Fallout archive   作:Rockjaw

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今回、ある人物に少々アンチ的な要素がありますのでご注意を


Connected Feelings

ネイトとゲーム開発部の三人がわかれた時刻から少しさかのぼる。

 

「う~ん、今日もいいお昼寝日和だぁ~♪」

 

ホシノはいつものようにお気に入りの昼寝スポットでひと眠りしようとしていた。

 

ネイトが来てからというもの、夜中もぐっすり寝れるようになったホシノだがやはり趣味となった昼寝は欠かせない。

 

今日は幸い彼女に用事はなく昼寝してても誰にも文句は言われない。

 

「さてさて…ひと眠りしましょうかねぇ…。」

 

と、愛用のマットレスを敷きひと眠りとつこうとする。

 

その時、屋上のドアが開け放たれ…

 

「ホシノ先輩、ここにいるわよね!?」

 

泡食った様子のセリカがやってきた。

 

「セリカちゃ~ん…今おじさんお昼寝しようと…。」

 

そう力なく反抗するホシノ。

 

どうせ強引に連れていかれるのは分かっているのだが…。

 

しかし…

 

「そんな悠長なこと言ってる暇ないの!それより廃墟方面に行っていた番長から連絡が!」

 

「番長さんが何~?」

 

「ついさっき噂の『シャーレ』の先生とミレニアムの生徒を砂漠で拾ったって!ここに用があるからってトラックに載せてるそうだわ!」

 

「…なに?」

 

セリカの報告に一瞬にして鋭い目つきに変わる。

 

場面は変わり廃墟街近辺の路上。

 

ネイトがいないこの日もW.G.T.C.の業務は残った生徒たちによってつつがなく行われていた。

 

が、

 

「全くあんたら運がいいぜ。俺らが通りかからなきゃ干からびてたぞ。」

 

廃墟から出た家電運搬トラックの運転をしている番長が荷台にそう呼びかけると…

 

「アハハハ…。いやぁ~、面目ない…。」

 

「乗せてもらってごめんなさいね。」

 

そこには服が砂に汚れた『先生』とユウカがゆられている。

 

見ると皮膚や髪に潤いがない。

 

あと少し遅ければ脱水症状だったかもしれない。

 

「気にすんな。どうせ目的地は一緒なんだからな。」

 

と、そんな風にいつもの調子で返す番長だが…

 

(どぉおおおうすりゃいいんだぁ!?親分いねぇタイミングでなんでこいつらがアビドスにやってきやがった!?)

 

内心焦りまくっていた。

 

「街中で迷うほど広いと聞いてたけどまさかここまで迷っちゃうなんて…。」

 

(ありゃ確か『先生』だよな!?いったい何しにアビドスへ!?)

 

いかに元不良の彼らでもテレビのニュースでシャーレの先生がどういった存在かは知っている。

 

誓ってネイトのもとに来て以来やましいことはしていないがそれでも不安なものは不安だ。

 

しかも同行者がさらにその不安を掻き立てる。

 

「私がついていながら申し訳ありませんでした、先生…。」

 

(あの制服、間違いねぇ『ミレニアム』の奴だ!親分の技術を盗みに来やがったのか!?)

 

はっきり言ってネイトの技術は公表されれば確実にどこの勢力も狙いに来るような代物ばかり。

 

そこに来て科学の最先端を突っ走る『ミレニアムサイエンススクール』の生徒の来訪。

 

嫌な予感をするなと言うのが無理がある。

 

(早く~姉御たち~!どうすればいいか指示をくれえええ!)

 

先ほど隙をついてこのことはアビドスのグループトークに伝達している。

 

あとは指示を待つだけなのだが…

 

(も、もしもの時はこのリーゼントで…!)

 

焦りすぎてかなりやばい思考になってきている番長。

 

その時、荷台からは見えない位置に置いたスマホにモモトークの通知が鳴った。

 

(来た!で、どうすれば!?)

 

一筋の希望を見出し画面を見ると…

 

ホシノ

そのままどっちも連れてきて。

決してこちらから情報を渡さないように。

返信は不要だよ

 

という、いつもの雰囲気とはまるで違う文面のホシノからのトークが入っていた。

 

(分かったぜ、姉御!)

