Fへの挑戦   作:黒太陽

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ハンター達の永い夢

 

 

 

-???-

 

 

「あ!?危ないッ!!」

 

 

少年はトラックに轢かれそうな少女を助けに駆けた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

-農場-

 

「つー訳でコイツ鍛えてやってくださいよ兄貴」

 

舎弟のアベックハンターが少年を連れてきた

 

「つー訳って何も言ってねぇだろがよ、どういう訳なんだよ」

 

男達は少年を見る、肌は綺麗だが服は見た事ない黒いヘンテコでボロボロ、目は死んでる

 

「コイツ歳は14で最近ハンターになったんスけどあまりに弱くて……ランポスどころかモスも殺せないし血もムリってんですよ、力もスゲー弱ぇしで採取だけで何とか生きてるヤツでして」

 

「……ハンター辞めて違う仕事すりゃいいんじゃねぇのか?」

 

「それが既にやってたんですが仕事出来なさ過ぎて何回もクビになっちまってるみたいなんス」

 

「だから採取で生計立てるしかねぇってなってんのか」

 

男は少年の顔を見ると少年は目を逸らして俯いた

 

「そうなんスよ、ハンターの知識だけはなんかやたらと持ってるんですが実力が伴わなくて……悪い意味で悪目立ちしててイジメられてたんスよ、それが可哀想で話聞いたらハンターとして強くなりたいって言うからどうにか兄貴に力貸して貰おうかと……俺は家族で精一杯なんで」

 

「可哀想って……よくお前が言えたもんだなぁ?えぇ?」

 

「うっ……それは言わんでくださいよ番長……」

 

大男にツッコまれて昔に男を貶していた舎弟はションボリ鼻を掻いた

 

「で……どうスかね兄貴?やっぱ無理スか?」

 

「ふぅん……」

 

男は少年を値踏みするように見つめる

 

「お前何でハンターで強くなりてぇんだ?」

 

「あ……う、えっと……」

 

少年はしどろもどろ、舎弟に大丈夫だから答えろと言われてようやく答えた

 

「さ、最強のハンターになりたいんです!アルバとかミラとか倒せる完璧で究極のハンターに!」

 

少年の答えに男以外が首を傾げた

 

(アルバはわかるがミラ……?何のモンスターの事だ?)

 

(新種かニャ?あ!もしかしてグラン・ミラオスの事かニャ?でもグラン・ミラオスをミラなんて略さないしニャァ……)

 

1部に疑問を浮かべていた中

 

「ファッ……!?」

 

男だけは表情が険しかった

 

(コイツ何でッ……!?)

 

聞き捨てならない単語だったからだ

 

(もしかして試されてんのかオレァ……?断ったらマズイか?泣かされる?)

 

(確かめてから……じゃ遅ぇか?怖ぇ……何すっかわかんねぇ人等だかんな、高笑いしながら殺しにくるクソイカレだし)

 

逡巡、この間0.1秒

 

「よしわかった、面倒見てやる」

 

答えた、決断の速さがバカの証、周りは驚いて目を丸くしている

 

「とりあえずお前はウチに住み込みな、部屋も飯も用意してやるから仕事も手伝え、もちろん給金もやる」

 

好条件の提示に更に周りは驚く

 

「マジスか兄貴!ありがとうございます!ほらお前も御礼言えッ!」

 

「あ、ありがとうございます、よろしくお願いします」

 

少年の修行が決定した

 

「オイいいのか?こんなヒョロガキをよぉ……」

 

「オレの懐から出すから迷惑かけねぇよ」

 

「いや違……まぁテメェがそう言うなら文句はねぇよ」

 

大男が言いたいのは賃金の事ではない、こんな貧弱で気弱そうなヤツを最低一流最高で英雄クラスに育てるのは無理だろの意味だったが男の揺るがぬ決定に深く言うのはやめた

 

「よろしくな~」

 

「あ、ハイッ!」

 

こうして妙な共同生活は始まった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おう起きろ~」

 

「うぇ……?まだ陽も登ってない……」

 

「農業の朝は早ぇんだ、さっさと支度しろ」

 

 

 

 

 

 

 

「今日はこの畑全部耕すからな、気合い入れろよ」

 

「え……これ全部、ですか?端が見えないんですけど……」

 

「おん、全部だ」

 

「トラクター……はあるわけないよな、手でやるんですか?」

 

「当たり前だろ、なんだトラクターって?新しい武器種か?」

 

