パァープォー♪
-樹海-
「さぁて行くか」
着いた男は大剣を担ぎ樹海に足を踏み入れた
「んっ……」
入った瞬間に気付く
(いつもと空気が違うな……全体が殺気だってるみてぇだ)
雰囲気の違いを逸早く感じ取ったのだ
(ヤベェのが居るのは間違いなさそうだ、こりゃあ油断できねぇ)
気を引き締め神経を集中させて探索を開始した
「……!」
そのハンターはトロフィーを保管する洞窟の中で気付いた
「……」
強烈な予感
とびきりの獲物が現れた確信的な予感
「コココココ……」
それは期待の表れか
小さな呻きのような声をあげたハンターは置いていた装備を身に付け始める
「……」
最後にマスクを顔に装着するとハンターは狩りに出た
最高の獲物を求めて……
(樹海のモンスターどもが息を潜めて隠れてやがる)
探索中に男は樹海の異常を察する
(イビルジョーでもこうはならねぇ……もっと恐ろしい捕食者に怯えてんのか……)
男は無闇に探索しているわけではない、ギルドナイトから聞いた調査隊が通ったルートを進んでいた
痕跡が残っている可能性があるのでアテ無く探索するよりは有意義だったから、それと可能性は無いに等しいが調査隊が生きていた場合の救出もある
「……ちっ」
聞いた調査隊が見えない謎の敵と交戦した場所に着いた男はすぐにそれを見つけた
(わかっちゃいたが……気分良いモンじゃねぇな)
皮を剥がれて吊るされたFクラスハンターの死体を
(捨てられてる装備からして太刀と穿龍棍とライトボウガンか……剣士っぽいのは刃物と投擲類、矢か槍みてぇなのでやられてる……ガンナーは風穴空けられてんな、これが言ってた妙な傷痕か)
死体を弔う為に下ろしながら調べる
(死後経ってるが食われた痕はねぇ……ハイエナも怖がるほどヤベェって奴、て事か)
連れ帰る事は出来ないので穴を掘り土葬、掘り返されないように深く穴を掘り埋めてやる
(……何か居る、さっきから見られてんな……出所がわからん、上手ぇな)
土葬の途中から感じた僅かな違和感、熟練のハンターでも気付くのは難しい小さな違和感
ターゲットだと確信する男だが気付いた感を尾首にも出さない
互いに優れた狩人たる証明
(だが襲ってこなかったのは何でだ?埋め終わるの待ってたってか?勝手に獲物埋めてんのに?……様子見か?だとすりゃ慎重なヤロウだ、ますます油断できねぇ)
考えながら慎重に気配を探っていると樹海の奥から騒音が聞こえ何かが近付いて来た
「……あ~確かにビビらねぇよなぁお前は」
やって来たのはイャンガルルガだった
「ギャオオオッ!!」
古龍だろうが喧嘩を売る戦闘狂、怯え竦む樹海のモンスターの中で唯一かかって来いと謎の敵に威嚇していたのだ
「!!?ギャオオオッ!!」
男を見つけ、興奮したまま謎の敵かどうかも構わず突撃してきた
「はぁ、とんだ邪魔が入ったなオイ……」
男は武器を構え臨戦態勢を取る
(まぁいい、利用してやるか)
イャンガルルガを迎え討つ
「……」
周囲の景色を投影し僅かな歪みで隠密する謎のハンターは男の戦いを高い木の枝から観察していた
「…………」
その非常に高い戦闘能力をじっくりと見定めていた
「……!!」
謎のハンターの体に力が入る
この星で今まで見た中で一番、それもとびきり
狩れば格別の名誉になるかもしれない程の相手
身震いする程の獲物
「コココココ……!」
高揚が漏れていた
「うし、終いっと」
イャンガルルガを倒した男は大剣を納刀し自然な動きでポーチへ手を伸ばす
「……」
謎のハンターは動かなかった
それは狩りの方法を考えたからだった
飛び道具を使うか否か
「……」
一瞬の逡巡
「そこだコラァ!!」
男が叫びポーチから取り出した投げナイフを放る
キンッ!