 

そうと決まれば、番長の腹も据わった。

 

その後、トラックに揺られること10分ほど…

 

「よし、アビドス高校に着いたぞ。」

 

「どうもありがとう。おかげで助かったよ。」

 

「う~ん…ようやくついたわぁ…!」

 

とうとう先生とユウカがアビドス高校に到着した。

 

「んじゃ、俺はまた現場に戻るんで。」

 

「分かったよ。じゃあ、お仕事頑張ってね。」

 

目的も果たせたので番長は再びトラックを運転し廃墟街へと戻っていった。

 

番長を見送り校庭に二人残された先生とユウカ。

 

「さて…ユウカ。君から見てこの学校はどう見える?」

 

一先ず外観からわかる所見をユウカに尋ねる先生だが、

 

「どうもこうも…一体全体アビドスで何があったか調べないといけませんね…!」

 

この時点でユウカには驚愕の連続だった。

 

校庭の隅に並ぶ多数の重機。

 

ガレージには多数の車両。

 

そして校舎のいたるところに設置された防衛用タレットの数々。

 

この様子だと校舎そのものにも非常に手が入っていることが伝わってくる。

 

「こんなの…廃校寸前だった学校が持ってていい設備じゃないですよ…!」

 

「そっか。でも、その前に私が話すからユウカは少し待っててね?」

 

非常に興奮気味…と言うか頭に血が昇っているユウカに釘をさす先生。

 

今回のアビドス来訪の一番の理由はそれではないのだ。

 

「分かってますよ、先生。」

 

「よし、じゃあ行こうか。」

 

ユウカも分かってくれているようなので意を決しアビドス高校内に足を踏み入れる先生一行。

 

「ごめんくださ~い。」

 

玄関から入り声をかけると…

 

「イラッシャイマセ。本日ハドノ様ナゴ用件デ?」

 

校内清掃仕様のプロテクトロンが二人を出迎えた。

 

「おぉ、ロボットが出迎えてくれるんだ。」

 

先生はその愛嬌のある姿に好感を覚える一方、

 

「な、何よこのロボット…!?」

 

ユウカはと言うと絶句に近い表情を浮かべていた。

 

「あれ?ミレニアムってロボットいっぱいいるんじゃないの?」

 

科学の総本山ともいえるミレニアム出身の彼女の反応に首をかしげる先生。

 

「イラッシャイマセ。本日ハドノ様ナゴ用件デ?」

 

「そ、そりゃいますよ…?でも…あんな仕組みのロボットは見たことありません…!」

 

「それってどういう…?」

 

「だってあのロボット…真空管つかってるんですよ…!?」

 

ユウカに示され見てみると確かに透けている頭部に電球のような部品『真空管』が見えている。

 

「イラッシャイマセ。本日ハドノ様ナゴ用件デ?」

 

「…それが?」

 

が、正直機械にあまり明るくない先生はそれがどういう意味か理解できない。

 

それでも…

 

「真空管つかってるのにあのサイズであんなAIが実現できているのがおかしいんです…!」

 

「イラッシャイマセ。本日ハドノ様ナゴ用件デ?」

 

「え?」

 

ユウカの噛み砕いた説明でようやく理解できた。

 

ネイトが製造するロボットの大半のCPUは『真空管式コンピュータ』である。

 

キヴォトスで普及している方式は『トランジスタ式コンピュータ』。

 

仕組みそのものは大した差はないが問題はそのサイズだ。

 

現代のコンピュータの性能を真空管で再現しようとするとおそらく体育館では収まらないサイズのコンピュータとなってしまうだろう。

 

そのほか放熱や電力消費など問題は山積みのはず。

 

だというのに目の前のロボットはせいぜい人の胴体位の容積に収まりこちらとコミュニケーションをとれるほどのAIが搭載されている。

 

科学に慣れ親しんだユウカからすれば…異常以外の何物でもなかった。

 

と、意図していないとはいえプロテクトロンの質問を無視してしまった先生とユウカ。

 

「侵入者ヨ、名ヲ名乗リナサイ。」

 

プロテクトロンの防衛プロトコルが発動、両腕の『プロテクトロンレーザー』に光が点る。

 

「え?ま、待って私たちは侵入者じゃないよ!」

 

「怪しい者じゃないわ!だから落ち着いて!」

 

どう考えてもまずい状況になったことが分かった二人。

 

なんとか弁明しようとするも…プロテクトロンが聞いてることはそれではない。

 

「敵ヘノ攻撃ヲ開始シマス。」

 

《先生、危ないです!》

 

「ゆ、ユウカ隠れて!」

 

「は、はい!」

 

タブレット端末の中の少女『アロナ』の警告を受け先生とユウカは素早く物陰に飛び込む。

 

次の瞬間、躊躇なく放たれる『プロテクトロンレーザー』。

 

幸い物陰に退避できたが放たれたレーザーは太いコンクリートの柱に風穴を穿ちその周囲を赤熱させる。

 

威力は言外に察せられた。

 

「レ、レーザー!?」

 

「なんてもの装備してんのよ!?」

 

《気を付けて!バリアでも何発も耐え切れません!》

 

「そ、そんな!?」

 

いくら銃社会のキヴォトスであってもレーザーを用いた攻撃は早々お目にかかれない。

 

ネイトが来て以降のアビドスの住民ならともかくよそから来た二人には未知の武器だ。

 

「そっちがそのつもりならやってやろうじゃないの!」

 

ともかく攻撃を受けて黙っているわけにはいかない。

 

