-バルバレ-
「なぁ?ハンターの数少なくね?」
「あんた知らないの?禁足地でゴグマジオスが発見されて戦闘経験のある筆頭のお偉いさん方と有力ハンターは応援に行ったのよ」
「それマジオス……?お陰で手が回らねぇよ、キチィって」
「しょうがないって、気張りな!」
異変……
-砦-
「アレか、古龍観測所から連絡が来たラオシャンロンは……」
「聞いてはいましたが……デカイな、見ると聞くとじゃ大違いだ」
遠目からでもわかる超巨大龍の侵攻
「いやちょっとデカ過ぎませんかアレ?シェンガオレンのヤドくらい顔ありますよ」
「古代種の概念は知っているか?古代のモンスターは今よりデカかったらしい……ダラ・アマデュラの古代種と予想される骨はフィールドを作る程デカイらしいぞ、あのラオシャンロンもその類いかもな」
「今まで見つからなかったのはどっかで寝てたんですかね?」
「かもな……何にせよ俺達はやるべき事をやるだけだ、目指すは討伐、撃退は最低ラインだ」
「その為に兵器揃えて応援まで呼びましたからね、ヘルブラザーズとか有名どころたくさん……やってやりましょう」
「よし……攻撃開始だ!!」
重なる異変……
-F領域・某所-
「来たぞーーーーッ!!」
Fクラスハンターが山に向かって大声をあげる
「デカ過ぎんだろ……」
「クソッ!何処に向かってんだコイツは!?」
動く山に向かって叫ぶ
「んなもんどうだっていい!食い止めるぞ!大砲、拘束弾用意!」
ハンター達は有らん限りの迎撃兵器を並べ対抗する
「若き英雄達よ出番だ」
「任せろ」 「任せな」 「任された」 「任せてよ」
時代を担う英雄達は武器を構え山へ駆ける
「頼むぞ……勝ってくれ」
勝利を祈る
「オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"ォ"ォ"ォ"ォ"……!!」
山の進撃に全ては虚しく均された
重なる異変は日常を乱す……
-農場-
此処でも異変が起きていた
「あの……あなた?」
受付嬢が男へ話しかけた
「おう?なんだどうした?」
「あのぅ……そのぅ……」
受付嬢は困った顔で言いづらそうに言い淀む
「なんだよ言えよ」
「……ハチミツの出荷数間違えちゃいました」
「……またか」
男は呆れた顔でウンザリと肩を落とした
「今回はいくつ足りねぇんだ?」
「ギルドに100個……ごめんなさい」
「いつまで?」
「1週間後です……」
「わーった、フィールドでかき集めてくる」
男は支度を開始する
「ごめんなさい……」
「いいって、気にすんな」
ギルドへ向かう
-メゼポルタギルド-
「あ、兄貴ー!」
舎弟が気付き寄ってくる
「クエスト行くんスか?」
「ああ」
「そうなんスね、あのね兄貴!今ちょっと問題が起きてやしてね……」
「わりぃ、ちっと今忙しいんだまた今度聞いてやるから行くわ」
「あ、すみません兄貴……手伝いましょうか?」
「いや私用だし大したこっちゃねぇ、大丈夫だありがとよ」
嫁がミスってハチミツ大量に要るから集めるの手伝って、とは恥ずかしくて口が裂けても男は言えない
「そうっスか……じゃお気をつけてッス!」
「おう、またな」
男はクエストに出発した
(ふぅ、ん~暇だし帰るか……俺は別に召集されてねぇし)
舎弟も家族と帰って行った
パァープォー♪
-ドンドルマ・大老殿-
「うぇーい!お久~!」
ユクモの英雄が入ってきた
「よう」
「お久~」
「やあ」
モガの英雄、龍歴院の英雄、ドンドルマの英雄が返事を返しココットの英雄、ポッケの英雄、我らの団の英雄、青い星の英雄が手をあげ挨拶を交わす
古き英雄達が集まっていた
「カムラのは?まだ来ないのか?」
「デカイ足音してるから来たんじゃないか?」
走音が近付き勢いよく扉が開く
「スマン!遅くなった!」
カムラの猛き炎の英雄が現着し古き英雄達が揃った
「それで?召集された理由はなんなんです大長老様?」
「まーたラヴィエンテか?」
問いに大長老は首を振った
「いやラヴィエンテではない、が、今世界各地のギルドの情勢が芳しくなくての」
「なんか禁足地でゴグマジオス出たんだって?撃龍槍じゃなくてクソデカヘヴィボウガンみたいなの背負ってんだろ?それか?」
