Fへの挑戦   作:黒太陽

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焦電

 

 

-農場-

 

「ねぇお父さーん、ちょっと相談があるんだけどー?」

 

娘が男に話しかけた

 

「おう、どうした?」

 

「私の友達の○○ちゃん覚えてる?」

 

「んー?……ああ!幼馴染みの子だろ?ちっと前にハンターになった……合ってるか?」

 

「そうそう、その子なんだけど最近悩んでるみたいなの」

 

「ハンターの悩みか、よっしゃドンと来い!」

 

男は自信有り気に胸を叩いた

 

「ん~ハンターは一応関係あるかも」

 

「一応?一応って何だ?」

 

「多分関係あると思うの、多分ね」

 

「何だそりゃ」

 

男は一気に不安になった

 

「とにかく話聞いてみて欲しいの、今連れてきてるから」

 

「えっ……」

 

よくわからないのに決まってしまっている雰囲気に男は戦慄した

 

「呼んでくるね」

 

「ちょ……ちょ待てよ」

 

男の制止は無視された

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お、お久し振りですおじさん、お話聞いてもらってありがとうございます」

 

娘の友達は深くお辞儀した

 

「お、おぉん」

 

男は戸惑っている

 

「ちょっとお父さんしっかりしてよ!」

 

(黙れバカ娘!)

 

説明不足で勢いのまま始まったお悩み相談に男は娘を睨む

 

「えーと……何か悩みがあるんだって?」

 

「はい、私の気になってる男の子の事なんですけど……」

 

(好きな子ッ!?)

 

まさかの色恋沙汰に男は冷や汗を浮かべた

 

(オレに相談は間違ってるぞマジで……)

 

受付嬢としか経験が無いから色恋沙汰に関しては全くの経験不足なのだ、助言を出せる気がしないが聞くだけ聞いてみる事にする

 

「彼もハンターでいつも一緒に狩りに行ってたんです……でも最近避けられてて一緒に行ってくれないんです」

 

「ほうほう……理由はわかってんのか?」

 

「聞いても教えてくれなくて……」

 

「ふぅん……そんで?」

 

「何で避けられるのかわからなくて……娘ちゃんに相談したらハンターだった男の人に聞いてみようってなって、それで……」

 

「あーそれでオレのとこに来たわけか」

 

理由はわかったが男は納得いかない

 

(男友達やらハンター仲間に相談しろよ、なんでオレなんだよ)

 

何故歳の離れた自分になのかがわからなかったからだ

 

「近くの人に相談したらバレちゃうじゃん、だからお父さんにしたんだよ、一応同じ男でハンターだったから」

 

顔に出ていたのを読まれて娘が答える

 

(なるほどな、でも同じったって若ぇのの事なんざわかんねぇぞ……)

 

納得はしたが自信が無いのは依然変わりない

 

「あー……そいつって誰かとクエスト行ってんの?」

 

「いえ、ソロです」

 

「ソロか、ふーんソロねぇ……あ」

 

男は思い当たった

 

「何かわかったお父さん?」

 

「たぶんな、悪いんだがちょ~っとこの話オレに預けてくんねぇか○○ちゃん?」

 

「それはいいですけど……私はどうすれば?」

 

「信じて待っててくれよ、オレの予想通りなら何もしない方が良いからさ」

 

「わ、わかりました……」

 

不安そうな顔を浮かべる友達から男の子の情報を聞き出し男は立ち上がる

 

「じゃ行ってくる」

 

気にせず男は出発した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

-メゼポルタギルド-

 

「うぃーっす!」

 

ギルドに入った男はクエストカウンターに直行

 

「誰でもいいから偉いヤツ出してくれ、裸の英雄が呼んでるって言えばわかるから」

 

「は、はぁ……」

 

訝し気な顔をした若い受付嬢が奥に向かうとすぐに上役がやって来た

 

「ハンターに復帰かな?わかった受理しとく」

 

「違ぇっつの」

 

「何だ残念……どうしたんだい?」

 

「○○っつーハンターが行ってるクエスト教えてくれ」

 

「……はぁん?」

 

上役は非常に嫌そうな顔をした

 

「個人情報なんだが……」

 

「知ってる」

 

「ギルドナイトならわかるが……」

 

「オレは農家だな」

 

「何の目的で?」

 

「内緒」

 

「話にならないって……」

 

上役は呆れ顔

 

「いいから教えろよ、暴れちまうぞ裸の英雄が」

 

