-農場-
「おーう!キリ良いから昼飯にしようぜ心の友よー!」
「あいよー!」
男が未開の禁足地より帰ってきて一月程経ったある日の事
「昼休憩だ昼飯だ~♪」
「ボクはサシミウオニャ~♪」
愛妻弁当をウキウキで用意する男とオトモアイルー
「……」
その様子を寝そべったまま眺める超特異個体のクシャルダオラ
「あれ?お前は食わねぇのか?」
「……グオッ」
特に何もしてないから腹が減ってなかったクシャルダオラは昼寝をしようと目を閉じた
「あっそう」
男は気にせず愛妻弁当を広げた
「許してくれてよかったなテメー、しばらく昼飯が薬草とコゲ肉だったのは笑えたぜ」
大長老と結託して禁足地に行った件はしばらく尾を引いて今日ようやく受付嬢は許してくれたようだった
「お前もな、マジ悪かったよ誘わなくてよ」
「もういいっつーの、俺様も年甲斐なく頭に血が昇ってただけだ」
大男も許してくれている、時間は掛かったが
「そういや聞きたかったんだけどよ~禁足地ってどんなモンスターが居たんだ?新種とか居たか?」
大男がこんがり肉を頬張りながら問うた
「あー大概はお前も知ってるヤツばっかりだったよ、お前が知らねぇだろうってのはアルシュベルドって絶滅種と毛色は違うがガーディアンって言う人間が造ったモンスターだな」
「人間が造っただぁ?んだそりゃあ?」
「説明すっとだなぁ……」
男はガーディアンについて説明した
「ほーモンスターから竜都ってのを守る為にモンスターを造ったねぇ……造ったってよりは改造が近いか?」
「だな、既存のモンスターに手を加えた形だろうから改造の方がしっくりくんな、ちなみにアルシュベルドってのもガーディアンだったぜ」
「ほぉ~!てこたぁそのガーディアンってのが生まれまくるんだろ?じゃあ竜都はガーディアンで溢れてたのか?スタンピードみたいによ?」
「それが上手く出来ててよ~!シーウー知ってんだろ?あのタコだかイカだかよくわかんねぇのがガーディアン食って調整してたんだよ!ビックラポンだろ!」
「はぁ?マジかよ意外過ぎんだろそりゃあ!こっちじゃラギアクルスの餌みてぇなヤツだったのによ~ビックラポンだ!」
上手く出来ている生態系の連鎖に驚きながら話に花を咲かせる
「……」
クシャルダオラはまだ寝てなくて話は耳に入っていた
「あとは……ガーディアンの秘密兵器みてぇな親玉っぽいのが居たくれぇだったよ」
「ほぉ~!じゃあよ?禁足地のモンスターって強さはどうだったんだ?強かったか?」
「あん?そりゃお前……」
男が当然の事を答えようとする前に大男は何の気なしに寝ているだろうクシャルダオラを指差して言った
「あいつと比べたらどうだ?」
他意など本当に無い質問だった、ただ視界に入った存在を物差しにしただけの本当に何の気ない言葉だった
「あ~?そりゃお前……」
男の答えは止まった、そしてクシャルダオラを見て一瞬の大した事の無い逡巡が入る
「アイツより強かったよ」
「!!?」
そう言った瞬間クシャルダオラの体がピクリと僅かに反応した
「強いのか!?」
「ああ、めちゃくちゃ強かったぞ」
男はニヤニヤしながら言う
実際はそんな事は断じて無い、FクラスモンスターG級を越える力を持つクシャルダオラより本家のモンスターが強い事は有り得ない、幼体と成体程の絶対と言える差があるのだ
「地方毎に生態系の頂点がいやがってな、お前も知ってるレ・ダウとかウズ・トゥナとかが頂点だった」
男の嘘に大した意味どころか小さな意味も無い、ちょっとしたジョーク、ただの洒落である
「ほーあいつ等がか~確かに遷悠種も結構強かったからな、わかる気もすんな」
