Fallout archive   作:Rockjaw

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To A Palace submerged in the Desert

マスターから知識の宮殿『アレクサンドロス分校』の情報と数十年延滞された返却期限を過ぎた本を託されたネイトとホシノ。

 

『Cafe Franklin』を後にしたのち…

 

「酸素ボンベとスキューバダイビングの道具一式ですか?」

 

「ゴーグルは無くていいが呼吸用のマスクがあればほしい。」

 

「少々お待ちを。」

 

その足でアビドスにあるホームセンターに赴き探索用の道具を買い集めていた。

 

「えぇっとスコップにスティックライトに…。」

 

ホシノもネイトと別れてメモを片手に必要なものを集めてる。

 

そんな中…

 

「あっ…。」

 

ある商品が陳列されている場所で立ち止まった。

 

「いやー、さすがはキヴォトス。探してみればある物だな。」

 

そこへ酸素ボンベとそれ用の呼吸マスクをカートに入れたネイトも合流する。

 

「どうかしたか、ホシノ?」

 

立ち止まっているホシノに声をかけその視線を追うと…

 

「ほぉリュック型の水筒とは珍しい。」

 

背中とバックパックの間に担ぐように持ち運ぶ大容量の水筒が置かれていた。

 

「おっしかもリニューアルで安くなってる。…2~3個買っとくか。」

 

割引してると言えどそこそこの値段の水筒をネイトはカートに放り込むと…

 

「あ…ッ!」

 

ホシノはハッとしたような声を上げた。

 

「ん?どうかしたか?」

 

「…それ、買われるんですか…?」

 

「…まぁ、戦闘とかでも背中ならあまり邪魔にならないし何より容量もでかいのがいいな。それに…。」

 

「それに?」

 

「リュック型水筒がまともに見えるくらいの変な水筒とか今まで何度見みてきたし。」

 

「…フフッなんですか、それ?」

 

そんなネイトのエピソードに少し噴き出すホシノだが…

 

「いやいやホントに。アパラチアじゃ撃ち合いだっていうのにヘルメットの横に括り付けた大瓶のジュース飲んでる奴もいたし。」

 

「本当に何ですか、それっ!!?」

 

あまりにもぶっ飛んだ内容にツッコまざるを得なかった。

 

なお、嘘のような本当の話である。

 

「まぁ、今回はそんなドンパチしないだろうし少し重くても水は多く持ってくに越したことはないさ。」

 

「…確かに。」

 

「さて、他にも揃える物はたくさんあるから他に行くぞ。」

 

そう言い、ネイトはカートを押して他の場所へと向かおうとする…と、

 

「あっとそれから。」

 

「どうかしましたか?」

 

「なにがあったかは詳しくは聞かないが…後悔があるのならそれを活かして前を見ろよ。」

 

「え…?!」

 

「口調が敬語になってる。戦闘中でもないときにこうなってるホシノは…昔のことを思い出していることが多いからな。」

 

「あ…ッ!」

 

ネイトの指摘にハッとするホシノ。

 

無意識に普段の砕けた口調から…かつての自分の物に戻っていた。

 

あの水筒はホシノの過去に大きく影響を及ぼしているのだろうことはネイトにもすぐに分かった。

 

だが、それを深堀しようとはしない。

 

「まぁ、お前の受け売りだし俺が言えた義理でもないがな。」

 

少し前の自分も…ホシノによって改めて真っすぐと前を見ることができるようになった。

 

以前よりだいぶマシになったとはいえ…ホシノの過去は未だ彼女に影を落とすことがある。

 

「あんまり根詰めすぎるとまた『アイツ』が出てくるぞ。」

 

それを超える一助になればと自分のことと共に深い縁で繋がった『彼女』のことも挙げて軽く返しネイトは再び歩き始めた。

 

「…ありがとうございます、ネイトさん。」

 

その背中にホシノは静かに礼を述べる。

 

確かにあのリュック型水筒はホシノにとっては拭い切れない悔恨の象徴だった。

 

だが、『あの人』の想いも知ることができ共に並び立つ存在と仲間たちを得た今の彼女には…

 

(もう…同じ過ちは犯さない…!)

