Fallout archive   作:Rockjaw

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Duty, Honor, Country
『義務・名誉・国家』
―――米陸軍士官学校のモットー


The Path by Which a Disciple Surpasses His Master

「それではテスト時間は50分。教科は…ネイトさんは外の人だから理系教科でいいよね、コハル?」

 

「仕方ないわね!それくらいなら認めてあげてもいいわ!」

 

急遽決まったネイトの学力調査のためのテスト。

 

表向きではネイトは外の世界から来たということになっているので先生の配慮でより公平に回答できる理系教科、数学や理科などの教科をチョイスしてくれた。

 

そして…

 

「…やっぱり俺のとこと机が違うから落ち着かないな。」

 

「あらぁ、そうなんですかぁ?」

 

「それもそうだが…やはりこうして教壇に向かい合うというのも何時ぶりか…。」

 

教室のど真ん中で机についているネイトがキョロキョロと教室内を見まわしている。

 

身長こそキヴォトスの生徒の中ではそこそこいる高さだがやはり大人がこうしているとかなり違和感がある。

 

さらに…

 

「教官、私がこれ持ってていいの?」

 

「あとからカンニングだなんだ騒がれたくないからな。」

 

「外されてみると結構大きいんですね…。」

 

アズサの手にはネイトの象徴的なアイコンでもあるPip-Boyと彼のスマホが収まっている。

 

する気などさらさらないが怪しまれるような真似はしないに限る。

 

「でも、ネイトさん。トリニティのテストって…結構難しいですよ?」

 

「だろうな。こういうところは常に『文武両道』が求められるものだし。」

 

心配そうに尋ねるヒフミに対しそう軽くネイトは返す。

 

やはり、情勢不安定とはいえそこは三大校の一角。

 

そんじょそこらの学校に比べて求められる学力というのもそれに応じて高いものとなる。

 

「まっやれるだけやってみるさ。」

 

ともあれやるといったのはネイト自身だ。

 

自分の力がどれほど通じるかという意味でもトリニティのテストを受ける意義はある。

 

「頑張ってくださいねぇ♪頑張ったらご褒美上げちゃいますよぉ♪」

 

「そこっ!変なこと言わないの!」

 

「まぁまぁコハルちゃん、そうカッカしないでください…。」

 

「そうだぞ。教官も頑張ったのなら何か褒美があってもいいはずだ。」

 

「あ…余り過激なのは控えてくださいね、ハナコさん…。」

 

そんな賑やかな補習授業部とマリーからの声援を受け、

 

「さて…ネイトさん、受けるからには私も贔屓なしに採点させていただきますよ。」

 

「無論、今だけは俺は先生の『生徒』だ。そこは遠慮なくやってくれ。」

 

「もちろん。さぁ皆、少し離れてもらえるかな?」

 

先生と改めて忖度なしのガチンコであることを確認し合い…

 

「では…始め。」

 

数十年ぶりのネイトのテストが幕を開けた。

 

開始の合図と同時に問題用紙を表にし、

 

「………。」

 

カリカリカリ…

 

答案用紙に答えを記入していく。

 

一見してごくごく普通のテストの様子だが…

 

「…あ、あれ?」

 

「どうかしたか、コハル?」

 

「えっ?そ…その…ネイトさん、全然止まらないわね…と思って…。」

 

コハルがふと疑問に思ったことを呟くのを聞き改めてネイトの様子を見ると…

 

数式か何かを猛烈な勢いで書き終わったかと思うと…

 

「…。」

 

ほんの一瞬間を置き…

 

カリカリカリ…

 

再び答案用紙によどみなく鉛筆を走らせていく。

 

「…そう言えば…さっきから答案を書くのがすごい勢いですね…。」

 

「おそらく…問題文を読むとき以外全く止まってませんねぇ…。」

 

「まさか…一瞬見ただけで教官には答えが分かるのか?」

 

「そっそんなわけないでしょ…!?皆だってこの頃ようやく6割超えて合格ラインになれてきた難易度なのよ…!?」

 

「ですが、それにしても迷いのない筆運びですね…。」

 

そんなネイトの様子を声を潜めながら様々な予感を感じつつ話し合う5人。

 

その後も教室内にはネイトが鉛筆を走らせ用紙をめくる音だけが聞こえ…

 

「………よし、これで問題ないはずだ。」

 

30分ほど経過したところで全ての問題を解き解答を確認し終え…

 

「先生、解き終わったぞ。」

 

「え?もういいんですか?」

 

「俺一人なんだ。50分丸々待ってるのは時間がもったいないだろ?」

 

挙手し先生にテストの終了を告げ答案用紙を提出するのだった。

 

「分かりました。では、採点に入りますね。」

 

先生も状況が特殊なのでそれを受け入れすぐさま採点に移る。

 

