Fallout archive   作:Rockjaw

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長くなりそうなのでまた切りのいいところで
続きはなるべく早く上げます


The Commonwealth Struggle Part1

「ほぉ…アビドス高校も中々頑張っているじゃないか。」

 

アビドスとはまた違う区域にある高層ビルの最上層会。

 

そこで手元の資料を見ながらある人物が興味深そうにつぶやいていた。

 

手元の資料には先月のアビドス高校の返済額の明細が映っているタブレットが握られている

 

「だが、皮肉なものだな。貴様らが返した借金によって…貴様らは追い詰められるのだからな。」

 

そう言いつつ、その者は手元のスマホを操作し、

 

「私だ。…あぁ、そうだ次回の襲撃には…。」

 

どこかへと連絡を取り始める。

 

ここは『カイザーPMC』本社。

 

カイザーコーポレーションが保有する民間軍事会社である。

 

そしてこの者こそ『カイザーPMC』の代表取締役である『理事』であった。

 

――――――――――――

 

―――――――

 

――――

 

そんなある日のアビドス高校。

 

「シロコ~、レンチ取ってくれ~。」

 

「私にはヒューズをお願いします。」

 

「ん…はい。もうすぐ動きそう?」

 

「乾燥地帯だから放置されてても状態がよかったのが幸いだな。」

 

この日、ネイトはシロコとアヤネとともに廃墟区画から持ち帰った廃棄されていたSUVの修理を行っていた。

 

運輸局で確認したところすでに持ち主が所有を取り消した車両なので有難くいただかせてもらった。

 

クラフト機能で一発修理してもいいのだがたまには勉強がてらとこうやって手作業で整備しているのである。

 

「バギーもいいんですけど街中に出かける用の車も欲しかったんですよね。」

 

「俺も本格的に運転免許取るようにしなきゃなぁ。」

 

「ん…ロードバイクもいいよ、ネイトさん。」

 

「確かに。でも俺はやっぱバイク派だな。オフロードでもあれば砂漠でも走り放題だし。」

 

「あ、いいですね!もし見つけたら持ってきてくださいよ、ネイトさん!」

 

「もし直せたら私も乗ってみたい。」

 

「おいおい、まだ見つけてもいないのに。…いっそのこと税金対策で何台か買おうか、移動にも使えるし。」

 

少し前では考えられないような贅沢な悩みなどを話しつつ、なれたようにネイトやアヤネの手は動き続け、

 

「よし、回すぞ。」

 

整備が終わりキーを数回回すとエンジンがかかった。

 

「やったぁ!動きましたよ!」

 

「ん…おめでとう、二人とも。」

 

「よし、足回りも問題ないはずだがテストがてらそこらへんぐるっと走ってきてくれないか、アヤネ?」

 

「え、いいんですか!?」

 

「俺でもいいんだが治安機関に見つかると面倒だしな。」

 

元は廃棄されていたものとはいえ高級車モデルのSUV。

 

中々運転できる機会等ないのでアヤネも嬉しそうに乗り込み、

 

「じゃあ、行ってきま~す♪」

 

「安全運転でな~。」

 

ネイトとシロコに見送られ郊外へ出かけていくのであった。

 

「ふ~、ただいま~。」

 

「ん…今日は暑い。」

 

「おかえり~。修理上手くいったみたいだね~。」

 

「ハイ、タオルと冷たいお茶ですよぉ~♪」

 

「車直しちゃうなんてホントにネイトさんったら器用よねぇ~。」

 

「それを言うならアヤネもだぞ。彼女がいたからかなり早く済んだ。」

 

「今度はバイク見つけてもらう約束もした。楽しみ。」

 

「あらぁ~、直ったら私も乗せてくださいねぇ~♪」

 

「うへ~、んじゃおじさんともデートしようよぉ♪」

 

委員会室に戻りいつものようにホシノ達と談笑するネイト。

 

