Fへの挑戦   作:黒太陽

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見るも言うも聞くも申

 

-新大陸・拠点セリエナ-

 

「クエスト終わりましたよお師匠~!」

 

若い女子ハンターが青い星の英雄の元へ報告に来た

 

「お疲れ様、どうだった?」

 

青い星の英雄は半分引退しており後進の育成に力を入れている

 

「楽勝でしたよあんなクエスト~逆にかったるかったです~」

 

「そうか……」

 

女子ハンターはうんざりした顔で言い青い星の英雄は微妙な顔をした

 

(上位クエストを楽勝、かったるいか……)

 

微妙な顔をしたのは女子ハンターに才能があった事に対して

 

(ここまで順調に行くとは思ってもみなかった)

 

才能が有ったのは良い事なのだが悪い事もある、苦労知らずなのが懸念だったが青い星の英雄の育成の仕方にも原因があった

 

(……ちょっと教え過ぎたかな)

 

狩りの知識を事前に全て教えていたのだ

 

フィールドのアレコレやモンスターの弱点や行動パターンなど事細かに教えていた

 

つまり攻略法、女子ハンターは丁寧なレールの上を才能で爆走しただけであった

 

(喜ばしいのは確かなんだが……うーん……)

 

しかし一概に悪いとはやはり言えない、それで結果は出ているし青い星の英雄も人を選んでいる、誰彼構わずではない

 

が、最近の若いハンターは総じて最短でなければ我慢出来ない質になっているのだ

 

(調子に乗り過ぎた時が一番危ないんだがなぁ)

 

そうした者は慢心し油断する、命のやり取りをするハンターにとってそれは致命的、運良く生き残っても挫折から立ち直れず引退も考えられる

 

「次は鏖魔ディアブロスでしたよね?楽勝楽勝~あんなのサボテン食ってるクソザコっしょ~ていうかもうお師匠も越えてるくないコレ~」

 

(乗りに乗りまくってるな……あーダメだ不安過ぎる、轢き殺される未来が見える……)

 

困った青い星の英雄がふと思い出す

 

(……そういえば裸のが前にたまたま会った時に面倒を見ていた奴がいるとか言ってたな)

 

それは少年の事

 

(確かFクラス昇格前まで行ったとかだったかな……1回あいつに見てもらうか?いやでもあのクレイジーに任せるのは怖いな……だがこのままじゃなぁ……)

 

悩んだ末に青い星の英雄は弟子に告げた

 

「よし……次のクエストに行く前に付き合ってくれ」

 

「はい?何にですか~?」

 

「君の成長に役立ちそうな所へだ」

 

大陸を渡る……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

-農場-

 

「と言うわけですまないがこの子を君の元で勉強させたいんだが見てくれるね?」

 

「……急に来て何だと思ったらガキの面倒見ろってかよ先輩」

 

男は非常に嫌そうな顔をした

 

「頼むよ」

 

「えーやだ」

 

「ハチミツたくさん買うから、な?」

 

「うーん……」

 

やりたくない男は女子を見る

 

「お師匠~何なんですこのチンピラは~?」

 

「あー?」

 

男に睨まれても女子は半笑いでニヤニヤしている

 

「彼は私と同じ英雄だった人だ、失礼はするな」

 

「え~?お師匠と同じ英雄~?こんな農場で働いてる土臭いチンピラが~?」

 

女子は見下すのを僅かにも隠さなくなった

 

「彼についてハンターのイロハを学びなさい」

 

「えーなんでー?そんな必要無いですよ~天才の私がこーんな汚ならしいおっさんに学ぶ事なんてなーんにも無いで~す」

 

女子は拒否の構え

 

「……先輩よぉ」

 

「……うむ」

 

英雄2人は目で語り合う

 

『こんなのが弟子なのかよ?』

 

『ああ恥ずかしながら……才能はあるんだ、Fクラスハンターも視野に入れている』

 

『……そのうち死ぬぞコイツ』

 

『だから君のところに来たんだ』

 

男は呆れた顔で、青い星の英雄は申し訳なさそうな苦笑で語り合う

 

「……」

 

「……」

 