「……マジで?」

 

「全部1人でやれとは言わねぇよ、オレもやるし最初は出来る限りでいい」

 

「う、ウス……」

 

 

 

 

 

 

 

「ゴラァ!いつまで休んでんだテメー!まだ昼も来てねぇぞ!さっさと手ぇ動かせ!」

 

「む、ムリ……」

 

「甘ったれんなボケ!こんくれぇこなせねぇでハンターなんざ夢のまた夢だぞノロマ!」

 

「ヒィィィ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あれ?アイツはどこ行った?」

 

「逃げたぞ」

 

「あのクソガキィ!連れ戻して来る!」

 

「随分面倒見いいじゃねぇの……行ってら~」

 

「どこだボケコラァー!」

 

 

 

 

 

 

 

 

「おい家畜の解体くらいさっさとやれ」

 

「む、むむ……ムリですぅ」

 

「さっさとやれっつってんだろ!いつまでピーピー泣き言言ってんだ泣き虫が!剥ぎ取りの練習と思え!」

 

「ヒ、ヒィィィ……!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「だからちげーって言ってんだろ!何回言わせんだボケナス!」

 

「いやこっちの方が効率良いですって」

 

「んだぁ?モヤシがいっちょまえに講釈垂れんのかああん?オレがヤサカラスが黄色だっつったら黄色なんだよ!ナマ言いやがって上等だクソガキャア!シバキ回してやらぁ!」

 

「そんな理不尽な!?ちょタンマ!スミマセン!」

 

「ウラァ!!」

 

「ウギャアーーー!!?」

 

 

 

 

 

 

 

慌ただしい時間は早く

 

いつの間にか半年が経っていた

 

 

 

 

 

 

 

 

(そろそろってとこか)

 

男は少年を呼んで指示を出した

 

「今日は仕事しなくていい、その代わりにお前ちょっと走って来い」

 

「え?走る?どこを?」

 

すっかり上下関係をわからされた少年は意味はわからないがとりあえず従う

 

「農場の外周だ、とりあえず100周だな50分で走りきれ、失敗したらドツキ回すからな」

 

「ッ……了解」

 

無理だろアホかと言いたい少年だったが泣かされるだけなので黙ってマラソンを開始した

 

 

 

「よーしもういいぞー止まれー」

 

必死で数えれていなかった少年を男が受け止め休ませる、少年は息も絶え絶えの死にかけ

 

「時間はギリギリ49分か……まっ及第点か」

 

死にかけている少年へ水をかけて男は隣に座った

 

「ガッツあんじゃねぇかよく頑張った」

 

「ハァ……ハァ……どうも……」

 

「体力と忍耐力ついてきたし明日からハンターになる特訓してやるよ、仕事はもうしなくていい」

 

「……え?」

 

少年は驚いて起き上がる

 

「合格した今だから言うが仕事で最低限の体力つけさせてたんだよ、あと忍耐力とお前心が弱ぇから精神力もな」

 

少年の仕事量は完全にブラックだったし怒声と鉄拳制裁のパワハラ三昧、家畜解体で無理矢理血に慣れさせられた

 

「イビってたわけじゃなかったんだ」

 

「……マジのイビリ見せてやろうかコラ?あ?」

 

「すみません」

 

少年は青ざめて平謝り

 

「あ……50分て一般クエストの時間制限?」

 

「……お前ホントにハンターの知識だけはあんな……ああそうだよ、50分をフルに動き回れるのが最低限ハンターが持つべき体力だとオレは思ってる、さっきのマラソンは軽い擬似体験ってとこだ」

 

「じゃあ……もうハンターになれるのか僕」

 

嬉しさに頬を緩める少年

 

「最低限の体力で自惚れんなアホ!こっからが本番でキツくなんだ!最後まで武器振れる体力と力付けなきゃなんねぇ、お前体弱ぇから時間掛かるし絶対辛い」

 

男は問う

 

「それでもやるか?一応聞いとかねぇとな」

 

仮にここで辞めても最低限生きる力は付いたから聞くのだ

 

ハンターをやるのかどうかを

 

「……やります」

 

少年は答えた

 

「チートも知識無双もなーんにもなかったけど自分の力だけで頑張って強くなるのなんか楽しいから」

 

「……あーん?」

 

男は首を傾げた

 

「チートォ?何だそりゃ……相変わらずわけわからん事言いやがるガキだ、まぁいい……やるってんなら強くしてやる、頑張れよ」

 