「お疲れさまでしたぁ、ネイトさん♪」

 

「手ごたえはどうですか?」

 

「う~ん…まぁ普通のテストでも大丈夫だろうっていう感じだな。」

 

「ふっふん!早く解けても結局点数が獲れなきゃ意味がないんだからね!」

 

「だがコハル、教官は最後まで迷いなく解いていたぞ?」

 

「私でもあそこまでスラスラは答えを掛けませんね…。」

 

そんなテスト終わりの学生のようなお喋りを交わすネイトとハナコたち。

 

「いやぁ懐かしい。俺もテスト終わりにこうやってクラスメイトと『いけた』とか『やばい』とか言い合ったものだ。」

 

その情景がネイトが血と灰と氷に塗れる前の彼の青春の光景。

 

自然と表情に笑みがこぼれた。

 

「ふむ、教官も本当に『学生』だった頃があったのだな。」

 

「そりゃ、俺だって子供だったからな。むしろ『学生』だった期間は皆より長いぞ?」

 

「あっそう言えばネイトさんって高校卒業後も学校に行かれてたんでしたね。」

 

「ネイトさんの学生時代…あまり想像できませんね…。」

 

「そう変わらないさ、マリー。授業受けて友達とくっちゃべってクラブ活動して…楽しかったなぁ。」

 

「でっでも、そこの学校のレベルも高くなければトリニティの問題は簡単じゃないわよ!」

 

「キヴォトスとは色々と違うでしょうが…一体どんな学校に通われていたんですかぁ?」

 

と、話題がネイトの若いころの話題に移ろうとした…その時、

 

「………えぇッ!?」

 

「せっ先生!?どうしたんですか!?」

 

先生が驚きの声をあげたので全員の視線が教壇に注がれる。

 

「あっいやその…さ、採点が終わってね…。」

 

「おぉ、やっぱり一人だと早いな。」

 

「なんで驚いてんのよ、先生?ひょっとして落第クラスでダメだったとか…。」

 

期待に目を輝かせるコハルだが…

 

「…コハルの期待には…添えないかなぁ…。」

 

先生は呟き答案を全員に見えるように掲げた途端、

 

「…へ?」

 

「まぁ…ッ!」

 

「おぉ…!」

 

「す、すごい…!」

 

「これが…?!」

 

コハルたちは五者五様の反応で驚く。

 

そこに書かれてあったのは…

 

『Nathanael Martin:96点』

 

「あちゃ~…やっぱ少し変わってたか…。」

 

その点数を見てネイトはしまったというように頭を掻くが…

 

「え…えぇーッ!!?きゅ、96点ンンンンンンンン!!?」

 

「し、試験勉強もなしでですか…!?」

 

「赤点どころか…学年でも相当上位になる点数ですよ…!?」

 

「まぁ♪ネイトさんも相当な切れ者じゃないですかぁ♬」

 

「さすが教官だ。どうやったらそんなにうまく解けるの?」

 

コハルたちは驚愕するしかない。

 

前述した通り、トリニティはキヴォトス内でもトップクラスの学力を誇る名門校だ。

 

そんな学校の模擬試験とはいえ範囲を知りもせず勉強もなしにこれほどの高得点をとることは容易ではない。

 

しかも、満点を逃したとはいえ…

 

「今は高校の反応熱の方程式にも『エンタルピー変化』の記載も必要なのか?」

 

「えぇ、カリキュラムの変更で数式が改訂されたんです。」

 

「他は…あぁ~光合成のATP合成酵素関連か…。」

 

「はい、この分野は日々発展目覚ましいですから。ですが、答えはそう変わりませんので部分減点としています。」

 

その答案に✓はなく…世代が合っていれば文句なしの満点という結果だった。

 

「どッどうして!?どうしてこんなに点数取れるのよ、ネイトさん!!?」

 

結果は認めざるを得ないがなぜそうなったか分からず声を荒げるコハルだが…

 

「…話を戻そうか、HExecutioner?高校卒業後の俺の進路についてだ。」

 

そんな彼女を横目に見ながらネイトは途中で斬った先程の話題に話を戻す。

 

「そっそれが何だっていうのよ!?」

 

「高校卒業後、俺が入ったのは…『陸軍士官学校』だ。」

 

「り、りくぐんしかんがっこう…?」

 

キヴォトスではあまり聞かない学校の名前に首を傾げるコハルだが…

 

「分かりやすく言うと…正義実現委員会やティーパーティーの幹部や委員長になる人材を育成する学校だな。」

 

「んなッ!!?」

 

その学校が何たるかを聞き表情が固まった。

 

『米陸軍士官学校』、ニューヨーク州ウェストポイントに所在するその名の通りアメリカ陸軍の士官候補生養成校だ。

 

軍の学校と侮るなかれ。

 