最後にやっていいか?と裸が問い、いいよと青い星が頷いた

 

「オイ」

 

男が女子の前に立った

 

「目上のモンに対して礼儀がなってねぇぞガキィ」

 

ぶん殴った

 

有無を言わさぬ男女平等パンチ炸裂

 

「イッダッ!?ちょ!?何すんのよ野蛮人!?」

 

女子は鼻血を垂らしながら猛抗議

 

「常識もねぇガキが調子こいてイキがってっからだアホ」

 

「~~~ッ!?お師匠ッ!!?」

 

「……」

 

女子が助けを求めるが青い星の英雄は沈黙で返す

 

「お、女の子に手を出すなんてサイテーよ!」

 

「あぁ~?女子供に見られたいならハンターになるなボケッ!女子供だとモンスターが手加減してくれんのか?あぁ?言ってみろやお嬢ちゃんよぉ?」

 

「ッ……!?」

 

性別は関係無い、それがハンターという職業

 

女で有利優遇されるならハンターは女性で溢れている

 

「アテが外れたなぁ!チヤホヤされてぇなら他の仕事するんだなマヌケ!」

 

「こっ!このっ……クソヤロウッ!!」

 

激昂した女子は男へ殴りかかった

 

(あ……言ってなかったが裸は生身の喧嘩だとたぶん英雄で最強だぞ、喧嘩売られた数が違う)

 

内心呟く青い星の英雄の前で女子は一方的にボコられた

 

 

 

「とりあえずは一旦こんなもんだろ、武器使わなかったのは褒めてやるってところか」

 

グロッキーで倒れ気絶した女子を前に男は言う

 

「ああ、さすがに喧嘩に武器を使う常識知らずだと私も見放してたよ……さぁ今日は帰るか」

 

「言っとくが矯正しかやらねぇからな?育てんのは先輩の仕事だ」

 

「わかってるさ」

 

「しっかし育て方間違ったなぁ先輩~どんな育て方したんだか」

 

「言うなって……」

 

女子を担いで青い星の英雄は宿に帰って行った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「許さない許さない許さない……!勝負だサイテーチンピラクソヤロウ!」

 

翌日、元気になった女子が再び乗り込んで来た

 

「……ふー」

 

溜め息を吐いた男が容赦無いヤクザキックを女子の腹に決めて悶絶させる

 

「うぎぃ……!!?」

 

「あーあー天才様は痛みに慣れてねぇんだなぁ、よかったねぇオレが優しくて……モンスター相手だと死んでるぞお前」

 

頬をシバいて気絶させ青い星の英雄に放り投げる

 

「君に勝てるか負けを認めて謝るまで私の権限でクエスト受注を停止させてある、すまないがしばらく付き合ってくれ」

 

「いいけど何か買ってってくれよ、講師代と迷惑料だ」

 

「……ハチミツください」

 

「毎度あり~」

 

 

 

 

 

 

 

 

「この変態クズヤロー!」

 

さらに翌日にいきなり現れた女子が出会い頭に殴りかかった

 

「ワンパターンなヤツだな、んなイノシシだとモンスターが初見行動や予想外したら御陀仏だぞバーカ」

 

「きゃああああッ!!?」

 

女子のパンチを避けずにわざと受けて驚いた女子の足を掴んでジャイアントスイングで投げ飛ばし農場内の木に弾かれた女子は溜め池に落ちて気絶して浮かぶ

 

「……ハチミツください」

 

「毎度~」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「狩り……!狩りよ!狩りで勝負しなさい!」

 

「って言ってっけどいいのか先輩?」

 

青い星の英雄は頷いたのを見て男は女子に言う

 

「ならいいぜ~嫁の許可だけ貰って来な~」

 

女子と青い星の英雄は受付嬢の元へ向かう

 

「……事情はわかりました、普段は追い返すところですが旦那がお世話になった大先輩の頼みという事で特別に許可しましょう」

 

「ありがたい、私も同行するので彼の安全は保証する」

 

無事に許可を貰えホッとする青い星の英雄

 

「あ~ハチミツの在庫捌けないな~誰か買ってくれないかな~」

 

「……ハチミツください」

 

