのは本家のモンスターだけで男が戦うF領域に居るモンスターは活性化していないのだ
(運が悪いだけ……いや良いだけか?)
戦っているのは本家のモンスターだと思っている男には無意味な話ではあるが……
(俺が考えても埒あかねぇな、俺は俺のやれる事だけやるか)
気持ちを入れ替え受付に向かった
「今日は……3体から選んでもらいます!」
受付嬢は今日もニコニコ元気な笑顔
「選ぶ?なんだなんだ今日はどうした?」
「それがですねぃ……」
頬をポリポリ指で搔きながら受付嬢は言う
「手強い大型が居ないんですよねぇ今日は」
「……お前俺に死んで欲しいんか?」
「いやいやそんなまさかまさか!戦闘狂に相応しい相手が居ないって意味です」
「チンピラの次は戦闘狂かコラ……お仕置きだテメェ」
「デコピンやだっ!?」
される前にガード性能+2とガード強化した鉄壁のオデコ防御
「ちっ……相手は?」
「イャンクックとダイミョウザザミとポカラドンですね」
「んー……どれも勝った事あんな、どうすっかな……」
「クッキー・蟹・ポカラ丼オンライン……うっ頭が!?」
「意味わかんねぇマネしてんじゃねぇ……ポカラドンにするわ」
「了解でーす!ポカラ丼一丁で~す!」
「いつまでやってんだ……行ってくるわ」
パァープォー♪
「っし……行くか」
ベースキャンプに着いた男は携えた弓を背にポカラドンを探しに出発しようとした
「ッ!!?」
直後に襲った強烈な悪寒
ギャオオオオオオオオオオオオオオッ!!
フィールド全域に響き渡る耳を擘く咆哮
「なんだ!?」
聞いた事の無い咆哮、ポカラドンではないのは明らか
(何か……来たって事か?別のモンスターが……)
確信に近い予感、本能が警鐘を鳴らす
「旦那帰るニャ!?ヤバそうニャ!?」
アイルーが言う、アイルーはその存在を知っていたがハッキリとは言えず濁した言い方になってしまう
「……いや、行ってくるわ」
「旦那!?正気ニャ!?」
しかし男は行くと言う
「怖いもの見たさってヤツだ……正気じゃねぇかもな、確かに……」
男は逃げたくなかった、逃げればリタイアでクエスト失敗だから
何もせずに逃げる事だけは絶対にしたくなかった
「ニャ……気をつけるニャ旦那……」
退かぬ男にアイルーも折れるしかない、ただ何かあった時は必ず助けると心に誓う
「ああ、行ってくる……!」
汗を一筋滴らせる緊張感を持って……男はベースキャンプを出発した
「活性化の沈静化状況はどうなっている?」
「6割沈静済みです、今回は比較的危険度が低い種でしたから、それにもうハンター達も我々も慣れたもので被害は軽微です」
ギルドは問題なく動いている
「活性化現象の原因はまだわからんのか?」
「ええ……古龍観測所以外の研究者達も頭を抱えてます、我らの団も調査してくれているみたいですが特には……」
「あの我らの団でもか……」
この活性化現象はモンスターが暴れているだけ、それが定期的に種を変えて起きている
それだけしかわからない謎の現象
「今は抑えられているがいずれは無理が来る」
「そうでしょうね……飛竜の始祖とされるアカムトルムやウカムルバス、あんな大災害級が頻繁に暴れられては世界が持ちません」
「他のモンスターにしてもそうじゃ、今は未然に防げているがいずれ町や村を襲う……ハンター以外が被害を受けるのは明白じゃ」
「そうですね……古龍が影響を受けていないのは現状幸いですか、クシャルダオラがその可能性はありますが……」
「ふぅぅむ……」
言葉を無くした場で大長老はふと疑問を思い、言う
「古龍もそうだがF領域モンスターも影響を受けとらんのう?」
「怖い事を言わないでください大長老様……あの領域のモンスター、特に
「それはワシも充分理解しとる……だから尚のこと不可解なんじゃよ」
「それは同意ですが……」
考えても答えは出ない
「まさかF領域が原因……とか?いやすみません、冗談です」
「いや……案外そうかもしれんぞ?君も知っていよう……あのF領域に存在する謎の塔を?」
「……天廊、ですか……そこに原因があると?」
「可能性じゃ、アレはまだ前人未到の未開域、その可能性があるかもしれん……程度の憶測じゃよ」
「……もしそうなら解決は現状不可能に近いですよ」
「かもしれんな……ワシの秘蔵のツテを使う時が来たかもしれん」
大長老はニヤリと笑う
「またそれですか……内容教えてくださいよ」
「内緒じゃ、今言ったらつまらん」
「本当にあるんですかそれ?嘘でしょう?変な事言うから陰でホラ吹きジジイなんて言われるんですよ」
「なっ!?嘘ちゃうわい!」
大長老が怒っていると受付嬢が資料を持ってきた
「あの~活性化モンスターの情報を纏めてたら気になった事があったんですけど……」
「ん?どうしたんだい?」
受付嬢は纏めた活性化モンスターの資料を大長老に渡し項目を指差す
「情報によると大陸各地の活性化したモンスターが暴れながら移動してるみたいなんです」
「ふんふん、それで?」
「それで今までの活性化モンスターが移動した方向を纏めたら……こうなってまして」
「……これは!?」
大長老は目を見開き驚いた
「全てこの町に向かっている……!?」
ギルドの在る現大陸、他大陸、新大陸の全ての活性化モンスターの移動方向がこの町だったのだ
「偶然……ですかね?」
「……わからぬ、わからぬが偶然と片付けるにはあまりに一致し過ぎておる」
妙な不安が膨れ上がる
「この情報を古龍観測所他研究者達へ……」
そう大長老が言い切らんとする瞬間だった
ゴゴゴゴゴゴゴ……!!