入試を突破するための最低限の学力はSAT*1スコアの目安は1600満点中およそ1220~1420点とされている。

 

日本でいうとボーダーラインでもMARCHや関関同立の看板学部に地方の国立大学に十分合格できるレベルとされている。

 

ネイトはこれを余裕をもって超える1500点で学科試験を突破している。

 

これはアイビー・リーグ*2やトップ工科大などどんな大学でも余裕で入学できる成績である。

 

もっとも、米陸軍士官学校に入学するには身体的条件や非学力要素に加え米国上院議員、下院議員、副大統領、または陸軍長官からの推薦も必要と非常に狭き門なのである。

 

正に『文武両道』を高い水準で満たした学生しか入学できないのだ。

 

「いや~…軍に入って論文とか出してたりエンジニアになっても色んな数式は必須だったからさび付いてなくてよかった…。」

 

その学力はいまだ健在。

 

現に狙撃を行う際には暗算で三角関数の計算もお手の物だ。

 

「あの…師匠…。私の立場が無くなるんで少し加減してくださいよ…。」

 

これには先生も困った表情を浮かべる。

 

先生であるがゆえに彼も大学を出ているがネイトほど出来がいいかと言われると…。

 

「気にするな、先生。昔取ったなんとやらだ。」

 

「だとしてもこうも見せつけられるとへこみますよぉ…。」

 

「じゃあ、今後も精進するように。…さて、HExecutioner。満足いただける結果だったかな?」

 

「うぅ~…!」

 

からかうつもりが歴然とした差を見せつけられ…しかもネイト自身が絵にかいたような『エリート』の経歴の持ち主とわかり悔しそうにするコハル。

 

そんな彼女を見て…

 

「…言っとくがな、HExecutioner。俺だって最初からここまでできてたわけじゃないぞ?」

 

「え…?」

 

「授業を真面目に受けて復習と予習をしっかりして基礎が身についてから応用に手を出す。これの繰り返しさ。それを積み重ねていったからこそ俺は士官学校に入れたんだ。」

 

決して才能だけではない、努力もしてここまで上り詰めたと告げるネイト。

 

「さっき言ったように一足飛びでなれるもんじゃない。地道に続けていくしかないんだ。だから…君もしっかりと今を学んでいくんだぞ。」

 

ネイトが憧れのエリートだったことが証明されたからか…

 

「………分かったわよ、ネイトさん…。」

 

少々むくれてこそいるものの先ほどよりも素直に彼の言葉を受け入れるコハルであった。

 

「さて、少し長居しすぎたかな。マリー、君の用事はまだあるか?」

 

「はい、私もここでの用向きはすみました。」

 

テストも終えて、ネイトは教室を後にしようと立ち上がる。

 

「あらぁ?もうお帰りになるんですかぁ?」

 

「俺も依頼でこっちで来てるんだ。一緒に来ている生徒達が先に行っているから早く現場に行かなきゃ行けないんでな。」

 

「教官、また遊びに来てくれると嬉しい。」

 

「時間があればな。補習を合格するように頑張れよ、B.B.E.。それからP.P、モモフレンズののゲリライベントがあっても絶対抜け出すなよ。」

 

「うぅ~…大変惜しいですが我慢します…。」

 

「では皆さん、お邪魔いたしました。先生も窓から急に訪ねてきてしまってごめんなさい。」

 

「うん気にしないで、マリー。事情が事情だからね。それから…はい、ネイトさん。よかったら記念に持って行ってください。」

 

「ありがとう。このおてんば娘たちをよろしく頼むぞ、先生。」

 

「師匠も依頼頑張ってくださいね。」

 

こうしてわずかな時間だったが久しぶりに顔を合わせて充実した時間が過ごせ…

 

「それじゃマリー、またしっかり掴まってろよ。」

 

「あっあのネイトさんっい!玄関からじゃ…!」

 

「ブービートラップがそのままだからここが一番手っ取り早いんだ。じゃ!」

 

「まっ待ってくだっあああああああああ!!?

 

ネイトとマリーは飛び込んできた窓からラぺリングで退出するのであった。

 

「…なんだか嵐みたいでしたね。」

 

「ともあれ本当に元気になられたようでよかったですねぇ♪」

 

「フム…今後を見据えてラぺリングのトレーニングも…。」

 

「あんな無茶苦茶やっててエリートだったなんてなんだか納得いかないぃ~…!」

 

「それがネイトさんってとこもあるから諦めるしかないよ、コハル。」

 

二人が去ったのち、先生やヒフミたちは呆れが少し混じる口調でネイトとの再会を喜ぶのであった。

 

一方、

 

「すまなかったな、マリー。ラぺリングやらテスト受けたりで時間取らせて。」

 

「い…いえ、私がお誘いしたんですし安全のためですから気にしてませんよ。」

 