ユウカは自らの得物の2丁SMGであるMPX-K『ロジック&リーズン』を取り出す。

 

「ま、待ってユウカ!私たちは戦いに来たんじゃ!」

 

「でもこのままじゃ!」

 

それに待ったをかける先生だがあいにくプロテクトロンは待ってくれない。

 

駆動音が徐々に近づいてきていることが嫌でも分かる。

 

「だったら足を狙って無力化を!」

 

と、先生を守るために攻撃を仕掛けようと飛び出そうとした、その時だ。

 

「うちの大切なロボットに何するつもりよ?」

 

「え…?」

 

音もなくユウカの背後をとりその頭部に照準を定めるセリカ、

 

「ん…ちょっとでも動くと喉を切るよ。」

 

「ひっ!?」

 

《い、いつの間に!?》

 

これまた音もなく先生の背後をとりコンバットナイフを喉元に突き付けるシロコ。

 

「『ウィスク』、ここはもういいわよ。業務に戻ってちょうだい。」

 

「承知シマシタ。防衛プロトコルヲ解除シマス。」

 

セリカがそう呼びかけるとプロテクトロン『ウィスク』は武装の電源を落とし掃除に戻っていった。

 

「…さて、いったいアビドス高校にどんな御用かしら、ミレニアムとおまけの侵入者さん?」

 

「し、侵入者ってそんな…!?」

 

侵入者呼ばわりされて反論するユウカだが、

 

「『ウィスク』が防衛プロトコルを発動してたのに言い逃れできるとでも?」

 

「ん…他校にアポもなしにやって来ていきなり銃を抜くような人は信用できない。」

 

「うっ…!」

 

現にロボットが『侵入者』という判断を下してしまっている以上強くでれず、他校で銃を抜いてしまっている以上このような対応をされても文句は言えない。

 

通常、他校生が他学区での戦闘行為は正当防衛以外は違法とされている。

 

一触即発な状況にユウカは動けなくなる。

 

すると…

 

「ま、待ってくれないか?私はシャーレの先生で彼女は私の付き添いなんだ…!」

 

喉元にナイフを突きつけられた状態であっても務めて冷静に先生は自分の身分を明かしユウカについても弁明する。

 

「…証拠は?」

 

「ひ、左胸ポケットに認識票が…!」

 

「シロコ先輩、それとってこっちに見せて。」

 

「分かった。」

 

視線を逸らすのを最低限にするためシロコが先生のポケットから引き抜きセリカに見せる。

 

確かに認識票には『連邦捜査部S.C.H.A.L.E』の名称とエンブレムが描かれてあった。

 

「…偽者じゃなさそうね。で、アンタは?」

 

「わ、私はミレニアムサイエンススクールの二年、セミナー会計担当の『早瀬ユウカ』…!先生の当番で一緒についてきたの…!」

 

「そ、その子が言っていることは本当だよ。何なら連邦生徒会に確認をとってもいい。」

 

「ふ~ん…。」

 

(既知ではあったが)一応身分は明かした二人に対しセリカは…

 

「…いいわ、アンタを信用しましょう。シロコ先輩、その人解放して。」

 

「ん…分かった。」

 

「た、助かったよ…。」

 

「貴女のそのサブマシンガンは預からせてもらうわよ。」

 

「ちょッちょっと!?」

 

先生は解放しユウカの二挺のサブマシンガンを没収する。

 

「で、いったいどんな御用かしら?」

 

「…この学校のことで少し話がしたくてやってきたんだ。アポイントを取らずに来てしまったことは…すまない。」

 

「…分かったわ。じゃあ対策委員会室に連れて行くからついてきて。」

 

その後、先生とユウカをシロコと前後で挟むように二人を対策委員会室へ移送。

 

「今戻ったわ。シャーレの先生とミレニアム生のユウカよ。」

 

「ちょ!?セリカちゃん、何があったんですか?!」

 

「あらあらぁ、なんだかとっても物騒なことになってますねぇ~。」

 

室内にはアヤネとノノミが待機していたがこの状況に目を丸くする。

 

「この二人ったら『ウィスク』の質問無視して防衛プロトコル発動させてたのよ、アヤネちゃん。」

 

「ん…しかもそこのミレニアム生はウィスクに攻撃しようとしていた。」

 

「だ、だからそれは悪かったって…!」

 

「アハハハ…本当にお騒がせして申し訳ない…。」

 

「まぁまぁ、二人とも。一応お客様のようですしそのあたりで…。」

 

「どうぞおかけになってください~。今お茶をお持ちしますねぇ。」

 

一先ず、騒動はあったが客人である二人を席に着かせるアヤネとセリカ。

 

シロコたちは長机の対面に陣取り、

 

「そういえば、ホシノ先輩は?」

 

「多分いつものところでお昼寝してると思うから私が連れてくるね。」

 

セリカがホシノを連れてくるためにいったん部屋を後にした。

 