ここ最近はヘルメット団の動向も落ち着きネイトの仕事も順調。

 

借金も返済めどがつきアビドス高校にも穏やかな時間が流れるようになった。

 

「あ、そういえば近々プールが直るぞ。」

 

「え!?本当なの!?」

 

「ぃやった~!これで泳げるぞ~!」

 

「そういえば…私たちが入学してからプールに水が入ったことはなかったですねぇ。」

 

「ん…プールで泳げるようになるの楽しみ。」

 

そんな何気ない日常が送られていた。

 

だが、そんな日常が崩れるのもまたキヴォトス。

 

「…あれ、アヤネちゃん?もう帰ってきたの?」

 

「…なんかめちゃくちゃ運転荒くなぁい?」

 

突如、アクセル全開でドリフトをかましながら先ほど出て行ったはずのアヤネが運転するSUVが戻ってきた。

 

運転は荒くともガレージにはしっかり収め、大急ぎで校舎の中に飛び込む。

 

「ん…どうやらただ事じゃなさそう。」

 

「ノノミ、お茶をもう一杯用意しておいてくれ。」

 

「分かりましたぁ。」

 

先ほどまでの穏やかな空気が一変し張り詰める。

 

それから一分と経たず、

 

「た、大変ですうううううう!」

 

アヤネが対策委員会室に飛び込んできた。

 

「落ち着け、アヤネ。お茶を一杯飲んでからゆっくり話してくれ。」

 

そんなアヤネの報告を聞く前にお茶を差し出すネイト。

 

「は、はい!」

 

アヤネもそれを受け取り一気に飲み干し、

 

「はぁーはぁー…。」

 

少し落ち着きを取り戻したようだ。

 

そして、彼女の口から慌てていた原因が告げられる。

 

「ほ、報告します!アビドス高校から7㎞付近でヘルメット団と思われる大部隊がこちらに向かっています!」

 

「うへ~アジト潰したから落ち着いたと思ってたのにぃ~…。」

 

「ん…だったら準備しないと…。」

 

ネイトが来た時のようなヘルメット団の来襲が起ころうとしているらしい。

 

それはここの面々には慣れたものですぐに迎撃準備に入るが、

 

「そ、それがただの部隊じゃないんです!」

 

「ちょっとそれってどういう…。」

 

「せ、戦車!戦車やオートマタをたくさん引き連れてきてるんですよー!」

 

どうやら前回の襲撃の時とは比べ物にならないほどの戦力をそろえてきているらしい。

 

「せッ戦車なんてどこで手に入れたのよ、あいつら!?」

 

「オートマタまで…!今回はどうやら向こうも本気…!」

 

「前回の襲撃から対策を考えてきたのでしょうか…?!」

 

「…たぶん『ブラックマーケット』に流れたやつを揃えてきたんだろうねぇ~。」

 

『ブラックマーケット』、いわばキヴォトスに存在する闇市だ。

 

そこには合法・非合法問わず様々な物品が手に入れられるという。

 

連邦生徒会の管理も及んでおらず、半ば治外法権状態となっており独自の防衛部隊『マーケットガード』を保有している。

 

そこならば戦車などの兵器を調達できるだろうが…

 

「でもぉ、そんなお金をどこで…。」

 

「確かに…アジトも壊滅させたのに…!」

 

問題はそんな資金をどこで調達してきたかだ。

 

ヘルメット団本部は未だ無事とは言え前哨基地のアジトを喪失している。

 

そんな中でどうやってそれほどの兵器を揃えたのか…。

 

「ん…今は考えるときじゃない。」

 

「そうだねぇ。…ネイトさん、指示は?」

 

そう、今は考えている時間はない。

 

その理由は勝った後でいくらでも考えられる。

 

ホシノの目が鋭いものに変わりネイトに指示を仰ぐ。

 

「…分かった。セリカ、屋上で狙撃支援を頼む。『アレ』を使え。」

 

