-メゼポルタギルド-
「退け貴様等、邪魔だぞ」
イケメンこと王族は賑わうギルドのハンター達を散らしクエストカウンターへ向かう
「おー早いな、昨日の今日だぞ」
「貴様……」
受付嬢のカウンター横に寄りかかった男がニヤニヤしながら迎えた
「行く気か?」
場所は当然F領域
「だったら何だ?貴様に関係なかろう」
「あるよ」
「黙れ下民、引っ込んでいろ」
男を無視して王族は受付嬢へ言う
「極みのクエストへ行く、用意しろ」
「ダメでーす!」
受付嬢は腕で大きくバツを作って拒否した
「……女、オレを誰だと思っている?命が惜しくないのか?」
王族は権力を振りかざした
「おい、ギルドの仕事真っ当にこなすオレの嫁に手ぇ出す気なら先にオレに話通せや」
「何?貴様の嫁……だと?」
権力は男に弾かれ王族はたじろいだ、受付嬢を脅せば男が出張ってくるのだから
「ちっ……」
王族はならばと違うクエストカウンターに向かう
「ダメでーす!」
受付嬢が入れ代わりバツを作る、男が守ってくれるから受付嬢もビビらずノリノリでやっている
「茶番はやめろ貴様等……!」
「怒るなって、しょうがねぇだろ決まりなんだからよ、決まりの意味わかるか?継承権がねぇと王様になれねぇのと一緒で資格がなきゃFクエストにゃ行けねぇんだ」
「知るか、王族は下民の決まりに縛られる存在ではない」
「……そうかよ」
男は困った
(想像以上にわがままなボンクラだな)
あまりの酷さに
「つっても無理なモンは無理、んでそこでだ!オレが一緒にFクエストに行ってやるよ、引率ってヤツだな」
「……貴様が?」
提案に王族は反応を示した
「おう、ギルドマスターの許可も得てるからスムーズに行けんぞ?ここで地団駄踏み続けるかすぐFクエスト行くのか……どうする?」
「……」
王族は少し考えた
権力にモノを言わせて無理に押し通ろうとすれば男が立ちはだかる、だが男を引率にすればスムーズかつ1億稼ぐ英雄の力をタダで使える
答えはすぐに出た
「いいだろう、帯同を許してやる」
「そっか、よろしくな」
男の怖いもの知らずな狂気が権威あるわがままを上回ったのだ
「よしじゃあクエスト受注すっか」
男は受付嬢へ向く
「何か良い感じの極みあるか?」
「極みクエストですか?ナイデスネー」
「エーマジカー」
男はクルっと振り向いて王族へ言った
「残念、今は無いってよ、違うの行こうぜ」
「待て、本当に無いのか?」
「オレの嫁が無いって言ったら無いんだよ」
本当は有るのだが事前に受付嬢と口裏を合わせて無い事にしてある、Fクラス未満が初Fクエストに極みなんて自殺と同義だからである、例え男が引率しても絶対守り切れない程危険なのだ
「コレなんてどうだ?ポカラドン、お前等戦った事ねぇだろ?極みの前哨戦、ウォーミングアップに良いと思うぞ」
「……いいだろう」
F領域固有種を餌に誘導は成功しポカラドンに決定
「ポカラ丼一丁!」
「はい喜んでー!」
Fクラス定番のネタを挟みつつ受注完了
「オイ装備はどうした?さっさと着てこい」
「要らねぇ要らねぇ、さっ行こうや!」
「……こんな愚者が本当に英雄なのか?バカな……」
意気揚々と出発した
パァープォー♪
「いたいた、アレがポカラドンだ」
男の案内で辿り着く
「アレがFクラスモンスター……」
「お、おぉ……」
王族の護衛はポカラドンを見て恐ろしさを感じている、本家で最上位のG級たる実力が察知出来ていた
「なんだただのトドではないか、Fクラスと言えど大したことはないのだな」
王族は呑気に言い放つ、下手をすれば下位相当の実力故に傲慢さも含め強さを感じ取れていなかった
