Fallout archive   作:Rockjaw

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水こそが文明を支える
―――ローマ帝国の貴族『セクストゥス・ユリウス・フロンティヌス』


Unexpected Events and the Assailants

師弟同士の秘密の会合を終えて気合を入れ直したネイト。

 

さて、とにもかくにも今は自分の依頼を全うしなければないらないのだが…

 

ザアアアアアア…ッ!!!

 

ゴロゴロ…ッ!!!

 

「……大雨だね、ネイトさん。」

 

「予報じゃ晴れだったがこの時期の天気は気まぐれだな…。」

 

この日はトリニティ全域で雷を伴った大雨が降り注ぐあいにくの天気。

 

昨晩、ネイトが月を見て予想した通りになったがまさかここまで降るとは思わなかった。

 

それでも依頼を中断する訳にはいかずネイトとカレンはレインポンチョを被り古聖堂周辺の調査にやって来ていた。

 

その遺跡の道もまるで小川のように雨水が流れていっている。

 

「ずっとアビドスにいるから雨なんて何時ぶりだっけ…?」

 

連邦時代ではさして珍しいものではない雨。

 

だが、キヴォトスにやって来てからはアビドスで経験した人工降雨とアビドス大オアシスの大雨以来僅か3回しか経験していない。

 

最早懐かしいまであるが…やはり少々億劫に感じてしまう。

 

「……でも、私は雨が好きだよ。」

 

「スナイパーには天敵じゃないのか?」

 

「……雨の日は風だけじゃなくて…雨の声も聞こえるから楽しいの。」

 

一方、強い共感覚を誇り自然を愛するカレンは雨でもとても楽しそうだ。

 

彼女にとっては自然が発するすべての音や現象が親しい友とのお喋りのようである。

 

「……それに雨の日だとこんなこともできるよ。」

 

そう言う彼女の手にはどこかで摘んできたのか、葉っぱで織られた舟があった。

 

「おぉ、船遊びか。懐かしいな。」

 

「……ネイトさんもやったことある?」

 

「葉っぱじゃなくて紙で作ったやつだがな。川とかに浮かべて遊んだものさ。」

 

「……今度作って見せてくれる?」

 

「いいぞ。…さて、それ浮かべたら集中するんだぞ。」

 

「……はぁい。」

 

気を張りすぎるのもよくないが今は調査中だ。

 

ネイトに促されカレンは道に流れる雨水の小川にそっとその舟を浮かべてた。

 

スィ~

 

流石は植物の扱いに長けたカレンが作ったおかげかその舟は流れにとってスムーズに進んでいく。

 

「さ、雨天の状況というのは得難いデータになる。いろんな想定で考えないとな。」

 

「……うん、調印式はどんな天気か分からないもんね。」

 

そう言って再び歩き出すネイトとカレン。

 

すると…

 

シュルルル…

 

「……あ、落ちちゃった。」

 

しばらく進んだところで舟は道のわきにできた石畳の裂け目に吸い込まれるように落ちていってしまった。

 

だが、沈んだり引っ掛かったりが舟遊びの常だ。

 

「仕方ないさ。…で、カレンが気になったポイントはどこなんだ?」

 

「……あそこだよ。雨の視界の悪さなら…。」

 

さして気にすることなく二人は調査に戻る。

 

「……そう言えば昨日の夜…出かけてたでしょ?」

 

「ん?あぁ、先生とあってせっかくだから一杯だけ…。」

 

と、カレンが昨晩出かけたことをネイトに尋ねてきたので素直に答えると…

 

「……ずるい。」

 

「え?」

 

「……私だって夜お出かけしたい。」

 

いつも朴訥として感情の起伏が乏しい彼女が珍しくむくれる。

 

「夜出かけたいってそんな時間にやってるのってファミレスくらい…。」

 

確かに夜とはいえ任務中に自分だけ出かけるのは少々不義理なところもあるかもしれない。

 

かといってファミレスに連れて行ってカレンが納得するかというと微妙なものだ。

 

そんな年頃の少女のわがままをどうした物か考えていると…

 

「…あ。」

 

ネイトはあることを思い出した。

 

「……どうかしたの?」

 

「いや、一昨日の休みの時に…。」

 

と、ネイトがカレンにその提案を持ちかけようとした。

 

その時、

 

「はぁい、お二人さん。」

 

どこからか突如として二人を呼ぶ声が聞こえた。

 

「「ッ!」」

 

即座に二人の手が翻りネイトはデリバラー、カレンも腰からサイドアームの消音拳銃ウッズマン『ウィスパー・オブ・プランツ』を抜き放った。

【挿絵表示】

「……あそこから…だね。」

 

「そのようだな…。」

 

二人の視線は先ほど葉の舟が吸い込まれた石畳の割れ目に注がれる。

 

ネイトはハンドサインで二手に分かれるよう指示。

 

慎重に得物を構えながらその割れ目の左右に陣取り覗き込むと…

 