「毎度ありで~す♪」

 

 

 

「あっそうですそうです……」

 

男の元へ戻ろうとした女子に受付嬢が呟いた

 

「私の旦那に色目使ったらブッ殺すからね小娘」

 

「ッ!?誰があんなチンピ……ラ……」

 

カッと怒った女子が言い返そうとしたが受付嬢の圧に止まった

 

「チンピラ~?」

 

「……何でもないッ!」

 

喧嘩慣れしてない女子は威圧に負けてそそくさ出て行った

 

 

 

 

 

 

パァープォー♪

 

 

 

 

 

 

「勝負ってどうすんだ~?」

 

男は大剣だがF規格ではなく青い星の英雄から女子と同ランクの本家武器を借りている

 

「このクエストは同じモンスターの二頭クエスト!どっちが先に狩れるか勝負よ!」

 

「はいよ、わかった」

 

「ていうか何で裸なのよ!」

 

「ん~気持ちいいから」

 

説明が面倒な男は適当に言った、説明しても理解してはくれなさそうなのもあった

 

「ッ~~~変態ッ!バカにしてッ!!」

 

「はいはい、んじゃ始めるか~」

 

勝負開始

 

「おーいまだやってんのかウスノローこっちは終わったぞー」

 

「ハァ?ウソッ!?」

 

勝負終了

 

女子は驚いて青い星の英雄へ本当か確認の視線を向ける

 

「本当だ、死体もちゃんと残ってる」

 

「そんな、私があんな変態に……きゃあ!?」

 

ショックを受けた女子はモンスターにシバかれた

 

(狩りの腕でもまだまだ相手にならないよ、攻略法を知っただけの死なない安全な立ち回りと自ら積み上げた経験を元に危険を承知で最短を攻める裸のとじゃ当然の結果だ)

 

「ちょ!?まっ待って!?」

 

(しかし心配はしてなかったとは言え本当に引退してるのか裸のは……キショいわー)

 

「イタイッ!?か、回復薬……イダーッ!?」

 

男に任せているので染々と眺める青い星の英雄とテンパってグダグダの女子

 

「はぁーちっとミスしただけで情けねぇ……引っ込んでろ」

 

「んぐえっ!?」

 

男が女子を蹴り飛ばしてモンスターを代わりに討伐した

 

「やーいやーい!ざーこ!ざこざーこ!」

 

「う、ウルサイ!ちょっとミスっただけだし!」

 

「オレに負けてミスって死にかけたざーこ!」

 

「キモッ!マジキモイ!死ねバーカ!」

 

「はいはいwキモイキモイw負けて喚くお前はもっとキモイなwバーカバーカ!」

 

「ッ~~~!死ね変態ヤロウ!」

 

女子は悔しくてプルプルしていた

 

「先輩ハチミツ毎度~」

 

「え……今日はもう買ったが……」

 

「は?じゃ矯正やめるわ、アバヨ先輩」

 

「……ハチミツください」

 

「毎度~♪」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「勝負よ変態ッ!」

 

「あーわりぃな今日はパス」

 

「何でよッ!?」

 

「嫁と買い物行くんだよ、デートだ」

 

女子は怯んだ

 

「ッ……あの怖い奥さんと……」

 

マジ脅しされたから受付嬢にビビっているのだ

 

実際邪魔したら女子は狩られる

 

「……そんなのいつでも出来るじゃん!後にして!」

 

しかし女子は屈しなかった

 

「ワガママしか言えねぇのかこのガキンチョはよぉ、あぁ?」

 

「うっ……」

 

男に凄まれ女子は怖じける

 

「いつまでテメーが中心に回ってると思ってんだ井の中のチャタカブラが……ちったぁ我慢覚えろ、ぼっちハンターだろお前?まんまだよ」

 

「はぁ!?違うし!」

 

「違わねぇよ、協調性もねぇ社会性ゼロハンターだよテメーは」

 

「なっ……この……!?」

 

言い返したいが言葉が出ない

 

(うーん合ってるなぁ……パーティーだと喧嘩ばかりで上手く出来なくてソロ専みたいになってるんだよなぁ、いやしかし裸の言い方はキツイ……キツイがこれぐらいしないと、か……俺がキツく出来ないから)