 

新たなる決意の形に変わっていた。

 

「オ~イ、ホシノ~。置いてくぞ~。」

 

「あっ待ってよぉ、ネイトさぁん。」

 

ネイトの呼ぶ声に普段の口調に戻りホシノは彼の後を追うのであった。

 

こうして出発の準備を整えた翌朝…

 

「よし、積み込み完了ッと。」

 

「…あの~ネイトさん?」

 

「なんだ?」

 

「本当にこれで行くの?」

 

揃えた道具と機材を積み込んだ車を見てホシノは尋ねる。

 

普通砂漠越えと聞くと本格的なゴツイ車を持ち出してくるかと思っていたが…

 

「何言ってる。『軽トラ』だって馬鹿にできなんだぞ?」

 

「いや、それは分かるけどさぁ…。」

 

今回ネイトがチョイスしたのはなんとごくごく普通の軽トラだ。

 

砂漠の廃墟で掘り起こしてきたものを整備したものでタイヤはオフロード仕様となっている以外はほぼそのままだ

 

「大丈夫です、ホシノ先輩!ばっちり整備してありますから!」

 

「アヤネちゃん…。」

 

こういう時はブレーキ役で同行者の一人のアヤネも乗り気のようだ。

 

「コイツは何よりも軽いし四輪駆動にもできる。砂漠を突き進むならもってこいだ。」

 

「それにスタックしてもネイトさんと私達なら簡単に抜け出せますよ。」

 

「そ、そっかぁ。」

 

ネイトはもちろんアヤネもこのチョイスに太鼓判を押している。

 

正直、乗り物に詳しくないしこの体ではATVを乗りこなすのがせいぜいなので任せるしかない。

 

「定時連絡は欠かさないようにするがもし半日以上連絡が取れなかったときは頼む。」

 

「ん…分かった。そうならないように気を付けてね、三人とも。」

 

「アヤネちゃん、何かあったらネイトさんとホシノ先輩の後ろに隠れてよね!」

 

「もう、セリカちゃんったら…私だってもうちゃんと戦えるんだよ?」

 

「留守の間も調査は進めてますからホシノ先輩たちにしっかり調べてきてくださいね♪」

 

「うへ~これは責任重大だぁ。でも、ちゃんと成果を持ってくるから期待しててねぇ。」

 

準備も終え待機組のシロコたちからの見送りを受け…

 

「二人とも、忘れ物はないな?」

 

「だいじょ~ぶ、装備も準備万端だよ。」

 

「安全運転でお願いしますね、ネイトさん。」

 

「善処する。さて…アビドス砂漠を突っ切りますか。」

 

「アレクサンドロス分校に向けしゅぱ~つ!」

 

三人肩を寄せ合い軽トラに乗り込み出発した。

 

しばらくの間はアスファルトの路面が残る廃墟群を走り…

 

「ここから先は殆ど埋没した場所か…。」

 

「あとどれくらいかなぁ?」

 

「…ナビの情報だとまだまだかかるな。」

 

「元より覚悟の上です。行きましょう!」

 

いよいよ廃墟がほとんど没した砂漠地帯に突入する。

 

マスターに教えてもらった座標は距離でいうとカイザーPMCの基地よりも奥まった場所だ。

 

その距離を延々と砂漠が続いているが…

 

「おぉ、結構スルスル行けるもんだねぇ。」

 

「ラリーって訳じゃないし確実に行こう。」

 

「ラリーってなんですか?」

 

「山道とかの公道で開催されるレースさ。一月近くかけて山道から砂漠を突っ走る大陸縦断レースもあるぞ。アヤネ。」

 

「そんな凄いレースがあったんですね…!」

 

「アヤネちゃん出場したら優勝しちゃいそうだね~。」

 

