Fallout archive   作:Rockjaw

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Epilogue:New Beginning and Many More to Come.

ネイトとアリスが…親子となった日から数日後。

 

「さぁ、もう帰りなさい。」

 

「しかし、ユウカ先輩!!!」

 

「何かまだ言いたいことでもあるの?」

 

セミナーの執務室で作業中のユウカに多くの生徒が詰めよっていた。

 

一体何の騒動かというと…

 

「あなた達も納得していたでしょう?ゲーム開発部がミレニアムプライスで入賞したら部活の存続を認めるというのは。」

 

そう、この生徒たちはゲーム開発部にやっかみに近い意見具申を行ってきた生徒たちだ。

 

彼ら彼女らはこの条件が出た時に勝利を確信していた。

 

いかに最近伸び盛りのゲーム開発部でもミレニアムプライス受賞など夢のまた夢だと。

 

だが…そうはならなかった。

 

「納得できません!あんな部活がミレニアムプライスのグランプリをとるなんて!!!」

 

「そうです!!!去年クソゲーグランプリ取っていたような弱小部活が!!!」

 

ゲーム開発部はミレニアムプライスのグランプリだけでなく特別賞も獲得するという快挙を成し遂げた。

 

それが生徒たちは認められなかったのだ。

 

「なに?ミレニアムプライスの審査員の評価が認められないの?」

 

「そ、そうじゃありません!!!」

 

「じゃあ何が不服なのよ?私は条件を提示してあなた達もゲーム開発部もそれに納得してあの子たちはそれを達成した。…それ以上でもそれ以下でもないじゃない。」

 

だが、生徒たちがいくらごねようと結果は覆らない。

 

「それに部員だって最近入って四人になったわ。部活動としての体裁は完全に整ってるわよ?」

 

さらに、アリス加入によって部活成立の要件も満たせている。

 

「ちゃんと部活動をして成果も出して部員もいる。セミナーとしてはゲーム開発部を廃部にする理由なんかないわ。」

 

ユウカはそう言い切り…

 

「さぁ、あなた達ももう退出しなさい。成果を出さずこれ以上騒ぐのなら…セミナーとしての対処をしなくちゃいけなくなるわよ?」

 

『…ッ!』

 

生徒たちの退出を促す。

 

騒いではいるが…ここにきている生徒たちの部活もゲーム開発部とどっこいの規模だ。

 

彼女たちが述べていたゲーム開発部ヘのやっかみは自分たちにも当てはまるのだ。

 

…それでも、

 

「で、ですがっ!!!」

 

「…まだ何かあるの?」

 

「『彼』ッ!!!W.G.T.C.の社長への外患誘致の嫌疑が残っていますよ!!!」

 

諦めきれないのか生徒たちは最後の砦と言わんばかりにネイトのことを突き付ける。

 

「そうです!!!彼は今回のゲーム開発部が出展したゲームにも大いに関わっていますよね!?」

 

「それはゲーム開発部からの正式な依頼があったからよ。別に外部に頼ることはミレニアムプライスは禁止していないわ。」

 

「ですがそれが彼の潔白を証明する理由にはなりませんよ!」

 

どうにかして自分たちの言い分を少しでも通そうとする生徒たちに…

 

「はぁー…!」

 

いよいよユウカも頭痛を覚え始めた…その時だ。

 

「ユウカ先輩、ネイト社長をお連れ…。」

 

『ッ!!?』

 

なんと今まさに渦中の人物であるネイトがやってきたではないか。

 

「お取込み中でしたでしょうか?」

 

伝えに来たセミナーの職員がタイミングを改めようかと提案するが、

 

「…いいえ、ネイト社長がいいって言うならお連れしてちょうだい。」

 

「承知しました。」

 

あえて、ユウカはネイトをこの場に呼ぼうとする。

 

職員は一旦退出し数分後…

 

「失礼する、ユウカ。」

 

ネイトが執務室にやってきた。

 

「いらっしゃいませ、ネイト社長。少々騒がしくしてしまい申し訳ありません。」

 

「いいさ、賑やかなのは好きだ。」

 

ネイトはその場にいる生徒たちなど意に介さずユウカと会話を進める。

 

そんなネイトに物申したい生徒たちだが…言葉が出せない。

 

そう、いままではネイトがいない状況だったので幾らでも言えた。

 

しかし…目の前にいるのはカイザーを打倒し…ネルと戦い最後まで立っていたという猛者だ。

 

そこまでの度胸を持つ生徒は…この場にいなかった。

 

「それで今回のご用件は?」

 