「ん…そういえば自己紹介がまだだった。私はアビドス高校二年の砂狼シロコ。アビドス廃校対策委員会所属、W.G.T.C.の突撃部隊リーダーを務めている。」

 

「私は二年の十六夜ノノミと申します~。私も廃校対策委員会所属でW.G.T.C.ではマシンガンナーのリーダーをやらせてもらっています~。」

 

「改めまして、一年の奥空アヤネです。対策委員会では書記を務め、W.G.T.C.ではヘッドオペレーターを拝命しています。」

 

「そして、さっきの子が一年の黒見セリカ。委員会では会計担当でW.G.T.C.じゃ狙撃部隊の総長を任されている。」

 

「うん。よろしくね、皆。」

 

「だ、W.G.T.C.って何…?」

 

と、残った面々が先生とユウカに自己紹介をしていると…

 

{ンもぉ~セリカちゃ~ん…!おじさんにはもぉっと優しくしてくれないとぉ~…。}

 

{なに言ってんのよ!委員長なんだからほら!ちゃんとして!」

 

ホシノを呼びに行ったセリカが戻ってきて…

 

「にゃ~にゃ~、小鳥遊ホシノだよぉ~。三年生でぇ対策委員会委員長でぇW.G.T.C.ポイントマンリーダーと部隊副総代を担当してるよぉ、よろしくぅ~。」

 

セリカに首根っこをつかまれた格好で二人に自己紹介をしたホシノ。

 

「私はシャーレの先生だよ、よろしく。」

 

「ミレニアムサイエンススクール二年、『セミナー』会計担当の早瀬ユウカです、よろしくお願いします。」

 

顔ぶれがそろったので改めて先生とユウカが自己紹介すると…

 

「…。」

 

「「ッ!?」」

 

一瞬、ホシノの目線が鋭くなりまるで二人を品定めするように見まわし、

 

「うん、二人ともよろしくねぇ~。セリカちゃあん、ついでにおじさんの席まで運んでぇ~。」

 

「自分で歩きなさいよ、全く…!」

 

すぐに柔和な雰囲気に戻りセリカに中央の席に座らせてもらった。

 

と、重要人物たちが一堂に会したので、

 

「それでぇ、今噂のシャーレの先生がこんな辺鄙な学校に一体何のようなのかなぁ?」

 

ホシノが代表して今回の訪問の理由を尋ねる。

 

すると…

 

「それを伝える前に言わなきゃいけないことがあるんだ。」

 

そう前置きし先生は椅子から立ち上がり…

 

「…君達の窮状を知らせていたのにもかかわらずずっと放置していて申し訳なかった。連邦生徒会を代表して謝罪させていただきます。」

 

ホシノ達に謝罪の言葉を述べ深々と頭を下げた。

 

「…それってどういうことぉ?」

 

その謝罪の意味をホシノが問うと…

 

「実は先日書類を整理していた時に7か月前に連邦生徒会向けに提出されていた物資支援の要請書を見つけてね…。」

 

「…あっ!私が最後に送ったのがちょうどその頃です。」

 

送った張本人のアヤネすら忘れていた書類が彼らがここに来た理由の一つであるようだと分かった。

 

「それで…お詫びと言うわけじゃないけどこれを。要請書にあった物資の譲渡書だよ。物資が届くのは後日になるけど…。」

 

さらに先生はタブレット端末をホシノたちに見せる。

 

そこにはかつて申請していた弾薬や医薬品に備品の譲渡書が写されている。

 

対するホシノはその申し出に対し、

 

「…うん、ありがとうねぇ。今はもうかなり余裕があるけどぉもらえるっていうなら受け取っておくよぉ。」

 

非常に『含み』を持たせた言葉で感謝を述べ、

 

「そうね。くれるって言ってるんだから断るのはもったいないものね。」

 

セリカもホシノの意見に続く。

 

「ちょ、ちょっとそんな言い方…!」

 

そんな二人の態度に思わずユウカが食って掛かるが…

 

「いや。良いんだ、ユウカ。彼女たちにいまさら調子がいいと思われても仕方がないんだから。」

 

「で、でも…!」

 

「良いんだ。それだけのことを私たちはやってしまったんだからね。」

 

「…はい。」

 

ホシノ達の態度を甘んじて受け入れるという先生の言葉におとなしく引き下がる。

 

(…ふぅ~ん、一応謝罪の意思は本当なんだ。)

 

そんな先生の言動をホシノは内心そう判定する。

 

だが、どうもこれだけがアビドスにやってきた理由ではないようである。

 

「ではぁ、本題ですけどぉ本日はどういったご用件でいらっしゃったんですかぁ~?」

 

今度はノノミが柔らかい雰囲気で改めて来訪の目的を尋ねる。

 

「うん、要請書を見つけた時に少しこの学校の近況を調べさせてもらって少し気になることがあったんだ。」

 