「了解!」

 

「アヤネ、ロボットソルジャーとトラップ起動準備。奴らの出鼻を挫け。」

 

「分かりました!」

 

「ノノミ、ミニガンをフルパックで用意しろ。弾はM61だ。」

 

「はい!」

 

「シロコ、予備で製造したレーザーライフルを使え。あれなら戦車も貫ける。」

 

「ん…任せて。使い方も覚えた。」

 

「ホシノ、これを持ってけ。『パルススラグ弾』だ、オートマタにぶち込んでやれ。」

 

「了解しました。」

 

ネイトも目つきと纏う空気が鋭くなり手早くホシノ達に指示を飛ばす。

 

「ネイトさん、貴方は今回は指示に徹してください。いくらあなたでも戦車は…。」

 

ホシノはネイトに戦闘に出ないように頼む。

 

ヘルメット団やオートマタだけならまだネイトでも十分戦えるだろう。

 

今回の相手には戦車がいる。

 

キヴォトス人の自分たちはまだ何とかなるがいくら強くても人間のネイトでは分が悪すぎる。

 

ホシノの申し出ももっとものことだ。

 

が、

 

「何言ってるんだ、ホシノ。俺も当然前線に立つぞ。」

 

「なっ相手は戦車なんですよ!?人間の貴方には手も足も…!」

 

さも当然のように前線に出ようとするネイト。

 

これにはホシノも驚き止めるよう求め、

 

「無茶言わないでよ!アタシたちでさえてこずる相手なのに!」

 

「そうですよ!ネイトさんも今や大事なアビドスの住人なんです!」

 

「ホシノ先輩の言う通り、今日は指揮に専念してください。私達なら大丈夫です!」

 

「ん…レーザーライフルがあるなら私たちも負けない。だから安心してみてて。」

 

「もしあなたに何かあったら…私はユメ先輩に顔向けできません…!」

 

シロコたちもネイトの参戦には消極的だ。

 

「皆、心配してくれてありがとう。」

 

そんな少女たちの心配を微笑ましく受け取るも…

 

「だが安心しろ。むしろ…対戦車戦闘は俺の十八番だ。」

 

不敵な笑みを浮かべPipーBoyを操作し…ソレを出現させた。

 

『!!?』

 

それを見た途端、ホシノたちは目を見開き驚愕するしかなかったのであった。

 

―――――――――――――――――

 

―――――――――

 

――――

 

――

 

アヤネが帰ってきてからしばらく後、とうとう奴らがやってきた。

 

「いやに静かだな…。」

 

「きっとアタシら見てビビってんだろうぜ!」

 

歩兵として幹部を含むヘルメット団総勢80名。

 

「しっかし、まさかオートマタまで送ってくるとは本部も太っ腹だな。」

 

「ヘン、こんな学校落とすにゃ贅沢すぎる。」

 

非常にスリムな外観のロボット兵士『オートマタ』

 

銃だけでなくバズーカ砲や盾を装備しているものも含め25体。

 

そして…

 

「おぉい、前を開けてくれ!」

 

地面を揺らしそれは現れた。

 

重厚な装甲、地を鳴らす履帯、大口径の砲。

 

陸上戦の王者、『戦車』である。

 

その数…8両、二個小隊規模である。

 

が、

 

「…なぁホシノ、あれがキヴォトスの戦車か?」

 

校舎内の物陰で確認してるネイトがインカムでそんな風に尋ねてきた。

 

《えぇ、『クルセイダーⅠ型』と軽戦車『BT-2』です。それをあんなに…。》

 

ホシノが非常に真剣なトーンで戦車の分類を答える。

 

それに対し…

 

「…なぁんだ、130年前の骨董品かよ。」

 

()()()()?()》》》

 

非常にがっかりしたような反応を示すネイト。

 

《ん…ネイトさんの時代の戦車ってもっとすごいの?》

 

