-禁足地・竜谷の跡地-
「オ"オ"ゥ!?」
悲痛な叫びが木霊する
「……」
触攻の装衣を被ったハンターは水冷弾を無言の無表情で撃ち続けている
「オ"オ"ゥ!?オ"オ"ゥ!?」
怯まされ続けているのは鎧竜グラビモス
「オ"オ"ア"ァッ!!?」
グラビモスは何も出来ず息絶えた
「1分……まぁまぁだな」
勝利したハンターだったが特に喜びも無く報酬を貰う
「食材はボチボチ……お!高級お食事券キタ!しゃアザーッス!」
良いモノが出て御満悦
「っしもっかいもっかいリピートリピート」
ハンターは周回をしていた
食材とお食事券を集める為にグラビモスは乱獲されていた
「「「オ"オ"ゥ!?オ"オ"ゥ!?」」」
このハンターだけではない、禁足地のハンター達全てに乱獲されていた
……ガキン
「……何だ今の音?弾かれた?」
ハンターは異変を感じる
「お?あれ……?効かない……何で?」
効果覿面だった弾が急に通用しなくなったのだ
「オ"オ"ゥ!!」
グラビモスの熱線
(まぁ当たっても余裕だし、つかいきなり何なんだよダル……)
装備も充実しているハンターは面倒くさそうな顔で受けた
ジュ……
何故か力尽きた
「えっ!?ちょまっ!?え"え"っ!?」
キャンプ送りにされたハンターは意味がわからず焦った
「何だかよくわからんが……食らえ!」
気を取り直して乗り込み射撃
「やっぱ効かねぇ!?何でッ!?」
だがやはり通用しない
「オ"ア"ア"ッ!!」
「ピャッ!!?」
グラビモスの突進に轢かれまたキャンプ送り
「なにコレェ……」
訳がわからないハンターはクエストをリタイアした
-農場-
「ただいま~配達終わったぞ~」
男が配達から帰って来ると事務所にお客さんが居た
「ギルドのお偉いさんじゃねーの……それとメガネ」
お客さんはギルドの幹部でメガネと話していた
「よーアレ何だ?何かあったのか?」
受付嬢に問う
「それが危険なモンスターが出現したとの事で依頼に来たみたいなんです」
「へぇアイツに指名依頼か、てこたぁ相手はガンナーのカモって事かねぇ」
「そうでしょうねたぶん……はいどうぞ」
「サンキュー」
受付嬢がお茶を出し一息つく
「今日の晩飯なに?」
「シチューにしようと思ってます」
「お!いいな!お前の料理はどれも美味いから楽しみだ」
「ふふーん♪腕によりをかけて作っちゃいますよー!」
他愛のない会話をしているとギルド幹部が立ち上がり礼をして出ていった
「おう、何だったんだ今の?」
男が問うとメガネは困ったような顔ではにかむ
「なんか禁足地の方でめちゃくちゃ強い特異個体のグラビモスが竜谷の跡地?ってところを占拠して困ってるから狩ってくれないかって頼まれたんだ」
「あーグラビか、そりゃガンナーのカモだわ、お前に依頼に来るのも納得だ」
男は弓も使えて一流ではあるがガンナーとしては超一流であるメガネには敵わない、イカレ具合は圧勝だが
「そんな強ぇグラビなのか?言ってもこっち側だろ?元Fクラスのお前呼ぶくれぇのレベルなんかよ?」
「それなんだけど話を聞いても強さがよくわからないんだ……人によって強さがまちまちみたいでさ」
「……?そりゃまちまちだろうよ、人によって得手不得手あるんだし」
「いやちょっと違うみたいなんだ、ハンターランクが高い熟練者ほどより強いみたい、でもその熟練者の間でも強さの幅に凄い差があって混乱してるらしいんだ」
「あぁ?訳わかんねぇな」
「なんかその中でも周回勢ほど瞬殺されてるんだって」
「ますます意味わかんねぇな」
「でしょ?ホント変なグラビモスが現れたもんだよ」
メガネは一息つく
「で?行くのかよ?」
「行くわけないじゃん、もちろん断ったよ、引退してるんだよボク」
メガネは平穏に暮らしたい勢なので男や大男達のように危ない事には首を突っ込まないのだ
「なんだつまんねーの」
「でもしつこくてねぇ……だからボクはバシッと言ってやったんだ」
「お!なんて?」
「英雄が負けたら行ってやるってね」
格好よく言ってるが要はまず負ける事が考えられない英雄を餌に逃げただけである
「ほーん」
それ以上は特に何も無くその日は終わった
-翌日-
「禁足地の英雄が敗れた……」
「ウソー!!?」
吃驚仰天、メガネは叫んだ
「あーあ、行くっきゃねぇなぁヒヒヒ!」