 

青い星の英雄は苦笑しながらタメ息を吐く

 

「今日は帰るぞ、出直そう」

 

「~~~ッ!?…………はい」

 

諭され女子は渋々ながら帰って行った

 

「……ハチミツください」

 

「お?今日は取らないつもりだったんだけど先輩がそこまで言うなら売らないわけにゃあいかねぇなぁ~毎度~♪」

 

「……もういくらでも買うよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ムカつくムカつくあームカつくぅぅぅ~~~!!」

 

帰りながら女子はイラついている、かなり激おこ

 

(若い……俺もハンター成りたての頃はこんなだったか)

 

それを後ろから眺めて感傷に耽る青い星の英雄

 

(自分が特別なんだと思い込む全能感から来る視野の狭さ、若い頃は有りがちだ、だから他者を見下すこの子には友も仲間も居ない……俺もそうだった)

 

(俺はすぐに壁にぶつかって色んな経験をガムシャラに積べた、モンスターの知識や武器防具の選定、他のハンターとの連携、ギルドとの付き合い方を……そうして積んだ経験の果てが青い星だった)

 

英雄と呼ばれる者も最初は駆け出し、幾多の苦難を知恵と工夫と経験で乗り越え続けたハンターを英雄と呼ぶのだ

 

才能など成長を促進する軽いスキル程度のモノでそこまで重視しない

 

(裸のも同じさ、いやアイツの場合は自惚れる暇も無かった……幾千幾万の苦い失敗の経験を積んでも諦めなかったからアイツは全てを越えた先の景色を見た)

 

男の場合は苦難に満ちていた、才能が有ったが環境に挫かれ特別とは逆に自分を落ちこぼれと思い込んでいた、それでも諦めず経験を積み続けた末に英雄と呼ばれるようになったのだ

 

(ソロで大成するヤツもいる、悪いとは言わない……がやはり上手く充実したハンター生活をして欲しいものだ)

 

そうなって欲しいと師は願う

 

「フー……フー…………」

 

鼻息荒かった女子が落ち着いてきて静かになった

 

「……あの、お師匠?」

 

「どうした?」

 

「私って……ダメなんですか?」

 

不意に問われる

 

「何についてだい?」

 

「その……ハンターとして」

 

「私からは言えない」

 

「そんな……教えてくださいよ……」

 

「……私が言えるのは最初に言った通りだ、裸の英雄からハンターのイロハを学びなさい」

 

「…………」

 

いつもは優しい青い星の英雄に突き放された女子は思い詰めたように押し黙り帰路についた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お、教えなさいよ……その、ハンターのイロハってヤツを……」

 

次の日、女子はソッポを向きながら女子なりにしおらしく男へ頼んだ

 

「……例えばお前がその昔、幼い頃だ……捨てられて凍えてるプーギーを助けた事があるとしようや……」

 

「……え?えっ……?」

 

意味不明な返事に唖然とする女子を前に男は言った

 

「でも死ね」

 

そして蹴り飛ばした

 

「うっわ……」

 

青い星の英雄はドン引き

 

「なっ!?何で蹴ったの今ッ!?アリエナイこの野蛮人!?」

 

当然女子は猛抗議

 

「騙し討ちしようったってそうはいかねー!その手は食わねぇよバーカマヌケー!」

 

男はしたり顔で笑っている

 

「違うし!バカはアンタよ狂人!!」

 

(そうだこんなヤツだったよな裸は……やっぱりクソイカレてんなコイツ)

 

憤慨する女子と超ドン引きする青い星の英雄

 

「あ~?出会い頭に殴りかかって来るようなヤツ信用出来るわけねーだろ、それにマジに言ってんなら言い方ってもんがあんだろうが、違うか?教えなさいよってなんだコラ、泣かすぞ?」

 

「うっ……」

 

(イカレのくせにわりと正論言うんだよなコイツ……自分の事は棚上げだけど)

 

最初にいきなり手を出したのは男なのだが言わない、話が進まないから

 

「お……」

 

女子は震える声で言う

 