金属音が鳴り投げナイフは歪んだ景色に弾かれた
「ビンゴォ!見つけたぞ出歯亀ヤロウ!」
男はイャンガルルガとの戦闘を利用して気付かれぬように視線を向ける僅かな気配を探し当てていたのだ
「はっ!よくよく見りゃあわかるな、どうやってんのかは見当もつかねぇが」
相手は見えないが居るのはわかる
「……」
謎のハンターは感心していた
潜んでいた自分を見つける勘の良さ、それを悟らせぬ技量に
「……コココココ……!」
男の強さが闘争心を更に駆り立てる
「!!」
歪みが木から降りた
「お?」
そして……
「…………」
透明化、光学迷彩を解いて姿を見せた
「へっ、同類じゃあ……なさそうだな」
それはドレッドヘアが目立つ二足で立つ巨漢の異形だった
(まさか人間に近ぇとはな、職も一緒のハンターってか?つーかデケェな、アイツよりもデケェ)
ハンターの中でも大柄な大男よりも身長は高い、240cmはあった、体格も筋肉質で太いが無駄な肉は無く精錬されている
(見たことねぇモン持ってんな、肩のアレ武器か?小さいライトボウガン着けてんのか?……あれ?顔の防具穴ねぇぞ?どうやって見てんだ?)
装備らしきモノも今まで見た事が無い
「オイ、言葉はわかんのか?何モンだテメー」
「……」
返事は無い
(会話はムリか?まぁよくわからんが確かに言えんのは……)
全くの未知だがわかる事はある
(コイツがターゲット、そんでもって強ぇ……先輩等とタメ張れるかってとこか?モンスター以外じゃイチバンかもな)
調査隊の壊滅の原因と英雄に匹敵するだろう謎の敵の戦闘力だけ
「コココココ……」
男を見据える謎のハンター
謎のハンターの種族は【プレデター】
この星の外から来た異星人
非常に高度な文明を持ちながら狩りを至上とする狩猟民族
「おっ?」
プレデターは背に携えた両刃の棒を取り出し握り込むと格納されていた柄が伸びプレデターの全長を越える両刃の槍となった
「オイオイ何だその槍ィ?やたらイカスモン持ってんじゃねぇか……だがよぉ、オレの方がイカスぞオラァン!」
対抗するように男は親方印の専用大剣を構える
「……行くぞコラァ!!」
「……!!」
2人のハンターは同時に駆けた
「ラアッ!!」
「!!」
大剣と槍がぶつかり弾き合う
「ウルアアアアッーー!!」
「!!」
怒涛の打ち合い、打ち合えるのは互いに強く優れたハンター故
ガウンッ!
示し合わせたかのような鍔競り合い
「ヌウゥ……アアッ!!」
「!!」
カタカタと震える両武器、力の押し合い
(こいっつ……!?なんて力だ!?)
男は驚愕していた
同じハンターはおろか大型モンスターにも力負けしない自信ある膂力で押せないからだ
「……!!」
プレデターも内心驚愕していた
己と満足に打ち合えるこの個体の実力の予想外の高さに
先に狩ったこの相手と同種族の3人も強く苦戦したがそれは3人同時だったからであり1人なら圧倒出来る自信があった
しかしこの個体は1人で3人同時よりも手強い感触に驚きと同時に歓喜を覚えていた
「……ッ!!」
「グッ……!?ヌゥゥ……!?」
プレデターが力を加え男の大剣を徐々に押し込んでいく、膂力の底力はプレデターの方が上、されども圧倒的とは言えずプレデターも全力で僅かずつではあったが
「ッラアッ!」
槍を受け流し蹴るが見切られ掴まれる、が跳び上がり逆足で浴びせ蹴りを当て怯ませ着地、追撃に大剣を構える
「ヌッ!?」
機先を制する槍の刺突に動きが一瞬止まりバックステップで距離を取る
「んっ!?」
バックステップに反応したプレデターが懐から円形状の物体を投げた
「うおっ!?」
頬の寸前を掠める
(今の飛び方……ブーメランか!?)
旋回し戻ってくる事を予感しながら槍を構えて飛び込んでくるプレデターを睨む
(挟み撃ちする気か……舐めんなよッ!!)
プレデターの槍刺突を切り上げで相殺し怯んだプレデターに向かい追撃十字切り
「!!?」
追撃をからくも防ぐもそれだけ、反撃は不可能だったがプレデターには男の背後に戻ってくる刃物付きブーメラン・レイザーディスクが見えていた
「……オゥラアッ!!」
男の強薙ぎ払い
前後左右方向を攻撃する強範囲攻撃がプレデターとレイザーディスクの両方を切り払った
ギンッ!