「あぁ、この前に約束した『廃棄輸血の譲渡』に関する書類を持ってきたぞ。」

 

そんな生徒たちをしり目にネイトは自分の要件を済まそうとする。

 

「わざわざすみません。メールでもよかったですのに…。」

 

「悪いな。こういうのは紙媒体手渡しじゃないと心配なたちなんだ。」

 

「相変わらずセキュリティ意識が高いですね。後で目を通して早めにお返事をします。」

 

「よろしく頼む。それじゃ俺はこれで。」

 

用件が済んだかネイトは執務室を後にしようとドアに向かう。

 

目の前の嵐が去っていき安堵しようとする生徒たち。

 

だが…

 

「あ、そうだ。」

 

ドアの前でネイトはユウカの方を振り返り、

 

「ゲーム開発部の『パトロン』の件だが…審査は通りそうか?」

 

『~ッ!?』

 

その一言で生徒たちは目を見開き驚愕する。

 

『パトロン』、つまり支援者ということだ。

 

外部への活動が多いミレニアムならば特段珍しくもない。

 

エンジニア部やヴェリタスにもそのような支援者はいる。

 

だが…この支援者になる為には…

 

「えぇ、審査は進んでますが…問題はないでしょう。」

 

セミナーが行う厳しい審査を通らなければならない。

 

ただでさえ最新技術ばかりあるミレニアム。

 

邪な狙いをもって支援者に名乗りでる者も少なくない。

 

その対策がこのセミナーの審査だ。

 

相手のことを徹底的に調べ上げるそれは…どんな瑕疵も見逃さない。

 

つまり、その審査を通るということは…企業の信頼性の高さを証明するということに他ならない。

 

「分かった。じゃあ、審査が終わったら教えてくれ。」

 

「分かりました。」

 

「…それから。」

 

ネイトはユウカから集まった生徒たちに視線を移し…

 

「生徒諸君。君達には一つだけ。」

 

先ほどまでの柔和な表情から一転して険しいものに変え…

 

「今後、ゲーム開発部への文句は…俺に言え。」

 

静かだがあらん限りの気迫を込めてそう伝えた。

 

「ひっ…!」

 

誰かがそう短く悲鳴を上げた。

 

「いいか?分かったら…ちゃんと返事をしろ。

 

それが気に喰わなかったのか眉を吊り上げネイトは返事を求めると…

 

『はっはいいイィィィィッ!!!』

 

まるで蜘蛛の子を散らすように生徒たちは執務室を急いで飛び出していった。

 

「…フン、他愛もない。」

 

鼻を鳴らし生徒たちを一瞥するネイトに、

 

「いやぁ、ありがとうございました。ホントに迷惑してたので。」

 

強引ながらも面倒ごとを一気に解決したネイトに礼を述べるユウカ。

 

「ま、元がやっかみだ。これくらい示威しとけばもう言ってはこないだろうな。」

 

「あとはお任せください。これ以上ミレニアムの問題を貴方に任せていたらセミナーの名が泣きますから。」

 

「じゃあ頼んだぞ。それじゃ俺はホントにこれで失礼するよ。」

 

そう言い、今度こそネイトは執務室を後にしようとしたが…

 

「…ネイト社長。」

 

「ん?」

 

「アリスちゃんの…養父になられたそうですね?」

 

先ほどのしかめっ面から打って変わって微笑みながらユウカがそう尋ねた。

 

「…あぁ、アリスが…俺を選んでくれた。」

 

「フフッ、アリスちゃん…ずっとネイトさんに懐いていましたもんね。」

 

「何か問題でもあったか?」

 

「いいえ?『あらゆる手続き』が『勝手』に終わっていたのは気がかりですが…まぁさして問題はないでしょう。」

 

これはネイトも調べた際に驚いたが…アリスと養子縁組を結ぶ際の手続きがすでに終わっていたのだ。

 

こんな芸当を痕跡も残さずやり遂げられる人物は…

 

「どこぞの『天才美少女』様でもやってくれたのかな?」

 

「そうかもしれませんね。」

 

二人の脳裏には同じ人物の姿が浮かんでいた。

 

「手続きに問題がなければ私達も言うことはありません。」

 

「随分あっさりしてるんだな。」

 

「貴方とより強い繋がりができた…ということで納得することにしました。」

 

そう、ネイトとアリスが養子縁組を結んだということは間接的にミレニアムとネイトとさらなる関係を構築できたということだ。

 

目くじらを立ててこの関係を白紙に戻させるよりこのまま見逃した方がメリットが大きい。

 