「はい!」

 

ハンターになる道を進む

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「とりあえず武器持って農場100周、朝昼晩素振り1000回、間は筋トレ、これを毎日な、泣き言言ったら殺す、逃げても殺す」

 

「……無理に決まってんでしょ」

 

「よし殺す」

 

「行ってきまーす!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「もう1ヶ月経つってのにまだトロトロやってんのか、陽が暮れるぞこのノロマ」

 

「……あんた言ってるだけじゃないか、出来んのかよあんたは!手本見せろよ手本!」

 

「生意気言うじゃねぇか……よしわかった!手本見せてやる、その代わりオレが余裕でこなしたら泣き言言った罰でぶっ殺すかんな」

 

「いいよ、やってみろよ!」

 

 

 

「はい楽勝~余裕余裕~」

 

「ウソだろ……僕の半分も掛かってない……」

 

「じゃあ約束でぶっ殺しまーす」

 

「す、すみませんでしたわばっ!!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「だいぶ良くなってきたな、筋肉も付いてきたじゃねぇか」

 

「お陰さまで」

 

「ん~……そろそろ1回クエスト行ってみるか?ランポス辺り」

 

「ッ……!!?」

 

「ビビんな、どんなハンターだって最初は怖ぇ、最強目指すなら避けちゃ通れねぇ道だ」

 

「わかりました……やってみます」

 

「おう、気張ってこい」

 

 

 

「わりぃ相棒コソっと見ててやってくんねぇか?」

 

「旦那が行けばいいニャ」

 

「嫁にクエスト行ったのバレたら怒られるんだよ、頼む」

 

「はぁ……わかったニャ旦那、貸し1つニャ」

 

「サンキュー相棒!」

 

 

 

 

「クリア出来たけど……全然動けなかったです」

 

「最初はそんなもんだ、まず慣れる、それが大事で始まりだ、んで慣れたら自分の動きを合わせていく、それが経験ってヤツだ、だから簡単なのでもいいからビビらずドンドンこなせ!」

 

「う、ウス……!」

 

「でも特訓は継続だかんな」

 

「……ウス」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「特訓もクエストも結構こなして来たし形になってきたんじゃねぇか?」

 

「そうですかね?」

 

「そうだよ、ん~そろそろ自由にやってみるか?」

 

「えっ……破門ですか?」

 

「いつ弟子になったんだお前、面倒見てるだけだ……まぁいいちっと自由にやってみな、躓いたら話聞いてやっから」

 

「はぁ……」

 

「使う暇も無かったろうし結構金も貯まったろ?部屋はそのまま貸してやるから家賃ぐらいは払え、格安にしといてやる」

 

「わかりました……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おっおかえり……お前ズタボロじゃねぇかよどうした?」

 

「僕のクエスト達成率良いのが気に入らない奴等と喧嘩になったんですよ」

 

「ふーん……勝ったのか?」

 

「10人も居て袋叩きですよ……ちくしょう」

 

「あ?そんでメソメソ帰って来たってか?情けねぇ……オイ行くぞ!」

 

「は?どこに?」

 

「決まってんだろ!リベンジだ!」

 

「俺様も行くぞ!関係ねぇけど暴れたいから行くぞ!」

 

 

 

 

「おうテメェ等かウチの袋にしやがったクソヤロウ共は?」

 

「覚悟は出来てんだろうなコラァ?」

 

「は、裸の英雄と……」 「番長!!?」

 

「「世話になったなコラァ!!」」

 

 

 

 

「ふ、2人で全員やっちゃった……」

 

「お前もこの程度の奴等にやられんなボケ!誰が鍛えてやったと思ってんだこのザコ!」

 

「……すみません」

 

「まぁいい、奢ってやるから飯でも食って帰ろうや」

 

「……はい」

 

 

 

 

 

ある日、ギルドで舎弟が少年に話しかけた

 

「よう!もう上位に上がったって聞いたぞ!やるじゃねぇか!このままじゃ抜かれちまうな!」

 

「そんな!アベックさんのお陰ですよ!」

 

「よせって!オレは兄貴に頼んだだけで何もしてねぇ、お前の努力と知識が実を結んだんだよ」

 

「そうです、かね……へへっ」

 

少年は嬉しそうに笑う

 

「お祝いしてやるよ、飯食わせてやる!」

 

「ありがとうございます!僕もアベックさんに聞きたい事あったんで是非!」

 

食事もたけなわな時に少年は舎弟に問う

 

「今更なんですけど……あの人何者なんですか?」

 

「あの人?兄貴の事か?」

 

「そうです、有名な人なんですか?」

 

「……ホントに今更だなお前」

 

若干引いた顔で舎弟は言った

 

「英雄だよ、元な……二つ名は裸の英雄、オレが知ってる中でいっちばんヤベェハンターだった人だ」

 

「道理で色々おかしいわけだ……」

 

少年は驚くも疑問を浮かべた

 

(知らないキャラだ、ラスタでもないしNPCにも記憶に無い……新作のキャラかな?)