ヒョコッ

 

ちょっとうちとお話しよッてわぁッ!!?」

 

赤い髪をして防弾ヘルメット『K6-3』のバイザーを挙げた少女が顔を覗かせてきたが自分に向けられた二つの銃口に肝をつぶす。

 

「…なにしてるんだ、お前?」

 

「……珍しい野草狩り?」

 

銃こそ向けているが中々カオスな状況に一応誰で何をしているか尋ねてみるネイトとカレン。

 

「えッ!?えぇっと…オッホン!」

 

その少女は仕切り直すように咳払いし、

 

「…もうちょっとこっちに来てくれない?声が聞き取りづらいんじゃないの?」

 

先程の口調に戻り二人を割れ目に近づけようとするが…

 

「……声なら十分聞こえてるから問題ないよ。」

 

「そう言って何かするつもりだろ?騙されんぞ。」

 

怪しさ満点のこの状況ではいそうですかと応じるほど二人はお人好しではない。

 

「お…おぉっと確かに…そりゃ賢明な判断だね。」

 

このままでは平行線をたどると思ったか、少女は二人の態度を受け入れ…

 

「どうも、うちの名前は『河駒風ラブ』。『ジャブジャブヘルメット団』っていうしがないヘルメット団の隊長やってるの。」

 

彼女、『河駒風ラブ』は自身の名を明かし、

 

「ね?これで知らない奴じゃなくなったでしょ?」

 

努めて笑顔と軽い調子で語り掛ける。

 

が、

 

「……初めまして。私は蓮本カレンだよ。」

 

「俺はネイトだ。じゃあ俺達は行くぞ。」

 

一応自己紹介を返し再び二人は去ろうとした。

 

「えッ!?ネ、ネイトって…!?」

 

一瞬ネイトの名を聞きギョッとするも、

 

「ってうわああああ!!!分かったッ!分かったよッちゃんと話すから行かないでえええ!!!」

 

このまま行かれてしまっては堪らないとラブは血相を欠いて二人を呼び止めた。

 

「…全く…最初から素直に言えっての。」

 

「……どうかしたの、ラブちゃん?」

 

ようやく芝居が解けたので再び割れ目そばに近づき彼女の声に耳を傾け始めるネイトとカレン。

 

「…ッ!」

 

それでも一切油断も隙もない佇まいにラブは身が竦むが…

 

「お…お願い…!仲間がやばい状況なの…!助けて…!」

 

真剣な表情で二人に助けを求めてきた。

 

「………。」

 

ネイトはその表情を見て…

 

「…その助けっていうのは人手だけ必要なのか?それとも医者も必要なことか?」

 

どう自分たちに力を貸してほしいのかを尋ねる。

 

「どッどっちも!ともかく助けがいるの!」

 

ラブはなおも真剣な表情でその問いかけに答え、

 

「…いいだろう。」

 

「ほッ本当に!?」

 

「で、俺達はどうやってそっちに行ったらいい?」

 

「……私もその割れ目はさすがに通れない。」

 

彼女の声に応じ中に入る方法を尋ねる。

 

「まっ待ってて!」

 

ラブはそう言うと割れ目から姿を消す。

 

少しすると…

 

「おーい、こっちよー!!!」

 

「行くぞ、カレン。」

 

「……うん。」

 

少し離れた場所から彼女の声が聞こえてきたので向うと…

 

「ここ!ここから中に入れるの!」

 

そこにはひび割れ所々が欠落した円形の石があった。

 

シチュエーションからしてこれは…

 

「古代のマンホールの蓋か…?!」

 

「ごめん、これ重いからそっちでも持ち上げるの手伝って!」

 

「分かった。カレン、そっちを持ってくれ。」

 

「……うん…!」

 

古い時代の自然石を削り出して作られたものだ。

 

重さも相当な物だろう。

 

ネイトも両腕にヘビーコンバット・アーマーを装着しStrengthを高め…

 

「せーのっ!」

 

「「フンヌウウウウウウ!!!」」

 

「……う~…!」

 

カレンとラブの力も借りて力を込める。

 

人基準ではかなりの腕力を誇るネイトとそんなネイトを軽々超えるキヴォトス人二人の力も合わさり…

 

ゴリゴリゴリ…ゴロン!