無事に地面に降り立ちネイトとマリーは合宿場を後にしていた。

 

「でも、まさかネイトさんがあんな経歴だったとは思いませんでした。」

 

「もうだいぶ昔の話さ。しかも、いい思い出ばかりじゃないぞ?」

 

当時の陸軍の内情と言う物はトリニティ以上に派閥や政治的思惑が錯綜する魔窟だ。

 

ネイト自身はそんなものに欠片の興味はなかったがそれでも幾度も巻き込まれてきている。

 

その中にはもし話せば一生軍事刑務所に叩きこまれるようなことまで。

 

「…ままならんもんさ。いくら俺に野心が無くとも周りがそう思い込んだらあの手この手使ってくるんだからな。」

 

かつての記憶が不思議と今の境遇に重なり遠い眼をしていると…

 

「ネイトさん…。」

 

「…っと、君に話すには少し暗すぎる話題だったな。」

 

ネイトを心配そうに見上げるマリーを見てすぐに頭を切り替えた。

 

「いえ、気にしないでください。」

 

マリーも微笑みながら表情を和らげる。

 

彼女とてシスターフッドの役目として様々な生徒から懺悔を聞いたりもしている。

 

ネイトにそのような公には話せないような過去があっても不思議ではなくそれを聞き出そうとも思わない。

 

「あっそうです。ネイトさんがよろしければ勉強会など…。」

 

「俺が先生の真似事を?いやいや、俺はそんな上等な大人じゃ…。」

 

「私はネイトさんもいい先生になれると思ってますよ?」

 

「…そうか。そう言ってもらえると嬉しいものだな。」

 

マリーにそう言われ何の気なしに答案用紙を眺めると…

 

「………。」

 

「どうかなさいましたか?」

 

「いや、ちょっとな。」

 

ある一点にネイトの視線が注がれすぐに答案用紙を収納するのだった。

―――――――――――――

 

――――――――

 

―――

キヴォトスとは大小数千の学校を要する学園都市だ。

 

住人の多くは学生で学校の運営も大半は生徒たちが担っている。

 

しかし…大人が存在していないわけではない。

 

様々な店舗や企業の社員は大人が多く学校にも大人の職員や教授は所属している。

 

そんな大人たちが楽しめるような場所がこのトリニティにも当然ある訳で…

 

「いらっしゃい!何名様でしょうか?!」

 

「大人二人。立ち飲み席はあるかい?」

 

「えぇありますよ!お飲み物は?!」

 

「そうだな…。ラガーをパイント*3で。先生は?」

 

「じゃあ…サイダー*4をハーフってできますか?」

 

「できますよ!おつまみの方は!?」

 

「フィッシュアンドチップスとスコッチエッグを頼む。」

 

「分かりました!では、お席へどうぞ!」

 

少々夜が深まった時間、ネイトと先生の姿はトリニティの街中にいくつか存在する生徒が決して立ち入れない『大人のための空白地帯』の一角にあるアイリッシュパブ風の店にあった。

 

店内は獣人やオートマタ問わず多くの大人たちが今日の疲労を癒すため賑やかに酒と肴を楽しんでいる。

 

店員に注文と頼んだ分の会計を済ませ…

 

「すみませんね、ネイトさん。あんな風にお誘いしちゃって…。」

 

「気にするな。こうやって先生と飲むのもしばらくぶりだしいい機会だったさ。」

 

案内された背の高い小さめの円卓で向かい合い言葉を交わす二人。

 

「しかし、答案用紙にメッセージとは懐かしい手を使ったものだ。」

 

「ネイトさんもやっていたので?」

 

「むしろこっちみたいにスマホなんてないからあぁいうのがメインだったなぁ。」

 

そう、この飲み会は先生からのお誘いで開かれたものだ。

 

そのメッセージの伝え方も答案の片隅にひっそりと書きこまれるというなんとも『学生』時代を思い出すような伝達方法だった。

 

「それはそうと…補習授業部の顧問とはずいぶん『先生』らしい事をやってるじゃないか。」

 

「アハハ…個性的な子たちばかりで退屈しない教員みたいな生活をおくれてますよ。」

 

「…あの四人を個性的の一言で表現するのは『個性的』には荷が重いと思うがな?」

 

「…さっきもハナコが私の部屋にパジャマと称してスク水姿で来てましたね…。」

 

「相変わらずのようだな、Ha,Pの奴…。」

 

百鬼夜行でのあの騒動ぶりの再会、互いに積もる話もあるのでおしゃべりに興じていると…

 

「お待たせしました~!ラガーとサイダー、フィッシュアンドチップスにスコッチエッグで~す!」

 

獣人の店員が先ほど二人が注文した品物を持ってきてくれた。

 

「おぉ、来たな。」

 

「ありがとうございます。それじゃひとまず…。」

 

「互いの依頼の成功を祈って…。」

 