「受けて立とうじゃないか」

 

上役はキリッとして破顔した

 

「冗談はこれぐらいにして……さすがに理由くらいは言ってくれないと困るよ」

 

「だなぁ……悪かったよ、じゃ耳貸せ、乙女の悩みだからな一応……内緒だぞ?」

 

男は上役に耳打ちで理由を教える

 

「えぇ……しょうもなぁ」

 

「そうなんだけどよ……まぁそう言うずによ、未来の有力ハンター候補を助けると思って、な?」

 

良い歳したおじさん達は苦笑

 

「はぁぁ……事件だと思って損した、教えるからもう好きにしてくれ」

 

「すまねぇな、ありがとよ」

 

上役から情報を貰って男はクエストに出発した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

パァープォー♪

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さぁて何処に居るかな~?」

 

ベースキャンプに来た男は支給品ボックスから地図を取り出し指でなぞる

 

「お?」

 

当たりをつけているとネコタクシーがやって来て乗せたハンターをベースキャンプに放り下ろした

 

「……ちくしょう」

 

放り下ろされた男子ハンターは上体を起こし拳を握る

 

「クソォ!!」

 

地面を叩き怒った

 

「よう、大丈夫か?」

 

男が覗き込む

 

「ッ……誰だよあんた」

 

見られていたのが恥ずかしかった男子は男を睨み付ける

 

(コイツだな、しかし弱そうだなぁコイツ……ルーキー丸出しのまんまだな)

 

「歳くったハンターだよ」

 

確信した男はニカッと笑った

 

「何挑んでんだお前?」

 

本当は受注の際に知っているけど知らない体で問う

 

「おっさんに関係ないだろ」

 

「おーおー生意気だな~お前~」

 

男は支給品ボックスから携帯食料を掴み男子に放り投げる

 

「……サンキュ」

 

気遣いにばつが悪そうに男子はお礼を言い口ごもる

 

「ライゼクスだよ」

 

「ほー雷竜か……んで負けてんのか」

 

「ッ……」

 

男子は悔しそうに唇を噛む

 

「ソロで勝てないなら仲間と狩ったらいいんじゃねぇか?」

 

「……それじゃ意味無いんだよ」

 

「何で?」

 

「ソロで狩らなきゃダメなんだよ!」

 

男子は擦りきれそうな声で怒鳴った

 

(だろうな、わかるぜ……オレの時代にもあったなぁ)

 

男性のハンターには古来からしきたりと言うか一種の不文律、暗黙のルール、決まりのようなものがある

 

それがある一定レベルのモンスターの単独狩猟を持って一人前と認められる風潮

 

男性ハンターにおける成人の儀、ルーキー卒業の試練

 

(予想通りで安心したぜ、てこたぁコイツはライゼクスソロ狩猟出来たら告白ってところか)

 

男性ハンターが自信をつけてから勝負に出るのは古今東西昔からのあるある、その為に意中の女性に知られたくなく内緒にして不安にさせるのもあるある

 

男性ハンターのプライドが悪い方向に作用した典型的な事例だったのだ

 

「だったらやるっきゃねぇな!意地の張りどころだもんな!」

 

「ッ!?言われなくともだよ!」

 

男子は立ち上がりベースキャンプを出ていく

 

「~♪」

 

「何だよついてくるなよ」

 

「ああ邪魔も手伝いもしねぇから気にすんな!お気遣いなく~♪」

 

「ちっ……勝手にしろ!」

 

ライゼクスに挑む男子の後に続く

 

 

 

「グギャア!」

 

「ぐえっ!?」

 

男子はやられてクエスト失敗

 

「やっぱ弱ぇな……先は長そうだ」

 

男もクエストリタイアして帰る

 

 

 

 

 

「クッソォ!」

 

ギルドに帰ってきた男子はすぐさまクエストカウンターに向かう

 

「お?また行くのか?なら手紙出してくるから先行っててくれ」

 

「はぁ?ついてくるなよ!」

 

「いいじゃん別に」

 

「いいわけないだろ!」

 

「うるせぇなぁ……さっさと行けって」

 

「ちっ偉そうに」

 

「偉いもん」

 

ハンター的にはおそらくめちゃくちゃ偉いだろう男は男子に付き纏う

 

 

 

 

 

 

 

 

 

-農場-

 

「お父さんから手紙だ……げっ!?」

 

中身を見て娘の顔は引き吊った

 