大陸全土を揺らす大地震が起きたのは……
「ッ!?うおっ……と……!」
男はバランスを崩し倒れそうになるが堪え、収まるのを待つ
(地震……!?)
幸い揺れはすぐに収まった
「デカかったな……それにしてもよ……」
周囲を見回すが何も居ない
(モンスターが居ねぇ、小型もだ……ポカラドンも居なかったしよ)
生物の気配を感じないのだ、まるで逃げたように
(次が最後のエリアか……)
探していない最後のエリアへ男は進む
「ッ!?……居やがった」
そこで男は見つけた
(何だありゃあ……図鑑にも載ってなかったぞ……黒い……リオレイア……?)
漆黒の鱗、甲殻から鋭く伸びる血のごとき紅色の翼爪、尾棘が生え、そして眼も紅
その姿は一見リオレイアに見えるが恐ろしいまでに禍々しく全く別のモンスターなのだと男にすぐにわからせた
「……!」
黒い何かが男を見た
「……ちっ」
一瞬の視線の交差
男はそれだけで察した
逃がしてくれそうにないと
「ポカラドン狩りに来たってのにとんだ災難だクソッ……!」
覚悟を決めた男は弓を構える
「やってやらぁ!!」
「ギャオオオッ!!」
そのモンスターの名は便宜上UNKNOWNと呼ばれている
そこに在るだけで禍を招くとも云われる、全てが謎に包まれたF領域にだけ存在するモンスター
出会う事も稀であり、会う事は凶運とされる不吉の象徴
それが何を意味するのかは
生き残ってこそわかる事なのだろう……
 ̄_ ̄_ ̄_ ̄_ ̄_ ̄_ ̄_ ̄_ ̄_ ̄_ ̄_ ̄_
-???-
「あら……どうしたの?」
白いドレスの少女はまたやって来た男の子の様子が変な事を見て問う
「あ、う……お、姉しゃん……お兄……しゃん……」
これまでに何度か3人の元へ訪れモンスター図鑑を読んで貰っていた男の子は3人を見て急に泣き出した
「……どういう事?」
まるで意味がわからない白い少女は傍の黒衣の男と赤衣の男を見上げる
「さぁな、わからん……これがどういう状態なのかもな」
泣くという事自体がわからないというように赤衣の男が答える
「……」
黒衣の男が男の子の傍に行き、男の子の頭に触れた
「……どうやらこの人の子は祖父と住む人里離れた山奥から町に引っ越すらしい」
記憶を読んだのか黒衣の男は男の子の上手く言えない事情を語りだす
「それが?」
意味がわからないと白い少女は続きを促す
「祖父はこの人の子に友達を作って欲しいようだ、だがこの人の子は……」
黒衣の男が言い淀む
「何よ?早く言いなさい」
「……友達は3人居ると言った、それは我等の事だ……居るから行きたくないと祖父と喧嘩になったのだ」
「……」
白い少女の表情が消えた
「この人の子はそれを証明しようとした、祖父を我等に会わせようとした……だが祖父は此処へは来れなかった」
「……」
「結果は嘘をつくまでに哀れんだ祖父により引っ越しは決定で終わった……今日この人の子はお別れに来たのだ、我等3人と」
「……そう」
白い少女は笑った
「まだ全部読んでなかったのにね……」
男の子の元へ寄り、優しく抱き締める
「お姉しゃん……うわぁぁん……」
「泣かないの、ね?」
禁忌の力を立ち上らせて……
「最後に……いっぱい遊びましょ?」
白いドレスの少女はそう囁いた……
終盤開始です。
Fモンスターが活性化しないのはそれしちゃうと文明リセットと同義だから。
今はハンターとモンスターが良い感じに小競り合いしてるから手は出さないけどあんま人類調子乗ってると最終兵器解放しちゃうぞ?更に後ろには私達控えてるから夜露死苦!でも手は出さないけど遊んじゃうぞ!
簡単に言ったらこんな感じ。
名前を言ってはいけないあの黒龍様達に御慈悲をいただいた事を深く感謝し御辞儀をするのだハンター!