「ん…気になることって?私たちは普通に学校生活を送ってるだけ。」

 

「うん、それは分かっている。けれど、実は…。」

 

そんな風に前置きをして先生が説明を始めようとしたその時、

 

「この学校の生徒数の増加と経済状況の好調さが異常だったからそれを確かめに来たのよ。」

 

「ちょ、ユウカ…!」

 

なんとも単刀直入な物言いでユウカが来訪理由をホシノたちに明かす。

 

…どうやら先ほどの騒動で先生との約束がすっかり頭から抜けてしまっているようだ。

 

「い、異常って…それはどういう意味ですか?」

 

「私たちはなにもやましいことなんてしてないわよ。」

 

「…それを異常っていうのは少しいただけないかなぁ?」

 

「ユウカ…!」

 

驚いたようなアヤネや睨むようなセリカに呆れたようなホシノの反応を受け、先生がユウカに声をかけると…

 

「ッ!ご、ごめんなさい、先生…!」

 

ハッとしたように先生に謝罪するユウカだが…

 

「謝るのは私にじゃないよ…。…そう、少しこの学校がどうやって立て直せたか調べたいな、と思ってやってきたんだ。」

 

彼女にそう注意し、今度は少しマイルドな表現でホシノたちに理由を伝える。

 

「なるほどぉ。でもぉ、それを調べてなんになるんですかぁ?」

 

「ん…連邦生徒会にも納める物は納めている。教えなければならない理由を知りたい。」

 

ノノミとシロコがいうようにアビドス高校はやましいことはやっていないしむしろ法令は遵守してちゃんと納税も行っている。

 

わざわざそれを探られるのはいい気分はしない。

 

剛柔合わせた問いかけをノノミとシロコが返すと、

 

「そうだね。それはもっともな意見だよ。だから、無理にとは言わない。可能なら少しの範囲でも開示してくれたら助かるけどね。」

 

決して自らの強権を盾にすることなくあくまでホシノ側の判断を尊重するという先生。

 

そんな先生の対応を見て…

 

「…ごめんねぇ、『今』は教えることができないかなぁ。」

 

ホシノはそう断りを入れた。

 

「そ、そんな…!」

 

なんとも遺憾な表情を浮かべるユウカに対し、

 

「…分かったよ。そういうならこれ以上聞いたりはしないよ。」

 

先生は非常にすっぱりと諦めたようだ。

 

が、

 

「待って、教えないとは言ったけど…調べるのは止めはしないよ。」

 

『え?』

 

ホシノはそういうや否や壁にある内線電話をとり、

 

「もすもす~、キャシーちゃんにクランシーちゃぁん?今お暇ぁ?」

 

校内にいる誰かに連絡を取り始めた。

 

「大丈夫ぅ?じゃあね、出納に関する書類や帳面を全部用意してくれない?…そう、残ってる分全部ねぇ。…はい、じゃあよろしくぅ。」

 

と、用件を伝え内線電話を切り数分後…

 

「ミスホシノ、お申しつけの物をお持ちしました。」

 

「こちら、7年分全ての帳簿と書類になります。」

 

「おぉ~。ありがとねぇ、キャシーちゃんにクランシーちゃん♪」

 

会計担当である二機のMs,ナニー『キャシー』と『クランシー』がアームに書類を抱えてやってきた。

 

「ま、また知らないロボットが…!?」

 

そんな彼女たちの登場に頭を抱えるユウカをしり目に長机にドサドサおかれる書類と帳面の山。

 

「じゃあ、気のすむまで調べていいよぉ。」

 

「え”ッこれ…全部…?!」

 

予想外の展開に唖然とする先生。

 

「えぇ~?だってうちの秘密知りたいんでしょ~?」

 

「い、イヤ~…これはちょっと…。」

 

まるで人を食ったような言い方をするホシノにさすがの先生も断ろうとするが…

 

「やってやるわ…!」

 

「んぅ~?なぁにぃ?」

 

「やってやりますよ!セミナーの会計をなめないでください!」

 

完全にスイッチの入ったユウカ、どこからか愛用の電卓を取り出し帳面とにらめっこを始める。

 

「ハイ、先生はこっちの帳面の確認をお願いします!」

 

「あ、アハハ…まいっちゃったなぁ…。」

 

勢いそのままに先生にも帳面をいくつか渡し調べさせるのであった。

 

「…んじゃあごゆっくりぃ。」

 

そう言い残し一旦退室するホシノと対策委員会メンバー。

 

少し委員会室から離れて…

 

「良いの、ホシノ先輩?あんなのあんな奴に見せて?」

 

ユウカと同じ会計担当のセリカがそんなことを尋ねる。

 

正直、先生はともかくユウカの印象は相当悪い。

 

すると、

 

「セリカちゃぁん、算数や数学のテスト受けたことあるぅ?」

 

ホシノがそんなことを逆に質問してきた。

 

「え?そ、そりゃ中学までは普通に授業あったし…。」

 

