Fallout archive   作:Rockjaw

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挿絵機能が復旧したらその画像をつけ足しておきます


Desert Treasure Hunting

ホシノ

ネイトさ~ん

明日は現場行くのぉ?

 

Nate

いや、明日は週真ん中の休みだ。

皆も明日は街に繰り出すらしい。

 

ホシノ

それはよかったぁ

んじゃ、おじさんに少しお時間

ちょうだ~い

 

Nate

それは構わないが何をするんだ?

 

ホシノ

秘密~♪

あと関係ないけど鯨って水中で呼吸

我慢してるんだって、知ってた?

 

Nate

俺は水の中でも呼吸できるぞ?

 

ホシノ

………えぇッ?

 

―――――――――

 

―――――

 

――

 

翌日、ネイトの根城の技術室にて、

 

「で、いったい何があったんだ?」

 

「その前にぃ…モモトークのあれホントなのぉ?」

 

「…あぁ、俺が水の中で呼吸できるってやつか?」

 

ホシノとネイトは向かい合って座り昨日のモモトークの内容について話していた。

 

「Perkって言ってな。PipーBoyに付属している…技能って言っていいか?その中に『水中呼吸』出来るようになるのがあってそれのおかげだ。」

 

「えぇ~技能でどうにかなる問題なの…。」

 

「あれ、言ってなかったっけ?」

 

「は~つ~み~み~。」

 

キヴォトスに来て数か月、意外にもネイトの特殊能力の一つ『Perk』についてホシノたちに話すのはこれが初めてだった。

 

キヴォトス人のスペックをもってしても水中呼吸可能だなんてぶっ飛んだ能力である。

 

なお、これ以上にぶっ飛んだPerkがあるのを知った際には再び度肝を抜かれたという。

 

「まぁそれは追々話すとして…何かあったのか?」

 

と、本来の目的から脱線しかけてきたので軌道修正するネイト。

 

「えぇっとねぇ、昨日生徒会室整理してたらねぇこんな

【挿絵表示】

の見つけたのぉ。」

 

ホシノもその意図をくみ取ったのか、ポケットから一枚の紙を取り出す。

 

その紙にネイトは見覚えがあった。

 

「…これは『宝の地図』か?」

 

「およ?心当たりがあるのぉ?」

 

「いや、前世でな。アパラチア遠征に行ったときこんな紙を持ってる奴がたまにいたんだ。」

 

『宝の地図』、見かけは古ぼけたルーズリーフに書き殴られたどこかの風景画に×点が書かれたものだ。

 

一見して何かのいたずら書きかと思われてもおかしくない代物だ。

 

が、試しにその風景に合致する場所に行くと必ず×点の場所に何かが埋まっていたのだ。

 

大概はジャンクや弾薬などだがたまに設計図やパワーアーマーのパーツなども埋まっていた。

 

宝…かどうかは評価が分かれるが結構馬鹿にできたものではない代物だと記憶している。

 

「うへ~じゃあきっとこれも宝の地図かもねぇ。」

 

「いや…ここキヴォトスだし。昔誰かが適当に描いたものなんじゃないのか?」

 

だが、それは前世の話だ。

 

さらにこの紙の絵はいささかアパラチアの宝の地図に比べて雑である。

 

そんな風に所見を述べるが…

 

「でもぉねぇ、前に生徒会室整理したときこんなの無かったんだよぉ?」

 

「…何?」

 

ホシノの言葉を聞き怪訝そうな表情を浮かべるネイト。

 

彼女は普段こそ昼行灯な性格だが根っこは非常にしっかりした人物だ。

 

それこそかつて先輩であるはずのユメを引っ張っていたほどの。

 

しかも、生徒会室はホシノの『聖域』として未だ閉鎖されたまま。

 

そこの整理をやっている彼女がこの紙を見逃すか?

 

と、なると…

 

「…なぁ、ホシノ。今俺の頭にはある人物の顔が浮かんでいるんだが。」

 

「奇遇だねぇ~。おじさんもこの紙見た時からある人を思い出したよぉ。」

 

「一緒に言ってみるか?」

 

「そうしよぉ~。せ~の。」

 

『ユメ(先輩)。』

 

梔子ユメ、ネイトを別世界からキヴォトスに送り込んだのだ。

 

紙切れ一枚くらい送るのは造作もない…かもしれない。

 

「…仕方ない。探ってみるか。」

 

「そう来なくっちゃぁ♪」

 

たとえ落書きでも一興という気持ちで出発準備をするネイト。

 

「どうするぅ?せっかくだから歩きでも…。」

 

「この広いアビドスでか?日が暮れる。先にガレージ行って待っててくれ。」

 