『乾杯。』

 

カシャンッ

 

二人はいつものようにジョッキを軽くぶつけ合い、

 

ゴキュッゴキュッ…

 

「っかぁー、生き返るなぁ…!」

 

「ですねぇ…!」

 

喉を鳴らしてそれぞれの酒ののど越しを楽しみ…

 

「おぉ…フィッシュアンドチップスもなかなかイケるな。」

 

「ビネガーがいいアクセントになってますね。」

 

「スコッチエッグも旨い。心配し過ぎだったようだな…。」

 

肴として頼んだ二つの料理にも舌鼓を打つ。

 

「う~ん、ここにあそこのソーセージとかがあったらなぁ。」

 

「あ、療養中の事でしょ?いいなぁ、私も行ってみたいなぁ…。」

 

「いい所だったぞ。空気も美味いし温泉もあって何より料理が絶品だった。…絶対再訪問してやる…!」

 

「その時は連れてってくださいよ?仕事片付けて有給確保しますから。」

 

「もちろん、二人一緒に飲み明かそうぜ。」

 

酒と料理を楽しみながらネイトが療養していたゲヘナの保養地『別飛須高原』の話題や…

 

「そうそう見ましたよ!忍術研究部とのコラボ動画!」

 

「あれか?いやぁ、長く生きてきてあんな風に戦車使うのは初めてだったが俺も楽しかったよ。」

 

「憧れるなぁ…!私も忍者って大好きなんですよね…!」

 

「だったら今度飛んでみるか?クラフトすればすぐだぞ?」

 

「…う~ん…っ悩みますねぇ…!」

 

百鬼夜行で知り合った『忍術研究部』とのコラボ動画、

 

「あれからシャーレの業務はどうだ?」

 

「あれだけの大騒動でしたからね…。多少こちらの業務も増えはしましたが何とか。」

 

「すまんなぁ…。なるべく迷惑はかけるつもりはなかったんだが…。」

 

「何を言ってるんですか。師匠は被害者なんですから気にしてませんよ。」

 

あの日の騒動の話題など様々な話題で大人なひとときを楽しんでいく。

 

「いやぁ…本当に師匠と飲めて楽しいなぁ。」

 

「フフッ、なんだ?おだてたって今日の飲み会は料理代くらいしか出さんぞ?」

 

「やった!最近ちょっと厳しかったんですよね。」

 

「まぁた課金とか衝動買いか?いい加減ユウカに〆られるぞ?」

 

「そこは大丈夫ですが…ほら、トリニティってちょっと物価高いじゃないですか?」

 

「そっちか。それは俺もちょっと思うな。」

 

と、先生もアルコールが少し回ってきて饒舌になり始めたタイミングで…

 

「…で、一体最近何があったんだ?」

 

ネイトは声を少しひそめてそう切り出した。

 

「…やっぱり分かっちゃいますかぁ…。」

 

困った表情を浮かべ頭をかく先生。

 

「ちなみに…。」

 

「安心しろ。ここには生徒も入れないし…この店はどの派閥ともつながりが無いのは調査済みだ。こっちに気を向けている客もいない。」

 

このパブに来たのは…あえて騒がしい店内で顔を合わせることにより盗聴や監視の目を掻い潜るためだ。

 

そこらの店ではどこに監視の目や聞き耳があるか分かったものではない。

 

生徒の追跡もこの一角が生徒立ち入り禁止なのでそもそも不可能だ。

 

「先生がここにいる時点で何かあると分かるさ。で、このお誘いも…何か吐き出したいんだろ?」」

 

「…相変わらず理解が早くて助かります。」

 

ラぺリングで補習授業部の教室に飛び込んだ際、内心だけだが先生がいたことにネイトは怪訝に感じていた。

 

補習授業部とは成績が悪い生徒の救済を目的として常設されているものではなく特殊な事態に創設される部活だ。

 

ゲーム開発部や忍術研究部の例もあって先生が部活の活動に関わることは珍しくはない。

 

だが、これらの部活・同好会は常設されそのメンバーからシャーレに要請があった。

 

一方、補習授業部は急遽創設されるものであって部員…今回の場合はヒフミたちは創設されてから半ば強制的に所属させられたと聞いている。

 

この時点で…彼女たちから先生に要請が来たという可能性は消える。

 

そして…キヴォトスにおいて部活を創設を認可する権限を要し先生を即座に招聘できる組織はただ一つ。

 

「答える必要はないが…先生をここに招いたのはお茶会だと仮定して話を進めるぞ。」

 

「…分かりました。」

 

「トリニティにも『教授』がいると聞く。…なのに、なぜわざわざ先生を招く必要があるか…と思ってな。」

 

『先生』と呼ばれているものの…彼の本質は超法規的権限を擁する『捜査官』だ。

 

そんな彼をティーパーティーが『成績不振者の補習』のためだけにわざわざ呼び出し任せる?