「じゃあ、答えが分かったからって式も書かないで答えだけ書くとどうなるかなぁ?」

 

「そりゃかなり減点…あぁ、そういうこと!」

 

このたとえを聞き、ホシノがあの二人に帳面を開示した理由が分かった。

 

「ん…稼いだ『金額』は分かっても稼ぐ『過程』が分からないと意味がないってことだね。」

 

「それにぃ、契約関係や法律関係は本当に順守されてるのでぇそれ以上詮索することもできませんねぇ。」

 

「それにちょうどネイトさんが出張でいないタイミングで助かりました。」

 

「うへへへ、ネイトさんに交渉術のイロハ習っててよかったよぉ~。」

 

そう。ホシノは以前からネイトと交渉術の訓練を行っていた。

 

そんな中でネイトに言われたことがいくつかある。

 

『相手を焦らせろ、相手の視野が狭まる』

『全取りはするな、捨て札を渡せ』

『誘い込め、カウンターを食らわせろ』

 

「予想外とはいえウィスクが焦らせてくれたしぃ、『帳面』っていう捨て札見せたからそれに飛びついたしぃ、セミナー会計ちゃんが飛び込んでくれたからカウンターも食らわせられたねぇ。」

 

「…容赦ないわね。えげつない交渉術伝授しちゃってるわ、ネイトさん…。」

 

ミレニアムサイエンススクールセミナーと言えばキヴォトスでも相当上位の組織だ。

 

そんな組織の会計であるユウカを完全に手玉に取って見せたホシノの話術。

 

あのカイザーすら手玉に取るネイトが師匠なのだ、当然と言えば当然か。

 

「さてさてぇ、あんまり放置するのも怪しまれるしぃ一回戻りますかぁ。」

 

と、短い作戦会議も終え一旦ノノミとわかれ委員会室へ戻る一行。

 

「どぉ~進んでるぅ~?」

 

「い、いやぁなんとも…。」

 

「なによ、この学校…!?こんだけ借金あって利子しか返せてないじゃない…!」

 

部屋に戻ると少しは進展した先生に比べ既に5冊は片付けているユウカ。

 

さすがセミナーの会計、経験が違うようだ。

 

その時、ユウカのスマホに着信が入った。

 

「なによ、こんな忙しいときに…!」

 

若干苛つきながらスマホの着信画面を確認すると…

 

「モモイ?こんな時に何よ…?!」

 

電話の相手がモモイと知り出てみるも…

 

「ハイ、もしもし?ごめんモモイ、今忙しいからあとでかけ直すわ。」

 

なんとも短く折り返すことを伝えすぐさま電話を切った。

 

「さて、続きを…。」

 

と、再び帳面を改めようとすると…再びモモイから着信が。

 

「…もしもし。部費の話なら聞かないわよ、モモイ。じゃ。」

 

と、またしても碌に相手の話も聞かずに電話を切るユウカ。

 

『…。』

 

その様子を冷めた目で見るホシノ達。

 

そして…三度のモモイからの着信。

 

「…あぁっもう!!!何よ、あの子は!?」

 

仏の顔も何度やら、激昂してスマホに手を伸ばすユウカ。

 

その時、

 

「…!」

 

「え…?!」

 

今まで部屋の隅にいたはずのホシノが音もなくユウカのそばにより先にスマホの上に手を置いていた。

 

「…。」

 

「ひっ…!?」

 

その視線は昼行灯のそれではなくまるで猛禽類のような鋭いものだった。

 

が、

 

「…そんなに忙しいならおじさんが用件だけ聞いとこうかぁ?」

 

すぐに柔らかいそれに戻りそう申し出た。

 

「は、はい…!」

 

先ほどの迫力に気圧されユウカもあっさりスマホをホシノに渡す。

 

「んじゃ、お借りしまぁす。」

 

そう言い、ホシノはまた部屋を後にする。

 

他の四人もホシノの後に続き退室。

 

「…はい、もしもし?」

 

《あ、あれ!?ユウカは!?》

 

室内に電話の内容が聞こえない距離をとって出てみると電話の相手、モモイは声が変わったことに混乱しているようだ。

 

「ごめんねぇ、いま会計ちゃん出れないみたいなの。おじさんが聞いたげるからどんな要件か言ってみてぇ。」

 

《そ、そのあなたは?》

 

「おじさんはアビドスの小鳥遊ホシノだよぉ。君はぁ?」

 

《わ、私はミレニアムの才羽モモイ!》

 

「モモイちゃんかぁ。それでぇ、何かお急ぎなのぉ?」

 

簡単に電話越しで自己紹介を終え電話の用件を尋ねるホシノ。

 

すると…

 

《た、大変なの!ヘイローの無い男の人が廃墟地区に行っちゃったの!》

 

「…ん?」

 

なんとも聞き覚えのある人物の特徴を伝えるではないか。

 