 

知識の中には無かったからだ

 

「しっかし変わるもんだなぁ、最初はヒョロヒョロで気弱だったのにハンターらしい体つきになったし気も強くなったもんなぁ」

 

「あの人の地獄の特訓のお陰ですよ」

 

「ハハ……なぁぶっちゃけお前って昔からずっとイジメられっ子だったろ?」

 

「ホント急にぶっちゃけてきますね……ええそうでしたよ、がっこ……学舎でアベックさんみたいな人等にイジメられてました」

 

「お……言うじゃねぇのお前も」

 

昔はクズだった舎弟は苦笑

 

「でももう大丈夫だろ?何たって裸の英雄の弟子なんだしなお前」

 

少年の顔が少し曇った

 

「弟子……とは認めて貰ってないです」

 

「ありゃ?そうなのか?」

 

「はい……」

 

「まぁ気ぃ落とすな、良いこと教えてやるよ……兄貴に弟子にしてくれだとか教えを乞う奴はたくさん居たが兄貴は全員断ってたんだ、なんかそういうのしたくないらしい」

 

「……それが?」

 

少年には何が言いたいかわからない

 

「わかんねぇか?お前が兄貴が面倒見た最初のハンターって事だよ」

 

「あ……」

 

「俺からしたらとっくに弟子みたいなもんだよ、だから気にすんな!兄貴は不器用だから言うのが恥ずかしいだけじゃねぇかな」

 

「わかりました……いつか師匠って言える日まで頑張ります」

 

「その意気だ!ホラもっと食え!遠慮すんな!」

 

少年は嬉しくて笑う

 

「アベックさんと会えてよかったですよ僕」

 

「嬉しい事言ってくれんじゃねぇかよ兄貴に投げたこんな薄情者に……いつか一緒に狩りに行こうぜ」

 

「はい……約束です」

 

月日は流れて行った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よし……もうすぐ勝てる……!」

 

少年は強大なモンスターを前に武器を強く握る

 

(アルバに勝ったら次はいよいよ……ミラだ!!)

 

秘める知識が最終目標を目前にしていた

 

「これで……終わりだぁ!!」

 

太刀の一閃がアルバトリオンを斬り伏せ死闘の終焉を告げた

 

 

 

「はぁ……はぁ……よし……よし……!」

 

勝利に力強く拳を握り顔を上げ帰路につくため踵を返す

 

「!!?」

 

少年は視界に捉えたモノに驚愕した

 

(少女……?あれ?なんか見覚えが……)

 

神域に酷く似合わぬ白いドレスを着た少女が立っていたのだ

 

「良い夢は見れたみたいね、でも残念だけど……ここまで」

 

白いドレスの少女は別れを告げるように手を振った

 

「ッ!!?」

 

少年の視界が白に染まった……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「オイそわそわすんな、鬱陶しいぞ」

 

酒を飲みながら大男が男に言う

 

「いやだってよぉ……」

 

「そんなに弟子が心配かよ?心配ねぇよアイツなら」

 

「まだ弟子じゃねぇっつの!」

 

「まだ言ってやがんのかツンデレヤロウめ」

 

「違うっつの!」

 

男は言う

 

「G級のアルバがFクラス昇格への功績積みの最後の難関なんだ」

 

「あぁ、今はそんな規定になってんのか、俺様達の時はダラの亜種だったな」

 

「アイツがFクラスハンターになれば弟子って言ってやろうと思ってたんだよ」

 

「そういう事かよ、面倒くせぇヤツめ……アイツが可哀想だ」

 

きっかけは無関係な勘違いからだったかもしれない、それでも共に過ごし手塩にかけて育て情を注いだ少年は男にとって既に……

 

「ルセェぞデブ!あーしっかし遅ぇな、早く帰って来いよ……失敗でもいいからとにかく無事でよぉ」

 

今か今かと待ち続ける男に舎弟が慌ててやって来た

 