「やってみるか?」
男が問うが護衛は何も言わない、言わないが危険だから行きたくないと顔が語っていた
「よかろう、我が剣の錆びにしてくれる……行くぞ」
王族は豪華な片手剣を抜き挑みに行った
「わ、若を守れ!」
主が行けば護衛も行かざるをえない
「心配すんな、ヤバかったら何とかしてやっから」
「かたじけない……行くぞッ!!」
こっそり言った男の言葉に平常心を取り戻した護衛隊長の一喝で護衛は王族に続く
「あーあーあー……」
男は狩猟を眺めている
(ヒデェヒデェ……護衛は連携も出来てしっかりしてんのにあのバカタレが全部パーにしてダメにしてやがらぁ)
王族が無謀な攻撃を仕掛け護衛がフォローに回り連携を崩され被弾、ポカラドンの攻撃に反応出来ない王族を庇い護衛が被弾、護衛隊長に任せればいいのに見当外れの指揮をして混乱し被弾
(余裕で全滅しそうだな)
受注したのはFの下位クエスト、全然序の口、それでも護衛達だけなら良い勝負しそうなだけに王族が圧倒的に足を引っ張って今や半壊
「こんなトド如きに情けない、貴様等それでもオレの護衛か?恥を知れよ貴様等!死んでも倒せ!」
王族は怒り当たり散らしている
ドンッ!
爆音が鳴りポカラドンは討伐された
「1発か……削られてたし下位ならこんなもんか、こっちは進化武器だし」
討伐したのは男
「なっ……貴様……」
王族は男を睨む
「終わったぞーお疲れさーん」
「ッ……」
そのあまりの強さに言葉が出なかった、その後ろでは護衛達が王族に気付かれないように頭を下げている
「どうだったよ初Fクエストは?強かったろ?」
「フン……まぁまぁだったな」
「あっそう……じゃ先に言っとくが極みはコイツの千倍は強いから覚悟しとけよ」
「なっ千倍だと!?見え透いた嘘を……そんな筈があるか!」
「なら確かめようや、ちゃんと付き合ってやるからビビんな!な!」
「ッ!?臆してなどいないわ下民!」
「おっ流石!頑張ろうな!」
男は笑顔
(ポカラドンじゃダメだったかぁ、いや引っ込みがつかなくなってんのか?……オレが煽ったせいか、しゃあねぇ面倒だが装備ちっと考えとくか)
王族の開拓史は続く
「おー来たか!行こうぜ!」
「……装備をしてきたと思えば何だ?防具に付いているその玉は何だ?」
「コレ?煙玉」
「……ならず者のセンスは理解出来ん」
「それよか今日も極み無かったわ、だからコレ行こうぜ」
男は受注票を渡す
「アクラ・ヴァシム?どんなモンスターだ?」
「蠍だよ、ヤッベェぞ?勝てっかな?」
「当たり前だ、行くぞ」
考える事無く出発
「うぃ~討伐完了~」
クエスト成功
「どうだったよ?」
流れは5人で挑み半壊したら男が助けに入るポカラドンの時と同じ
「中々だったな、コレは極みに匹敵するモンスターか?」
「いんや全然、極みに比べりゃ赤ん坊レベルだ」
「……フン、だろうな」
知っていたと言いたげに王族は背を向ける
「なぁ?お前前に極みモンスター狩って勲章にしたいっつってたよな?」
「話しかけるな下民」
「まぁそう言うなって、な?」
「……そうだがそれがどうした」
「勲章にしたいだけか?マジでそんだけなんか?」
「……貴様には関係無い事だ」
「あっそ、じゃ明日も頑張ろうな」
「……」
王族はアクラ・ヴァシムの死体を見て難しい顔をした
「今日も極み無いわ、て事でコレ行くぞ!飛竜だ!」
「パリアプリア……」
F領域の飛竜の中では弱い部類の相手
「コレに楽勝決めれねぇようじゃあ極みなんて夢のまた夢だぜ~おし出発!」
「……チッ」
行くとは言ってないのに男のペースに乗せられ出発