「古代種と目される巨大ラオシャンロンと今迎撃戦やってるらしいじゃん、それ?」
「いや違う……もう1件重大な問題が起き、対処に失敗したのだ」
深刻な顔で大長老は語りだした
「諸君等も知っている魔境F領域、そのF領域でギルドも把握していなかったゾラ・マグダラオスが山脈の中から突如出現、大移動を開始したのだ」
「あらら、あの山みたいなのがねぇ……そりゃ大事だ」
英雄達の表情がキリッと引き締まった
「自由移動が長引けば被害は甚大、よってギルドは対処を余儀無くされ迎撃戦を行った」
「そんで失敗した……と」
大長老は頷きながら拳を握る
「充分な戦力を用意したのだ、F規格の迎撃兵器、経験豊富なFクラスハンターの支援含めた30人の部隊、切り札として若きFクラス英雄4名……しかし勝てなかった」
「その戦力で?マジか」
英雄達も驚き桃の木
「この惨状と観測結果からギルドはゾラ・マグダラオスを極み個体と認定、その不明瞭な移動から[極み彷徨うゾラ・マグダラオス]と命名された」
「極みぃほえー極みね、あーはいはいスゲェスゲェ……それに行けって?」
「ジジィとババァ手前の奴等に頼む仕事がコレか」
「わおっ!鬼ぃ畜ぅ~!」
「……頼めるだろうか?」
大長老は申し訳なく頭を下げる
「何で俺達なんです?他にも良いハンターは居るでしょう?あ、Fクラスは数が少ないか……若い英雄は負けたし、ああだから俺達なのか」
「さよう、君達は英雄の中でも大英雄と呼ばれるまさに英雄の中の英雄、実力も偉業も別格であり長年の経験を積んだ最も強く最も信頼出来るハンター達だ、君達以上の英雄をワシは知らぬ」
「持ち上げるねぇ~」
褒められて悪い気はしない英雄達は仄かに笑う
「引き受けて貰えるだろうか?ゴグマジオスとラオシャンロンの対応もあり支援は充分ではないのだが……頼みたい」
「わかった、引き受けよう」
ココットの英雄の即了承に合わせ全員が頷いた
大英雄達に断る小心者は居ない、舐められるからだ
「このメンツはラヴィエンテ以来じゃねぇか?楽しくなって来たなぁオイ!」
「腕は鈍ってないでしょうねアンタ等!」
「ぬかせ!テメーはどうなんだオラ!極みアルバにボコられて泣いてたって聞いたぞ~?」
「泣いてないわ!ちゃんと後でリベンジ決めたっての!」
「気焔万丈ーーー!!」
頭のネジが飛んでいる英雄達はまるで遠足前のように盛り上がりはしゃいでいる
「裸呼ぼうぜ裸!要るだろ絶対!英雄同窓会だ!」
「賛成~!仲間外れは可哀想だもんね~あのイカレこき使ってやろ!」
「奥さんが許すかわからんが……誘いたいのは間違いない」
「いよし決定!!」
「はっだっか!はっだっか!」
男の知らぬ所で参加は確定事項となった
大英雄達は祭が大好きなのである
「というわけで大長老様、裸の英雄の参加要請お願いします」
「え"っ……」
大長老は顔が青ざめる
「君達だけで充分では……それに裸の英雄は引退しとるし……」
「裸がいないならヤル気出ねぇなぁ~降りよっかな~」
「俺も!」 「あたしも~」
「え"っ……え"っ!?」
大長老は二度見した
余程男を呼びたい英雄達に心臓がきゅッと締め付けられる
「……わかった、裸の英雄を呼んでこよう、君達は準備を済ませておいてくれ……」
「オケまる!」
立ち上がる大長老は冷や汗を流しながら外に向かう
(ワシ生きて帰れるかの……)
恐怖の受付嬢を思いながら大老殿を出ていった
-樹海-
「おう居た居た」
ハチミツを探す男は目当ての場所を見つけ乗り込んだ
「邪魔すんぞプーさん!!」
「ガゥ?」
巣の中にはアオアシラが居た
ハチミツ大好きな森の熊さんである
「ウラッ!」
「ギャンッ!?」
いきなりシバかれてアオアシラは震え上がった
「出せよテメー!持ってんのは知ってんだぞオラ!」
男はアオアシラの所持品に用がある模様
「早く出せよテメー!イジメっぞコラ?」
「ガゥガゥ……」
持ってないですぅ……とアオアシラは言っている気がする
「あぁ?ならジャンプしてみろやオイ」
「……」
アオアシラは下を向いて震えている
「さっさとしろや!熊鍋にすんぞコラァ!!」
「ガアウッ!?」
脅されてアオアシラが跳び跳ねた瞬間、ハチミツが大量に落ちた
「持ってんじゃねぇかよコノヤロー!」
「ガウガウッ!?」