 

徐々に持ち上がり脇に退かすことができマンホールの入り口があらわになった。

 

「よし、カレン。シホを呼んできてくれ。俺は奴と先に進む。」

 

「……了解。」

 

「早く早く!ついてきて!」

 

カレンに援軍を要請しつつネイトはマンホールに飛び込み地下排水路に着地。

 

「ずいぶん狭いな…。」

 

中は高さ1.5mもなく幅も1mほどの狭く暗い水路が延々と続いている。

 

しかも地上で道が小川のようになっているのだ。

 

この場所の水位もネイトの脛半分ほどまで高まっている。

 

「こっち!足元気をつけて!」

 

「ちょっと待て。2人のための道標を置きながら行くぞ。」

 

Pip-boyのライトを点灯しラブの案内でその場所を突き進んでいくネイト。

 

道中、後から来る2人のために一定間隔ごとにネイトはサイリウムをレンガの隙間に設置していく。

 

しばらく進んでいくと…

 

「大丈夫っ?!」

 

「た…隊長…ッ!」

 

「助けを連れてきたわよ!」

 

そこにはライト付きのフルフェイスのヘルメットを被った一人のヘルメット団の団員がいた。

 

見るとポンプアクションショットガン『モスバーグM590M』を杖のようにして片足を庇っているようだ。

 

「…動けないのか?」

 

「う、うん…っ!」

 

「分かった。さて、何があったんだ…?」

 

状況を確認し、ネイトは濡れることを厭わず片膝をつき水中に浸かった彼女の庇っているであろう足を確認する。

 

が、

 

「…ッ!おいおい…!」

 

すぐにその表情が驚く。

 

なぜなら、彼女の足から…何か鋭利なものが飛び出していたからだ。

 

よく見ると…

 

「錆びた小剣か…?!」

 

もはや元の切れ味を失って久しいであろう赤錆で朽ちる寸前の小剣の刀身だった。

 

「こうなったのはどれくらい前だ…?!」

 

「えぇっと…まっまだ20分も経ってないはず!」

 

「足を持ち上げられるか…?!」

 

「だ、ダメ…!痛くて動けないの…!」

 

「うちが抱えようとしてもそれが地面から抜けなくて…!」

 

「錆でレンガと固着しているのか…!」

 

いつの時代か分からない代物だ。

 

思い切りやれば外れるだろうがそれでは彼女へのダメージが計り知れない。

 

しかも、こうしている内に排水路を流れる水位はどんどん上がってきている。

 

このまま何もしなければ…。

 

「お願い…!この娘を助けて…!」

 

「…分かった。」

 

泣きそうなラブの表情を見てネイトも覚悟を決める。

 

「……ネイトさん、連れてきたよ…!」

 

「お待たせしました!怪我人はどこですか?!」

 

そこにシホを呼んできたカレンも合理。

 

「シホ、錆びた小剣による足部の貫通創だ!ワイヤーソーを!」

 

「はいッどうぞ!切断前にサムススプリントで固定してください!」

 

「分かった!」

 

「う、うちに何かできることは?!」

 

「彼女を支えていてください!動いては傷が悪化します!」

 

「これだけ汚染された環境だ!抗生物質の投与も忘れるな!」

 

「メトロニダゾールを飲ませます!カレンちゃん、もう一度地上に戻って入り口の近くに車を持ってきてください!」

 

「……分かった…!」

 

素早く指示を飛ばし必要な道具や役割を割り振る一行。

 

「たっ助かるの、ラブ隊長…?!」

 

「あぁきっと助かるよ!」

 

「さぁ、これを飲んでください!」

 

「いいか、絶対に動くなよ…!」

 

そういい、ネイトは小剣を切断すべくワイヤーソーを手に持ちゴーグルを装着して水中に顔を沈めるのだった。

―――――――――――――

 

――――――――

 

―――

数十分後、

 

ガラガラガラ…ペッ!

 

「あ゛~…汚水に顔突っ込むなんて何時ぶりだ…?」

 

「はい、ネイトさん。一応あなたも抗生物質を飲んでおいてください。」

 

「分かったよ、シホ…。」

 

未だに雨が降りしきる中、ネイトの姿はレインポンチョを脱いで病院の外のベンチにあった。

 

頭から雨水と太古の汚泥が入り混じった水の中に潜り作業していたのだ。

 

不用意に病院に入れば中を汚染してしまうので仕方がない。

 

未だに降り注ぐ大雨はちょうどいい洗浄シャワー代わりとなる。

 

「で、あのヘルメット団の容態は?」

 

「剣は貫通こそしていましたが骨や有用な血管や神経は避けていました。今は剣の除去を終え傷口の洗浄とドレーンを挿管、破傷風ワクチンの投与を受けて休んでもらってますよ。」

 

「キヴォトス人の頑丈さと若さの体力があれば大丈夫だろう。」

 

「幸い、傷を負ってから1時間も経ってませんので余裕はあると思います。」

 

あれからワイヤーソーで剣の根元を切断し地下排水路から脱出。

 

カレンに持ってきてもらっていた車にラブとそのヘルメット団を担ぎこみシホが目星をつけていた有事の際に搬送を想定していた総合病院に搬送できた。

 

「俺はもう少しここで雨に打たれてるよ。二人も休んでてくれ。」

 

「分かりました。でも、風邪をひかないうちに中に来てくださいね?」

 

ともかくラブの頼みは無事に果たすことができた。

 

一先ず休息を命じネイトもベンチに身を沈める。

 