「えぇっと、モモイちゃん。その人って『ネイト』って名乗ってなかった?」

 

一つ試しに彼の名前を上げてみると…

 

《えッ!?なんで名前知ってるの!?》

 

「当たりかぁ…。」

 

予想ど真ん中の人物ではないか。

 

「ネイトさんはねぇ、うちの用務員でW.G.T.C.っていう会社の社長さんなの。」

 

《えぇッ!?社長さん!?ネイトさん社長さんなの!?》

 

まさかのネイトの正体にさらに驚くモモイ。

 

「あぁ…確かに自分でいうような人じゃないね、ネイトさんは。それでネイトさんが廃墟地区に?」

 

《そ、そう!それで、あそこはとっても危険で…!》

 

そして、モモイから語られるミレニアム郊外の『廃墟地区』に潜む危険性。

 

それを聞き終え…

 

「…あぁ~、たぶんそれも見込んでネイトさんはそこに行ってるなぁ。」

 

ネイトなら大丈夫そうという思いと既に予期しているはずという確信が混じった答えを返す。

 

シロコたちも受話スピーカーから漏れるモモイの話を聞きうんうんと頷く。

 

「それで、モモイちゃんはネイトさんを心配してくれてるわけだね?」

 

《う、うん!》

 

「でも、どうして?今日が初対面でそんなに長い時間話したわけでもないはずなのに?」

 

それにしてもネイトの実力を知らないとはいえモモイの焦りようは相当なものだ。

 

ホシノがその理由についてモモイに尋ねると…

 

《だ、だって!私たちの部活を笑わないで褒めてくれたし!見たこともないゲーム機で遊ばせてくれたし!それに…!》

 

「それに?」

 

《…わ、私たちのことしっかり叱ってくれたの!友達を大切にするように教えてくれたの!だから!一緒にゲームで楽しんでいたネイトさんも大切にしたいの!友達だから助けに行きたいの!》

 

『友達』だから、極々シンプルな理由を一気呵成に言い放つモモイ。

 

「…そっか。そっか、友達かぁ。」

 

その答えにホシノは満足げにうなづき、

 

「…よし、分かった!じゃあ、おじさんたちもモモイちゃんたちに協力しよう!」

 

《え、い、いいの!?》

 

「任せてよ、モモイちゃん!ネイトさんの友達ならおじさんたちとも友達だからね!」

 

ネイト追跡を快諾。

 

「じゃあ、お願いだけどモモイちゃん達のいるところに1番近いヘリポートを調べてくれないかな?」

 

《わ、分かった!すぐに調べてくる!》

 

「分かったらおじさんのモモトークに送ってぇ。IDは…。」

 

《…うん、じゃあすぐに調べるから待ってて!!》

 

すぐさま自分にかされた使命を全うするためモモイは一旦電話を切る。

 

「…はぁ~全くネイトさんたらぁ~。」

 

切ったとたんため息をつくホシノだがその表情はとても充実している。

 

「しょうがないですねぇ~♪初対面の女の子にここまで言われるなんてぇ♪」

 

「ん…ネイトさんはとても人たらし。でも、あそこまで思われる理由は分かる。」

 

「そうね…。私たちもあの人たらしに中てられちゃってる代表みたいなものだもの。」

 

「だからこそ、ネイトさんをモモイさん達と一緒に救出に行かなければいけませんね。」

 

シロコたちも『やれやれ』といった感じでそんなことを言う。

 

「さてと…あ、もしもしスケバンちゃん?…『ベルチバード』って今飛ばせる?」

 

すぐさま、校内にいるスケバンに連絡を取り尋ねると…

 

「うん、うん…OK。じゃあ離陸準備よろしくぅ。」

 

どうやら目的のものはすぐに飛べるようだ。

 

その時だ。

 

「あの~?」

 

『ッ!?』

 

「ごめんね、少し内容は聞かせてもらったよ。」

 

いつの間にか自分たちのすぐ近くまでやってきていた先生。

 

「…止めても無駄だよ?邪魔しようっていうなら…。」

 

ホシノは鋭い雰囲気を前面に出し先生をけん制する。

 

すると…

 

「邪魔なんてしないよ。むしろ…私も連れて行ってくれないかな?」

 

なんとホシノたちと同行することを希望してきたのだ。

 

「…私たちが何しようとしてるか分かってるの?」

 

「うん。資料で見たからわかるよ。連邦生徒会が立ち入り制限しているところに向かったネイトさんっていう人を助けに行くんでしょ?」

 

「…それで貴方…先生がついてきて何のメリットがあるの?」

 

「私はシャーレの先生だよ?キヴォトスでは入れない場所はない。私がついて行けばホシノたちが連邦生徒会から咎められることもないってわけ。」

 

ホシノの質問に見事なプレゼンで返す先生。

 

「…私は…先生を…初対面の大人を信用していない。」

 