力任せな一撃が受けたプレデターの槍を弾き飛ばす
「ォ"ッ!?」
武器を失くしたプレデターは右腕に装備されている鉤爪・リストブレイドを展開し男へ振るうがタックルでいなされ体当たりの衝撃で尻餅をつく
「とったぞコラァ!!」
「!!?」
大剣を振り上げた男の切り下ろし
ドウッ!!
プレデターの肩が光った
「ウオオオオーーーーッ!!?」
咄嗟に中断し防御した男が大剣ごと押され宙を浮き放物線を描いて着地した
「んな……なんっだ今のは!?」
驚愕に盾に使った大剣を見る
(なんだあの威力!?パーフェクト圧縮か!?あの風穴コレかっ!?)
大剣の着弾部分は赤熱していて威力の高さを物語る
(そりゃこんなんまともに食らったら死ぬわ……つか武器何個持ってんだこの筋肉モリモリマッチョマンの変態ヤロウめ)
プレデターへ目を向ける
「あ?」
様子が違っていた
「……」
プレデターは後悔と歓喜にうち震えていた
肩に装備されていて今しがた使用したプラズマキャノン、それは使う気が無かったのだ
相手は飛び道具の無い1人、プレデターの流儀に添えば同じ近接武器か投擲武器にて狩るのが好ましい状況
「……!」
それを追い詰められた焦燥から無意識の咄嗟にプラズマキャノンを使ってしまったのが後悔の元
そして咄嗟に使ってしまうまでに肉薄してきた男の戦闘力に歓喜したのだ
「…………」
立ち上がったプレデターは男を見据え左手のガントレットコンピューターを操作するとプラズマキャノンが停止したように砲口が下を向き取り外し地面に捨てる
「あ……?何やってんだ?壊れたのか?」
謎の行動に男も動けなかった、攻撃する意思を感じなかったからだ
「……」
身に付ける武器を次々と外していくプレデター、リストブレイドのみを残し、最後にマスクから伸びるコードを抜く
プシュー
溜まっていた気体が抜けた音が響く
「降参じゃあねぇよな……テメーまさか……」
「……」
淡くに予想した男の前でプレデターはマスクに両手をかけ……外した
「うおっ……」
その素顔は男を驚愕に染める
「なんて醜いツラしてやがる……」
人間とはかけ離れた顔だった
大きく裂けた口には2対4本の爪状口器が剥き出された爬虫類と甲殻類を合わせたような顔面
根本から人間とは異なるとわかるまさしく宇宙人だった
「いや、わりぃ……ハンターにツラはカンケーねぇよな」
そう男が言うとプレデターが吼えた
「オ"オ"オオオォォォッ!!」
腕を広げ威嚇するようなポーズを取る
「……んだぁ?やっぱテメーそういう事かよ?」
プレデターの装備を外し素顔を見せた意味を察した男は同じく装備を外し始めた
「上等だコラ……そこまでされて裸の英雄なんて言われてるオレが黙ってられるか!」
防具を全て外し裸になる、その間にプレデターは全く動かない
プレデターが真に好敵手と認めた相手と決闘する際は装備を外したリストブレイドのみになる、それが流儀
そんな意図を言葉がわからずとも意思疎通した男は自らも流儀に乗り裸の大剣のみになったのだ
「タイマンだコラァァァ!行くぞォォォォ!!」
「オ"オ"オ"オ"ォッ!!」
2体のハンターが同時に駆ける
「ラァ!!」
「!!」
男の横切りを屈んで避けたプレデターはタックルを仕掛け組み付いた
「グヌッ……テメェ!!」
堪えるが体重と筋力の差で押される男はプレデターの背に肘打ちを何度も仕掛ける
「オ"ッ!?ヴッ!?……オ"オ"ッ!!」
肘打ちに堪えかねたプレデターが男を放り投げ大木に叩きつけた
「ぐっ!?……ッ!?」
痛みに顔を歪めた男へリストブレイドを突き入れるが寸でで回避
「ゴラァ!!」
男が頭突きを食らわせプレデターを怯ませ裂けた傷口から緑の蛍光色の血が流れ滴る