「な~?お前王族なのに何でハンターやってんの?王族の仕事って暇なんか?」
ターゲットに向かう途中の会話
「暇なわけがなかろう」
「ならハンターやらずに仕事した方がいいんじゃねぇの?」
「ッ……」
痛いところを突かれて王族は顔を歪める
「つーかそもそもよー王族ってんな気軽に外に出ていいもんなんか?危ねぇだろ、しかもハンターなんて余計によ?」
「……黙れ」
「いいじゃねぇか教えてくれよ、お前勘当かなんかされてハンターになったんか?」
「……勘当などされていない、オレは実力で極みモンスターを狩って勲章にしたいだけだ」
「実力だっつんなら王族特権使うのやめろって、ハンターの世界じゃそりゃ七光りのボンボンってんだ、ダセェやつな」
「貴様……オレを愚弄するか」
王族の怒気が膨れる
「違うんなら証明してくれや、ほら居たぞパリアプリア」
「ッ!?」
目下に捉えた呑竜に王族は息を飲む、竜と称されるだけあり鈍い王族にもその強さを感じ取らせる強大さだった
「証明してやるオレの実力を……行くぞ」
護衛と共に挑む
「……わがままに無謀が過ぎんぞボンボン」
すぐに護衛が薙ぎ払われ半壊、庇われた王族は無傷だが勝ち目は皆無
「そら見た事か」
男が助けに入りパリアプリアは討伐された
「ちっと休憩して帰ろうや」
男の提案で休息し怪我した護衛達の治療を行う
「ちっ……使えん奴等め」
王族は護衛に文句を言っている
「いやいやコイツ等は頑張ってるぜ?お前無傷だろ?ちゃんと仕事してる証拠だ」
「勝てなければ意味が無い」
「勝てなければって……お前が足引っ張ってやられてんのに?」
「何だと……?」
王族の目が見開かれる
「このままじゃ死人でかねねぇからハッキリ言っといてやるよ、お前致命的にハンターに向いてねぇよ、色んな奴の迷惑だから辞めろ」
「貴様ッ……!」
怒り睨む王族、並みの者なら権威に怯むだろうが頭のイカれた男には通じない
「誰に向かって言っている!下民風情が生意気だぞ!」
「おいキレて誤魔化すのやめろや、お前がその気ならオレもキレて話しすんぞ七光り?いいのか?」
「ッ……」
いくら王族が愚かでも男の強さと権力が通じない事はわかっている
護衛達も王族を守ろうと構えているが及び腰で形だけ
「ハンターの仕事ってのは権力だけでどうこう出来るモンでもわがままが通じ続けるモンでもねぇ……お前も3回もFクエストやりゃわかってんだろ?無理だって」
「……チッ」
わかっていたが認めたくなくて自分の都合の良いように考え無謀をわがままに突き進んでいた王族はようやく少し怒気を静めた
「お前もしかして今まで怒られたり咎められたりした事ほとんどねぇんじゃねぇの?」
「……」
王族の苦い顔に男は図星だと思った
「うーし、後は帰って酒でも飲みながら話そうや、お前の話も聞いてやる、な?」
「……誰が貴様なんぞと」
「いいから行くぞ!迷惑かけたお前に拒否権なんざねぇ!」
「は、放せ貴様ッ!クソッ!?」
肩を組まれギルドに連行されて行った
「よし話そうぜ、ああ無礼講だから安心しろな」
「オレから言う立場の言葉だそれは、それに貴様はいつも無礼講だろうが」
ギルドのテーブルに護衛から離れて2人は座っている
「何言ってたっけか……まぁいいやお前の話聞かせろよ」
「……」
王族は話さない、酒を見つめている
「…………」
だが帰ろうともしない
「話したくなったらでいいぞ~」
男は気にせず酒を飲みながら待つ
「お前ってよ~家で居場所無いのか?」
なんて事は出来ないので直球で聞いた
「ッッ……」
「お?図星か~?」
呑気な男の様子に王族はカッとなって酒を一気に飲んだ
「……そうだ」