聞いていた男はニヤニヤ笑う
「うー……わかったよぉ……」
諦めたメガネは泣きそうな顔で準備を始める
「手伝ってやろうか~?」
「ホント!?いいの!?」
メガネの顔がパァっと明るくなる
「ダメです!貴方も他の人も仕事たっくさん残ってるでしょ!」
「あ、そだった……わりっ!初めての禁足地楽しんで来てくれや」
「……ハァァァ」
めっちゃ嫌そうにメガネは禁足地に向かった
-2週間後-
「ただいまー!」
メガネが帰ってきた
「おうおかえり!どうだった?その様子じゃ楽勝だったみてぇだな!」
「急ぎの仕事がなきゃ俺様が手伝ってやれたんだがな」
男達が出迎える
「うん!失敗したよ!」
メガネは笑顔で言う
「だろうな……うん?」
堂々と自信満々に言ってるので混乱
「失敗……?成功じゃなくて失敗って言ったか今?」
「そう!失敗!」
「……え?お前マジ?」
声高に失敗を宣言するメガネに男達はドン引き
「だって弾効かないんだもんあのグラビモス、ボクじゃムリに決まってんじゃん」
「はぁ?弾効かねぇって……無効って事か?」
「そうそう」
言い訳を聞いてドン引きから真顔に戻った
「もうダメなの、なにを撃ってもダメ、効かないの、ダメダメ!ムリ過ぎ!」
「弾無効のグラビなんて地獄じゃねぇか……さすがに近接は効くんだろ?」
「知らない、ボク近接出来ないもん、あーでも向こうのハンターが効くとか言ってた気はするね、カッチカチらしいけど」
「こーの貧弱男が……」
呆れて苦笑する男達
「てこたぁまだ討伐されてねぇのか?」
「だと思うよ、英雄が一番追い詰めてたのが最高だったみたいでみんな返り討ちにあってたから……ちなみに禁足地の英雄は全治1ヶ月で今寝込んでるらしいよ」
「ふーん……まぁ誰か何とかすんだろ」
仕事に戻ろうとする男だったがメガネに呼び止められる
「あ!待って待って!ボクの代わりに狩ってきて欲しいんだよねグラビモス」
「あ?何で?」
どうしてそんな話しになるのかわからない男にメガネは申し訳なさそうな顔で頬を掻いた
「いやぁボク言っちゃったんだよね、代わりにボクの100倍強いちょースゴイハンターを呼んでくるって……友達だから大丈夫だ!って……禁足地のハンター達に……てへっ」
「……お前なぁ」
男は呆れて頭を掻いた
「頼むよお願い助けてよ!ね?ねッ!」
「うーん……」
男は悩んだ末に答えを出した
「……わかったよ、やってやるよ」
「やった!ありがとー!」
助けてやる事にした、友の頼みには弱いのだ
「わりぃけどちょっと行ってくるわ、ダチの頼みだし勘弁してくれ」
「ムムム……はぁい、わかりましたぁ」
受付嬢は嫌々ながらしょうがなく許可した
「て事で誰か一緒に行かねぇか?手伝ってくれよ」
男が問うと大男達は目を逸らした
「俺様パース、グラビにハンマーで挑むなんて冗談じゃねぇよやってられっか」
「僕もパース、双剣もしんどいねー」
「私も仕事溜まってるから……」
誰も来る気は無かった、見えてる地雷に突っ込む物好きはいなかった
「んだよこんな時だけビビりやがって……もちろん相棒は来るよな?」
「えー……どうしよっかニャー」
「もういいよ!1人で行きゃいいんだろ1人で!」
「ウソニャ旦那ウソウソ!一緒に行くニャー!」
「んじゃ重ね着して行くか、お前コンガな、オレは今回ガルルガにする」
「ニャー!?またコンガかニャー?」
「やーいお前母ちゃんババコンガー!」
「ギニャニャー!」
「アイテッ!?引っ掻くな引っ掻くなー!ハッハー行ぃくぞ~!」
「「「行ってらっしゃーい」」」
禁足地へ狩り旅行に出発した
-一週間後 禁足地・竜谷の跡地-
「アレがそうか、ほーん」
「なんか変なオーラ醸してるニャね」
着いた男は崖上からグラビモスを眺めていた
「早速挑むニャ?」
「あたぼーよ!行くぞ!」
飛び降りようと構えたら声をかけられた
「おいそこのヘボそうなガルルガフェイク!挑む気か?やめとけやめとけ死ぬぞお前」
禁足地のハンター達だった、明らかに地雷そうな裸ガルルガを止めに来たのだ
「そんな強ぇのかあのグラビ?」
口が悪かったが男は怒らない、忠告なのはわかるしハンターは全体的に口が悪い事は今も昔も変わらないからだ
