数多のロボット兵の包囲網を突破し『アイアン・グリズリー』をも犠牲にしてたどり着いた水没地帯。
調査には船が必要かと思われたが…
「しかし、こんなハイウェイがいたるところに残っているとはな。」
殆どのビルが沈む程の水面の高さと言うのに移動に不自由がないほど高架道路が水面から露出している。
これならパワーアーマーを装着して移動しても水没しなくて済む。
だが…
「…なぜチェコのハリネズミが?それもこんなデカいのは見たことがないぞ…。」
ハイウェイのいたるところに障害物が設置されている。
廃車はもちろん即製の対戦車障害物『チェコのハリネズミ』までもだ。
鉄骨の朽ち具合からおそらく設置したのはだいぶ前の防衛室あたりだろう。
しかもネイトがかつてアラスカで見たものの倍以上のサイズ。
パワーアーマーを着て身長が2.5mほどになっているネイトが見上げるほどと言えばその巨大さも分かるだろう。
…ちなみに生身のネイトの身長は165㎝、意外と小柄だ。
このせいで兵役時代はもちろん連邦時代になっても『チビ』と言われていた。
なお、しつこく馬鹿にしてきたやつは実力で黙らせた模様。
閑話休題。
そんな障害物がいたるところに設置されている。
つまり…
「………。」
経験があるゆえに、ネイトは警戒心を最大限まで高める。
手にはコンバットショットガン、スリングでガウスライフルを吊り下げ肩のホルダーにはガトリングレーザーとロケットハンマーという完全武装だ。
そのまま高架道路を歩を進めていくと…
「来たか…!」
ターゲッティングHUDがこちらに迫る多数の敵性反応を検知。
コンバットショットガンのセーフティを解除しチャンバーに初弾を装填。
迫るは立方体に脚部をくっつけたような『スイーパー』と呼ばれるロボットだ。
数十体にも及ぶハイウェイを埋め尽くすほどの大群でネイトに迫る。
さらにその中にバズーカ砲装備のロボット兵も交じっている。
そんな大群に対しネイトは…
「…こいつにはもってこいのシチュエーションだ…!」
X-02のヘルメットの内でどう猛な笑みを浮かべた。
《Shinnyushawohaijozeyo》
判読不能な電子音声を発し迫る大群にネイトは一歩も退くことなく、
「何言ってるか分からんが…ぶっ壊れろ!」
V.A.T.S.を起動、間隔をあけて先陣を切るスイーパーに照準を定め発砲。
次の瞬間…スイーパーの群れで大爆発が発生。
直撃したスイーパーはもちろん爆発により周囲のロボット兵も粉砕。
吹き飛ばされた機体もあり水面に落ち無惨にも水没していく。
かつてホシノが使った『Flag12』の比ではない威力と被害範囲だ。
…そう、これこそがコンバットショットガンに付与されたレジェンダリー効果『爆発』の威力である。
このレジェンダリー効果が付いた銃から放たれる弾丸は例外なく特殊なモジュールがなければ防げない爆発力を伴った炸裂弾に変質する。
そしてコンバットショットガンが放つ弾丸は…複数のペレットをばらまく『散弾』である。
一度放てば複数発の炸裂弾が襲い掛かる、そういわれればどれほどの脅威か理解できるだろう。
しかも、今回ネイトが用意した散弾だが通常の8発入りの『OOバックショット』ではない。
『12ga9号弾』、本来は小鳥を撃つための極小のペレットが数百発込められた散弾である。
このキヴォトスでは余程の物好きでなければ使われない弾丸だろうが…このコンバットショットガンに関しては話が変わってくる。
さらにそこに爆発物の威力と加害範囲を上げる『Demolition Expert』やネイト単独の場合に発動する『Lone Wanderer』などのPerkがさらにこの武器の真の実力を引き出す。
その結果が一撃で数百個の炸裂弾が広範囲を爆撃する最早手で持つ『大砲』の誕生である。
《Butaisonmoujuudaihyoutekinokyoui…》
「どうしたッ!?威勢がいいのは見てくれだけか!!?」
先陣を吹き飛ばされ浮足立ったスイーパー軍団に手当たり次第に散弾爆撃を見舞うネイト。
V.A.T.S.とは違い広範囲に散らばった9号弾が次々にスイーパーやロボット兵を粉々にしていく。
一発撃てば複数体が粉砕、二発も撃てば縦列が消滅。
掠っても手足の一本は捥ぎ取られ行動不能になる機体も多数。
これだけの大威力だ。
普段、部隊で戦闘を行っているような状況では威力過剰が過ぎて隊員や建築物を巻き込みかねないので使用を控えていた。
本来、スイーパーは耐爆性の高い装甲を有している。
だが、ネイトはPerk『RiFleman』の25%の装甲貫通能力付与および四肢の重症化の効果によりその耐爆性をほぼ無意味なものにしている。
結果、数十体のスイーパーの群れは…
「…クリア、だな。」
ドラムマガジン内の半分の散弾を使わず殲滅された。
周囲には焼け焦げ回路から火花を散らすスイーパーやロボット兵の残骸が散らばっている。
「さて、出方は分かった。だが…この程度なのか?」
確かに今までにない大部隊のロボット部隊だ。
それでも…連邦生徒会があれほどの警備態勢を敷くほどなのか?