飲み終えて王族はポツリと言った
「オレは一族に疎まれている、邪魔者扱いだ」
「そりゃお前がわがまま過ぎるからだろ」
「!!?」
即答されて王族は目を見開いた
「大方王族の仕事もイヤってまともにやらなかったんだろ?んで権力振り回して自分の好きな事だけして遊び呆ける……そりゃ干されるに決まってらぁ、道理だ」
「ッゥ……」
王族は言い返せない
「んでハンターときて極みか……極み狩るのに関係してんのか?」
「それは……だな……」
王族は言いにくそうに口ごもるが、ついに観念したように言った
「極みを狩って一族にオレを認めさそうとしたんだ」
「あーそういう事か、やたら無謀だった理由が納得したぜ」
王族がFに固執した理由は自業自得から挽回する為であった
「わかったところで疑問なんだがよ?それ意味あんのか?スゴいねーで終わりじゃねぇのかそれ?あー箔付けくらいにはなるか?でもあんま意味ねぇと思うぞ」
「……!」
言われてようやく王族も気付いた、王族に個人の武力はあまり重要視されない事を
「頑張る方向がズレてんだよなーお前、王族の責務投げてハンターに逃げるしわがままだしよ、一生認められねぇぞこのままじゃな」
「……ならばどうしろと言うんだ!」
声を荒げる王族、頑張りが無意味の無駄と言われては怒りたくなるのも当然
「ハンター辞めて真面目に王族の仕事するか王族辞めて自由に生きるかの2択だろ、どっちもなんて器用なマネお前にゃ無理だ」
「…………」
スッパリ言われて王族は押し黙り暫し考えた後、酒を飲み干した
「……オレにハンターは向いてないか?」
「ぜーんぜん!これっぽっちも向いてねぇ!言ったろ致命的って?オレが居なきゃ今頃墓の中だ、それがわかんねぇ程バカじゃねぇだろよ?」
「クソッ……ハッキリ言う奴め、気に入らん」
そう言うが王族にもう怒気は無い
「気に入らん、が……チッ」
不承不承ながら男の言葉を受け入れたのだ
「しょげんな!大人の階段登れて良かったじゃねぇか!成長成長!」
「チッ……遠慮も何も無い野蛮人が」
「怒んな怒んな、成長祝いで最後に手伝ってやっから!」
「手伝いだと?」
「ああ!古龍でどうだ?Fの古龍なら極みじゃなくても箔付けにゃ充分だろ?極みは絶対死ぬからダメ」
「……いいのか?」
「いいぜ!行こうや!」
男の朗らかな笑顔に王族の顔からも剣が薄れた
「頼む」
「おー素直に言えるようになりやがってお前~」
「うるさい黙れ」
古龍へ挑む事となった
「行くのはアマツなんだがよ、お前は無理に挑むなよ?隊長の指示に従ってオレが良いって言うまで大人しくしてろ」
「……それだとお前の手柄だろうが」
「お前が狩った事にすりゃいいさ」
「……嘘をつけと言うのか」
「気にすんなって、これで最後だし箔付けもんな大したこっちゃねぇんだろ?ならどうでもいいじゃねぇか真実なんてよ」
「……いいだろう、わかった」
「着いたぜ~」
霊峰に辿り着き嵐龍を視認
「んじゃ行ってくる」
男は突撃し王族達は離れて見守る
「ウラァ!」
「アオォッ!?」
裸の英雄と嵐龍の激しい攻防
「あれが……Fクラスの英雄の本領……」
「い、イカれてやがる……」
攻防というよりは男の一方的なタコ殴りに王族と護衛達が顔を引き吊らせる
「フン!フンッ!フンヌラバァ!!」
「ア"ア"ア"~~~~~~!!?」
暴行にアマツマガツチはもう瀕死
「……ん?おい……何だ?アレは?」
その時王族は気付く
「赤い……流線……」
嵐の彼方で微かに見える赤い閃光
「ッ……オイッ!!」
強烈な悪寒を感じた王族は叫んだ
「あ?……ッ!!?」
王族の叫びに男も気付いた
キュドッ!!