 

『牛刀をもって鶏を割く』の言葉を地に行く登用だ。

 

だとするなら…

 

「終始、俺の勘で話すが先生の本来の役割はもっと別の…それこそ連邦捜査部『シャーレ』らしい事だと考えている。」

 

ネイトはそう言い終え、ジョッキに残ったラガーを呷りながら先生を見ると…

 

「………。」

 

先生は自分のジョッキに視線を落としたまま反応を示さない。

 

…いや、それこそネイトにとっては雄弁な答えだった。

 

「…師匠。一つ…ある話を聞いてもらえますか?」

 

「オウ、酒の席だ。何でも話してみるといい。」

 

そのまま先生は静かに語り出す。

 

「あるところに…大きな羊を飼ってる共同経営の牧場があるんですよ。そこの一番大きな権力を持った主人の一人が四匹の羊の世話を新しく雇った新人の羊飼いに任せたんです。」

 

「フム…。」

 

「でも、主人は『羊に化けた狼がいる』といって候補をその四匹にまで絞って羊飼いに『狼』を見つけ出すように命じたんです。それも…すぐに撃ち殺せるように猟銃まで持たせて…。」

 

彼の話をポテトをつまみながら相槌を打ちながら聞くネイト。

 

「そんなある時、その経営者に羊飼いを紹介した別の経営者が羊飼いに『外の狼の群れから紛れ込んで羊に化けた狼』の正体や自分が招いたことまで教えてくれて…その処遇も任せてくれたんです。」

 

「………。」

 

「でも…その羊飼いには例え狼だったとしても…羊飼いには撃てないんです…。だって…その狼と言われた羊も…ちゃんと羊として他の三匹と仲良くしているんですよ…?」

 

「………。」

 

「そうこうしているうちに…権力を持った主人が『早く見つけ出さないと四匹とも肉にする』…と羊飼いに伝えてきたんです…。」

 

「なるほど…な。」

 

「今の私に…話せるのはここまでです…。」

 

そんな少々物騒な物語を聞き終え…

 

「…師匠、貴方なら…この物語をどう分析しますか…?」

 

「フフッ…なんかテストの問題染みた問いかけだな。」

 

真剣な眼差しで先生はネイトに尋ねる。

 

「そうだな…。」

 

ネイトは顎を撫でながら少し考え…

 

「俺的に考えるとするなら…だ。その銃を持たされた羊飼い…相当邪魔に思われてるな。」

 

「え…?」

 

「いいか。俺からすればその羊飼いは…いつでも敵の首都を焦土に変えられる弾頭を積んだ『戦略原潜』に等しい価値なんだよ。」

 

かつての自身の経験も交えながら語り始める。

 

「羊飼いが…戦略兵器ですか…?」

 

「そうさ。存在自体が勢力均衡をひっくり返すバランスブレイカーだ。さて…ここで問題だ。先生がもし敵のそんな原潜を無力化したい工作員ならどうする?」

 

返す刀でネイトから出された問題に先生は少し考え…

 

「…こちらも潜水艦や軍艦を使ってその兵器を破壊する…ですか?」

 

シンプルながら即効性のある答えを出した。

 

だが…

 

「違うな。そんなことをすればこっちもタダじゃ済まない。相手は戦略兵器だ。むやみに破壊すれば保有国からの報復が確実にある。」

 

「あっそうか…。」

 

軍事に明るいネイトはその原潜の保有国の存在を明かしリスクを明かす。

 

「じゃあどうやって…。」

 

先生が答えを求めると…

 

「一番スマートなのはな…『偽の救難信号』を出してその原潜を本国から遠く離れた、何の意味もない浅瀬に誘い込んで座礁させることだ。」

 

「に、偽の救難信号…?」

 

「こうすれば表向きはただの事故だ。普通にこわすよりも真相解明は難しいから時間も稼げる。」

 

手間はかかるが…関与をにおわせない完全犯罪の手段をネイトは上げた。

 

「今回の場合は『四匹の羊の世話』がその偽の信号だ。その羊飼いが世話に四苦八苦している間に…その羊飼いの目は経営陣の『中枢』から完全に逸らされる上に釘付けにできる。」

 

と、その羊飼いが置かれている状況を説明し…

 

「その羊飼いの雇用を提案した経営者…何かでかい事起こすつもりだろう。」

 

「で、でかい事って何を…?!」

 

「さぁ?そこは何とも。だが…いずれにせよ…。」

 

目を見開く先生をしり目に…

 

「その経営者は自分がこれから始める本番に一番厄介な特異点と成りうる羊飼いを介入させないために『羊の世話』という『檻』の中に隔離したんだよ。」

 

目線を鋭くし確信をもってそう言い放つネイト。

 

