た・ま・GO!
た・ま・GO!
たッ!まッ!GOーーーッ!
た!た!た・ま・GOっ!
俺も・どうか・支部長にっ!
た!ま!GOーーーっ!
た!た!た・ま・GO!
咳をしても、た・ま・GO!
寝ても覚めても、た・ま・GO!
ロケット飛んでも、た・ま・GO!
ニャ! ニャ! ニャ!
おーおー!タ・マ・GO!
おおおー!タ・マ・GO!
つーばさひろげーて
飛び・立て・タ・マ・GO-!
「……で?」
「イラっとしたぜ」
呼び出された男と大男は受付嬢を睨み付ける
「お、怒らないでくださいよ……私だってこんなヘンテコな歌なんか歌いたくなかったですよ、命令だからやっただけです……あー恥ずかしい」
今は夜、ギルド内には3人しか居ない
「用件はなんだ?命令した奴ブッ殺せってんなら喜んでやってやるよ」
「俺様も手伝うぜ心の友よ」
「2人共蛮族過ぎてこわっ!?も~違いますぅ!クエスト依頼ですよ、お二人を指名した極秘クエストです」
2人は顔を見合せる
「俺達に?極秘?」
「はい、詳しくは私は知らないんですがこのメゼポルタギルドの英雄と番長であるお二人の力を見込んださるやんごとなき御方様からの極秘依頼です、大変栄誉な事らしいですよ」
「「ほう」」
2人は仲良く御目が高いと言った顔をした
「内容は?」
受付嬢は言った
「卵運搬です」
笑顔で言った
「帰るぞ」
「おう」
2人は踵を返した
「待って!?待ってください!ふざけてるわけじゃないんです!大真面目なんですって!」
「「……」」
2人は一瞬振り向いてまた歩きだした
もうクエストなら何でも受ける男は存在しない、ギルドに恩を返したから気に入らないクエストは受けないのだ、大男は元から
「やだぁ待ってー!ボーナス減らされちゃうー!お願い旦那様ー!」
必死の叫びをあげる受付嬢に男が止まった
「それやめろ……おい、いいか?」
「ちっ……しゃあねぇ」
男が根負けして大男と一緒に戻ってくる
「んでぇ?俺等は卵運搬すりゃいいのか?」
「そうです、お願いします」
「はぁ……Fクラスになって卵運搬する羽目になるたぁ思ってもみなかったぜ」
大男が大きく溜め息を吐く
「わりぃ、付き合ってくれ」
「嫁に弱ぇ野郎だ……付き合ってやるから終わったら酒奢れよ」
「任せとけ!」
極秘クエストを受注しました
パァープォー♪
「ちゃちゃっと終わらせんぞ」
次の日、早速クエストに来た2人はベースキャンプを出発する
「えーと内容は飛竜の卵2個納品か、1往復でいけんな」
「だな、よし行くぞ」
2人は飛竜の巣へ向かい移動する
「飛竜は居ねぇな、よし今の内だ!抜き足差し足忍び足だ!」
「誰も居ねぇのにする意味ねぇだろバカが」
2人は卵を抱え巣を出発する
「なぁ?なんか妙じゃねぇか?モンスター見たかお前?」
「……言われてみりゃ見てねぇな、だが居るよりは居ねぇ方が楽でいいじゃねぇか」
「それもそだな」
あまり気にせず2人はエリアを移動した
「「な、なんだこりゃ!?」」
瞬間2人は驚愕した、目の前にはエリアを埋め尽くすような数のランポスが蠢いていたのだ
「お、おい……どうする?」
「どうするもこうするも行くしかねぇだろ」
2人はランポスの群へ突撃した
「「「ギャース!!」」」
襲い来る大量のランポス
「ムリだ!ムリムリ!」
「泣き言言ってんじゃねぇ!気合いで避けろ!」
普段なら何とか避けれるだろうが卵を抱えた状態ではそれは叶わない
ビシッ
ランポスの尻尾が触れた
《飛竜の卵がっ!》
落として割ってしまった、2人共
「……」「……」
2人は無言で武器に手をかける
「「ブッ殺す!!」」
ランポスの一斉駆除が始まった
「くそっ……もう一回行くぞ!」
「おう」
巣へ戻り卵を抱えエリアチェンジ
「……」「……」
「「「ギャース!!」」」
2人の視界にはまたランポスの群が居た
「ふざけやがってぇぇ……!!」
大男が持っていた卵を手放した