まだ、何かいる。
それもこの巨大なチェコのハリネズミを用いらなければならないほどの相手が。
「…先を急ぐか。進んでいけば…自ずとわかるはずだ。」
マガジンを交換し、水没地区の奥地へと歩を進めていくネイト。
その道中、幾たびもロボット兵とスイーパーの大群がネイトに襲い掛かる。
《Bougyotaiseiwoijishisinngeki》
通常型よりも大型でシールドを携えたロボット兵が前衛に立てば…
「そんなベニヤ板でコイツを防げるかァッ!!!」
ガウスライフルに持ち替えそのロボット兵がいる縦列の最後方のスイーパーにV.A.T.S.を複数回照準し発砲。
『Concentrated Fire』、重複してV.A.T.Sを使用することにより命中率とダメージを上昇させられるPerkだ。
ほぼ確実に命中する確率で発砲、するとどうだ?
盾持ちのロボット兵はおろか照準を定めたスイーパーに到達するまでにいたロボット兵やスイーパーを串刺しにし撃破。
無論、V.A.T.Sで狙いを定めたスイーパーももれなく破壊。
Perk『Penetrator』実弾武器使用時、遮蔽に隠れた標的にもV.A.T.S照準を可能にしその遮蔽物を貫通し着弾させる。
この遮蔽物と言うのは『敵』も含むので仕組みを利用すれば一発で複数体の標的を撃破可能だ。
盾が役に立たない、この事態を処理できずフリーズするロボット兵。
「おいおい、足を止めるなよ!アサルトロンなら足吹き飛ばされても向かってくるぞ!」
ガウスライフルと言うはAPの消費が激しいため連続使用は難しい。
だが、『Penetrator』がさらなるPerkの発動を誘発。
『Grim Reaper's Sprint』、V.A.T.S.モード時に敵を倒すと確率でAPとクリティカルメーターを回復させる効果がある。
『Penetrator』によって複数の敵をV.A.T.S.モード中に倒せたことにより発動確率も相対的に上昇。
これによってつねにAPは全快の状態を維持、連続してガウスライフルでV.A.T.S.の発動が可能となった。
最終的に盾持ちのロボット兵と同じ数だけの2㎜ECでこの一団の大多数を排除。
残りはコンバットショットガンの散弾爆撃の餌食となった。
続いて、立体交差のハイウェイを通った際…
《Kyougekihajimeteki,sikinnsennnitedaikaryokutounyuuhuka》
下方の道路から跳躍しネイトに挟撃を仕掛けてきた。
さすがキヴォトス製のロボット、連邦のロボットにはできない挙動をする。
距離が近い、コンバットショットガンは自分も巻き込むので使えない。
ならば、
「スワッターしようぜ!お前らボールな!」
撃てなければ殴ればいい。
ネイトは左肩のロケットハンマーを掴み最大射程のV.A.T.S.が発動できるスイーパーに照準を定め一気に接近、
「スワッタースワッター!スワッターが通るぞ、ッブゥーンッ!!!」
ハンマーが振るわれた軌跡にいたスイーパーを薙ぎ払う。
近接Perk『Big Leagues』、近接武器の範囲攻撃化と首刎ね攻撃による即死攻撃を可能とする。
そこにPerk『Rooted』、立ち止まった状態時に近接攻撃威力と防御力の上昇と標的の武装解除効果も付与される。
さらにV.A.T.S.を起動し瞬間移動のごとき速さで移動し飛び石のように移動し続けスイーパーの挟撃勢力の片割れを一掃していく。