(予想的中、解決に時間掛かる、代わりに仕事やっとけ、お母さんには私から言っとけ……って)

 

娘は項垂れる

 

「んーあ~……仕方ないかぁ」

 

友達の為に父である男に頼んで動いて貰っているのに自分は何もしないわけにもいかないので責任を持って引き受けるしかないのだ、無視したら男に怒られるのはもちろんだが受付嬢にも激怒されるから

 

「いよし!ちゃんとやるから頼んだからねお父さん!」

 

男を信じて娘は仕事をこなす

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お前挑むの何回目なんだ~?」

 

ついていくだけの男がお気楽に問いかける

 

「……」

 

恥を晒したくない男子は答えない

 

「オレが見るに100回はやってるなコレは」

 

「は!?んなわけないだろ!9回目だ!」

 

本気で思われたくない男子は答えた、余裕が感じられないのが若い証拠である

 

「結構やってるじゃんかよ、何で勝てねぇんだ?」

 

「ッ~~~!」

 

男子は歯噛み屈辱に震える

 

(それがわかってりゃ世話ねぇわな……まぁ原因はその余裕の無さだろうがな)

 

男には何度挑もうが勝てない原因が男子の精神状態にあると見ていた

 

(早く一人前に認められたい焦り、内緒にして待たせてる女、上手くいかない狩猟……こんだけ重なりゃ未熟なガキがマトモに動けるかよ、ゆうたみてぇな地雷行動やってんのは目に見えるわなぁ)

 

完全な悪循環に陥っていて立て直す事が出来てないのだ、このままでは運良く上手く行けばいいが心が折れるのが早そうな予感を男は持った

 

(こんな状態のヤツ彼女に合わせたら拗れるのは間違いねぇから早いとこ狩らせてやりてぇが手助けがなーどうすっかな)

 

助け無くソロで狩猟させないと意味が無い、軽い助言ですら怪しい、本人が納得しなければならない問題でもあるからだ

 

(……いやダメだ、自力でやらなきゃ意味がねぇ、コイツにもプライドがあんだ……女には理解出来ねぇくだらねぇ意地かもしれねぇ、けど男はそうやって格好つけなきゃ……)

 

男子の表情は絶対にやるぞという決意と覚悟に満ちている

 

(男に生まれた甲斐がねぇよな!)

 

落ちこぼれでも諦めなかったあの頃が重なり口角が嬉しく上がる

 

(好きにやれや、道を踏み外さないようにだけ見といてやっから)

 

精神状態が良くない時は正常な判断が出来ずおかしな事をする事が多々ある

 

改造お守りなど違法行為に手を染めたりするのだ

 

違法行為と命に関わる無茶無謀だけ注意して男は見守る事に決める

 

 

 

 

「グギャア!」

 

「ぎぇぇ!!?」

 

 

「グギャア!」

 

「ぐわぁ!!?」

 

 

「グギャア!」

 

「うぎゃあ~~~!!?」

 

 

3乙クエスト失敗

 

 

 

 

「またすぐ行くのか?ガッツあんなお前~」

 

「当たり前だろ!ついてくんな!」

 

「そう言うなって~」

 

 

 

 

「「「グギャア!」」」

 

「「「うぎゃあッ!!?」」」

 

 

 

 

流れるように3乙失敗

 

 

「クッソッ……なんでだ!?ッ~~~!!?」

 

怒りのままに挑み続ける

 

「クソォォォォ…………!!」

 

挑戦回数は20回に達しようとしていた……

 

 

 

 

「ア"ア"ア"ァ"クソオオオォォォ!!」

 

帰る途中で男子は怒りの咆哮をあげた

 

(こりゃあ限界だな……これ以上は死にかねねぇ)

 

違法行為うんぬんより先に精神状態に限界の兆候が見えた、こんな自棄っぱちな状態でモンスターに挑めば事故率は跳ね上がり重大な怪我に繋がる可能性も高くなる

 

良くてハンター引退レベルの怪我、悪くて死

 

「おい坊主」

 

だから男は動いた

 

「オレが1回だけ手本見せてやるから見てろ」

 

理想は助力無しの狩猟だったが叶わなかったからホンの少しの助力

 

「大きな世話だおっさん!つか狩れないだろ裸のおっさんなんかに!」

 

「オイッ」

 

男子は重い拳骨を食らわされる

 

「ガキが……舐めてると潰すぞコラ?黙ってついて来い弱っちい半人前が」

 

「ッ……!?」

 