「…ッ!でも、狼の情報を羊飼いに流してくれたのは…!」

 

「それも冷戦期のスパイ戦じゃ定番の手垢のついた手口だ。『隣の国の軍隊が怪しい動きをしてるぞ』…と、わざわざ親切に機密文書を持ってくる他国の二重スパイを、お前なら信じるか?」

 

「そっそれは…!」

 

「それにだ…なぜ組織のトップたる経営者が血眼になって探しても見つからない『狼の尻尾』をその経営者がピンポイントで握れてる?」

 

「………ッ!」

 

ネイトの言葉に先生はどんどん声数が少なくなっていく。

 

「ッと、飲み干してしまったか。」

 

そんな先生を見ながらネイトは空いたジョッキを静かに置き…

 

「トップの経営者は見えない影に怯えて踊らされてる哀れな道化だ。だが…羊飼いに親切面して近づいてきたその経営者は違う。」

 

口元に着いた泡の髭を拭いながら…

 

「羊飼いという『戦略兵器』をハメ込みトップを狂わせすべての盤面を自分の思い通りにコントロールしてる。…可愛い顔してとんでもなく冷徹な『演出家』がお前のすぐ隣にいるぞ、先生。」

 

射貫くように彼を見つめ彼の超冷戦を生き抜いた一人の兵士として告げるのだった。

 

苦い表情を浮かべる先生だが…彼の中の葛藤はすさまじい。

 

考えれば考えるほど…ネイトの言葉が的を射ているとしか思えないのだ。

 

ならば…あの子が…、そんな結論が出そうになった。

 

しかし…

 

「…ネイトさんの言うことも分かります…。」

 

ポツリポツリと先生は語り始め…

 

「ロジックとしては…その経営者が一番怪しいのは分かります…。」

 

ネイトの結論に理解を示すも…

 

「でも…私は『先生』なんです…!生徒がどんなに不自然でも…裏がありそうでも…最初から『敵』として疑ってかかることなんて…私にはできません…ッ!」

 

たとえ話も忘れ…彼の中の矜持がネイトの結論を拒絶した。

 

口調こそ頼りないが…その目は頼もしい力強さに満ちていた。

 

そんな先生を見て…

 

「…ハハッ少しは成長したようだな、馬鹿弟子。」

 

ネイトは階段を上ろうとしている彼を頼もしく思う。

 

「…いいか、勘違いするな。俺は羊飼いに『その経営者を敵として憎め』なんて言ってない。」

 

「師匠…?」

 

「前の世界の冷戦でな…一番最初に死ぬのは敵を盲信する『マヌケ』だ。だが…次に死ぬのは誰も信じられなくなって正気を失った『臆病者』さ。」

 

かつての米中戦争を思い出しつつ遠い目をしながらネイトは語り…

 

「疑うことに慣れてしまった世界はな…地獄だぞ。俺の世界がそうだったからこれだけは言える。」

 

「疑うことに…慣れる…。」

 

「だから…お前がその『生徒を信じる』っていう甘さを捨てきれないの…間違っちゃいない。」

 

そんなネイトからすれば間違いなく『甘ちゃん』としか言えない先生の考えも認め…

 

「ただな、先生。『信じる』ってのは相手のついた嘘や隠してる凶器から目を背けることじゃない。」

 

改めて真剣な目線を彼に向けながら…

 

「相手が嘘をついていると分かった上でその裏にある悲鳴や…引き金にかけた震える指まで全部ひっくるめて真正面から受け止める『覚悟』のことだ。」

 

「覚悟…。」

 

「先生が今やってるのは信じてるんじゃなくて…ただの『現実逃避』だよ。」

 

「き…厳しいなぁ…。」

 

「弟子に甘い師匠がどこにいるってんだ。」

 

あえて厳しい言葉を投げかける。

 

「…その経営者は今…自分の身の丈に合わない泥沼の戦争を仕掛けようとしてるはずだ。」

 

「泥沼の…戦争…。」

 

「このままその羊飼いが四匹の羊とじゃれついてたら…本当に引き返せないところまで行くぞ。」

 

ありとあらゆる場面において…身の丈を知ることは重要だ。

 

もし、それを測りそこない勝負に挑めば…待っているのは破滅だ。

 

そんなことは前世で嫌というほど見てきている。

 

いや、破滅するだけならばまだマシだ。

 

「取り返しのつかない大罪人になって…最後は自分が呼び込んだ本当の狼共に食い殺される。それが末路だ。」

 

全てが終わった後…そこにその牧場が跡形も残っていない可能性すらある。

 

「………!」

 

その結論を聞き恐怖に顔が青ざめる先生。

 

すると…

 

「…生徒を救いたいんだろ?」

 

ネイトは短く先生に問う。

 

「え…?そ、それはもちろん…!」

 