ネイトとアヤネの目論見通り、軽トラックは砂漠を物ともせず突き進んでいく。

 

「フゥ~やっぱりクーラーは偉大な発明だ~。」

 

「いや、本当に。こんな小さな車にしっかりした冷房なんて俺の世界じゃ考えられない。」

 

他にも暑さを和らげる冷房や、

 

「良いよ~、アヤネちゃん。」

 

「分かりました。」

 

「ホシノ、行くぞ!」

 

「うん。せーのっ!」

 

スタックした際も抜け出しやすい軽量さなどと様々な面で役に立ってくれる。

 

「えぇ~こちらおじさん、こちらおじさん。定時連絡のお時間だよぉ~。」

 

《ハ~イ、こちらノノミでぇす♪皆さん、ご無事なようで何よりです♪》

 

《セリカよ。今はどのあたりくらいにいるの?》

 

「う~んと…全体の道のりの半分を過ぎたくらいかなぁ。」

 

大きなトラブルもなく道のりを順調に消化しアレクサンドロス分校に迫る。

 

「しかし、日が昇る前に出たがもうすぐで昼か。」

 

「ちょうどいいですしそろそろ休憩しますか?」

 

「さぁんせぇ~い。」

 

ちょうど時間もいいので軽トラを止めて一息つくことに。

 

「廃墟の具合とかを見るに今は…この辺りか。」

 

「この先またかなり砂が深そうな場所が続いてますね…。」

 

水分補給や軽食をとりつつ地図やPip-Boyで現在地を予想し今後の方策を練るネイトとアヤネ。

 

やはりこの辺りは砂に没して長い年月が経った場所なせいか、ビルが上部数階のぞかせる程度しか姿が分からないほど砂が振り積もっている。

 

「…いずれ、この辺も再興しなくちゃな。」

 

「そのためにも…ビナーの情報を何としても持って帰らなくちゃですね…!」

 

そう決意の籠った目線で先を見つめる二人だが…

 

「んッく…んっく…プハァ、この先は少し楽に行けるはずだよ、二人とも。」

 

「どういうことだ、ホシノ?」

 

「…この辺りが砂漠になって初めて助かったと思ったかもです。」

 

なにやら意味深なことを呟くホシノ。

 

休憩を終えて一行は進路を変更し向ったのは…

 

「…ここは?」

 

窪地となり周囲と違い地面がひび割れている広大な平原だった。

 

明らかに雰囲気がこれまでと一線を画しているが…

 

「『アビドス大オアシス』…だった場所だね。」

 

「お、オアシス?!アビドスにこんな広いオアシスがあったんですか!?」

 

「まぁ今は完全に干上がっちゃってるんだけどねぇ。」

 

ホシノが言うにはアヤネすら存在を把握してなかったオアシスの跡地らしいのだが…

 

「…地図で見るとオアシスなんて規模じゃないように見えるんだが…!?」

 

普通オアシスと聞くとせいぜい池くらいのイメージしかネイトにはなかったが…アビドス大オアシスの広さは生半可な湖をはるかに超えている。

 

「『五大湖』とは言わないが…水没地帯よりもはるかにでかいな…!」

 

「昔は『アビドス砂祭り』っていう大きなお祭りが開かれてねぇ。オアシスに船を浮かべたり他学区からもたくさん人が来てものすごく盛り上がってたんだってぇ。」

 

「そんな凄い催し物がアビドスで…。」

 

流石はかつての最大最強の学校、やることのスケールもでかい。

 

しかし…

 

「本当に…今じゃ信じられないねぇ…。」

 

「そう…だな。」

 

諸行無常とはこの事だろう。

 

今ではその賑わいの後も形もない。

 

(これは…さすがに…)

 

アビドス復興を至上命題にしているネイトでもこのオアシスの復活の手立ては全く思い浮かばない。

 

「また…そんな賑わいが戻るといいな。」

 

「そうだねぇ…。」

 

「…それでここを通るってことですか?」

 