シホが病院の中に戻ったのを確認し…

 

(…しかし、面倒なことになったな…。)

 

分厚い雲が覆った空を見上げネイトは内心苦々しく呟く。

 

先程の出来事…地下排水路での出来事は今回の依頼の大前提を大きく狂わせる事態だ。

 

…いや、ある意味幸運だったのかもしれない。

 

もし、ラブがあの割れ目から声を掛けなければ自分はあの地下排水路の存在に気付くことはなかった。

 

(だがどうする…?今からではどう考えても時間が…。)

 

そう思い悩んでいると…

 

「あっあのさ…。」

 

「ん?」

 

いつの間にか傍らに傘を差したラブがやって来ていた。

 

背中には先ほど杖代わりに隊員に貸していたショットガンが背負われている。

 

「おぉ、お仲間の近くにいなくていいのか?」

 

「う…うん、他のメンバーも来てくれてるから…。」

 

「そうか。」

 

言葉少なに言葉を交わし…

 

「…ありがとう、ネイトさん。あの子を助けてくれて…。」

 

ラブはネイトに浮かぶかと頭を下げて礼を述べた。

 

「いいさ。俺も警戒して意地悪な対応をとってすまなかったな。」

 

「気にしてないよ…。あんなとこでいきなりヘルメット団なんかに声を変えられたらあぁなるってわかってるから…。」

 

「…で、こんな日にあんなところで何やってたんだ?」

 

遺跡の地下排水路など滅多なことで立ち入るような場所ではない。

 

そんな場所にわざわざこんな荒天の日に潜っているなど相当な理由が無ければネイトでも行かないような場所だ。

 

その理由を尋ねると…

 

「その…これを探してたんだよ…。」

 

ラブはポケットから紙に包まれたある物を取り出しネイトに差し出す。

 

それを受け取り包みを開けてみると…

 

「…古い時代の銅貨だな。」

 

「その…うちの『ジャブジャブヘルメット団』っていつも金欠で…。」

 

「なるほど、資金集めの宝探しをしてたって事か。」

 

何枚かの所々が欠け古い文字と人物が刻印されてある銅貨をみてネイトも納得する。

 

ネイトからすれば単なる『銅』に使えるjunkだがキヴォトスではこれも立派なアンティーク品になりマニアにそこそこの値段で取引されている。

 

これがもし銀貨や金貨ならば…それこそ一攫千金のお宝だろう。

 

しかしだ。

 

「…金が手に入ったとして足一本持ってかれるのは割に合わんぞ。」

 

古代の地下排水路は今回の小剣のような危険物や崩落にガス溜りなど危険も多い。

 

ネイトとかレンガ近くを通らなければ今頃無事では済まなかっただろう。

 

「でも…ヘルメット団のうち等にまともな仕事なんて誰もくれないんだよ…。」

 

ラブもそれは重々理解しているようで苦い表情を浮かべて俯く。

 

現状、ラブ達ヘルメット団が金を稼ぐ手段は限られている。

 

ヘルメット団のメンバーは殆どが退学した生徒達で構成されているのでまともな働き先はどうしても限られる。

 

それ故に非合法、若しくは危険のある仕事しか回ってこないのだ。

 

今日のことも下手をしたら正義実現委員会にお縄になっていてもおかしくない。

 

すると…

 

「…河駒風ラブ、あの怪我人抜きでお前のとこに人は何人いる?」

 

俯く彼女にふいにネットがそんなことを尋ねる。

 

「え?そ…そんなに多くないけど30人くらいは…。」

 

意図が分からないながらもラブも自身の『ジャブジャブヘルメット団』の構成員の人数を答える。

 

「30人…上々だな。」

 

「じ、上々って…?」

 

そう言うとネイトは名刺を取り出し…

 

「明日その全員連れてまたあそこに来い。」

 

「え…?」

 

「俺の仕事をしばらく手伝ってくれ。無論、給料もそれなりに出す。」

 

そこに集合時間などを書き込みラブに仕事を頼むのだった。

 

「や、雇ってくれるの…?!」

 

「ラブ達のおかげで調査範囲が広がったからな。人手がいるんだ。」

 

「うちら…ヘルメット団なんだよ…?!」

 

信じられないといった反応を見せるラブだが…

 

「なにを今更?俺の会社は元カタカタヘルメット団を丸ごと雇っているんだぞ?」

 

ネイトは不敵に笑ってみせる。

 

そうだ。

 

ネイトはアビドスを根城にしていたヘルメット団の一大チーム『カタカタヘルメット団』を更生させアビドス高校に招いた経験がある。

 

ラブ率いる現役のジャブジャブヘルメット団くらい余裕で受け入れる度量はある。

 

それに…

 

「それとも何か?この機に乗じて…俺を討ち取ろうとでも?」

 

「まっまさか!うちら全員束になってもアンタに敵わないって!」

 