それだけは譲れないと青い表情はそのままだが力強く答える先生に…

 

「だったら…お前が先に化けの皮を剥ぎ取ってやれ。」

 

浅く笑みを浮かべながらそう提案するネイト。

 

「化けの皮…ですか…。」

 

「そうさ。『お前の企みは全部お見通しだ。その上で、お前を助けに来た』ってな。」

 

今度はネイトがどこか芝居じみたポーズを取りながら言葉を紡ぎ…

 

「相手の裏の裏まで見抜いた上でそれでもなお『信じる』と笑ってみせる。…それくらい…とびきり傲慢な『大人』になってみせろよ、馬鹿弟子。」

 

温かい目を彼に向けた。

 

自分には…かつてできなかったことだ。

 

もし、そんなことが出来ていたらあの日…ショーンとも袂を分かっていなかったかもしれない。

 

だが、先生なら…。

 

彼なら…また自分と違う道を歩んでくれるはずだ。

 

きっと彼ならできる、そんな師匠の自分勝手な願いでもあった。

 

そんなネイトの心を知ってか知らずか…

 

「…ありがとう、師匠。目が覚めました…。」

 

先生の顔に生気が戻り…

 

「私は私のやり方で…あの子の嘘ごと全部受け止めてみせます。」

 

しっかりとした決意をネイトに宣言するのだった。

 

が…

 

「でも…もし…もしですよ?」

 

すぐにその表情が困ったようなものに戻り…

 

「もし…私の力が及ばなくて…試験に落ちて…あの4人が本当に退学になってトリニティに居場所がなくなってしまったらその時は…。」

 

万が一の事態も想定し彼に助力を求める。

 

おそらく、この飲み会の本命はこちらなのだろう。

 

「ククッなんだ、そんな心配をしてたのか?」

 

「え…?」

 

「トリニティがそのダイヤの原石をゴミ箱に捨てるって言うなら喜んで俺が迎えてやるさ。ハナコとアズサだけでもおつりがくる逸材だからな。」

 

その申し出をネイトは快諾。

 

これはネイトにとっては一切損のない取引だ。

 

友人と言うことを差っ引いてもハナコとアズサもだが…ヒフミとコハルも見どころがある生徒だ。

 

トリニティが自らそんな四人を放逐しようというのなら…アビドスが迎え入れよう。

 

「安心しろ。最悪のケースの『退路』ならこの俺がいくらでも作ってやる。お前が負けても…あいつらの居場所はなくなりはしない。」

 

弟子が奮起し成長しようとしているのだ。

 

これくらい受け止めるのが師匠の度量と言う物である。

 

そして、

 

「だから、後ろの心配はするな。大人の特権をフルに使って前だけ見て…その密告者の生徒を盛大にぶん殴って救ってこい。」

 

「…分かりました、師匠…。」

 

自分以上の茨の道を歩もうとする弟子を静かに激励するのだった。

 

その後、明日に酒を残すわけにもいかず注文した一杯の酒と肴を食べ終え二人は解散。

 

別れた後…

 

(先生よ…。俺は悪い師匠だな…。)

 

そう心の中で詫びるネイト。

 

彼は…一つ、重要なことを先生に告げ忘れていた。

 

先生が言う『経営者』。

 

ほぼネイトが思い浮かんでいる人物であろうが…

 

(奴は…俺を確実に仕留めようとしていたことになるぞ。)

 

先生の話を聞き彼の中での疑念が確信に近いものになった。

 

もしこの事実を先生に告げてしまえば…彼はその生徒を『救うべき生徒』として見られなくなり対話の余地が消えてしまう可能性がある。

 

(嘘ごと受け止める覚悟を持て…なんて言ってしまった手前…どうしても言えなかった…。)

 

先生の背中を押した以上…『ネイト自身の命』という最大のリスクはあえて隠し、先生に『曇りのない目』で向き合わせるために…あえて酒の席では伏せた。

 

(…どちらにしても俺の憶測ばかりで確固たる証拠がない。さらに確度を高める必要があるな…。)

 

思っていた以上に…この場所の奥底は淀んでいるようだ。

 

「…月に光の輪ができてる…。明日は雨になるな…。」

 

夜空を見上げそう呟き、ネイトも自身の宿舎である納屋への道を急ぐのであった。

*1
米国大学入試の標準テスト

*2
ブラウン大学、コロンビア大学、コーネル大学、ダートマス大学、ハーバード大学、ペンシルベニア大学、プリンストン大学、イェール大学

*3
約568ml

*4
ここではリンゴを発酵させた酒類をさす




人間の行動には二つの行動しかない。『不安』か、『愛』か。他の選択の余地は無い。これ以外の選択肢が無いからだ。
だが、どちらを選ぶかは自由に決められる。
―――作家『ニール・ドナルド・ウォルシュ』
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