「そう、それなら大きくショートカットできるでしょう?」

 

「確かに、地図やV.A.N.Sのナビゲートじゃここを通る想定はされてないよな。」

 

ネイトのPerk『V.A.N.S』は通常陸路を通るように表示される。

 

おそらく入力した地図が古いものだったせいでオアシスがある頃のマップが適用されていたのだろう。

 

ここを突っ切れば確かに道のりを大きく短縮できる。

 

ネイトもかつてはショートカットとして川を泳いで渡ったものだ。

 

「よし、斜面に気を付けながら行ってみるか。」

 

「転がらないでねぇ。」

 

「ホシノ先輩、そうなったらみんなお陀仏ですよ…。」

 

ネイトはホシノの案を採用し軽トラを操りつつアビドス大オアシスのかつての湖底へと下っていく。

 

確かに今までの道のりと違いしっかりとした地面のためタイヤはしっかりと地面を噛み締め軽快な速度で進むことができた。

 

その後も定時連絡の時以外は走り続け陽が天辺を過ぎたあたりでようやく…

 

「…この辺りだな。」

 

「ここが…知識の宮殿…。」

 

「アレクサンドロス分校…。」

 

マスターが教えてくれた『アレクサンドロス分校』があるとされる座標に到着した。

 

…が、

 

「砂漠…ですね。」

 

広がるのは見渡す限りの砂漠。

 

「数十年前に埋まったんだもん。そりゃあ完全に砂の底だよねぇ…。」

 

マスターの話では一晩でこの分校の機能は全て喪失したらしい。

 

それが数十年前ともなると…地上にはもはや痕跡も何も残っていないだろう。

 

「…まぁこんなのは織り込み済みだ。アヤネ、頼む。」

 

「はいっ。」

 

アヤネは荷台から愛用のドローンを取り出しその下部にデバイスを装着する。

 

「ミレニアムの技術力は本当に凄いですね…。」

 

「あぁ、カーゴボット搭載用の『F・ハカール君』をこんな短期間で小型ドローンに搭載できるまで小型化するとはな。」

 

これはエンジニア部が改良小型化に成功したその名も『F・ハカール君Jr』である。

 

これによってカーゴボットを持ち出さなくとも従来のドローンで測量が可能となった。

 

それをどうするかというと…

 

「考えたねぇ、ネイトさん。高層ビル測量用のデバイスを『下向き』に付けて簡易的な『地中探査』をできるようにするなんてぇ。」

 

「道具の使い方に関しちゃまだまだエンジニア部には負けてないさ。よし、飛ばしてくれ。」

 

「では行きます。」

 

アヤネは『F・ハカール君Jr』を下向きに装着したドローンを地面ギリギリの高さで飛ばす。

 

これにより探査用の各種電波を地中に放出し…

 

「どう、アヤネちゃん?」

 

「現在データを収集中ですけど…これはすごいですね…!」

 

アヤネのタブレットに地中奥深くに眠るその姿を露にしていく。

 

「今のアビドス高校の倍…いいえ、数倍はあるような広大な校舎です…!」

 

「これがかつてのアビドス高校でも『分校』だって言うんだから恐ろしいな…。」

 

マスターの言っていた言葉は一切虚言ではなかった。

 

映し出される巨大な建築物。

 

「うへぇ広さもだけど造りがなんとも豪勢な…!」

 

「まるでギリシアの古代建築だな…!」

 

それでいて建築様式には疎いホシノであっても伝わる荘厳さ。

 

まさに『知識の宮殿』というにふさわしい威容である。

 

「アヤネ、屋上の入り口はどこか分かるか?」

 

「少々お待ちを…。」

 

アヤネはタブレットとにらめっこしつつしばし砂漠を歩き…

 

「…ここです。この真下約10mほどに屋上から入れる扉があります。」

 

ある地点で立ち止まった。

 

「そうと分かればいよいよ俺の出番だな。アヤネ、少し離れてくれ。」

 