「やっべぇぞあいつ等よ~最初は乙るはクエスト失敗するわでごめんなさいオンラインだったんだからな~あぁアルシュベルドはもっと強かった気がすんな~」
「……」
会話の途中でクシャルダオラが起き上がった
ちなみに禁足地でケマトリスとドシャグマしか狩ってない男の言ってる事は又聞きした若い男ハンターや一般ハンター達の事である
「グオオオオオオッ!!」
クシャルダオラが突然翼を広げ咆哮と共に飛び去って行った
「……で?本当のところはどうなんだよ?あいつより強いのか?」
それを見上げながら大男が問う
「お前もわかってんだろ?Fモンスターと張り合えるこっち側でぶっちぎりの最強モンスターだぞ?」
「だよな」
大男も冗談だとわかっていた
「焚き付けられてあいつ禁足地行ったんじゃねぇか?」
「かもな~」
「笑ってるがお前問題になったら責任取れんだろうな?」
「はぁ?問題~?」
男は何言ってんだこのデブはの顔をした
「考えてみろよ、Fモンスター上澄み相当のあいつが禁足地で暴れたら間違いなく生態系に異常が起きんぞ?下手すりゃ禁足地が更地になるかもな」
「……いやいやそこまでバカじゃねぇだろ、オレとの約束もあるし」
約束とは男以外を襲うなと男以外に迷惑をかけるな、である
「いやあいつもお前並みのバカだろ、お前の冗談を本気にするくらいのよ」
「……いやいや」
「仮に禁足地に異常が起きたら間違いなく調査されんだろうな、んですぐ特定されてギルドに照会、んでお前が狩猟禁止指定したクシャルダオラだってすぐバレる、そしたらお前は責任追求されてあいつは派遣されたFクラスハンターに討伐されるだろうよ、お前も討伐隊に入れられるかもな」
「…………」
男は急激に不安になってきた
「ヤベェ……どうしよう」
「知るかバカ……と言いてぇとこだが俺様もあいつとはそれなりに付き合いは長ぇからな、討伐されんのはしのびねぇ……止めに行くしかねぇか」
「いやけどハンターは出来ねぇぞ?次は離婚されちまう……」
「護身と最悪あいつとバトるかもしれんから装備は要るがハントに行くんじゃねぇんだ、正直に事情話して許可貰え、怒られんのは必要経費だ」
「……だな、わかった」
自分が招いたとはいえ男は非常に嫌そうだが仕方ない
「娘にも話して嫁さんの説得に協力してもらったらどうだ?娘にも絶対キレられるだろうが許可貰える時間が短縮出来るかもしれねぇ、まっ怒られんのが早いか遅いかだ」
「……わかっ……た……そうする」
苦渋の選択だったがクシャルダオラと一番仲の良い娘を使う事にする
「お?ちょうどいい、娘が来たぞ」
男の娘がお昼ごはんの飲み物を持ってきた
「お茶持ってきたよー……ってどうしたのお父さん?この世の終わりみたいな顔して?」
「……いや実はよ」
男は事情を説明した
「何やってんのよクソオヤジ!!」
「ゲボァ!!?」
男はお茶を入れていた吹吹チャガンマンでぶん殴られた
「死ね!死ね!」
「わりぃ!わるかったって!?」
ドツキ回される男、骨が何本か折られているが怒った娘は構わずドツキ回す
「早くお母さんのところ行く!ダッシュ!!」
「げほっ……はい……」
「ボクは今回お留守番するニャ、いってらっしゃいニャ旦那~」
血塗れの男はオトモアイルーに見送られ受付嬢の元へ急ぐ
「かくかくしかじか……」
「ええ!?それは大変です!」
意外!受付嬢怒らず
「ってそんなわけないでしょうが!」
「イタイ!?」
男は忍団子でドツかれた
「もう!貴方はトラブルばっかり起こして!このっ!このっ!」
「やめて!?死んじゃう!死んじゃうから!?」
度重なる暴力に男は乙寸前