すみませんすみません!……とアオアシラは言っている気がする
「嘘ついた罰で他のアオアシラの居場所教えろや」
「……」
アオアシラは沈黙で対抗、殺されても仲間は売らない
「溜め3いっとくか?」
「ガウッ」
事は無い、自分の命が最優先
あっちですと言うようにアオアシラは指を差した
「おうそうか、んじゃな!またハチミツ要る時に来るから貯めとけよ!」
ハチミツを抱え男は巣を出ていった
「ガゥ……」
カツアゲにあったアオアシラは小さく咽び泣くのであった……
-農場-
「邪魔するぞい」
男を勧誘しに訪ねて来た大長老は大男等に会っていた
「おうどうしたよジジイ?何か用か?」
「……裸の英雄はおらんのか?」
「アイツはここ数日ハチミツ集めに行ってて帰ってねぇな」
「え"っ……」
大長老に冷や汗が流れた
「い、いつ帰ってくるのじゃ?」
「数が多いからな……明日か明後日ってとこじゃねぇか」
「う、ウヌヌ……マズイ、マズイぞ……」
男が居ないし時間も無い大長老は頭を抱えた
「……何かあったのか?話せよジジイ」
大長老は大男達に事情を話した
「ゴグマジオスに古代種ラオシャンロン、あげくの果ては極みのゾラたぁなぁ、まーたトンデモねぇのが出たな」
「だね、そのうち極みダラとか極みラヴィとか出そうだね~あー怖い怖い」
「笑えないってそれ、ねぇ?」
「確かにそうねぇ」
小男、メガネ、女の3人も苦笑する
「しょうがねぇ手伝ってやるか」
「オッケー」
「仕方ないか……わかったよ」
「了解」
大男の決定で4人は参加表明を出した
「構わんのか?いやありがたいが……」
「その、なんだ……平和なところに居たらたまに刺激が欲しくなっちまうんだよ、まぁ要は元はハンターのサガってヤツだ、なぁ?」
大男は3人に問う
「まぁね、ハンターしてた頃は平穏を夢見てたのにいざ平穏になったら刺激が欲しいなんてさ……困ったもんだよ、ハハッ」
「ボクはホントは行きたくないよ、でも行かないと殴られるからさ……ハァ」
「諦めましょう?皆となら大丈夫よたぶんきっとおそらくね」
メガネ以外は大男と同じだった
「助かる……では君達もゾラ・マグダラオスに……」
大長老が決めようとしたら大男が遮った
「待て待てジジイ!悪いんだが元はFクラスの俺様達もさすがにブランク持ちで極みはムリだっつーの、あのバカじゃねぇんだぞ」
「確かにそれもそうだな……では君達はゴグマジオスとラオシャンロンに行って貰えるだろうか?その2つも戦力は万全とは言えんからな、そちらでも充分な助力じゃ」
「よし、なら2組に分かれるか、俺様と小男はゴグマジオスに行くからメガネは嫁とラオシャンロン行って来い」
振り分けと目標をリーダーの大男が決め準備に掛かる
「裸の英雄はどうしようかの……」
「探しに行くにしても先にアイツの嫁に許可とっとかなきゃまた殺されっぞジジイよう」
「ゔぐっ……」
大長老の胃がキリキリ痛む
「んじゃあ俺様達は準備して出発するわ、頑張れな」
「待てぃ!ワシを1人にするな!一緒に説得してくれ!」
「ヤダっちゅーの!あの嫁さん怖ぇんだもんよ、行くぞお前等!じゃあなジジイ!」
「あっ待て!」
蜘蛛の子散らすように散っていき大長老は1人残された
「何でワシがこんな目に合うんじゃ……」
涙目でトボトボ受付嬢の元へ向かう
-密林-
「ガゥガゥ♪」
大量のハチミツを手に入れたアオアシラは上機嫌で巣に戻る途中
「ヒャッハー!ここは通さねぇぜ~?」
道を塞ぐハンターが1人、男である
「通りたかったら通行料払いな~」
「ガウアッ!」
何だテメーは!とアオアシラが上体を起こし威嚇する
「生意気だぞテメーコラァ!!」
「ギャン!?」
シバかれアオアシラは倒された、即堕ち2コマである
「出せやテメー!持ってんのは知ってんだぞオラァ!」
アオアシラを持ち上げ揺さぶる拘束攻撃
「……が……がわ……がわわあ……」
大量のハチミツが振り落ちた
「今日はこれぐれーで勘弁しといてやる、ブッ殺されなかっただけありがたく思えよプーさん」
気絶したアオアシラを放り投げハチミツを回収し男は数を数える
「このペースだとあと4、5頭ってとこか……タリーがやるっきゃねぇなぁ、旦那は辛いぜぇ」
ハチミツハンターが次の獲物を探す