物凄い圧と感じた力に男子は言葉を失い小さく頷くしか出来なかった

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぐだぐだ言うつもりはねぇ、立ち回りだけ目に焼き付けろ」

 

男子を下がらせ男はライゼクスに挑む

 

「……あ」

 

男とライゼクスの戦いを見て男子は気付く

 

(そうか、相手の動きを見極めて攻撃か回避か、防御に回復も考えて行動しなければならないのか……僕は攻撃だけ考えてたから被弾ばかりして……)

 

男の動きはハンターの基本的な立ち回りを丁寧にやっていた、モンスターの行動を注視し対応、隙に攻撃し欲張らず離脱し次の行動に備える

 

(どのモンスター狩れたらとかじゃねぇこれが実践できりゃあ一人前だ、オレ的にはよ)

 

基本故に全てに通じる、それ故奥が深く難しい、判断を誤り苦汁を舐めた事は男も何度もある

 

狩りとは己との戦いでもあり、正常な判断力に知識と技術と魂を乗せるのだ

 

「……一通り出尽くしたな、そろそろいいか」

 

ライゼクスの行動を出し尽くした男は男子がしっかり見ている様子を確認して一気に体に力を入れた

 

「いいかライゼクスはなぁ……こう狩るんだオラァ!!」

 

ギア全開のフル稼動、裸の英雄のマジ狩猟

 

「……!!」

 

男子は感嘆の声すら出ない、極めた立ち回りを理解及ばぬも食い入るように見つめていた

 

 

 

 

 

 

 

「どうだったよ?」

 

ギルドに帰ってテーブルに座った男が男子に問う

 

「……凄かった、です」

 

男子の感想に男は笑った

 

「ハッ!んなチビッ子みてぇな感想いらねぇよ」

 

「……ごめんなさい、上手く言葉に出来ないんです」

 

わからされた男子は敬語になっていた

 

「そうじゃねぇ、参考になったかって聞いてんだ」

 

「なりました!凄く……なりました!」

 

何故か男子の顔はキラキラしていた

 

「そうか、じゃあ……やれそうか?」

 

「ハイッ!」

 

力強い返事と焦燥感の消えた顔に男は満足して立ち上がった

 

「ガンバレよ、んじゃな」

 

肩を叩いて去っていく

 

「あの!お名前は……」

 

「ん?あ~……メゼポルタの猛り暴れる狂人って父ちゃん母ちゃんに聞いたらわかるかもな~」

 

男は手をピラピラしながらギルドを去って行った

 

 

「猛り暴れる狂人……」

 

1人残された男子は呟く

 

「今、兄貴の異名言った?つか今の兄貴だよな?」

 

舎弟が現れた

 

「知ってるんですか!?」

 

「おう、元英雄だよ英雄!裸の英雄だ!」

 

「英ッ……!!?」

 

一瞬で判明し男子驚愕

 

「なにがあったか知らんけどよかったなお前!そんじゃな!……アーニキー飲みに行きましょうッス~」

 

舎弟も男を追いかけギルドを出ていった……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

-3日後・農場-

 

「お父さーん!○○ちゃんの件解決したってー!」

 

娘が走りながら報告に来た

 

「おーそうかー!狩れたんだなアイツ……よしよしよくやった」

 

無事ライゼクスのソロ狩猟が出来て良かったと頷いた

 

「それでねそれでね!○○ちゃん告白されて付き合ったんだって!」

 

「そうかよかったな!男見せたなアイツー!」

 

円満に済んで御満悦

 

「でもね……ちょっと困ってるみたい」

 

「なんで?」

 

「なんか彼氏君が裸の英雄の事ばっかり話してちょっとウザイみたい……お父さん何したの?」

 

「……いや知らねぇ、マジでわかんねぇ」

 

訳がわからず男も困惑

 

「まぁ上手く行ったんならいいじゃねぇか」

 

「だね!ありがとお父さん!」

 

お悩み解決に笑い合う

 

「ところでよ?お前は気になってる奴とかまだいねぇのか?」

 

「なに急に……いないし……」

 

「つまんねー奴だなお前ー狂暴だからじゃねぇか?早く見つけねぇとババアになっちまうぞ~」

 

「うっさい!大きなお世話だし!」

 

「オレあれやりてぇんだよ!お前に娘はやらん!ってヤツ!」

 

「やりたいじゃないバカ親父!」

 

「じゃ、オレより強い奴じゃなきゃ認めん!」

 

「そんなの絶対ムリじゃんクソ親父!」

 

娘がパンチし親子は仲良くじゃれ合う

 

「ハハハ!まぁ……お前が幸せなら何でもいいよ」

 

「……うん」

 

親子のひとときは穏やかに……

 

 

 

 

 

 

 

 

クエストクリア!!