次の瞬間、嵐龍と男を流星が貫いた
「なっあっ……!?」
一瞬の出来事に理解が追い付かない王族達は見た
「き……金翼の……バルファルク……」
見えた全貌は直後に発生した煙に覆い隠される
「オ"オ"オ"オオオォーーー!!」
響く咆哮
「ど、どうするんだ!アイツがやられたぞ!」
「撤退です若!我々では絶対に勝てません!」
「逃げられるのかあんなバケモノから!?」
「今は見が無難です、様子を伺い機を探りましょう」
護衛隊長の指示に従い煙にうっすらと映る影の様子を見ると何かを探しているように見えた
「マズイか……我々の存在を感知していたのやもしれません」
「ならばどうする!?」
「……私達が囮で引き付けるのでその隙に若は撤退を」
「ッ!?それでは……」
異を唱えようとする王族に護衛隊長は首を振った
「わがままを言わんでください、若をお守りする……それが我等の仕事なのです、お気になさらず」
「お前達……」
護衛達の覚悟はもはや王威にすら曲げる事はないだろう
「来るぞ……若、御準備を」
煙が薄れ始め影が迫ってくる
「オ"ア"ア"ァァァァァーーーー!!」
影から噴き出た赤い龍気が煙を吹き払った
「オイゴラァ!!」
次の瞬間、男が切った
「逃げてくだ……さらなくても大丈夫かもしれません」
「は?何だと?」
走ろうとした王族は振り返った
「生きていたのか!」
「そのようです、私達は邪魔にならないようにもっと離れていましょう!」
急いで離れた岩影に避難した
「テメーが噂の金翼の暴凶星か?あ"ークッソまさか不意打ちかまして来やがるとはなこのクソバルクが……」
血だらけの男
(ヤバかったな、七光り装備にしてなきゃ間に合ってなかったぞオイ)
男の装備は真根性スキルが付いていて即死ダメージも一回耐える事が出来る、そして先程発生した煙は防具に付いていた煙玉によるモノ
この2つは王族とFクエストを行う保険だった、もし男がミスして1発で乙するような事が起きた時の為に耐える真根性と体勢を立て直す時間と王族を隠す時間を稼ぐ備えだった
(んまぁ結果オーライってヤツか、やっぱ備えとくもんだな狩りってのは)
極みバルファルクを想定した備えではなかったが結果的に功を奏したのだ
「あとは狩るだけだが……ぶっつけ本番はキチィな、ヤベェ」
初めて対峙する極みバルファルクに緊張が走る、今は王族達も居て練習すら出来ないから余計にプレッシャーが掛かる
「フゥゥ……」
覚悟を決めた男は深く集中し神経を全てバルファルクに向ける
「行くぞオラァ!!」
「オ"オ"オオオッ!!」
極まる狩り合いが始まった
「オ"オ"オ"ォォ……!!」
バルファルクが唸りをあげ翼にある噴出口から龍気が噴き伸びる
その形はまさにガンランスのヒートブレードと同様だったがその刃長はバルファルクの全長すら越える極長の赫龍刃
「また妙にゴツい事しやがって……極みってのはドイツもコイツもよぉ」
駆け詰めながら出方を窺う男を次の瞬間に龍刃の薙ぎ払いが襲う
「っとお!!」
紙一重で潜り抜け切る
「ぬっ!?ッ……ウラァ!」
衝撃波を出し地面を隆起させる前腕叩きつけをガードし切り上げ一閃
「うおおっ!?」
龍刃の範囲を活かした回転薙ぎ払いを何とか回避
「あ?何だ?何やってやがる?」
バルファルクが翼を地面に突き刺し力を籠めている
「あーなんかわかったぜ」
攻撃しようか迷ったが予想がついた男は武器を仕舞い地面を注視しタイミングを測る
「オ"オ"オ"オ"……!」
地面のいたる場所から龍気が噴きあげる
「オ"オ"ア"ア"ア"ァァァァァ!!」
地面が真っ赤に染まった瞬間、一面大爆発を起こした
「イヨイショォ!」
ダイブで避けた男が隙を見て切りかかる
「オ"ア"ア"!ア"ア"ッ!オ"ア"ーーー!!」