《飛竜の卵がっ!》
「俺様が道をこじ開ける!テメェは後ろから来い!」
「わかったぜ!頼んだ親友!」
武器を持った大男がランポスに突撃し後ろを男がついていく
「退け雑魚野郎共がぁ!」
蹴散らしながら進む
「うおおおっ!」
卵を納品する為に……
「はぁ……はぁ……」
「何とか……達成した……な……」
納品箱の前で2人は項垂れていた
1個の納品はすんなりと行ったが2個目が大変だった
「まさかキャンプまでの全エリアにランポスが出るたぁな……」
「しかもなんで道がいきなり岩で塞がってんだ……?あの一瞬で……ありえねぇだろ」
そのお陰で何度も卵を壊されたのだ、卵を運ぶ男はまだマシだったが300頭近くと戦い続けた大男は疲労困憊で倒れている程の激闘だった
「だが達成したぜ……これで終わりだ」
2人は満足感に浸りながらギルドへ帰った
「えーと次は……」
「「まだあんのか!!?」」
2人は耳を疑った
「あ、はいありますよ、指名の卵運搬クエストはあと3つあります」
「「~~~~ッ!!?」」
2人はブチギレそうになったが抑えた
受けた以上ちゃぶ台返しは格好悪いからだ
「やるぞ……」
「おう……」
やりたくないがやるしかなかった
「ふざっ、ふざけんなぁー!?」
卵を持つ大男が逃げ惑う
ホーミング生肉との俗称で知られるファンゴの群から突進乱舞で狙われているのだ
「俺が相手だはっ!?」
今回は護衛に回った男がファンゴの突進に打ち飛ばされる
「ちょ!?待てって!?」
起き上がりに重ねられる突進にまた打ち飛ばされる、それが続く
「ぐへっ!?」
《飛竜の卵がっ!》
「「クソがぁ!!」」
2人の怒声が響き渡る
「こ、コイツら……!?」
3つ目の卵運搬クエスト、それは2人の想像を越えていた
「UNKNOWNと……」
「ゼルレウスじゃねぇか!?」
刻竜と輝界竜の同時襲来
「やり過ごせるか!?」
「出来るわけねぇだろ!」
卵を運ぶには戦うしかない
「ああっ!?」
《飛竜の卵がっ!》
「チクショウめぇ!!」
「逃げんなコラァ!!」
だが困った事に卵が割れると2体はすぐに去っていく、だが卵を持っていると何故かキレて現れる
2人で戦えないのだ
「「クソアァァァァァァァ!!」」
激怒の咆哮が響く
「行けッ!」
大男が卵を抱える男に言う
「俺様は止まんねぇからよ……お前が止まんねぇかぎり、その先に俺様はいるぞ!」
「お前……!」
男は察する、自分を犠牲にして行かせようという大男の漢気を
「だからよ、止まるんじゃねぇぞ……!!」
「くっ……親友ッ!!」
涙を飲んで男は駆けた
「アイツには指1本触れさせねぇぞ!!」
大男も2体へ駆けた
「ぐあああっ!?」
「ちくしょう……!」
聞こえる悲鳴に歯を食い縛る
「クソッタレェェェ!!」
友の屍を越えて卵を運ぶ……
「お~!心の友よ~!」
「……」
乙った大男は本当に言った通り先にベースキャンプに居た
「ちゃんと卵持ってくるとは流石だな」
「……」
男は当然の事なのに納得いかずあの感動を返せという顔をしている
「次はテメーが運搬な」
「お、おう……」
難関だったが何とか成功した
「次が最後だ……」
「ようやくだ……」
遂に最後の依頼に来た
「……なぁ、クエストの説明されてる時に最後変な事言ってたよな?」
「ああ……「なんか生まれてるみたいですよ」って……何の事だ?」
「さぁな……イライラしててあんまりよく聞いてなかったからな」
「俺様もだ……ちょっと確認してみろよ」
男がクエスト内容を確認する
「あ?運搬じゃなくて討伐になってんぞ?」
「なにぃ?じゃモンスター倒したら終わりか!そりゃいい!最後に楽が出来そうだな!」
「だな、相手はわかんねぇけど俺とお前なら楽勝だろ」
「当然だ」
2人は拳を合わせる
長い苦痛を共にしてその友情は更に深まっていた
「やるぞ!」
「おう!」
いざ、最終クエストへ!