「バギーでも使うのぉ?」

 

「もっといいのを最近入手した。俺も準備があるからすんだら行く。」

 

「りょ~かぁい。」

 

というわけで一足先にガレージへと向かうホシノ。

 

そこもかつては倉庫の奥に眠っていたバギー一台だけであったが今は非常に賑やかなものだ。

 

移動用のバスはもちろん外出用のSUVにマシンガンを荷台にのっけた『テクニカル』仕様のピックアップトラックや軽トラまである。

 

「いやぁ、学校もだけどここも賑やかになってきたねぇ。」

 

しみじみとつぶやいていると、

 

「お待たせ。」

 

「うんにゃそんなに待ってないよぉ~。」

 

発掘用のスコップやもろもろの道具を背負いネイトも到着。

 

なにより先ほどと違うのが…

 

「お、その服どうしたのぉ?」

 

「必要になるかと思って作ってたんだ。」

 

各所にプロテクターが仕込まれたレザータイプの全身スーツを着ているのだ。

 

見慣れない服に首をかしげるホシノだが、

 

「じゃあ行くとしようか。」

 

ネイトはガレージにある布で覆われた一角に向かいその布をはぎ取った。

 

そこにあったのは…

 

「お、バイクじゃ~ん!」

 

「二日前に何台かまとめて見つけてな。整備も昨日終えたから今日はこいつで行こう。」

 

オフロード仕様のバイクだ。

 

ご丁寧にフロントサイド部分にはライフルもすっぽり入るホルダーが装着されている。

 

「ホシノ、ヘルメットだ。それからゴーグルとシュマグも。」

 

「あいよぉ。」

 

ホシノにも一式渡しネイトもフルフェイスのヘルメットをかぶる。

 

そしてまずネイトが跨り、

 

「上手くかかってくれよ…!」

 

キーを回しキックスターターを蹴り込むとエンジンがうなりを上げてかかった。

 

「よし、ホシノ乗ってくれ。」

 

「わぁ~いドライブデートだぁ♪」

 

「…そういえば前にそんな約束してたなぁ。」

 

SUVを直した頃の話を思い出しながらもホシノを自分の後ろに座らせ、

 

「うへへへ~ネイトさんの背中おっきい~♪」

 

「しっかりつかまってろよ。」

 

アクセルを吹かし地図の場所を探しに出発した。

 

とはいっても宛もなく走り回るわけにもいかない。

 

「あたりはつけてるのか、ホシノ?」

 

「もっちろぉん。とりあえず線路を目指してみてぇ。」

 

「了解。」

 

ネイトよりアビドスでの活動が長いホシノの案内で廃墟街を駆けていく。

 

絵は一見して線路の奥に折れたクレーンと崩れたビルと思しき建造物、その間にひっくり返ったトラックと言う構成だ。

 

なので砂漠化の影響で砂に埋まった線路沿いを目指す。

 

「うへ~やっぱり砂が舞い上がるねぇ。」

 

「この辺もいずれ整備しないとなぁ。」

 

「ねぇ、ネイトさんはどんな風にここを復興するのぉ?」

 

「そうだなぁ。まずこの辺りはともかく砂漠化した大部分の住宅地化は難しいだろうな。」

 

「その心はぁ?」

 

「砂が積もりすぎている。基礎工事もままならないほどにな。」

 

その場所を探りながらホシノはネイトの中にある復興プランについて話を聞く。

 

ネイトの言うようにこの辺りはまだ街が原型をとどめているくらいの砂漠化にとどまっている。

 

だが、これよりさらに奥に踏み込むと砂の深さは高層ビルを飲み込む程となる。

 

砂を除去すれば…と言うには余りにも量が膨大過ぎる。

 

第一、除去した後の砂の処理も非常に困難だ。

 

「だから砂を除去するより砂をどうにかして使えるようにしていった方がいい、と思っている。」

 

「砂を使うってどうするのぉ?」

 

「それは一応構想はあるが…とりあえず廃墟を全部ばらして…。」

 

と、そこまで話したタイミングで…

 

「っと、ここが線路だな。」

 

目的地であったかつてのアビドスの廃線のある場所までやってきた。

 

「これも有効活用できればなぁ。」

 

「およ?線路はばらさないのぉ?」

 

「…俺ってそんな脳筋に見える?」

 

砂に埋もれかけた駅舎や路線を前にしてそんな風に呟くネイトを意外そうに見るホシノ。

 

「まぁ鉄道は人流・物流の大動脈だ。生き返らせれば今後復興したときに大きな助けになると思ってな。」

 

廃屋やら廃ビルなどを手あたり次第解体しているネイトだが意外なことに線路関連の設備に関してはノータッチだ。

 