「今は信用なんてしなくていいよ。ただ、私を利用すればいい。君たちの大切な人を助けるために。」

 

ホシノの正直な胸の内を聞いてもむしろ自分を使う利を解く先生。

 

「…はぁ~なんでここに来る大人って最近こんな人ばっかりなんだろう。」

 

そんな彼の姿に…彼が来た時の姿が重なった。

 

「え、それってどういう…。」

 

「何でもないよ、先生。…分かったよ、じゃあ一緒についてきて。」

 

「もちろん!」

 

ここまで言われて断るほどホシノは無粋ではない。

 

だが、もう一つ問題が…

 

「ん…でもあの子を放っておくわけにもいかない。」

 

「あぁ、ユウカね…。」

 

そう、先生の同行者であるユウカだ。

 

あの様子だ。

 

全員が留守にすると学校中を家探ししかねない。

 

すると、

 

「…はぁ、しょうがないわね。私は今回お留守番させてもらうわ。」

 

「良いんですか、セリカちゃん?」

 

「私も会計よ。もしもの時彼女の行動を予測しやすいわ。」

 

セリカが自らユウカの監視を兼ねた居残りに立候補。

 

「んじゃ~頼まれてくれる?」

 

「ただし、しっかりネイトさん連れ戻してきてよ!」

 

「ん…もちろん。」

 

「ハイ♪お任せください♪」

 

「留守を頼みましたよ、セリカちゃん!」

 

「うへ~りょうか~い♪」

 

そんな彼女らしいエールを受け四人と先生はすぐさま行動開始。

 

先ほどモモイから得られた情報を頼りに装備に弾薬を素早く選別・準備。

 

そして…

 

「姉御、エンジン暖めておきましたぜ!」

 

校舎裏の敷地にそれはエンジンの轟音を轟かせ鎮座していた。

 

ティルトウィングVTOL『VB-1 ベルチバード』

 

連邦にてB.O.S.が運用していた航空機だ。

 

3500馬力のエンジンを二基搭載。

 

その強力なエンジンを活かしパワーアーマーを一個班、歩兵なら20人ほどなら楽に運べる輸送量と巡航速度時速400㎞と言う快足を実現している。

 

武装は機首30㎜チェーンガン二門にドアガンであるミニガン。

 

スタブウィングも装着、武装パイロンには両翼合わせてロケット弾もしくはミサイルポッド4基と対戦車ミサイル8発を搭載。

 

胴体下部には今は未搭載だが数発の投下爆弾も搭載可能と言う超重武装だ。

 

本来は核融合エンジンだが資材の都合上、ネイトがジェット燃料でも動くようエンジンに改造が施されている。

 

これにより航続距離に制限が出てしまうがそれでも十分な距離を飛行可能だ。

 

「す、すごい!こんなヘリまで持ってるなんて!」

 

「ん…ネイトさんが作ってくれた。」

 

「これを!?そんなすごい人がいるなんて知らなかったよ!」

 

初めて見る機体に興奮気味の先生。

 

俄然、ネイトへの興味が深まった。

 

「皆さん、早く搭乗してください!」

 

「はぁ~い♪じゃあ皆さん、行ってきますねぇ~♪」

 

「ネイトの兄貴のこと、頼みましたよ!」

 

「もちろん、ちゃんと連れて帰って来るから留守は任せたよぉ~。」

 

そして、ホシノ・シロコ・ノノミ・アヤネ・先生が装備や物資と一緒に乗り込み、

 

「ベルチバード『一天号』、離陸します!」

 

パイロットのアヤネの操縦でゆっくりと離陸。

 

そしてある程度上空まで飛び上がり翼を傾けローターの揚力を推力に変換。

 

回転翼機とは思えない高速でアビドスの空を駆けて行った。

 

「ちょ、ちょっと何よあのヘリ!?」

 

「そんなのいいでしょ。早く帳面を確認しなさいよ。」

 

「…え!?ちょっと、先生が乗ってない!?」

 

ベルチバードやそこに乗っている先生の姿はユウカも目撃。

 

「あ、あんな機体どこで!?先生をどこへ連れていくつもり!?」

 

予想外の事態の連続で混乱の極みのユウカはセリカに詰め寄ると、

 

「あ、先生から!もしもし!?」

 

それを見越してか先生からの着信が入る。

 

《ごめん、ユウカ!ちょっとミレニアムの方に行ってくるから書類の精査お願いね!》

 

「え、ちょっと!?ミレニアムってどういう!?」

 

《帰ってきてから説明するから、じゃあね!》

 

「ちょ、もしもし!?もしもし!?」

 

今度は自分がそうしたように先生から短く用件を伝えられ電話を切られるのであった。




ロボットの命名由来
プロテクトロン『ウィスク』、柄の短い小型のほうきの意味
Ms,ナニー『キャシー』、Cash(現金)から
     『クランシー』、Currency(貨幣)から
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