アヤネを下がらせネイトがPip-Boyを操作した瞬間、

 

「コンクリート塀の囲い…埋まっちゃってるけどいいの?」

 

地面から少し飛び出るように四方にコンクリート塀の仕切りをクラフトする。

 

「まずはこれでいいんだ。よし、軽トラを持ってくるぞ。」

 

その傍らに軽トラを止め…

 

「さて…頼むぞ…!」

 

ある機材を設置しスターターを引きそれを起動する。

 

すると、その機材から伸びたノズルが勢いよく仕切りの内部の砂を吸い出していく。

 

「なぁるほどぉ、そのためにポンプを持ってきたんだねぇ。」

 

「砂漠の砂は細かいから吸出しが楽だな。」

 

この機材は水没地帯で水中作業用のプロテクトロンが装備しているポンプである。

 

耐荷重に優れているとはいえプロテクトロンでも容易に運用できる程度の重量で湖底からヘドロを吸い上げる吸引力を有しているのが売りだ。

 

その勢いはすさまじくどんどん砂を仕切りの外に吐き出していく。

 

そして、10分ほどで設置したコンクリート塀の底が見え始め…

 

「よいしょっと。」

 

そのコンクリート塀の上にまたコンクリート塀をクラフト。

 

砂を吸い込んでいくとコンクリート塀もそれにつられて沈み穴の崩落を防ぐ『土止め』の役割を果たしてくれた。

 

コンクリート塀が沈めばまた上にコンクリート塀をクラフト、砂を吸い込みまたクラフト。

 

そんな感じにネイトはどんどんアレクサンドロス分校の屋上に向け穴を掘り進めていった。

 

「…こうやって掘ればよかったのかぁ…。」

 

「え?」

 

「いやぁ昔の話だよぉ。」

 

ネイトの作業風景を眺めつつホシノはかつての思い出を振り返りそう呟くのであった。

 

そうこうしているうちに…

 

「ふぅ~…暑っい…。」

 

「お疲れ様ぁ、ネイトさぁん。」

 

今度は塀に梯子をクラフトしてネイトが上がってきた。

 

「すまんが水を頼む。」

 

「ハイどうぞ。捗り具合はどうですか?」

 

「ようやく屋上の床が見えたところだ。あとは上手くコンクリート塀を組み替えれば…。」

 

「いよいよ突入ですね。」

 

「んじゃ、おじさん達もそろそろ下に降りよっかぁ。」

 

「酸素ボンベを忘れないようにしないとですね。」

 

水分補給を終え、今度は酸素ボンベと酸素マスク、そしてリュック型水筒も抱えホシノとアヤネも下りる。

 

そして…

 

「それじゃあ…行くぞ。」

 

まるでタイミングを計るようにネイトは息を整え、

 

「…よいしょっと!」

 

素早く前方のコンクリート塀を横に組み替え両サイドに新たなコンクリート塀をクラフト。

 

そこにあった砂がスペースができたことで崩れるがそのおかげで…

 

「扉…!」

 

「この先がアレクサンドロス分校の…!」

 

屋上から校舎内に入れる扉が現れた。

 

見ると傍にはカードキーリーダーが備え付けてある。

 

「…二人とも、マスクを装着しろ。」

 

『了解。』

 

そして全員が酸素ボンベに繋がった呼吸マスクを装着する。

 

なにせ数十年も砂の底に眠っていた学校だ。

 

中の空気がどうなっているか分からない。

 

さらに頭にはライト付きの『採掘用ヘルメット』も被り準備万端だ。

 

「頼むぞ、マスター…!」

 

祈るようにネイトはマスターから貰ったIDカードを通すと…

 

「開いたっ!」

 

「ま、まだ電気が生きてるなんて…!」

 

電子音と共にロックが外れる音が響く。

 

「…行くとしよう。」

 

そして各々がもしもの時のための得物を構え…とうとう三人は知識の宮殿へと足を踏み入れるのだった。

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