「兄貴!兄貴ッ!!大変ッス!!」

 

舎弟は泣きそうな顔で叫んだ

 

「アイツが……アイツが消息不明にッ……!!」

 

「ア"ァ"!!?」

 

男は激怒し立ち上がった

 

「どういう事だ!!」

 

「わかんないんス……ただアイツがいつまで経っても帰って来なくて……!ギルドも未帰還で死亡処理して……ッ!?」

 

「ざけんなッ!んな訳あるかッ!!」

 

男は駆け出した

 

「兄貴!?何処へ!?」

 

「探しに行く!!」

 

「俺も行くッス!!」

 

2人は農場から出ていく

 

「……俺様も行ってやるか、数は多い方がいいしな」

 

 

 

しかし男達の捜索も空しく少年は見つからなかった

 

アルバトリオンを倒したのに消息不明という事実だけを残して少年の痕跡は跡形もなく消え去ったのだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ハッ……!?」

 

少年は目覚めて周囲を見回し馴染みある自分の部屋を認識する

 

(夢……か……)

 

自分がとても長く苦しくも楽しい夢を見ていたのだとわかったのだ

 

(……ああそうだ、学校……)

 

学生服に着替える

 

(こんなキツかったっけな学生服……けっこうダボダボだった気がすんだけど……)

 

違和感を感じながらも鏡は見ずに登校

 

 

「ハァイお兄さん」

 

登校中に少年は少女に声を掛けられた

 

「あ、君は……」

 

少年はトラックに轢かれかけた少女だと思い出す

 

(あれ?結局あの後ってどうなったんだ?それに……この子夢の最後でも見たような……)

 

見つめていると少女が微笑んだ

 

「助けてくれてありがとう」

 

感謝を述べて御辞儀し意味深な顔を覗かせる

 

「良い夢見れたでしょ?じゃあね」

 

「え……あっ……」

 

聞き捨てならない言葉に去る少女を青年は追いかけるが追い付けない、全力なのに小柄な少女に追い付けない

 

「待って……!き、君……何か知ってるの!?」

 

「知ってるけど教えてあげな~い、でもそうねぇ……私の名前くらいは教えてあげる」

 

少女は軽やかに振り返りその名を告げる

 

「ミラ・アンセス……ミラちゃんでもアンセスちゃんでもどちらでもいいわ、アダ名はルーツ……こっちのハンターにはそう呼ばれてる」

 

「ッ!!?」

 

少年の足が鈍る

 

(祖……ッ!!?)

 

衝撃の名に動揺した隙に少女は曲がり角を行き見えなくなった

 

「……!!?」

 

少年が曲がり角を行くと少女の姿はどこにもなかった

 

(……白昼夢でも……見た……かな)

 

不思議な体験をして学校へと向かう

 

 

 

 

 

 

「おっ来たなパシリ!焼きそばパン買ってこいや!」

 

クラスの不良が少年の頭を小突く

 

「……はぁ?」

 

少年は不良を睨み付けた

 

「おいおいなんだその生意気なツラはよ?また泣かされてーのかコラッ!」

 

不良は凄むが少年は唖然としている

 

(なんか全然怖くないな、モンスターやあの人に比べたらちっとも怖くない……)

 

夢の体験が度胸を強くしていた

 

「聞いてんのかテメェ!」

 

「おっと」

 

不良が殴りかかるが少年は拳を受け止める

 

「ァイッ!?イデデデデデッ!!?」

 

不良は悶絶して膝をついた

 

(軽く握っただけだったのに……)

 

手を離しよくよく体を見てみると夢のままの体だった

 

(夢じゃ……なかった……?それとも今も夢……?)

 

あの体験は本物だったのか、夢の中の夢なのか

 

(まっ……何でもいいか!あの人ならそう言うさ)

 

気にせず人生を謳歌する事に決めた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

-エピローグ-

 

「ふぅ……今日は邪魔が入ったしもう終わりっと」

 

夢から覚めた日から10年、少年は社会人になり農業を始めていた、ワンオペだが有り余る体力と力で人件費が要らないのでそれなりに儲けている

 

「ふんふ~ん♪熊や猪じゃ相手にならないぜ~♪アオアシラとドスファンゴだろうとな~♪」

 

畑を荒らし来たので討ち取った熊と猪を手際よく解体

 

「キュッ!キュッ!キュッ!ニャ~♪ってね~」

 

血濡れで機嫌良く歌いながら解体作業は終わった

 

 

「ビールビールっと」

 

風呂に入り酒を用意しながら買ってきたゲーム雑誌を広げる

 

(何か面白そうなゲームあるか~?モンハンの新作とかないかな~)

 

ページを捲っていく

 

(……!!)