「教えて……ください……!」

 

絞り出すようにお願いした

 

「……わかった、じゃ行くぞ」

 

男はついてくるように女子へジェスチャーした

 

「え……どこに?」

 

「闘技場クエストだ、狩りを通して教えてやる」

 

出発した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何このクエスト……双獅激天?」

 

「行きゃわかる、上位だから心配すんな」

 

「上位だから……?」

 

言われるがまま闘技場に入った女子は目が点になった

 

「ラージャンが……二頭ッ!?」

 

「激昂の方な」

 

相手は激昂ラージャン二頭、ハンターの中でも有名な鬼畜クエスト

 

「ムリムリッ!?ムリよっ!?」

 

「1人で狩ってこい」

 

「余計ムリよ!?頭おかしいんじゃないのッ!?」

 

女子は不可能だと頭を振る

 

「行けよ、それともオレと喧嘩勝負にすっか?」

 

「いやそれは……」

 

どっちも無理だが男と喧嘩する方が余程無理だと女子は感じてしまうが決めたくないから言い淀む

 

「いいから行け、色々考えてやってみろ」

 

「うぅぅぅ……」

 

女子は涙目になりながら激昂ラージャン二頭へ挑みに行った

 

「ムリッ!?一頭ならまだしも二頭はムきゃあッ!?」

 

片方の攻撃を避けたがもう片方が繰り出したデンプシーで宙を舞う

 

「起き攻め避けれなきゃああああ!!?」

 

呆気なく一乙

 

「こんなのムリよぉ……」

 

絶望的な心折設計に女子は立ち竦んでいた

 

「言っとくが不可能なクエストじゃねぇぞ、オレも先輩も達成出来る、なぁ先輩?」

 

「ああ、困難なクエストだが俺達以外にも達成者は多くいる」

 

「じゃあお師匠……」

 

目を潤ませて青い星の英雄を見る女子だったが先に男が牽制する

 

「ヒントもやんなよ先輩、自力でやらせろ」

 

「ッ……わかってるさ」

 

攻略法を思わず言いかけていた青い星の英雄は口を噤む

 

「今までの経験を駆使して達成してみな天才」

 

男は意地悪そうにニヤけて言った

 

「ッ!?……やってやる!やってやるわよ!見てなさいよ変態クソヤロウッ!!」

 

女子は自棄糞のようにキレて突撃していった

 

 

「……スパルタだな君は」

 

「こんなやり方しか思い付かねぇんだよ先輩、つか先輩は甘過ぎんだよ……女だからか?」

 

「まぁな」

 

「狙ってるとか言わないでくれよ」

 

「ハハハ……」

 

「いやハハハじゃなくて」

 

「ハハハ」

 

「……マジかこの人」

 

ちょっと引いてる男へ青い星の英雄は問う

 

「君はもう弟子取らないのか?」

 

「ああ取らねぇ、クソガキで改めてわかったんだよオレは教えるのに向いてねぇって」

 

「ふむ……まぁわかる、が何だ……その、言わば裸の英雄流は伝えていかないのか?」

 

「んなのどうだっていいさ、誇れるモンでもねぇ、中身はただ勝つまでやるってだけの誰でも出来るシロモンだ、技術もクソもねぇただの精神論だよ」

 

「精神論で英雄になれたなら是非あの子に少しでも学んで欲しいよ」

 

「今時の奴にゃ珍しく逃げねぇしオレにつっかかってくるガッツもある、ハンターの素質は有るのは保証すんよ」

 

 

「いやぁぁぁぁぁぁぁッ!?」

 

 

袋叩きに合う女子を眺めながら英雄達は笑う

 

 

 

 

 

 

「ムリ……ムリよぉ……」

 

何度も挑み返り討ちにされた女子はまだ諦めてはいないが諦めを口にしていた、ずっと涙目で死にそうな顔をしている

 

「諦めねぇお前に免じてちっとヒントやるよ」

 

「え……ホント?」

 

女子に生気が戻る

 

「まずは落ち着け、バカみてぇにつっこんでもやられるだけだ、だから落ち着いて状況を考えろ」

 

「状況……」

 