かつての米中戦争でいやというほど兵站の重要性を思い知らされている身だ。

 

その兵站、もとい物流の要たる鉄道を資材と引き換えに0に戻すのはかなり抵抗があった。

 

「そういえばぁ連邦って列車はどうなってたのぉ?」

 

「200年メンテもなしに野ざらしだぞ?さすがに俺もアレは直し切れなかったな。地下鉄も崩落してたし。」

 

「そっかぁ~。もし鉄道のことで相談があるならぁキヴォトスだと『ハイランダー鉄道学園』に話を持っていけばいいよぉ。」

 

「そんな学校もあるのか…。タイミングが来たらコンタクトをとってみるとするよ。」

 

「んじゃあ線路にも着いたしここを突っ走ってレッツゴ~。」

 

「ラジャー。」

 

そんな新たな学校の話題も仕入れつつ線路沿いを走り探索を再開。

 

「で、あとどのくらいなんだ?」

 

「う~ん、ビル街は結構奥だからもうちょい進んだとこかなぁ。」

 

ここからはホシノがそれらしき景色がないか周囲を見渡しながらなので少し速度を落として進行。

 

脱線した列車や倒れた電線柱をよけつつしばらく進んでいくと…

 

「…ん~?ネイトさん、停まってぇ。」

 

「了解した。」

 

ある場所でホシノの指示で停止。

 

「ねぇねぇ、あれってこのクレーンじゃない?」

 

ホシノが指さした方向には…確かに折れ曲がって首を垂れたようなクレーンが見える。

 

よく見るとビルも傍らに立っている。

 

「…確かに。特徴は一致してるな。よし、もう少し近づいてみよう。」

 

そのままバイクを進め、絵と角度が一致する場所を探す。

 

そして、

 

「…絵だとこの辺りからの風景だが。」

 

「…あ!見て、逆さまになってるトラックもあった!」

 

「それに電線も垂れてる。…場所はこのあたりのようだな。」

 

絵に合致する場所を発見し、

 

「ということは…。」

 

「あそこだねぇ。」

 

×点が示す場所のあたりもつけた。

 

「よし、一回掘ってみるか。」

 

「おっけぇ~い!」

 

バイクをいったん停車し、Pip-Boyからスコップを取り出しホシノに投げ渡し、

 

『えっさほっさ…。』

 

二人でその場所をどんどん掘り返していく。

 

しばらく掘り進み砂の次に出てきた線路に敷かれた砕石も掘り返したところで、

 

「ン?なんか当たった!」

 

「どうやらビンゴのようだな。」

 

砕石とは違う重い手ごたえを発見したホシノ。

 

慎重に上に積もった砂や砕石を退かしていくと…

 

「おぉ、これまたいかにもってのが…。」

 

この場に似つかわしくないスチーマートランクが埋まっていた…が、

 

「…んん~?ちょっとぉ鍵かかってるじゃぁん。」

 

蓋には古ぼけてはいるが大きな南京錠がかかっている。

 

「ホシノ、鍵とかは落ちてなかったか?」

 

「なかったにぇ~。しょうがないし撃っちゃう?」

 

そう言い、『Eye of Horus』に一発装填するホシノ。

 

「そう生き急ぐな、若人よ。ここはひとつ老い耄れの手くだをお見せしよう。」

 

対してネイトが取り出したるはヘアピンとマイナスドライバー。

 

「え?ネイトさん、ピッキングできるのぉ?」

 

「鍵穴があればどんな錠でも開ける自信があるぞ。」

 

「いやぁん、乙女の部屋の鍵は開けちゃヤァよぉ?」

 

「安心しろ、そういうとこは向こうの了解取り付けて入るさ。」

 

そんなおちゃらけたやり取りを交わしつつ、ネイトはさっそくヘアピンとマイナスドライバーを鍵穴に突っ込みガチャガチャと弄り始める。

 

「まだかなまだかなぁ~♪ネイトさんのぉ~開錠まだかなぁ~♪」

 

「そう急かす…なっと。よし開いたぞ。」

 

「はやっ!?」

 

ほんの10秒ほどで南京錠は開錠され重々しい音を立てて地面に落ちた。

 

「そんじゃ…Open Sesameと。」

 

僅かに開けてトラップがないことも確認しスチーマートランクを開け放つネイト。

 

宝の地図まで用意されここまで出向き掘り起こしたスチーマートランクの中身とは…

 

「…なにこれ?」

 

まずホシノは困惑する。

 

中に詰まっていた物は…

 

「何かの…袋?」

 

ボタン留めのポケットが二つくっついた袋だった。

 