 

あるページで指は止まった

 

「モンスターハンターフロンティアサービス終了……今日……か」

 

12年続いた歴史に幕が降りる告知だった

 

(昔漫喫で結構やったなぁ……そうか終わるのか……)

 

懐かしき思い出に想い馳せる

 

(最後にログインしてみるか……アカウントまだ残ってるか?)

 

パソコンを起動し新たにインストール、記憶を頼りにパスワードを入力

 

「お!イケた!」

 

成功しフロンティアの世界へログイン

 

「うわ懐かしー……装備弱っ!あ!みんな手ぇ振ってる!ハハッ……」

 

最後の時を迎えるゲームの立ち会いは過ごした時を鮮明に思い出させ同時に寂しさを際立たせる

 

「オレ……この中に居たんだよなぁ」

 

そして10年前の忘れられない夢物語

 

「……悪い事しちゃったよな」

 

もう間も無くフロンティアが終わる

 

「アベックさんと狩りに行く約束守れなかったし……あの人には最後まで呼ばれなかったし……」

 

酒を飲み、後悔に顔を伏せる

 

申し訳なくて画面が見れない、時間だけが過ぎていく

 

 

ピコン

 

 

メッセージが届いた通知音を聞き思わず顔をあげた

 

 

『ようやく見つけたぞクソガキ!!』

 

『生きてた!コイツ生きてたッスよ兄貴!!』

 

 

自分のアバターの前に名前が無いキャラが2人立っていた

 

「アベック……さん?それ、に……裸の……英雄……?」

 

キャラの見た目、話し方はまさに……

 

「ウソだ……そんな……」

 

自然に涙が溢れてくる

 

「ごめん……ごめんアベックさん……約束……守れなくて……」

 

『気にすんな!お前が元気ならそれでいいさ!』

 

「ずっと心配かけて……すみませんでした……」

 

『相変わらず泣き虫かテメーは!オレの弟子なんだからシャキっとしろ!』

 

「ッ……!!はい……!ハイ……師匠……!!」

 

涙は止まらない

 

『達者でやれよ!』

 

『じゃあな!』

 

2人は手を振っていた

 

「アベックさん!!師匠!!」

 

叫んだその瞬間

 

フロンティアの時間が停止し……サービスは終了した

 

 

「……うっ……グスッ……」

 

画面の前で泣き崩れる

 

「楽しかったです……本当に……夢のようでした……」

 

誰も信じてくれぬ運命の開拓史

 

歴史に幕を閉じても心には永久に残り続けるだろう

 

夢幻の狩猟魂と共に……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




・少年

ゲーム好きな気弱なヒョロガリイジメられっ子、14歳。

トラックに轢かれそうな少女を助けようとして気がついたら知ってる異世界に居た。
チート能力なんて無く知識無双も出来ず極貧生活をしていたのをアベックハンターの舎弟が見かねて声をかけた事から話は始まる。

・少女

またの名を白いドレスの少女、アンセスとかルーツとも呼ばれたりする。

何処かに旅行をしていたら暴走トラックに轢かれそうになった時に少年が助けてくれた(2人とも轢かれた)のでお礼に少年へ異世界旅行をプレゼントした、男が絡んだのは偶然と言う名の必然。
自身等の事は秘奥なので少年が詳しく話そうとしたら強制送還するつもりだったが少年は話さなかったから様子見していたがアルバの次というゲームでいう最終局面直前、つまり異界にて自身達の存在がバレる可能性が臨海に達したので夢の終わりを告げに現れた。




まぁ無茶苦茶な話です、チートとか知識無双嫌いなんで現代人が異世界に行ったらこうだろみたいな私の考えをかなりマイルドにしてあります、ハードに行くと速攻モンスターに食い殺されるか餓死か喧嘩で死亡、窃盗とか犯罪やって死刑か奴隷堕ち、もしくは精神崩壊とかじゃないですかね?普通に考えると現代人が異世界で生きていけるハズが無いと思います、私はムリです妄想に限る。

ゲーム世界転移物で書いたけど書き終わったら最終回みたいな感じにも見えてきた。

ネタ無いしもう終わろうかな?意見くれたら嬉しいです。

次は本当に未定です。
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