-農場-
「どうやら死にたいようですね大長老様は……介錯つかまつります」
受付嬢がキレていた
「待てっちゅーに!話せばわかる!まずはその手に持った千年包丁を置けぃ!」
説得には失敗したようである
「そりゃ無理ニャ大長老様~極みゾラなんて超危険モンスターに嫁が旦那を行かせるわけないのニャ~」
「お母さんはお父さん大好きだからね~」
ウンウンと頷く相棒アイルーと娘
「か、金か?報酬は高額を約束しよう!」
「お金の問題じゃないんですよぉ、経営苦しくないしぃ」
千年包丁が大長老に迫る
「な、なら何でも頼みを言え!ワシが叶えてやる!」
「……ん?今何でもって言いました?」
受付嬢は反応し包丁が止まる
「あ、ああ……何でもじゃ……」
思わず言ってしまった大長老は何を言われるかわかったものではないとマズい顔をする
「ではギルドへのハチミツの納品数を100個無かった事にしてください」
「……何?ハチミツ……とな?」
大長老の目が点になった、意味がわからなかったからである
「今月のメゼポルタギルドへのハチミツの納品数の総量を100個減らして無かった事にして欲しいんです」
「……ん?……は?」
少し詳しく説明されても大長老はやはり意味がわからない
(自分のミス無かった事にしようとしてるニャ……)
(うわぁ……お父さん売ろうとしてる……うわぁ……)
わかっている相棒アイルーと娘はドン引き
「出来ます?出来るならクエスト行くの許しますよ」
「……よくわからんがそのくらい容易い事じゃ、すぐ手配しよう……では裸の英雄を借りるぞい」
「どうぞどうぞ~!」
ミスを無くせて喜んで男を差し出す受付嬢、ミスは無くせても男の苦労を徒労にしたとはわかっていない様子
「よし、では次は裸の英雄をどう探すかだが……」
帰還を待てない大長老はフィールドに居る男を探す方法を思案するが良い考えが浮かばず悩んでいると娘が手をあげた
「クシャおじさんならわかると思う、昔にフィールドに居るお父さんに何回も喧嘩売りに行ってたらしいから、匂い?みたいなの覚えてるんだと思う」
「それはまことか!では頼みたいのだがどうすれば……」
「私からお願いしてみますね!」
娘が外に出て呼ぶと呼応しすぐクシャルダオラは現れた
「お父さんを探して連れてきて欲しいの!お願い!」
「……」
クシャルダオラは非常に嫌な顔をした
「お願い!」
「……グオッ」
嫌々ながら小さくわかったと言った、娘の頼みにはやはり弱い
「おじさんありがとう!それでお父さんを見つけたら……えっとどこに行けばいいですか大長老様?」
「待てF領域の地図を出す……此処じゃ、ゾラ・マグダラオスの移動予想ルートの限界地に簡易拠点を作ってある、他の大英雄達も此処に居る、もし居なかったらそう遠くない場所でゾラ・マグダラオスと交戦しておるだろうからそこへ来てくれ」
「おじさんわかった?」
「……グオッ」
賢いクシャルダオラは地図と説明を聞いてわかったと言った次の瞬間に飛翔し風を使って男の場所を探る
「グオッ」
クシャルダオラは彼方へ飛んでいった
「ふぅ……何とかミッションコンプリートじゃわい、あとは果報は寝て待てじゃの」
やり遂げた感を出しながら大長老は条件の納品数改竄の為にメゼポルタへ向かいドンドルマへ帰って行った
その頃男は……
「待てコラァ!!」
「ウニャニャー!!?」
メラルーを追い回していた
「ハチミツ返せ盗っ人ヤローが!叩っ殺すぞゴルァ!」
せっかく集めたハチミツをスられていた
「捕まえたぞクラァ!」
「ウニャニャー!!?」
逃げようとジタバタ暴れるメラルーだが男は絶対放さない
「おわっ!?」
急に男は見えない不可視の攻撃を受けた、メラルーに夢中で気付けなかったのだ、だが大して痛くない
「ウニャニャー!」
しかしメラルーを放してしまい逃げられた
「だぁクソがッ……ちっオオナズチかぁ?邪魔しやがってブチ殺すぞボケが……ってまさか!?」
気付いた男がハチミツを数える、ハチミツは見事に盗まれていた
「ざけやがってクソヤロウどもがぁぁ……!!」
プッツンした男が大剣を抜く
「ブッ殺す!!」
盗っ人達に地獄を見せるべく突撃していった……
宴はまだ始まらない
正直ネタ無いんでコレで更新停止でもいいと思ってる。