名実ともにネイトはキヴォトスの中でも最上位に比肩する強者だ。

 

自分達が下手な気を起こしたとしても…勝てる見込みは無に等しいのはラブがよく分かっていた。

 

「だったら俺は構わない。それに…。」

 

「それに…?」

 

「あの怪我した奴も『短期バイト』として契約していればウチの保険が使えるぞ。」

 

「え…?」

 

前述した通り、彼女たちは退学した生徒たちの集まりだ。

 

そんな彼女たちが医療保険に加入しているとは思えない。

 

あれだけの重傷とここまでの治療となれば相当な治療費がかかるだろう。

 

だが、もしW.G.T.C.の医療保険を使えればその負担も相当軽くなる。

 

「ど、どうやって…?」

 

「応急処置したのも搬送したのも俺達だ。口裏合わせればできないことじゃない。」

 

正直、黒寄りのグレーなやり方だ。

 

「なんでそこまで…?」

 

ラブも分からない。

 

なぜ初対面の自分達、それもヘルメット団にここまでしてくれるのか?

 

そんな彼女の疑問に対し…

 

「仲間のためにあそこまで必死になれるんだ。少しくらい力を貸してもいいだろう…と思ってな。」

 

雨に打たれ空を見上げながらネイトはそう答えた。

 

好きでやっている…それこそトレジャーハンターを生業にしているならばここまで手を貸すつもりはない。

 

しかし、どつぼに嵌り生きるために仕方なくというのであれば…ロープくらいは投げ込んでも罰は当たらないだろう。

 

ネイトはそういう男なのだ。

 

「ヘックシ!う~…冷えるな…!」

 

彼はそう言ってベンチから立ち上がり、

 

「そう言うことだから俺はもう行く。後はそっちに任せるからやる気があるなら…明日来い。」

 

ポンッ

 

ラブの肩を叩いて病院内に入っていくのであった。

 

そこに残されたラブは…

 

「…りがとう…!ありがとう…!」

 

そんなネイトの背中に雨音で消え入るような声でそう言っているのであった。

 

手渡された名刺は…雨粒とは別の水滴で濡れていた。

 

一方、ネイトは病院が用意してくれたシャワーを浴び清潔な着替えに変え…

 

「通功の古聖堂付近の地下排水路の地図…ですか?」

 

「あぁ、ここになら収蔵されているかも…と思ってな。」

 

その足でトリニティ図書館を訪問。

 

シミコにラブ達がいた地下水路の図面を求めるのだった。

 

「う~ん…たしかこっちじゃなくて古書館の方なら…。」

 

「あるのか?」

 

「えぇ、やはりトリニティの歴史学でも水道事業は外せない分野ですので有志が調査した様々な資料が残されているんですよ。」

 

ネイトの目論見は当たっていたようだ。

 

「その地図のコピーでもいいから俺が入手することはできるか?出来るだけ早いと助かるんだが…。」

 

「分かりました。可及的速やかにネイトさんにお渡ししますね。」

 

「いきなり来て無茶言ってすまないな。」

 

「いえいえ、いつもお世話になってるんですからこれくらいへっちゃらですよ。」

 

急な申し出だったがシミコは笑顔でネイトの頼みを受け入れてくれた。

 

普段からネイトやアビドスにはアレクサンドロス分校という本好きの聖地に快く受け入れてもらっている。

 

そんな彼からの久しぶりの頼みを受け自分の知識を生かせるちゃんとあってシミコも気合が入っているようだ。

 

「あ、そうそう。ネイトさん、そろそろ例のアレの調査が終わるのでアビドスへ返却できますよ。」

 

と、ここで話題は変わりより声を潜めてシミコは話し始める。

 

例のアレ…とは初訪問の折にネイトが約束を果たすための質としておいて行っていた『ローゼンタール祈祷書』のことだ。

 

どうやら今日の今日までティーパーティーの目に触れず調査を完了できたようだ。

 

「おぉそうか。で、収穫は?」

 

「それはもう…!今では統合や抗争による廃絶で失われたトリニティの様々な派閥の貴重なデータが得られましたから…!」

 

声こそ静かだが興奮を隠せない様子でシミコは語る。

 

現在ですら派閥間の暗闘が繰り広げられているトリニティ。

 

長い歴史の中で消えていって今では影も形もない派閥も多数存在している。

 

『ローゼンタール祈祷書』は太古の派閥の姿を伝える数少ない資料なのだ。

 

「あの資料があれば仮に明日にでも『派閥を復興させたい』と言われても宗派の行事などのことはすぐに再び行えますよ。」

 

「…なるほど、ティーパーティーが隠したがるわけだ。」

 

嬉々として語るシミコだがネイトは冷静にそう返した。

 

失われた宗派の儀式と言う物は確かにロマンを感じるものだろう。

 

しかし…

 

「扱いには細心の注意を払えよ?あぁいうのは…扱い方を間違えば劇薬だからな。」

 