「多分、俺の曽爺さんの世代の戦車でも一両あればあいつら一方的に倒せるぞ。」

 

()()()()!()?()》》》

 

そう、あれらはネイト基準でいうと第二次大戦の…しかもその初期の戦車ばかりだ。

 

ちなみにネイトの言う曾爺さんの世代の戦車というのはこちらでいうところの『M1エイブラムス』である。

 

速力・装甲も・火力・火器管制システムもネイトが現役時代に相手にしていたレッドチャイニーズの主力戦車『キメラタンク』には到底及ばない。

 

が、それでも戦車は戦車だ。

 

警戒するに越したことはない。

 

「…ともかく、アヤネ。合図をしたらトラップを起動しろ。ノノミと俺が前衛、ホシノとシロコは奴らを挟み込むように両翼に展開。セリカ、戦車を撃つときは天板と後部エンジンを狙え。」

 

相手の構成が判明したので手早くフォーメーションを取り決めその時を待つ。

 

と、

 

《おぉーい!アビドス廃校対策委員会の諸君!今日という今日は今までの借りをきっちり返させてもらうぜ!!!》

 

メガホンを使ってかヘルメット団がこちらに呼び掛けてきた。

 

《見ろッ、今日はてめぇらのために戦車やオートマタを用意してきてやったぜ!観念してアビドス高校を明け渡せ!10数えるうちに出て来い!痛い目に会いたくなけりゃあな!》

 

「好きかって言ってやがるなぁ。」

 

《10ー!9ー!》

 

《ん…そんなのでアビドス高校を諦めるわけがない。》

 

《8ー!7ー!》

 

《あたし達の諦めの悪さはあんたらも知ってんでしょうが。》

 

投降を呼びかけるその声に各々はヘルメット団に対し舌を突き出すような発言をする。

 

攻撃開始のカウントダウンも始まっているというのになんとも暢気に構えている。

 

《ですがネイトさん、このままでは・・・!》

 

《6ー!5ー!》

 

「落ち着け、アヤネ。先制パンチはくれてやるくらいドーンと構えとけ。」

 

《4ー!3ー!》

 

《うふふ、今日のネイトさんは大胆ですねぇ~。》

 

《2ー!1ー!》

 

《どうせ奴ら全員を倒すんだから少しくらい良い夢見せてやろうよ。》

 

《0ー!…よぉし分かった!戦車隊にオートマタ!ぶちかましてやれ!!!》

 

そしてヘルメット団のカウントダウンが終わった瞬間、砲声と噴出音が響き渡り砲弾とロケット弾が校舎に着弾。

 

爆発と衝撃波で校舎が揺れる。

 

「へぇ、腐っても戦車。迫力は満点だな。」

 

だというのにネイトはいたって平静で、

 

「な、なんだとぉ!?」

 

驚きの声を上げたのはヘルメット団の方だ。

 

確かに戦車とバズーカ装備のオートマタは校舎目掛け砲撃を行った。

 

全てが校舎に着弾し炸裂した。

 

だが…それにしては校舎の被害が小さすぎる。

 

表面のコンクリートこそひび割れているが貫通を許していない。

 

バズーカ砲もごっそりコンクリートの壁を叩き割ったものの…中に仕込まれた鉄板までは貫けなかった。

 

目立った被害と言えばせいぜい窓ガラスが割れたくらいだ。

 

「馬鹿め。見かけこそそのままだが…中身はもはや要塞級だぞ、アビドス高校は。」

 

ネイトはこの一月以上の間、アビドス高校に大改造を施していた。

 

防衛設備はもちろんそれは校舎その物にも及んでいる。

 

材質は通常コンクリートから高層ビルを解体した際に得た『高強度コンクリート』に換装。

 

さらに壁の中には満遍なく高層ビル用の重量鉄骨を成型した装甲版を仕込んでいる。

 

「くそっ!面倒だ、このまま突っ込めええええ!!!」

 