「テメッ!ゴッ!!?」
更に殴り、殴り飛ばした後に大剣で切ろうとしたがプレデターは殴り飛ばせず逆に蹴りを腹に食らい損傷した内臓から赤い血が逆流し口から滴る
「ッックッ……ゴラァ!!」
足を脇で挟み押し込んでそのまま振り回し男が叩きつけられた大木へぶつけた
「オ"オ"ッ!!」
「うぐっ!?」
男が大剣を振るうより速くリストブレイドを振り抜き避けきれなかった男の胴に浅い切り傷を作り後退させる
「イッ……テェだろがボケッ!!」
大剣のガード体勢のままタックルをかましプレデターを大木へ押し付けた
「死ねコラァァァァ!!」
巨大な大剣で押し付け体の自由を奪い見えている顔へ連続殴打
「オ"オ"アアッ!!」
「うおおっ!?」
大剣ごと押し飛ばされ横転し即座に詰め寄って来たプレデターの踏みつけを大剣で受け止めた
「……」
構えられるリストブレイド、大剣ごと押さえつけられたままでは防ぐ事も躱す事も出来ない
「させっ……かぁぁ!!」
傷口から血が噴き出す程の渾身で押さえる足を押し戻しプレデターを押し退け体勢を崩す
「ッラアアッ!!」
「オ"オ"オオッ!!」
互いに得物を振るう
「ウガァアアアアッ!!?」
「オ"オ"オ"オ"オ"オ"ッ!!?」
互いが悲鳴をあげた
リストブレイドが男の曲げた左前腕を抜け上腕までを突き刺し大剣がプレデターの左肩の半分を切り飛ばしていた
「……オ"オ"ッ!!」
得物の短さ故に動き易かったプレデターが先に動き男へ頭突きを食らわせ反動でリストブレイドが男の左腕から抜け首を狙う
「ンノッ……ヤラァァァ!!」
男は片手で大剣を振りリストブレイドと切り合った
ギィンッ!
刃の金属音が鳴り互いの武器が弾けた
「……」
片手では保持しきれず大剣は男の手から離れ飛ぶ
「……」
右手首に固定式のリストブレイドは離れはしなかったが刃が根本から折れ飛びもはや武器にならない
「……」
「……」
己と相手の現状把握の一瞬の沈黙
「シネェェェェ!!」
「オ"オ"オ"ォ!!」
すぐさま殴り合った
「ガアアアアッ!!」
「オ"アアアアッ!!」
互いに左腕がまともに動かなかったが関係無い、ただこの決闘に勝つ為に死力を尽くしていた
「オ"オ"オ"オ"ーーーーッ!!」
男は馬乗りで殴りまくられ顔面が血で染まる
「デメ"ェ"ェ"ェ"ッ!!」
力ずくの足で押し飛ばし倒れるプレデターへ駆け寄り顔を蹴り飛ばす
「ッラアアアアーーッ!!」
「グオ"オ"オ"ーーッ!!」
原始的なステゴロ決闘
樹海を血で染める……
「……ォォ……ッ……」
「ハァ……ハァ"……ハ……ァ……」
決闘に決着がなされる時が来た
「ォ……オ"オ"ア"ッーー!!」
「ッ……ラアアッーー!!」
クロスカウンター
「オ……ォ……」
倒れるプレデター
「ゲボアッ……!?ハッ……ハァァ……ッハァ……」
フラフラ後退しながらもギリギリで立つ満身創痍の男
勝者は裸の英雄
「ト……ドメ……だぁ」
足を引き摺りながらプレデターへのトドメを刺す為の大剣の元へ男は向かう
「……」
それを見たプレデターは震える腕と指でガントレットコンピューターをゆっくりと操作し始めた
「…………」
プレデターの名誉は狩りの成功、次に狩りの最中の戦死
今行っている操作は自爆だった
「……」
決闘に負けて捕虜となる事は生き恥、種族の名誉から最も遠い恥
だから自爆
言葉が通じず男が捕獲する気が無い事がわからない故の名誉の為の自爆
爆発すれば男ごと樹海の半分以上を灰塵に還せる威力がある最終兵器
「……ォ……」
プレデターの指の動きがどんどん鈍くなっていく、視界も定まっていない
「ォ…………」
最後の操作を行う刹那