裏を返せば…その失われた宗派にとっては復活の狼煙になりかねない可能性を秘めている。

 

その際に一体何が起こるか…考えるだけでも恐ろしいものがある。

 

知識と言う物は…人を豊かにする『薬』ともなり、人を滅ぼす『毒』ともなりうる代物なのだ。

 

「…もちろんです。あの記録は図書委員会の秘中の秘として厳重に保管していきます。」

 

シミコも真剣な表情となりその言葉に聞き入る。

 

本という知識の根源を扱う彼女だ。

 

その有用性と危険性に関してはそこらの生徒よりもよく知っている。

 

「フフッ『Preach to the choir聖歌隊に説教』ってやつだったか。」

 

そんな頼もしいシミコの姿を見て自分の心配は杞憂だったと察するネイト。

 

「?それって…どういう意味ですか?」

 

「あ~こっちで通じる言い回しだと…『猿に木登り』ってやつで伝わるか?」

 

「…フフッ、ハイ。この本を護る『お猿さん』にお任せください。」

 

「それじゃさっきの件はよろしく頼む。アレも調べ終わったら分校の調査の際に持ってきてもらって構わないから。」

 

「分かりました。お届け先はシスターフッドでよろしかったでしょうか?」

 

「それで構わないよ。それじゃ、俺はこれで。」

 

「またいつでもいらしてくださいね。」

 

用も済んだのでネイトはトリニティ図書館から立ち去っていくのだった。

 

「お帰りなさい、ネイトさん。」

 

「待たせたな、二人とも。さて、遺跡に戻るにしてもいい時間になってしまったな。」

 

「……雨も上がっちゃったね。」

 

二人が待つ車に戻りシホたちとそんな会話を交わす。

 

調査とヘルメット団の救出と図書委員会への依頼のためもう時間も遅くなってきている。

 

「ふ~む…人手も確保できるだろうし今日は早めに上がるか。」

 

「……雨の時の声の場所は記録してるから平気だよ。」

 

「こう言ってはあれですが実戦的な検証ができたので私も大丈夫です。」

 

「…よし、じゃあ今日はこれで終わりにしよう。」

 

と言うことで、少し今日はこれで終わりにすることにした。

 

すると…

 

「……ネイトさん、約束忘れてないよね?」

 

「…あぁ、あのことか。」

 

「約束って何かあったんですか?」

 

カレンがあのことを話題に出してきた。

 

「…分かった。サクラコにはそっちで許可とってくれよ?」

 

「……うん、分かった。」

 

「シホもどうだ?せっかくだから三人で行こう。」

 

「行くって…どちらに?」

 

「まぁ、それは後からのお楽しみってことで。」

 

そう言い、ネイトは車のエンジンをかけるのであった。

―――――――――――――

 

――――――――

 

―――

それから数時間後、日もとっぷりと暮れた頃…

 

「わぁ…こんな時間にもこんなにお店が…!」

 

「……さすがトリニティ、アビドスとは大違い…!」

 

「表通りもかなり賑やかだなぁ。」

 

三人の姿はトリニティの中心街近くの路上にあった。

 

普段、アビドスではこの時間は多くの店が閉店し精々コンビニくらいしか営業していないが煌々と明かりが灯され人も多く出歩いている。

 

流石に昨日ネイトが訪れた空白地帯ほど活気に満ちてはいないがそれでもアビドスでは見れない光景である。

 

「それじゃ行こうか。」

 

「ハイッ…!なんだかこう…悪いことしてるみたいでちょっとドキドキしますね、カレンちゃん…!」

 

「……うん…!でも、皆と一緒だからワクワクもする…!」

 

ネイトは慣れたものだが夜遊びの経験などないシホとカレンも興奮を隠せず目を輝かせながら辺りを見回している。

 

「……それでどこに連れて行ってくれるの、ネイトさん?」

 

「あぁ、一昨日の休みに教えてもらったスイーツショップだ。」

 

「こんな時間にもスイーツが食べれるんですか…!?」

 

「24時間営業らしいぞ。で、そこはちょうど限定のパフェも食べれるとか…。」

 

そんな先日『放課後スイーツ部』から聞いた店に向い歩いていくと…

 

「「「「「え?」」」」」

 

「あれ?」

 

ある交差点でばったりとある一団に遭遇する。

 

現れたのは…

 

「え、ネイトさんに…。」

 

「…なんだかよく会うな、先生に皆。」

 

「お、大っきい…!ハスミ先輩くらいあるんじゃ…!?」

 

「わぁ、素晴らしいスタイルの方ですねぇ♪」

 

「……スタイル?」

 

「ほぉ…あの荷物、ひょっとして教官の衛生兵Medicか?」

 

「す、すごく沢山な荷物ですね…!」

 

「ど、どうも…。」

 

先生率いる補習授業部の面々だった。

 

「なんでこんなとこに?」

 

「いっいやその…。」

 