『うおおおおお!!!』

 

砲撃での制圧は手間がかかると判断したのかヘルメット団は歩兵とオートマタによる制圧に移行。

 

総勢100に上る軍勢が突撃を仕掛けてくる。

 

「アヤネ、今だ!」

 

《はいッ!》

 

好機は今、ネイトがアヤネに指示を出した次の瞬間、校庭の中ほどに設置された数々の遮蔽物の向こう側で爆発が発生。

 

『ぎゃあああああああああ!!?』

 

今しがた突撃を仕掛けてきたヘルメット団やオートマタに超音速のベアリング球や王冠が襲い掛かる。

 

ベアリング球の射出元は言わずと知れた『M18 クレイモア地雷』である。

 

王冠の射出元は『ボトルキャップ地雷』、連邦生まれの即製の指向性対人地雷だ。

 

それをネイトは遮蔽物の向こう側、いわば侵入者に直撃するように校庭中の遮蔽物のいたるところに仕掛けていた。

 

「や、奴ら自分の校庭に地雷を!?」

 

今ので突撃の先鋒が全滅、砂漠特有の細かい砂が舞い上がり視界を遮る。

 

地雷を仕掛けられているという事実、晴れない視界。

 

この二つの要素がヘルメット団たちの足を止めさせる。

 

「ノノミ、出るぞ!」

 

《はいっ!》

 

そんな隙を逃すネイトではない。

 

素早く前衛担当のノノミに指示を出しノノミは一階から外へ進出し、

 

「ヘルメット団の諸君、我が連邦の闘争へようこそ!」

 

ネイトは内蔵された拡声器の音を最大にし高らかに鬨の声を上げ…校舎の三階から飛び降りた。

 

繰り返し言おう、ネイトは『人間』だ。

 

こんな高さから飛び降りて無事で済むはずがない。

 

だが…今のネイトにとってこの程度の高さは階段を降りるのと大した差はない。

 

次の瞬間、

 

――――――――――ッ!!!

 

先ほどの砲撃を上回る衝撃と揺れが周囲に轟いた。

 

「な、なんだ!?何の音だ!?」

 

今まで味わったことのない未知の事象にさらに行き足が鈍るヘルメット団。

 

…それが命取りだった。

 

衝撃と振動が収まり、次に彼女たちの耳に届いたのは…二種類のモーターの駆動音だった。

 

「ヤバッ・・!?」

 

ヘルメット団の誰かがそう叫ぼうとしたが…遅かった。

 

叫びきるよりも反射的に遮蔽物に隠れるよりも早く砂塵の向こうから雲霞のごとき弾丸とレーザーが襲い掛かった。

 

『ぐあああああああああッ!!?』

 

歩兵の突撃に対する機銃掃射の有効性はもはや説明するまでもないだろう。

 

これでさらに20人近いヘルメット団と数体のオートマタが損耗。

 

それでもやられてばかりではない。

 

「戦車!車載機銃であいつらを黙らせろ!」

 

《オウ!》

 

射線から外れていた戦車に搭載された同軸機関銃や砲塔上部にマウントされた車載機銃が狙いを定める。

 

「ノノミ、カバーに入れ!」

 

「はい!」

 

声が届く距離なのでネイトは素早くノノミに隠れるように指示。

 

一方のネイトはなおもレーザーを乱射しながら間合いを詰める。

 

直後、戦車から無数の弾丸がネイトに襲い掛かった。

 

だが…その後に起こった事態はキヴォトスに住まう彼女たちでも未知の領域だった。

 

機銃弾は確かに命中した。

 

だが、

 

「な、弾かれてるだと!?」

 

銃弾の数だけ鋭い金属音が鳴り響き砂塵越しに人型のシルエットを表すように火花が舞い散る。

 

さらにそこへ立ち直ったヘルメット団も射撃を加えるが金属音と火花が増加するだけでその人型の動きは一向に衰えない。

 