「…………」
自爆は行われなかった
「……死にやがった……か……」
息絶えたのだ
「……ッ!?……く……そッ……」
勝って緊張の糸が切れた瞬間、男の意識は遠のいて行く
「…………」
気絶し男もその場に倒れた
ヴォン……
倒れる2人のハンターに幾つかの影が姿を現した……
-メゼポルタギルド-
「んぁ……?」
男は目覚めた
「あー!やっと起きたー!心配したんですよもぉ~!!」
傍に居た受付嬢が抱き付いた
「……ギルドか……なぁ?オレどうやって帰って来たんだ?」
「普通にネコタクシーでしたけど……?」
「……そっか」
男は重傷で気絶していたのにどうやって樹海の外に待機していたネコタクシーに乗れたのか疑問に思っていた
「体は大丈夫ですか?痛くないですか?」
「ああ……もうへっちゃらだ、心配かけてわるかった」
「ホントですよもぅ……」
無事を確認して安堵から膨れる受付嬢は立ち上がった
「ギルドマスターが起きたら呼べって言ってたんで呼んできますね」
受付嬢が出て行き少し経つとギルドマスターが部屋の外で人払いの命令を出して1人で入って来た
「無事で何よりだ」
「まぁ……ギリギリもいいとこだったがよ、何とかな」
まずは生還を喜びギルドマスターの表情が引き締まる
「ではまずは現況を話そう、君は1日寝ていた、報告を聞きたい」
「そんなに寝てたかオレァ……ああわかった了解だ」
男はまず結果から伝えた
「謎の敵は倒した」
「そうか……!よくやってくれた!」
ギルドマスターは朗報に一瞬微笑み続きを促す
「正体は……わかったがわからねぇ」
「?どういう事だ?」
「見た事ねぇヤツだったんだ、人間に近くてよ、武器も使っててよ……なんつーか……人間型モンスター、って表現になる」
「何だと……人型モンスター!?」
恐ろしい真実に驚くギルドマスター
「数は?」
「1体だけだった、けど他の大陸にも居る可能性はあるわな」
裸の英雄を殺しかけるようなバケモノが複数居るかもしれない可能性にギルドマスターの顔は曇る
「……死体は?」
「樹海にそのままの筈だ、イャンガルルガとイビルジョー以外はビビって近付かねぇと思うぞ」
「持って帰らなかった理由は重傷だったからだな?」
「そっからはオレも疑問がある、オレは気絶して敵と一緒に倒れてたんだ、裸でな……何で帰ってこれたんだ?」
「……何?」
ギルドマスターの顔が怪訝を含む
「君はネコタクシーで帰って来た、君と犠牲になったハンターの装備も一緒にな……業者は樹海の入口で倒れていたのを見つけたと言っていた」
「装備も……」
重傷で気絶した男が大量の装備を持って樹海の入口に戻った、そんな事は不可能
「……他にも居たのかもな、居たとすりゃ殺されなかった理由はわかんねぇけどよ」
「だな……改めて調査隊を出そう、敵の詳細を聞いて適切な者で組む」
「オレも行くぜ、もう治った」
「バケモノだな相変わらず君は……だが頼む」
プレデターの詳細をわかる限り話し男は帰る事になり預かられていた装備を返却された
「あぁ?コイツは……」
気になるモノが1つ増えていた
-樹海-
(……痕跡がねぇ)
翌日、調査に同行した男はプレデターと交戦した場所で唖然としていた
(争った形跡は微かに残ってるがアイツの装備どころかあの目立つ緑の血もオレの血すらねぇ……どういうこった)
まるで何も無かったというように痕跡が消されていたのだ
最初の調査隊であるFクラスハンターの墓だけを残して……
(なんなんだこりゃ……)
その後も調査は進められプレデターが獲物のトロフィーを保管していた洞窟も見つかり捜索されたが何も見つからなかった
(わけがわからねぇ……タマミツネに化かされたかぁ?)