「こなくそ!ウラッ!死ねオラくたばれ!!」
激しい戦いは霊峰の形を変える程の激戦
「これが頂点のハンターとモンスターの争いなのか……」
「コレに挑もうとしていたのか我々は……確かに2秒で全滅に違いないだろう……裸の英雄が止めてくれてよかったですな若」
「ああ……まったくだ、バカだったよ私は」
己の愚かさと男の凄さを見せつけられ王族は深く後悔し、男の戦いを見守る
「ぐぎぃぃ……フンッ!!よっと!」
溜め切りを決めて即コロリンで退避する抜刀コロリンおじさん
「ハァフゥ……まだくたばんねぇのかこのクソバルクめ」
被弾はしていないが疲労が色濃く出ている男、即死祭りの極みの相手はとにもかくにも神経を使う、初見で1乙も出来ないとなれば神経は余計に磨り減る
「ムッ?」
バルファルクが突如咆哮、龍気を全開で噴き上げ飛び上がり高速飛行、限界を超えて漲る龍気が全身を赫耀に染めあげる
「十八番の突進か!つーかやっぱ普通のバルクより速ぇなオイ……3倍くらいあんじゃねぇか?クソが!」
極みに至るバルファルクの速さはもはや流星、天翔る彗星
「上等だコラァ……頭カチ割ったらぁ!!」
男は大剣を構え力を最大に溜め、急降下してくる彗星に狙いを定める
「ウオラァァァァァ!!」
渾身の抜刀切りが彗星と衝突し巨大な衝撃波と粉塵が巻き上がった
「お、おい!どうなったんだ!アイツは勝ったのか!?無事なのか!?」
「わ、わかりません……」
結末がわからず不安にかられる王族達の前で粉塵が風に流され晴れていく
「オーイ!もういいぞー!」
男の声が聞こえ王族達は駆け出した
「何とかなったぜ!」
切り伏せた極みバルファルクの前で男は笑っていた
「しっかしラッキーだったなお前!極み成果に出来たじゃねぇか!棚ぼた棚ぼた!やったな!」
「いやお前……」
無事を問う前に先に言われて王族は何をツッコむかわからなくなってしまい困惑
「帰って打ち上げやろうぜ~」
「……ああ、わかった」
勝利し凱旋
金翼の暴凶星として調査されていた天彗龍
後にその名を極み
「……聞いてくれ」
打ち上げの途中、王族は男に言った
「ん~?どした?」
「オレは資格を返してハンターを辞めて……王族の仕事を真面目にする」
「そうか」
「お前のようにはなれそうもない、お前を見て身の程がよくわかった」
「そっか」
「それでなんだが、最後に……わがままを聞いてくれないか?」
「そりゃいいけどオレが聞けるヤツにしてくれよ」
「最後に一緒にクエスト行ってくれないか?思い出にしたい」
「Fか?」
「いやFじゃなくていい……ドスランポス辺りでいいんだ、お前と一緒に狩りがしたい」
「わかった、いいぞ行こうや」
「ありがとう」
「……なんかお前が礼言うと違和感パネェな」
「茶化すな」
「ハッハッ!わりぃわりぃ!ホラ乾杯乾杯!」
「ふん……乾杯」
生まれ変わった笑顔で王族はグラスを重ねる……
「極みバルファルクは無事討伐、王族も資格返却ハンター引退問題無し……か、ちょっと完璧過ぎないかコレ君さぁ?」
ギルドマスターが困惑していた
「ダメだったか?」
「上手く行き過ぎて逆に怖いんだよ、王族なんて人が変わったみたいになってて理解が追い付かなかったんだけどアレなに?何したの君?怖い!」
「何って言われてもな……何回か普通にクエスト行っただけだけど」
「殴ったろ?」
「いや殴ってねぇって」
「嘘言うな!絶対殴ったろ!ボコボコにして矯正したんだろ君!」
「やってねぇって!」
「正直に言え!正直に言えば許す!」
「それ正直に言っても怒るヤツだろ!つーかやってねぇって!」
「あ"ーもう!このイカレポンチ英雄がー!」
「誰がイカレポンチだ!やってねぇって言ってんだろが!」
メゼポルタギルドは今日も平和である……
クエストクリア!!