「お、お前だって何回もミスしてオレが尻拭いしてやったじゃねぇかよ!?」
「む、むむ……」
受付嬢の手が止まる、心当たりが有り過ぎて逆に戸惑う事になっていた
「この前だって数間違えて卸すハチミツ足りなくなってフィールドに取りに行ってやったじゃねぇか」
「むむむ……」
男のやらかし以上に受付嬢はやらかしていたのだ
「それに昔もお前のやらかし何回も何とかしてやったじゃねぇか!Fじゃねぇ闘技場に入れるラージャンを間違えてヴォージャン入れちまってギルド壊滅する危機だったのとかよ!」
「むむむむ……」
そのやらかしは比ではない、数も質も……その全てを男は尻拭いしてきたのだ
「……わかりました、今回は許してあげます、早く連れ戻して来てください」
「わりぃ」
「まぁ……家族みたいなものですからねあのクシャルダオラも」
「今回はすぐ帰ってくるからよ」
受付嬢の許可は下りた
「娘からは殴られ損だったな、ゲハハ」
「笑うなデブ……次はジジイに話して飛行船借りんぞ、急ぐから装備はF規格ってバレねぇ武器と頭防具適当に用意だ!」
「待てよ、最悪あいつを力ずくで止める可能性考えたらフル装備の方がいいんじゃねぇか?引退して何年経つと思ってんだ」
「……だけどF規格はマズイだろ、許可おりねぇよ」
「アレがあるじゃねぇか、ほらアレだアレ……思い出した重ね着だ!F規格の上からこっちので隠しゃいいんだよ」
「お前天才かよ!?じゃ重ね着してすぐドンドルマに出発すんぞ!」
「よしきた」
男と大男は準備してドンドルマへと出発して行った
-禁足地?-
「……」
黒に覆われた暗雲の中を突っ切り降り立ったクシャルダオラは岩だらけの周囲を見回し鼻を鳴らした
「グオオオオオオオオオオッ!!」
大きく咆哮した
出てこいと言うように
「グオオ!グオオオオオオオオオオッ!!」
レ・ダウってのはどいつだ!ウズ・トゥナ出てこい!頂点とか言われてる奴等全員ツラ見せろ!!
そんな感じの事を怒鳴っている
「ジャアアアアアアアッ!!」
すると禁足地の奥地から咆哮が響き何かが飛来しクシャルダオラの前に降り立った
「ジャアアッ!!」
姿を見せたのは天廻龍シャガルマガラ
此処、禁足地を故郷とするヌシである古龍
俺の縄張りに何か用かチンピラがコラァ!と威嚇している
「……」
クシャルダオラはシャガルマガラを睨み
「グオオッ!」
テメーじゃねぇ!?という勢いのネコパンチで殴り飛ばした
「ジャ……ァ……」
シャガルマガラは岩に強烈に叩きつけられそのままスタン、目を廻している
「……グオ?」
クシャルダオラは思う
此処は違うのか?と
そう、クシャルダオラが来たのは本家の天空山の中に在るシャガルマガラが棲む禁足地、男が行った未開の禁足地とは別地、全く関係の無い場所だったのだ
「グルルルル……」
クシャルダオラは苛立っている
認め難いがもうハンターを引退したとはいえ自分が勝てなかった最強と認める人間である男が言った自分より強いとヘラヘラ言ったあの言葉が気に入らなくて来たのに無駄足だったから
「グオオオオオオッ!!」
クシャルダオラは飛び立つ
その身に風が集まり、その風は吹き荒び巨大な暴風と成りてシャガルマガラの狂竜ウイルスで出来た黒膜を打ち払い禁足地を嵐へと変える
「グオオオオオオッ!!」
風は……まだ止んでいない
ワイルズやばい……震えるほどする事なくなった、やばいって……古龍も居ねぇし……アイスボーンやろうかな……
暇だったから書いたものの勢いで書いたんで中身全然考えてないです、農場に帰ったかもしれませんねぇ。
続きは思い付いたら書きます、その時は上中下とか付け直します。
暇潰しになれば幸いです。