 

 

 

 

 

 

 

 

_______________________________________

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

-エピローグ・10年後-

 

「よろしくお願いします!」

 

「組んで貰えて光栄です!よろしくお願いします!」

 

青年ハンターと若い女性ハンターのコンビが先輩ハンター達に頭を下げる

 

「そんなに固くならないでいいよ、今回だけだけどよろしく」

 

「むしろ私達が足引っ張らないように頑張らないと、ね」

 

男子と友達のカップルハンターは笑顔で迎えた

 

 

 

 

「…………あ」

 

Fクラスモンスターとの狩りの最中、青年ハンターは男子の動きを見て体が止まった

 

「どうした!集中しろ!」

 

「うわっ!?す、すみません!」

 

危ない場面もあったが無事にクエストはクリアされた

 

 

 

 

「さっきのは危なかったけどどうしたの急に?何かあった?」

 

帰りに男子が青年に問う

 

「すみません……あの、えと、恥ずかしい話なんですが先輩の動きを見たら憧れてる人を思い出してしまってその……止まっちゃいました、ごめんなさい」

 

「……なに?」

 

男子がガタッと腰を浮かして立ち上がった

 

「あっ……あぁもぅ……」

 

「ふぇ?どうしたんですか?」

 

察した友達が顔を覆い若い女性が状況がわからず顔を左右に振っている

 

「君も裸の英雄を知っているんだね!!」

 

詰め寄った男子が青年の肩をガッと掴み満面の笑みを見せた

 

「……ッ!!ハイッ!知ってます!!」

 

一瞬で察した青年も超笑顔で頷いた

 

「昔に村を助けて貰った!?うわ見たかったー!……僕はライゼクスの狩り方を通してハンターの基本を教わったよ!」

 

「スゴイ!イイなぁー……あ!コレ見てくださいよ!裸の英雄から貰った肉焼きセットです!」

 

「……譲ってくれない?言い値で買うから、ね?」

 

「イヤですよ!国宝に匹敵するボクの宝物なんですから!絶対ヤですからね!」

 

2人はまるでずっと昔から友達だったかのように仲良く盛り上がっていた

 

「えーなにアレー私達のけ者ー」

 

「ハァァ……もう諦めた方がいいよ、私の旦那裸の英雄に頭焼かれててこの話になったら止まらないから、彼氏君もウマが合うみたいだし今日は夜通し飲み明かすんじゃないかな」

 

「えー……取られたみたいでヤダなー……まだ付き合ってないけどさー……」

 

「貴方も苦労しそうねぇ」

 

盛り上がる2人を眺めて友達は空を見上げる

 

(恨みますよおじさん……)

 

無言の恨み言は夕焼けに虚しく消えていった……

 

 

 

 

 

 

 

 




・男子ハンター
ハンターになって半年程のルーキー、両想いの友達とコンビを組んでいる、ハンターの才能は普通だがガッツがあるので地味に1段ずつ積んでいくタイプ。
一人前になったら告白しようとライゼクスに挑むがボコボコにされて意地になり地雷ムーヴで失敗し続ける悪循環に陥っていたところを依頼された男に助けられ頭が焼かれた。
焼きついた裸の英雄の動きを模倣する狂信者、男の所在は知っているが会ってない、Fクラスで英雄になれば会いに行くと決めているから。

・友達
娘の幼馴染み。
好きだった男子がハンターになるから自分もハンターになった考え無しだが覚悟がある女の子、ハンターの才能は普通、知識タイプのサポート寄り。
放置プレイされて不安だったから娘に相談したのが永劫続く頭痛の種を生んだが相談してなかったら破局していた。
男子と上手く行った事には男に感謝しているが頭を焼いた事は一生恨んでいる。

・青年と若い女性
たまたま組んだ相手が狂信者だった、あーあ出会っちまったか……
頭焼かれた男2人はすこぶる仲良くなり唯一男を直接知らない若い女性は青年が薔薇に走らないように必死に繋ぎ止めている。


日常回というか手慰みというか何というか……特に意味は無い話です、カキタカッタダケーってヤツです。
アセンダンス早くやりたいナリ~
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