「フフッ随分強かになったな、ユウカ。」

 

「誰かさんに仕込まれましたから。…ですが、アリスちゃんに関しては私達は何もするつもりはありません。あの子ももうミレニアムの生徒ですから。」

 

「そう言ってもらえると助かる。パトロンの件、色よい返事を期待してるぞ。」

 

そう言い残し、ネイトは今度こそ執務室を後にしていった。

 

「…どうにかできるわけないじゃないですか…。」

 

ネイトの気配が消え、ユウカはそう呟く。

 

もし、アリスを出汁にネイトに何かしようものなら…

 

「うぅっ嫌なこと考えるものじゃないわね…。」

 

そう顔を青くし身震いしユウカは自分の仕事に戻るのであった。

――――――――――――――――

 

――――――――――

 

―――

そこからさらに数日後、アビドス高校では定例の全体訓練を行う日を迎えた。

 

「えぇ~今日の訓練の内容は…。」

 

ネイトが朝礼台に立ち今日行う訓練の予定を話している。

 

最近はアビドスの生徒だけでなくセイント・ネフティス社の警備職員も参加するようになりちらほらと大人の獣人の姿もある。

 

さらに今日は…

 

「ねぇ…ホントにやる気なの、シロコ…?///」

 

「ん…もちろん。」

 

「で、でも…兄さんをお…襲うだなんて…。///」

 

予定が空いていた便利屋68の面々もやってきておりアルとシロコと何やら不穏な会話を行っている。

 

アルだけではない。

 

「ネイトお兄ちゃん、そんなに重症なの…?///」

 

「はい、今までいろいろと誘惑しているのですけど全く靡いてくれなくて…。///」

 

「だからって襲うのは…ちょっと強引なんじゃない…?///」

 

「でもこうなったら強硬策しかないわよ、カヨコ先輩…!///」

 

「わっ私の貧相な体でネイト兄様を癒せるのなら…が、頑張ります…!///」

 

「そ、そんなことありませんよ、ハルカちゃん…!ハルカちゃんも可愛いですから…!///」

 

ムツキにカヨコとハルカも顔を赤らめながら何やらとんでもない会話を行っていた。

 

そう、ホシノ以外…あの日以降もネイトに様々なアプローチを仕掛け何とか生きる気力を蘇らせようとしていた。

 

が…まるで闘牛士のようにネイトは躱し続けた。

 

躱しに躱しに躱し続け…とうとう…

 

『ネイトさんを襲う』

 

この結論に達してしまった。

 

幸い、今日は訓練の日。

 

ネイトも疲れるはずなので…隙ができる上明日は休みだ。

 

さらなる対策として便利屋にも声をかけたのであった。

 

が…

 

「うへ~…皆やる気満々だぁ。」

 

「ん…ホシノ先輩はこないの?」

 

「んー…まぁ大丈夫でしょ、もう。」

 

『?』

 

唯一ホシノだけがそう軽く返した。

 

「…以上だ。何か質問はあるか?」

 

そうこうしているうちにネイトの朝礼も終わりに差し掛かる。

 

『………。』

 

「よろしい、では今日も安全に…。」

 

と、質問もないので訓練に移ろうとする。

 

が…

 

「…あぁ、そうだ。個人的なことで済まないが…皆に伝えておかなきゃいけないことがある。」

 

珍しくネイトが立ち止まった。

 

なんだなんだ、と生徒たちは少しざわめいた。

 

そして…

 

「え~この度…養子をとることになった。」

 

シンプルにそう言い放つ。

 

「へぇ養子をとるのか、アニキ。」

 

「なんだぁ、改まってどんな話かと思ったら…。」

 

「ん…そんなことよりネイトさん。早く訓練に…。」

 

あまりにシンプル過ぎたために生徒たちもそんな風に軽く返す。

 

…が、

 

『……………ええええええええええええええええええええええええええええええええッ!?!?!?!?!!!