「……」「……」
2人は塔の頂上でモンスターを見て言葉を失っていた
((ウソだろ……))
相手は2体居た
極み灼き凍るエルゼリオンと極み吼えるジンオウガ
F領域で最強種とされる超特殊個体
両者とも熟練Fクラスハンターすら返り討ちする疑いようの無い最強
(生まれたって……)
(コイツ等がって事か……?)
そんな相手と逃げれない場所で戦わなければならない理不尽
「……なぁオイ、これクリア出来たらよ……依頼主殺さねぇか?」
「奇遇だな、俺様も同じ事考えてたぜ……ブッ殺してやる……」
2人は完全にキレていた、キレ過ぎて青筋が破裂しそう
それはまさに怒り臨界ブラキディオス状態
リタイアしないのは何の憂い無くブッ殺す為
諦めて文句を言うなんて格好悪いマネはしたくなかったから
達成した上でブッ殺す為に2人の殺意は臨界を迎えたのだ
「殺す殺す……!絶対だ……絶対にだ……!」
「殺す殺す……!必ずだ……必ずにだ……!」
それは最強2体相手など無視する漆黒の殺意
「「ブッ殺す!!」」
最後の戦いが始まった……
「クエスト達成おめでとうございまーす!!」
受付嬢が労うように華やかに騒いでいる
「…………」 「…………」
2人は死にかけ、極限の死闘に限界を越えて戦った末の薄氷の勝利だった
次勝てる自信は4人でも全く無い
「えーそれでは依頼主のさるやんごとなき御方様からお褒めの手紙を貰っているので読みますね~」
「「!?」」
依頼主、それが2人の生気を回復させた
「
受付嬢が最初の一言を読んだ
「「あのクソジジイッ!!」」
2人は一斉に立ち上がった
「~~~最後に感謝として報奨に加え天廊の探索許可を与える……わっ!凄いですよ!天廊ってFクラスハンターでも極一部しか探索許可されてない最高難度の未開拓域ですよ!すっごく名誉な事ですよコレ!」
嬉しそうに受付嬢が顔を上げる
「あれ?」
2人は既にギルドから消えていた
-ドンドルマ-
「て、敵襲ーーー!!」
ギルド内に警鐘が鳴り響く
「モンスターか?」
大長老が職員に問う
「いえ!人間です!2人のハンターらしき男がこの大老澱に向かって恐ろしい勢いで進軍中です!」
「ハンターがじゃと……?」
「警備は突破され鎮圧に向かったハンターも全員返り討ちに合ってます!」
「何が起きとるんじゃ……」
大長老が呟いた次の瞬間、大老澱の入口が派手に吹っ飛んだ
「よぉジジイ……!」
「会いたかったぜ……!」
ブチギレた2人だった
「おお!メゼポルタの英雄と番長ではないか!
大長老は機嫌良く笑っている、それは超高難易度クエストが達成された喜びからか
「何勘違いしてんだジジイ……!」
「俺様達はな……!」
キレた目をした2人は武器を突き付け言い放つ
「「テメェをブッ殺しに来たんだよ!!」」
覚悟の目をしていた
この理不尽の報復の為ならハンター資格はおろか極刑すら厭わない
まさに人を殺す目をしていた
「覚悟しやがれ」
過度な理不尽とは人に全てを捨てさせた覚悟の殺意を持つに至らせるのだ
「ま、待て待て待つのじゃ!ワシを殺せばた、大変な事になるぞ!死刑……死刑になるぞ!」
「構わねぇ、テメェに引導渡せんならな」
覚悟完了している2人は怯みなどしない
「そ、そうじゃ!オヌシ達に何でも好きなモノをやろう!」
「テメェの命を寄越しやがれ」
大長老の命以外に欲しいモノなど無い
「ま、待て……」
「せーのでやるぞ」
「わかった」
「待てっちゅーに!」
「「せーの!!」」
「ぬわーーーーーーーーーーーーーー!!?」
こうして……ギルドを裏から支配し多くのハンターを苦しめた謎の秘密組織
[卵シンジケート]は人知れず壊滅したのだった
クエストクリア!
大長老は死にました(瀕死)
最後のキャラ紹介の件になります。
知ってる人は知っている、大長老は裏ボスなのです。
卵クエスト……大嫌いでした。
ほんと苦労した理不尽からこの話は生まれました。
卵シンジケートの存在を許すな!