それでも犠牲者が存在の証明
しばらく全大陸のギルドで警戒態勢となったが以降一度もプレデターは現れなかった
(何か不気味だけどよ……もう二度とツラ見せんなよブサイクヤロー)
異星人とのハンター対決はこれにて終幕となった
_______________________________________
「後片付けは済んだ~?」
樹海の秘境で白いドレスの少女が問う
「*▼▼△&§◆@§†」
プレデターの集団、その氏族の中で一番偉いエルダーが答えた
男を装備ごと運んだのも痕跡を消したのも全てプレデターの集団の仕業だった
自らの種族の痕跡を残さないのは掟だから
「じゃあ次は100年後ね、忘れたりしたら困るから毎回言うけど次までに勝手にこの星で狩りをしたら一族根絶やしだから忘れないでね、忘れてもいいけど!」
「◎§¶※〒●」
エルダーは頷き白いドレスの少女を見つめる
「…………」
「なぁに?貴方達じゃまだまだ勝負にもならないわよ?」
いつか狩る野心を見抜かれエルダーは氏族を連れて巨大宇宙船に乗り込みこの星から出ていった
「異文化交流って面倒ねぇ……あー疲れた」
白いドレスの少女はクルクル回る
「まさかあの男が上手く絡むとはな」
「なかなか面白い見世物だった」
背後に黒衣と赤衣の男が現れた
「えっ!?何それ!?私知らないんだけど!?」
「それは残念だ」
「御愁傷様」
「ズールーイー!!」
この星の支配者は愉快に笑う……
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「こんなとこだ、どうだ?面白かったか?」
話終えた男は娘達の反応を見た
「ウソっぽーい」
「盛り過ぎニャー」
「んなっ!?」
男の話は信じてくれなかった
「人型モンスタァ?居るわけないじゃーん!」
「旦那のホラ話はいつもリアリティに欠けるのニャ、いっつも証拠ニャいしニャ」
「マジだっての!」
訴えるも信じてくれない
「お前は信じてくれるよな?」
一番の理解者である受付嬢に問う
「ハイ!モチのロンですとも!」
焦点定まらぬ顔で受付嬢はグラスを上げた
「やっぱりお前は最高の嫁だぜ~」
「ん~ふふふっ♪」
頭を撫でられ幸せそうに受付嬢は笑っていた
「お母さんめっちゃ酔っててよくわかってないだけじゃん」
「そうまでして信じて欲しいのニャ旦那……情っけないニャ」
「くっ……テメーら……!?」
ぐぬぬと悔しがる男へ娘は言う
「もうお母さんダメだから寝かせて来て!」
「嫁の世話は旦那の役目ニャ!」
「ちっ、スカポンタンどもめ……わーったよ!」
受付嬢をお姫様抱っこで寝室に連れていき少し相手して寝かしつけて戻る
「オメーらもか……」
娘も相棒アイルーも酔い潰れていた
「ったく……」
娘もベッドへ連れて行き寝かせ相棒アイルーの尻尾をロープで縛り壁に吊るした男は満足して机を片付ける
「ホントだっての……」
そう呟いて片付けを終えた男は装備を保管してあるマイルームに向かい飾られた武器を見上げた
「なぁ?そうだよなぁ?」
伸縮式の両刃槍
プレデターが使っていた槍、装備の中に紛れていたのか足されていたのかわからないが男だけがわかる存在証明
「強かったよお前……マジで強かった」
誇り高き狩人を懐かしみ眠りについた……
クエストクリア!!
プレデター気になる人は見てみてください、1、2とAVPがオススメです。
・紹介
プレデター(フロンティアハンター)
男と狩り合ったプレデター、階級はオナード(人間で言えばエリート、モンハンで言うなら上位)の成りたて。
100年に一度許される龍が支配する星での狩人に選ばれた栄誉あるハンター、戦闘力は近接戦に限れば人類最高峰たる英雄と同等、遠距離はステルスとプラズマキャノンやらで弓とボウガンでは勝ち目無し。
強き獲物に負けた名誉の死を遂げ手厚く葬られた。
エルダー
種族内の氏族(クラン)を統べる長老、その戦闘力はモンハンでいうG級の中での最上位、レジェンドであり男より遥かに強い。
男を偉大な戦士と認め戦死したプレデターの槍を与えた。
遥か昔にたまたま狩りに行った星で天上の存在と交戦し生き延びた為に男の五分の一くらい気に入られた縁で100年毎の狩猟を許可された。
内心はいつか黒龍をトロフィーにと狙っている根っからの死ぬまでハンター。
男
プレデターの星にて裸ステゴロでオナードに勝利した伝説として永劫記録される。
おしまいです、プレデターが決闘なんてせずデバイスフル活用のマジ狩りに徹してたらモンハン側に勝ち目が無いって感じですかね、文明の差がねぇ……ハンターもガノトトス釣ったりイカれてたりするけどもねぇ……
ネタ無いんで次は未定でぃす。