 

少々間を置き、周囲一帯が揺れるほどの驚愕の声が上がった。

 

「通達は以上だ。訓練を始めよう。」

 

そんなのどこ吹く風と言わんばかりにネイトは朝礼台を降りそそくさと訓練に入ろうとする。

 

が、

 

ガシッ

 

「…え?」

 

ネイトの肩と手ががっちりつかまれ…

 

「ん…ネイトさん。」

 

「詳しく…説明してください。」

 

「今、私達は冷静さを欠こうとしてるわ。」

 

「素直に話せばすぐに済みます。」

 

ハイライトがどっか行った四人がネイトを見上げていた。

 

この時の状況をネイトはのちにこう語る。

 

『ミスった。』

 

さらに、そんな校庭に…

 

「パパ~♪」

 

『ッ!!?』

 

場違いな朗らかな声が響いた。

 

その場の全員の視線が…校門に注がれる。

 

そこには…

 

「パパ~!アリス、パパに会いたくて来ちゃいました~!」

 

こちらに元気いっぱいに手を振り満面の笑顔を浮かべるアリスの姿があった。

 

そこへ、

 

「あ、アリス!そんなに走ったら…ってわぁっ!?」

 

「な、何でアビドスの皆がこっち見てるの…!?」

 

「ひぅ…!わ、私達、お邪魔だったの、かな…!?」

 

付き添いなのかモモイ達もやってきてアリスに注がれる1000に上る視線に慄いていた。

 

しばしアリスを見ていた視線は…今度はネイトに注がれる。

 

「…………スゥ~…フゥ~…。」

 

少し間を空けネイトは深く息を吸って吐き…姿を消した。

 

そして…

 

「逃げるぞ、アリス!!!」

 

「わぁ!?」

 

光の剣をPip-Boyに収納しアリスを負ぶって逃走を開始した。

 

『……………………。』

 

残されたアビドス生たちの間に沈黙が流れる。

 

「うへ~もうネイトさんったらぁ。おじさん達が知らない間にあんなかわいい子を娘にしちゃうなんてぇ。」

 

唯一、ホシノが素早く再起動し朝礼台に残されたマイクを手に取る。

 

(うん、ネイトさんも『生き甲斐』ができたようで何よりだよ。)

 

心の中ではまずネイトに祝福を述べる。

 

あの子がいるならば…もうネイトは馬鹿なことはしないだろう。

 

…だが、

 

(でも…そんな大変なことをおじさん達に黙りっぱなしだったのはぁ…いけないよねぇ?しかも逃げちゃうなんてぇ…。)

 

あまりにも斜め上の解決法、それをこれまで隠されていたことと逃げ出したことには…若干むかっ腹が立つ。

 

なので…

 

「これより!!!第一回!!!チキチキ!!!ネイトさん捕獲訓練をっ開始する!!!!」

 

『オオオオオオオオオオオオッ!!!!!』

 

――――――――――――

この日、アビドスは揺れた。

 

「待てぇ!!!本気で撃って来るんじゃない!!!」

 

「だったら止まってくださぁい♪」

 

「止まったら蜂の巣確定だろうがぁ!!!」

 

ノノミの弾幕を躱し、

 

「ちょこまか動かないでよ、ネイトさん!!!」

 

「だったら撃つのを止めろぉ、セリカぁッ!!!」

 

「ゴム弾だから痛い位よ!!!」

 

セリカの狙撃を避け、

 

《ネイトさん、降伏しなさいっ!!!》

 

「ちょッおまっ!?ベルチバードは反則だろおおおおお!!!」

 

《使える物を使うのは当然です!!!》

 

アヤネのベルチバードの追跡を振り切り逃げまくる。

 

「親分、俺達にも紹介してくれよ~!」

 

「大丈夫、アンタの娘なら可愛がってやるからよぉ!」

 

「完ッ全に悪役のセリフを放つんじゃない!!!」

 

さらに他の生徒たちもネイトを追撃する。

 

「アハハハ!アリスっとても楽しいです、パパ~!」

 

こんな状況なのに背中のアリスはとても楽しそうに笑っている。

 

「そうか、よかったな!俺はこんな状況でアリスを負ぶりたくなかったなぁ!!!」

 

まさか初めてのおんぶがこんな状況にネイトは悲しいやらなにやら様々な感情が入り混じっている。

 

が、さらなる追手がやってきた。

 

「見つけたぜえええええええッ!!!」

 

「なぁッ!?」

 

ネイトの前に立ちふさがるのは…

 

「み、美甘ネル!?」

 

「探したぜ、この野郎!!!」

 

「あ、チビメイド先輩!」

 

「誰がチビだぁッ!!?」

 

C&Cリーダーのネルだった。

 

アリスの砲撃が直撃したはずなのに一週間少々で完治するとは驚きだ。

 

「さぁ、第二ラウンドだぜぇ!!!」

 

そのままツイン・ドラゴン…ではなくどこで拾ってきたかイイ感じ(←ネル曰く『超重要』)の『金属パイプ』を振りかぶって襲い掛かってきた。

 

が、

 

「また今度遊んでやるよ、じゃあな!!!」

 

「んなッ!?」

 

踵を返しネイトは逃走。

 