「なっ何なんだよ!?なんなんだよ、あれ!?」

 

いくらキヴォトス人でもこの量の弾丸を食らえば無事で済むわけがない。

 

オートマタでも機能障害を起こし停止するほどの弾丸の量だ。

 

混乱する彼女たちだが…その答えはすぐに明かされる。

 

「よぉ、その程度か?」

 

砂塵を突き破り現れたのは…『重厚』さと『鋭利』さを併せ持った巨大な真紅の甲冑を纏ったネイトだ。

 

「なッなんなんだよ、てめぇはあああああああ!!?」

 

風を切るように歩き続けるそれに恐慌状態になりながらライフルを乱射するも、

 

「ふん!」

 

「ぶげぇ!?」

 

乱雑に振るわれる腕の一撃を受け吹き飛ばされる。

 

「ハンッ!『パワーアーマー』相手にライフルは自殺行為だなぁッ!!!」

 

『パワーアーマー』、戦前のアメリカを『世界最強』足らしめた強化装甲服である。

 

『歩兵に分厚い装甲を纏わせた』、まさしく現代科学でよみがえった『重装歩兵』だが戦場における優位性は語るまでもないだろう。

 

かつてネイトも戦った米中戦争、『バトルオブアンカレッジ』。

 

その戦場においてパワーアーマーはまさに力の象徴。

 

初期型で弱点や不具合も多かった『T-45』ですら局地戦では中国軍を圧倒。

 

そのデータを集積、 弱点の克服と性能向上を果たした『T-51』は戦争の勝利すら決定づけた。

 

装甲はT-45よりも軽量ながら25,000ジュールもの運動衝撃を吸収しレーザーすら反射するコーティングもなされてあった。

 

さらにそこへ核融合バッテリー『フュージョンコア』から供給される大電力を用いたパワーアシストによって重火器をまるで小火器のように振り回すほどの怪力。

 

スペックだけでなく活躍もすさまじく、訓練した操縦者が一度纏えば単騎で街一つ、基地一つを制圧できるほどである。

 

その威容はまさしく『歩兵戦車』。

 

あまりの強さに姿を目撃しただけで中国軍は逃げ出すほどだった。

 

ネイトもT-51を纏いアメリカの勝利に大きく貢献。

 

その結果、『アンカレッジの英雄』として数多くの勲章を授かっている。

 

他にもT-45の発展型である『T-60』なども存在するがネイトの纏うそれはそのどれでもない。

 

そう、これは核戦争後に作られたパワーアーマーなのだ。

 

その名も…『インフェルノX-02 エンクレイヴパワーアーマー』。

 

戦前から存在したアメリカの秘密結社『エンクレイヴ』が戦後に開発・運用していた単騎運用特化の特殊作戦用パワーアーマーである。

 

専用モジュール『デビルズインフェルノ』を装着したこのパワーアーマーはネイト曰く…『最速のパワーアーマー』である。




『インフェルノX-02 エンクレイヴパワーアーマー』
連邦に流れてきたエンクレイヴ残党が使用していた戦後開発の最新式パワーアーマー
連邦でも見かける『X-01』を上回る防御力を持ちながら敏捷性・軽量性に優れた装甲
特殊モジュール『デビルズインフェルノ』、速度上昇、周囲への持続ダメージ、被ダメージ時AP回復という効果がある
全身のパーツがMkⅥ
カラーリングは『赤』、セット効果は速度5%上昇
装甲モジュールは
頭『ターゲッティングHUD』(敵の強調)
両腕『ハイドロリック・ブレイサー』(パンチの威力上昇)
胴体『リアクティブ装甲』(近接ダメージの50%反射)
右足『爆発ベント』(着地時、爆発で追加ダメージ)
左足『キネティック・サーボ』(ダッシュ後のAP回復強化)
全身『テスラコイル』(エナジウェポンのダメージ強化)
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