密集陣形だったため一撃で片手の指以上のスイーパーは破壊されていった。
果敢に攻撃を仕掛けてくるスイーパーもいたがパワーアーマーの装甲を撃ち抜くにはまるで威力不足。
それどころか『デビルズインフェルノ』から発せられるエネルギーダメージによって内部回路がショートを起こしてしまった。
そして、
「I've been working on the railroad,All the livelong day,~♪」
童謡を口ずさみながら『PaUn Train』の効果でスイーパーを轢き壊しながら爆走。
その間もハンマーを振るうことを忘れずにそのまま挟撃勢力の片側を殲滅。
間合いの確保に成功したので、
「マッシュは飽きた。お前らはローストにしてやる。」
今度は右肩からガトリングレーザーを引き抜き、逆サイドのスイーパーたちにレーザーを浴びせる。
爆発と違い自慢の対爆装甲が役に立たず貫かれていくスイーパー。
焼夷レーザーとレジェンダリー効果『氷結』という相反するダメージに内部回路も瞬時に崩壊。
まるで芝でも刈るようにガトリングレーザーの掃射を浴びせ…
「今度から装甲に『ナノプリズム』のコーティングをすることだな。」
片側には粉々、もう片側には灰の山のスイーパーの残骸が積みあがった。
そんな風にスイーパー群団との戦いを繰り広げつつ…
「さっきはここ…それでその前はここで…。」
ちょうどいい時間になったのでヘルメットを脱ぎレーションを食べながらPip-Boyの地図を眺めるネイト。
これまでの戦闘の場所をマーキングしその傾向を探る。
すると…
「…何かを守っているのか?」
戦闘場所はまるでそこへネイトが向かわないように妨害しているかのような配置だった。
そのデータを地図に当てはめて浮かび上がったのが…
「島…いや、どっちかと言うと水没を免れた山の一部だな。」
便宜上『島』とするが周囲が水没した山頂である。
それでも周囲40㎞ほどとかなり大きめの場所だ。
「…これは少し調べる必要がありそうだな。」
ロボット兵はこの場所を守るようインプットされているはず。
ならば、それを確かめなければ今後この場所での作業に支障が出るだろう。
手早くレーションを腹に詰め込みヘルメットをかぶり直し早速ハイウェイ伝いにその場所へと向かうネイト。
案の定、スイーパー群団の来襲頻度は増加。
それらも蹴散らしつつ進んでいくと…
「あそこか…。」
目的地である島が見えてきた。
島…と言うよりはもはや水上の工業地帯ともいえる様相。
それも…絶賛稼働中のようである。
その時、
《Saishuuboueiraintoppa.Ketherkidouyousei》
ネイトが先ほど破壊したスイーパーから信号が放たれた。
直後、周囲のハイウェイが揺れ水面に波紋が起こる。
「いよいよ親玉のお出ましか…!」
この振動、ネイトには分かる。
『デスクロー』、『クイーンマイアラーク』、『ベヒモス』、連邦を跋扈する超大型クリーチャーが来襲するときはいつもこうだった。
そして…それは周囲のハイウェイをワイヤーを用い飛び渡り、ネイトの目の前に現れた。
それは…四脚の多脚戦車だった。
それは…二機の機関砲とVLSを装備していた。
それは…冥王星の記号とエンブレムが刻まれていた。
それは…煌びやかに輝くヘイローを頂いていた。
それは…預言者だった。
その名は…第一
神無き地からの
なんか…フォントが有効にならない場所がありますので脳内変換、お願いします…