「てめっ逃げんじゃ…!」

 

リベンジに来たというのに逃げられ追いかけようとするも…

 

「ん…向こうから来たのならラッキー。」

 

「許せない許せない許せない!!!よくもッ兄様に銃弾をっ!!!」

 

「兄さんに手を出しておいてただじゃ置かないわよッ!!!」

 

「あぁんッなんだ、テメェら!!?」

 

「アハッお兄ちゃんと戦いたいなら私達を倒してからじゃなきゃねぇ!」

 

「アンタが誰に鉛玉撃ち込んだか…分からせてあげるよ…!」

 

「上等だ、前座くらいは楽しませてくれよ!!!」

 

かつてのネイトへの銃撃に対し怒りを燃やすシロコと便利屋68がネイトそっちのけで襲い掛かるのであった。

 

意図せず厄介な追手を押し付けることができ…

 

「はぁー…はぁー…。」

 

「大丈夫ですか、パパ?」

 

「いやぁ…ちょっと疲れた…。」

 

ネイトとアリスは路地裏に逃げ込み何とか一息ついていた。

 

「アリス、アビドスによく来たな。」

 

「はいっ!パパの仲間にも会ってみたかったんです!」

 

「そうか。こんな騒ぎになってすまなかったな。」

 

「…迷惑…でしたか?」

 

この大騒ぎが自分が原因と思い表情が曇るアリスだが…

 

「アリス。」

 

「あっ…。」

 

「大丈夫、アリスは何も悪くないから。」

 

そんな彼女をネイトは抱きしめ安心させる。

 

「もう少しすればほとぼりも冷めるだろう。そしたらみんなにアリスを紹介しよう。」

 

「…はい、パパっ!」

 

安心したのかアリスもネイトに抱き着き返し笑顔を浮かべてくれた。

 

…が、

 

「うへ~、オアツいねぇ~。」

 

『ッ!?』

 

今一番…会いたくない生徒の声が聞こえた。

 

そちらを振り向くと…

 

「やぁ、ネイトさんに…アリスちゃんだったかなぁ?」

 

『臨戦』状態のホシノが佇んでいた。

 

「ほ、ホシノ…!」

 

「誰ですか?」

 

「やぁ、初めまして。おじさんはアビドス高等学校生徒会長の小鳥遊ホシノだよぉ~♪」

 

「初めまして!私はミレニアムサイエンススクールの1年生でパパの娘のアリスです!よろしくお願いします、ホシノ先輩!」

 

「うん、元気がいい子は大好きだよぉ♪」

 

なんとも和やかに挨拶を交わすホシノとアリス。

 

「そっか…。君が…ネイトさんを救ってくれたんだね…。」

 

ホシノはアリスを見て嬉しそうに目を細めていると…

 

「?パパはピンチなのですか?」

 

首を傾げつつアリスは質問した。

 

「アハハハッまぁイエスと言えばイエスかなぁ?」

 

「む!だったらアリス、パパを守るために戦います!パパ、光の剣を!」

 

「…ホシノ、手加減はしてくれよ?」

 

「それはどうかなぁ~♪」

 

「コイツ、楽しみやがって…。」

 

口ではうんざりしながらも…ネイトの顔は笑っていた。

 

「…そんじゃ、アリス。親子初の共同戦線といこうか。」

 

「はい!」

 

ネイトとアリスがそれぞれの得物を構え…

 

「いいねぇ!かかっておいでよ!」

 

ホシノも笑顔を浮かべ盾と銃を持ち戦闘態勢をとり…

 

「行くぞ!」

 

「アリス、戦闘モードに入ります!」

 

「行くよ、二人とも!!!」

 

互いに間合いを詰め戦闘の火ぶたが切って落とされた。

――――――――――――――――

「アッハッハッハッ!そうかい!そんなトラブルが!」

 

この日起った顛末を参加していた部下から聞き十六夜社長は腹を抱えて大笑いしていた。

 

「それでもいい訓練にはなっただろう?じゃあ、問題ない。予定されていた訓練はまた後日やればいいさ。うん、それじゃ。」

 

そう言い、十六夜社長は通話を切る。

 

「…フフッ、ネイトさんが元気になってよかったよ。でも…。」

 

今度はノノミからのモモトークから送られてきた写真を眺めつつ微笑ましそうに眺める。

 

そこには…

 

「血が繋がっていないなんて信じられないほど…そっくりな笑顔じゃないか…。」

 

少しボロボロになったネイトとアリスが満面の笑顔を浮かべ肩を寄せ合っている写真があったのだった。

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