「昨晩、こっそり先生が抜け出していたのでおねだりしちゃいましたぁ♪」

 

「ちょ、ハナコ…!」

 

「なんだ、そっちも似たような物か。」

 

事情を尋ねるとどうやらこちらと同じようなことでここにいるらしい。

 

「でもいいのか?一応、補修の合宿中なんだろ?」

 

「わっ私は止めておこうっていったのよ!」

 

「でも、コハルも結構楽しみにしていたじゃないか。」

 

「そっそれは…!う~…!」

 

「まっまぁまぁ、二人とも。せっかくですし楽しみましょうよ。」

 

「そう言うネイトさんこそ女の子を二人も連れて夜の街に繰り出すなんて…とってもワイルドですねぇ♪」

 

「……うん、ネイトさんってとても野性的だよ。私と一緒にトカゲ…。」

 

「カッカレンちゃん?多分そう言うことを言ってるんじゃないと思いますよ?」

 

と、一気ににぎやかになった夜の街中の一角。

 

「…とりあえずお互い自己紹介しようか、皆。」

 

「そうだな。Ha,P達とは初対面だったしな。」

 

「分かりましたぁ♪トリニティ総合学園二年生『浦和ハナコ』です♪」

 

「同じく、トリニティ総合学園二年生の『白洲アズサ』だ。」

 

「初めまして、私も二年生の『阿慈谷ヒフミ』って言います。」

 

「せ、正義実現委員会の1年生『下江コハル』よっ!」

 

「……アビドス高等学校1年生の『蓮本カレン』だよ。」

 

「アビドス高等学校の1年生で衛生官をやってます、『鋸峰シホ』と申します。」

 

一先ず互いの生徒同士で自己紹介し合う一同。

 

「先生たちはこれからどこへ?」

 

「これから限定パフェを出しているスイーツショップへ行こうと話し合ってたんですよ。」

 

「なんだ、目的地まで一緒か。」

 

「……だったら、みんな一緒に行こう。」

 

「いいですね、それ!私もカレンちゃんやシホちゃんとお話ししたいですし!」

 

「うん、見たところカレンもスナイパーのようだし話を聞いてみたい。」

 

「私達は構いませんよ。お友達が増えるのはいつだって大歓迎です。」

 

「うぅ~…知らない人が二人も増えちゃった…!」

 

「安心して、コハル。カレンもシホもとってもいい生徒だからね。」

 

奇しくも目的地も一緒と言うことでこのまま共にそのスイーツショップへ赴くこととなった。

 

目的の店はそう離れておらず…

 

「いらっしゃいませ。」

 

「あはは、真夜中のスイーツ屋さんだなんて…緊張もありますがなんだかワクワクしますね。」

 

件のスイーツショップにすぐに到着するのだった。

 

「わぁ~…マスターの喫茶店とは全く違う感じです…。」

 

「む?教官行きつけという喫茶店の事か?」

 

「……うん、落ち着いた内装でアビドスの皆も気に入ってるの。」

 

「8名様でしょうか?ご注文をどうぞ。」

 

「あッえっと…あっ限定パフェってまだありますか?」

 

店員のオートマタにこの店の名物である限定パフェを注文するヒフミだったが…

 

「あぁ、申し訳ございません…。限定パフェはちょうど先程別のお客様が三つ購入されたのが最後でして…。」

 

「あ、そうでしたか…。」

 

「……残念、ちょっと遅かったね。」

 

「こんな時間まで狙われているなんて…侮れないな…!」

 

時間が遅い事もあってか品切れになってしまっていたようだ。

 

が、

 

「…待て、一人でパフェ三杯?この時間に?」

 

ネイトはどうも引っ掛かった。

 

確かに時間帯は深夜に差し掛かりそうな頃合いだ。

 

自分達も人のことを言えないが…こんな時間にパフェを、しかも三杯も頼んだ人物がいる。

 

余程の大食漢と見受けられるが…

 

「………え?」

 

意外にもその正体はあっさり判明した。

 

「せ、先生に…ネイトさん…?!」

 

「はっハスミ…!?」

 

「は、ハスミ先輩!!!」

 

声を上げた方向にいたのは正義実現委員会副委員長の羽川ハスミだ。

 

そして、そのテーブルには…

 

「1,2の3…わぁお…。」

 

「あら、それが限定パフェですか?なにやらたくさん…。」

 

既に2杯空となっているパフェが3つ並んでいた。

 

「せ…先生に補習授業部の皆さんにネイトさんにカレンさんにシホさん…?!」

 

まさかの集団の登場と余程今の状況を見られたくなかったか声が震えているハスミ。

 

「あ…あぁあぁぁぁ…!」

 

「そ、その…お久しぶりです、ハスミさん。」

 

なんだかこちらもみてはいけないものを見てしまった気持になり気まずい雰囲気で挨拶するが…

 