それがなぜかトランク一杯に詰まっている。

 

「…えぇ~ゴミじゃないんだけどなんでこんなのがいっぱい詰まってんのぉ~?」

 

と思っていたような中身じゃないことに露骨にがっかりするホシノだが…

 

「おいおい…とんでもない物を送ってくれたもんだ…!」

 

ネイトは歯をむき出しにして感嘆の表情を浮かべた。

 

「え、ネイトさんってこの袋がなんか知ってるの?」

 

「知ってるもなにも…連邦じゃめちゃくちゃレアなジャンクの一つだぞ。」

 

「…この袋が?」

 

「まぁ見てろって。」

 

そう言いつつネイトは袋を一つ取り出し地面に投げ捨て…

 

「この袋の実力を!」

 

脇に差していたデリバラーを抜き放ち数発袋に向け発砲。

 

「…えぇ?!」

 

まぁその行為自体はいい。

 

ホシノが驚いたのは『袋』の方だ。

 

一見して布製のその袋が…

 

「だ、弾丸が止まってる・・・!?」

 

いつか見た光景のように10㎜弾が受け止められていた。

 

「コイツは『軍の弾薬袋』、俺が現役時代に支給されていた装備品の一つだが…『耐衝撃ファイバー』で作られている。」

 

「耐衝撃ファイバーって…あの…?!」

 

「そう、『バリスティックウィーブ』に使われるあの素材だ。これめちゃくちゃ希少なんだぞ?」

 

「ひょ…ひょえぇ~…!」

 

ネイトから語られるこの袋、『軍の弾薬袋』の正体とその価値に思わず抜けたような声を出すホシノ。

 

『バリスティックウィーブ』の脅威はもはや語るまでもない。

 

問題はあまり素材が無く現状、ノノミの防弾装備以外はアビドス対策委員会メンバーの前衛担当であるシロコとホシノくらいしか改造ができていない。

 

「…これ持ってっちゃっていいの?」

 

「構うもんか。どこかの誰かさんが埋めてってくれたんだ。文句は言われないさ。」

 

そんなことを言いつつ中身をどんどんPip-Boyに収納していくネイト。

 

最終的に…

 

「ひのふのみ…わぁお1000以上あるぞ。」

 

「うへ~それならたっくさん改造できるねぇ~♪」

 

連邦では考えられないような量が入ってた。

 

が、これはこれで問題が…

 

「さ、さすがに重い…!」

 

「ありゃ?Pip-Boy容量越えちゃった?」

 

今現在ネイトの体にはずっしりとした重さが伝わってくる。

 

Pip-Boyには当然容量がある。

 

それを超えることはできるが…問題は装着者にかなり負担がかかるということだ。

 

身体の質量こそは増えないが体感ですさまじい負荷が今のネイトにかかっている。

 

「さっさと帰って『スクラップボックス』にぶち込もう…!」

 

「あれもあれで無限に資材突っ込めるなんてかなりぶっ飛んだ代物だよねぇ。」

 

目的は遂げたのでそそくさと帰ろうとする二人だが、

 

「と、その前に。」

 

ホシノはスチーマートランクに向き直り、

 

「…またヘンな物見つけてきたなんて思ってごめんなさい、ユメ先輩。そして、ありがとうございます。」

 

手を合わせ送り主であろうユメに謝罪と感謝の念を伝える。

 

「…二度目の人生だけじゃなくて支援物資も送ってくれて感謝する、ユメ。」

 

ネイトも頭を下げてユメに感謝を述べるのであった。

 

「ふっふっふっ…すごいでしょ、二人とも!」

 

なにか…何か聞こえた気がした。

 

「あ、あっはっはッ!もう冗談きついってぇ、ネイトさん!」

 

「…え?今のホシノがやったんじゃないのか?」

 

「…ぇ?」

 

固まる二人。

 

次の瞬間、

 

「早く早くッエンジンかけて、ネイトさん!」

 

「分かってる!焦ってるんだからせかすな!」

 

「ナンマイダーナンマイダー…!」

 

「よしかかった!ぶっ飛ばすぞ!」

 

一目散にバイクに飛びつきその場を逃げ去っていくネイトとホシノであった。

 

 

 

 

 

「ひぃん…二人ともそんなに怖がらなくてもいいじゃぁん…。」

 




Hoshino Takanashi
Possession Perks
Scattershot Rank3
Basher Rank2
Skeet Shooter Rank3
Enforcer Rank3
Moving Target Rank3(4仕様)

Combinations Perk
Solar Powered Rank1
Night Person Rank1

この後の話について

  • このまま本編開始してもいいですか?
  • 一話の中に短編何本か入れてもいいですか?
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