「テメェがどう不利な状況なのか何となくじゃなく正確に把握しろ」

 

「……狭い場所で1人で二頭を相手にしてる」

 

「それを打開するには?今までの経験から考えてみろ」

 

「……えっと、一頭なら対応出来るから……でもすぐ見つかるし……あ」

 

女子は気付いた

 

「煙玉!」

 

存在は知っていても使う事すら無かったアイテムから活路を見出だした

 

「気付いたら試してみろ、失敗したらまた考えろ、成功するまで試せ」

 

「……」

 

女子は男を睨んでいる、素直に従いたくないほど男の事が嫌いだから

 

「へっ、ようやく視野が広がったみてぇだな、イノシシからようやくハンターの赤ちゃんってところか」

 

「……フンだっ!」

 

ソッポを向いて女子は道具を揃えラージャンに挑みに行き……何度かの失敗を経て鬼畜クエストを達成した

 

 

 

 

「ど、どうよ……!達成したわよ!」

 

どうにかクリアした女子は疲労困憊だったが男に物申したくて不敵に笑う

 

「ようやくおしめが取れたな、おめっとさん」

 

「は?なにふざけた事言って……とにかく私の勝ちよ!」

 

勝った気でいる女子、いや勝ったと思い込みたかった

 

「勝っただぁ?何言ってんだお前?こっからが本番だぞ?」

 

「え……えっ!!?」

 

女子はビックラ仰天

 

「まずマガティガだろ~んでジョジョブラキにママトトス、そんでから極ベヒも外せねぇな~あ!牙剥く金獅子だけはゼッテーやんなきゃな!」

 

「ちょ!?待ちなさいよ!全部意味わかんないけど牙剥く金獅子は絶対ってどういう事よ!?何なのよそれ!?」

 

「ん?裸で極限化ラージャン討伐」

 

「え"っ……」

 

女子は戦慄ドン引き

 

「オレの異名的には是非ともやってもらわなきゃな~いややらす」

 

「……ムリ、絶対ムリ!?」

 

恐怖におののく女子だったが男はやめる素振りを一切見せない、本気でやらせる顔だった

 

「お、お師匠!助けてください!?」

 

「……すまん」

 

青い星の英雄は助けれなかった、任せる約束を反古にすると猛り狂うバーサーカーと殺し合いになる可能性が高いからだ、狩り勝負ならまだしも喧嘩で英雄最強の男に勝てる気は全く無い

 

「うーし行くぞー!一狩り一狩り~!」

 

「ヤッ!?離せ変態!この!あっ振りほどけなっ!?待ってヤダ……ヤダー助けてぇぇぇぇ!!?」

 

嫌がる女子は狂喜の男に引き摺られて行った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「終わった……やっと全部……終わった……」

 

二月後、女子は男に強制させられた鬼畜クエスト群を苦難の四苦八苦の末に全てこなした

 

「ようやくかよノロマ~ガッツはあってもウスノロだなお前」

 

「くっ……」

 

この二月で幾度も反逆したが拳で格の差をわからされた女子は苦悶の表情で男を睨む

 

(いつか……いつか絶対ギャフンと言わせてやる……)

 

体はわからされて怯えていたが男の事はやはり大嫌いなので心は憎悪で染まっていた

 

「こんなもんでいいか~?先輩~?」

 

「……もう二度と君には頼まないよ」

 

目の前で拷問に近い矯正を見ているしか出来なかった青い星の英雄は感謝より先に悪態が出た

 

「それはそうとハチミツください」

 

「一年分ぐらい買ってくれてありがとな先輩」

 

「腐るまでに使いきれるかな……」

 

「もうヤダァ~帰りましょうお師匠ぉ~」

 

大量のハチミツを抱えて2人は新大陸に帰って行った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・エピローグ

 

-10年後 新大陸・拠点セリエナ-

 

「だから裸の英雄は防具着けないハレンチな変態ヤロウなのよ、変態変態!女の敵よ敵!」

 

女子は酒場で盛り上がっていた

 

「ふてぇヤロウッスね~姉さ~ん」

 