「奇遇ですね♡あらぁ真夜中にパフェを三個も…。確かダイエット中と伺いましたが?」

 

ハナコは何とも面白いものを見つけたといった雰囲気でニコニコと尋ねる。

 

「こ…これはですね、その…!」

 

ハスミもたじたじとなり答えにくそうな表情を浮かべる中…

 

「まぁHa,P、そういじめてやるな。」

 

「うん、真夜中ってお腹すくもんね。」

 

ここで大人二人が助け舟を出すことに。

 

パフェ三杯は過剰だが…まぁそこは置いておこう。

 

「せ、先生にネイトさん…!こほんっその…自分のことを棚上げするようですが補習授業部の皆さんはそもそも合宿中の外出が禁じられていたはずでは?」

 

と、治安を担う者ゆえかハスミも先生一行がここにいる理由を尋ねるが…

 

「…ここはひとつ、互いに見なかったことにってのはどうかな?」

 

「ギスギスした雰囲気で甘いモノ食べても不味くなるだけだしな。」

 

「…そうですね。甘いものを食べるときは心穏やかに頂きたいものですし…。」

 

これまた先生とネイトの二人の説得でここは放免すると言うこととなった。

 

その後、全員それぞれの席に着き各々注文も終え…

 

「……美味しそう…!」

 

狙撃手同士故かハスミの前に座ったカレンが大盛りのチョコパフェを頼み目を輝かせていた。

 

「か、カレンさん…?そのパフェをお一人で…?!」

 

パフェ三杯を食べてなにを今更、と言いたくなるがハスミが驚きながら尋ねると…

 

「……私、食べてもお肉つかないから…こういうの食べないと間に合わないの。」

 

「…え?」

 

「……ねぇハスミさん?ハスミさんみたいにおっきくなるには…どうしたらいいの?」

 

これまた彼女の体質故…それもハスミが悩みに悩んでいる体重関連の疑問を悪意ゼロで朴訥と尋ねられ…

 

「………ッ!!!…~ッ!!!」

 

百面相となりどう答えればいいか言葉に詰まるハスミなのであった。

 

「あ、あの子なんてことハスミ先輩に聞いちゃてるのよ…!?」

 

「すっすみません、コハルちゃん…。カレンちゃん、悪気がある訳じゃ…。」

 

そんな二人の様子を戦々恐々で眺めるコハルとシホや、

 

「でも、本当にお二人ともすごいスタイルですよね…!」

 

「ハスミさんに匹敵する身長であのスレンダーな体系は誰しも憧れるでしょうねぇ。」

 

「それにあれだけ大型の狙撃銃を難なく持ち運んでいる…。どれほどすごい狙撃手なのだろうか…?」

 

女子高生離れした身長かつ対極だが美しい女性美を兼ね備えた二人を賑やかに眺めるヒフミたち、

 

「あ…アハハ…二人ともどっちも素敵なんだから気にしなくていいのに…。」

 

「…先生よ。それ、羽川ハスミにとっちゃ何の慰めにもなってないぞ。」

 

大人の師弟コンビはそんな少女たちの様子を微笑ましくも少し心配しながら見つめる。

 

と、そんな真夜中のパフェを楽しみながら歓談していると…

 

ヴヴヴ…

 

「……ハスミさん、スマホ震えてるよ?」

 

「こんな時間に連絡…?」

 

突如としてハスミのスマホに着信が入る。

 

「ちょっと失礼します。はい、イチカ?どうかしましたか?」

 

どうやら相手はイチカのようだった。

 

とするなら正義実現委員会関連だろう。

 

聞き耳を立てるのも悪いので特に反応せずネイトも目の前のパフェに視線を戻すと…

 

「襲撃…!?ゲヘナ風紀員会ですか!?それとも万魔殿が本性を…!?」

 

と、思わず声を荒げるハスミに全員の視線が彼女に注がれる。

 

続く言葉に全員が息をのむと…

 

「え?風紀委員会や万魔殿ではなく…たった四名?」

 

「四名の…ゲヘナ生…?」

 

続く彼女の言葉にネイトの中にある候補が二つ上がる。

 

さらに…

 

「あ、アクアリウム…?どうしてそんなところを…?…はい?ゴールドマグロ…?」

 

「…あぁ、確定しちまった…。」

 

追加情報でネイトの中で候補が絞られ…

 

「…ハイ、犯人はテロリスト『美食研究会』で首謀者は部長の『黒舘ハルナ』ですね…。」

 

「ね…ネイトさん…?!」

 

「あいつ等…ここのところ大人しかったと思ったら…!」

 

正直聞きたくなかったネイトもよく知る連中の名前が飛び出て頭痛を覚えるのであった。




生きるために食べるべきであり、食べるために生きてはならない。
―――哲学者『ソクラテス』


執筆に当たり懐かしくなって調べたんですが…『ペニーワイズがオススメするシリーズ』ってもう8年前のミームなんですね。
………8年!!?
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