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「お前アレから帰ってどうだったんだ?上手く行ったか?」
「上手くは行かなかったさ、最初は小さな仕事をこなして信用を得るところからだった……お前が言った通り極みの功績なんて仕事には大した役に立たなかったよ」
「やっぱそうか……そんでそんで?」
「実績を積み重ねて信用を得るのに10年掛かった、長いと思うかもしれんがそれまでのわがままのツケだな……今は一族の重鎮と言えるくらいにはなれたよ」
「おー!やったじゃねぇか!」
「これもお前と出会えたお陰だ」
「お前はオレが育てた!ってか!」
「調子に乗るな」
「「ハッハッハッ!」」
2人は笑う
「ああそうだ……お前に会ったら言っとこうと思った事があるんだ」
「何だ何だ?」
「お前金輪際王貴族と揉めるなよ!」
「いきなり何だぁ?」
「エルガドの襲撃事件!アレはオレが庇ったから出禁で済んだんだぞ!」
「え!?そうだったのか!?ありがとよ!」
「たまげたんだぞ!エルガドが襲撃されたって聞いて襲撃者の中にお前の名前があったのを聞いた時は!」
「サンキュー!助かったぜ!」
「それに第三王女がお前を王族専属にしようとした件もだ!」
「あーあったな~」
「アレもオレが間に入って第三王女を嗜めたから白紙になったんだ!お前が襲撃に来るのがわかってたから!」
「そりゃそうだろ~嫁と引き離されて奴隷にされそうなら抵抗するだろ~拳で~」
「それをやめろと言ってるんだ!オレがどれだけ頭を下げたと思ってる!」
王族は激おこぷんぷん丸
「……まぁお前がそういう奴だって事はわかってる、言っても聞かない奴なのもな」
「そういう事!」
まったく気にせず男は笑っている
「いつまで時間あんだ?今日は大丈夫だろ?苦労掛けた詫びに奢ってやるからオレん家で飲もうぜ!な!」
「だと思って時間は取ってある、行くさ」
肩を組み合い2人は農場へ向かう
「クエストも行こうぜー!極みメル・ゼナ行こうや!王族特権使ってよー!」
「殺す気か!わがまま言うなまったくお前は!」
立場を越えて……
・王族
わがまま第三王女の家系の1人、かなりわがままで常識知らずに加え第三王女のような立場も無かった為に一族からハブられていた、一族を見返す為に極みを勲章にするというバカを考え男に出会い裸成分を摂取しバカからまともになれた。
男より年下、チョー弱い、イケメン、権力のあるバカ
・極み彗くバルファルク
全身金色のバルファルク極み個体、奇しき赫耀を凌ぐ異常推量の龍気を操り全長を越えるヒートブレードにしてしまう奇天烈龍、漲る龍気でバンプアップもしており全ての攻撃が衝撃波を伴うパワフルかつスピーディーでいて超範囲、龍気を地面に送り起爆する龍気大爆発、龍気全開超音速突進が必殺技。
ニフラム有り、即死有り、クソモンス。
王族の回りの話はなろう系でよくある冒険者してる王族を少し参考にしてます、こっちは危ない事辞めさせて戻らせました、王族がハンターとか普通絶対しないでしょ。
極みバルク少なかったかな……?
涼鳴良様、ネタにさせていただきました、ありがとうございます。