「強いなんてもんじゃねぇよ、鬼ヤバだ……弾効かねぇガンナー絶対殺す竜だし属性も通らねぇ鬼硬い外皮、まさに鎧だ、攻撃は鬼ツヨワンパンだしよ、それに……」
「それに?」
「……まだ噂の段階なんだがどうもグラビモスの討伐数で強さが変わるらしいんだよ、討伐数が多いほど強いらしい」
「へぇ、そりゃまた変わった特異個体だな」
「お陰で怨嗟響めくグラビモスなんてアダ名されてるよ」
「ほーう……ん?それってマガイマガドのヤツじゃなかったか?」
「じゃ特級呪鎧グラビモス」
「じゃって何だじゃって」
テキトーなハンター達に男は苦笑
「まぁいいや忠告ありがとよ、やるだけやってみらぁ」
「行くニャー!」
男と相棒アイルーは助走し飛び降り……
「お待ちなさい狩人さん」
ようとしてまた止められた
「んがッ……またか!何だよばぁさん!」
呼び止めた竜人族の老婆を睨む、耳の方と呼ばれる凄い人だった
「貴方が来る事はわかってました、あの竜の事を話しましょう」
「…………」
男は渋い顔をした
「あの竜は怨念の集合体……」
「戯言に付き合えるか、お前ら相手してやれな、行くぞ相棒」
「了解ニャ」
男と相棒アイルーは飛び降りた
「狩人達が食材集めに狩り続け犠牲になった竜の怨念、澱みに澱んだ怨念が宿ったのがあの竜……」
「なんじゃこりゃ!硬過ぎんぞこのグラビ!?クソッタレェーー!!」
「爆弾も効かないニャー!?」
ガキン!ドガン!と金音と爆音が鳴り響く
「怨念は復讐を望んでいます、火器を使う狩人……そして鎧竜を多く狩った者をより深く怨み許しません」
「乗るしかないニャ!このビッグウェーブに!!」
「乗りナイスゥ!いいぞ相棒ー!ウラァ!死ねテメェコノヤロー!!」
轟音は響き続ける
「これはそう……起源にして頂点の……全てを越えし先に座す天上の……」
「だークソッあのクソ鎧竜がチクショウが!」
「リベンジニャー!」
1乙した2人が耳の方の横を通り過ぎる
「そう……運命の悪戯、なのでしょうね」
「うっしゃー!勝ったどー!!」
「えいえいおーニャー!!」
勝鬨があがっていた
「耳の方……あの~耳の方?」
「……話の途中ですよ?なんです?」
ハンターに肩を叩かれた耳の方
「終わってます、特級呪鎧グラビモスは討伐されました」
「……あらまぁ」
崖上から確認し驚く耳の方
「悪戯も笑って片付けるなんて随分と頭のイカレた御仁のようねぇ……ではごめんあそばせ、オホホホ」
耳の方は帰って行った
「疲れたな~相棒コンガ君、1泊して帰ろうぜ」
「そうニャね裸ガルルガ君、お土産買って帰るニャ~」
-禁足地・大集会所-
「お!見ろよ相棒!歌姫いんぞ!」
「ホントだニャ!メゼポルタから出張してるのかニャ?」
「かもな~」
酒を飲んでいると歌姫が歌い始めハンター達が集まって来た
「ウィ~……なんかテンション上がって来たな、よし行くぞ相棒!」
「ガッテンニャ!」
酔った勢いで突撃
「いいモン持ってんな!ちょっと貸せ!」
「あっちょ!?」
ハンターが持っていたギターを奪い歌姫の真下のステージに登る
「オレの演奏を聴けーーー!!」
ギターを奏でだした、相棒アイルーは踊っている
「なんだなんだー?」
「裸ガルルガギターってキモ過ぎんだろ」
「アハハ!いいぞー!」
悪ノリ大好きなハンター達が盛り上がる、セッションを開始し始める者も現れ打ち上げ花火を上げたり水鉄砲を乱射する者、相棒アイルーと一緒にダンスを踊る者、箒に乗って飛び回る者、花びらを撒きまくる者などカオスになった
「ワンナイトカーニバルだヤロウども!」
「ついてこれるヤツだけついてこいニャ!」
いつもは厳かなのに今日は熱狂のカオスライブになっていた
「…………」
これには歌姫も困惑せざるをえなかったがいつもより愉快な気持ちで歌いきったのだった……
クエストクリア!
・特級呪鎧グラビモス
食材とお食事券集めに乱獲され無念のうちに散ったグラビモス達の怨念が集積した特異体、周回勢を許さないガンナー絶対殺す竜。
赤衣の男が関わっている……のかもしれない。
ワイルズでたぶん乱獲されたであろうグラビモスの復讐クエスト来たら面白いなと昔した会話から具現化しました。
弾無効、属性無効、グラビモスの討伐数によりステ上昇、ガンナー特効(ダメ10倍)
クソモンスです。