矯正を通してハンターのイロハを学び人付き合いを覚えた女子は慕ってくれる者も増えその才能も手伝ってFクラスハンターとなっていた、当然努力も沢山した

 

「先輩飲み過ぎですよ~」

 

今は休暇を利用してFクラスの後輩を連れてかつてのメイン拠点だったセリエナに帰郷中

 

「あ、先輩!私先にメゼポルタに戻りますね、約束あるんで」

 

「はーい、肉焼くの上手な愛しの彼氏君によろしくね~」

 

「もー!彼氏じゃないですってば!」

 

後輩を見送り女子は酒盛りを再開する

 

「そんでねー!裸の変態クソヤロウはねー!」

 

大嫌いな男の悪評を広めるのが女子の復讐、ギャフンと言わせれるかはわからないがやたらと陰険な嫌がらせだった

 

「でねでねー」

 

「あ、姉さん後ろ……変態が」

 

「え~?変態~?」

 

そんな女子の背後に2人の影が迫った

 

 

「よう、つまんねぇことやってんな」

 

「私を怒らせてそんなに早く死にたいんですか?」

 

 

肩に手を置く男と受付嬢

 

「ひっ」

 

魂に刷り込まれたトラウマから条件反射の悲鳴をあげる女子

 

「な、なな……なんでここに……?」

 

「新大陸に家族旅行へ来たんだよ、ついでに先輩に挨拶しようと思って寄ったんだ、そしたらよ~」

 

男の良いおもちゃを見つけたような笑みを浮かべる

 

「そしたら……私の旦那が変態なんて言われてるんですよねー」

 

「ひぃ……」

 

受付嬢の見下ろしていた冷めた目に後退り

 

「良いハンターになって苦労してるって聞いたが元気有り余ってんなーお前、よし久し振りにオレと遊ぼうや!なぁ!」

 

「訓練場押さえときますね~」

 

肩からガッチリ首を決めて逃がさない男と阿吽の呼吸でタイマン場を押さえに行く受付嬢

 

「やっ!?ヤダッ!!」

 

巨大な机にしがみつき女子は必死の抵抗を見せる

 

「ムダムダァ~1名様ご案な~い♪」

 

「ヤダァァァァァァァァァァ!!?」

 

机ごと引き摺られて行った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よう先輩!おひさ!」

 

「裸のじゃないか!久し振りだな!どうした連絡も無しに?というか裸で寒くないのか?」

 

「旅行で来たんだよ、んでついでに挨拶しようってな、ホットドリンク飲んでっから平気だ」

 

「ああそういう事か、そうだ丁度良いあの子も今休暇で戻ってるから会ってやって……あっ」

 

青い星の英雄は気付いた

 

(あの子裸の悪口ばかり言ってるから今だけ言うの止めるよう釘刺しとかないと……)

 

思い出して焦ったのだ

 

「もう会ったぞ、さっき偶然な」

 

(あ~遅かったか……)

 

諦めの苦笑をするしかなかった

 

「絞りまくったから向こうでボロ雑巾みてぇになってるぞ」

 

「ああうん……相変わらず手が早くてキモイな君は……」

 

青い星の英雄は雪舞う天を仰いだ

 

 

「うぇぇん……あの変態……クソジジィめぇぇぇぇ……」

 

 

裸の生きた証は何処かで生き続ける……

 

 

 

 

 

 

 




・女子ハンター
青い星の英雄が顔と才能で選んだガッツはある甘やかされハンター。
金と銀がもたらす悲哀のエピローグで若い女性ハンターが言っていた先輩。
英雄になるタイプ、そして英雄になって死ぬタイプだったが男の矯正という名のイジメで英雄にはなれないがしぶとく生きるタイプになれた、死ぬよりは良いのでギルド的には頼りになってありがたい存在、男と関わった事で裸成分を学んでIQが下がった。


前話と似たような話ですがご愛敬。
ワイルズでようやく待ってた狂竜化関連の話が進んでワクテカしてたらちょっと強いゴア狩って終わりというオチに落胆でした……渾沌ゴアかシャガルのサプライズ期待したのになぁ( 。゚Д゚。)
マジでネタねぇや、合掌。
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