Fallout archive   作:Rockjaw

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『発見は、前もって積み重ねられた苦しい努力の結果です。』
――――物理学者 マリー・キュリー

自律神経が乱れまくってダウンしてました
皆さんもお気を付けください


Discovery and Return

「なるほど…あの大型ロボットは『ケテル』と言うのか…。」

 

ミレニアム郊外廃墟区画水没地帯の中枢である工業地帯。

 

そこを制圧し終えたネイトは端末を操作し情報を収集していた。

 

ここで初めてネイトは大型ロボットの名前を『ケテル』と知る。

 

そして、疑問も生まれる。

 

「…ケテルもだがあれだけのロボット兵をどうやってこの工業地帯だけで生産していたんだ?」

 

確かにこの工業地帯の広大さ、設備は連邦でも見たことないほど一級品だ。

 

しかし設備だけではロボットは作れない。

 

立派な厨房だけあっても『食材』がなければ『料理』はできないのと理屈は一緒だ。

 

ネイトのように敷地内設備をクラフト解体で資材を確保したか?

 

「…まさか。そんな暖をとるのに自分の家をぶっ壊すような機械はいない。」

 

出来る出来ないはともかくそんな非生産的な行動をとるはずがない。

 

ならばどうやって?

 

マサチューセッツが参戦して投入された戦力を鑑みてもあらかじめ製造していたにしてはあの物量は多すぎる。

 

あのタイミングでここの製造設備を最大稼働して製造したと推測してほぼ間違いはないだろう。

 

「…何かデカい秘密があるようだな。」

 

そんな無茶苦茶を可能にする何かがある、ネイトはそう確信した。

 

と、ちょうどその時、

 

「ネイトさん、モモイちゃんやガッツィーさん達が乗った上陸艇が出たってよ。」

 

「分かった。迎えに行くとしよう。」

 

ホシノからモモイ達が来島中との報告を受け一旦作業を切り上げ上陸地点へ向かうことにする。

 

しばし後、

 

「ネイトさ~ん!」

 

「こっちだぞ~。」

 

多くのガッツィーを引き連れた先生とモモイ達と合流。

 

「成し遂げたんですね、ネイトさんに皆…。」

 

「マサチューセッツの留守を預かってくれて感謝する、先生。」

 

「ネイトさんにホシノ先輩たちも無事でよかったです。」

 

「お陰様で怪我一つないよぉ。ちょぉっち弾切れでピンチだったけどねぇ。」

 

「それもネイトさんが間に合ってくれたので問題なしですぅ♪」

 

心配するミドリに笑顔で健在を伝え、

 

「ん…それにユズのおかげで乗り込むときも全然怖くなかった。」

 

「そ、そんな…。私は、プログラムを、直しただけで…。」

 

「『だけ』だなんて言わないでください、ユズちゃん。誰にでもできることじゃないんですよ?」

 

今作戦の最大の功労者たるユズを称える。

 

「で、でも、元はネイトさんが、あの船を、作ってくれたから、私も…。」

 

自分が作ったもので褒められる、と言うことに慣れていないユズはおどおどしてしまうが…

 

「…ユズ、ちょっとこっち来てくれ。」

 

「は、はい。ネイトさんどうしまし…。」

 

そんなユズをネイトは手招きして呼び寄せ…

 

「ワッ…。」

 

「…ありがとう、ユズ。君のおかげで俺達はこうしてまた帰ってこれたんだ。」

 

彼女の右手を取って握手をしながら彼女の功績をたたえる。

 

「そだよぉ。ユズちゃんが頑張ってくれたからこの作戦は成功したんだよぉ。」

 

「はい、ユズちゃんはとっても凄い事を成し遂げたんですよ~♪だから自信もってくださぁい♪」

 

「ひゃっ、ホシノ先輩にノノミ先輩も…!」

 

そのわきからホシノとノノミが彼女を撫でさらに褒める。

 

すると、

 

「あ、あれ…?」

 

ネイトと握手している手の中に何か固い感触を感じ取るユズ。

 

なにかと思いネイトに目線を向けると、彼はウィンクをしてそれに答える。

 

「さて、本格的なお礼は帰ってからするとしてともかく一旦制御センターに向かうとしよう。」

 

「では艦長、我々が施設内の調査に向かいます。何かあればすぐに伝達しますので。」

 

「よろしく頼む。」

 

「ねぇねぇ制御センターってどんなとこだったの、ネイトさん?」

 

「ん…そんなに面白くないとこだよ、モモイ。」

 

「結構派手に戦っちゃいましたから少しボロボロですよ?」

 

「安心しろ、ロボットの残骸諸共きっちり掃除したから。」

 

「あぁ…そういう荒れてる場面の資料も欲しかったのに…。」

 

「ミドリは資料集めにどん欲だね。良いことだよ。」

 

こうしてガッツィー達に周辺探査を任せ一行は制御センターへ向かうことに。

 

皆が数歩進んだ後ユズは自分の手の中にあったそれを見つめる。

 

「まさか、これって…。」

 

オタクゆえにサブカルチャーにも造詣深い彼女にはそれがすぐにわかった。

 

それは直径4㎝程のコインだった。

 

表には三ツ星とサルタイアー状に交差したライフルと稲妻の紋章にW.G.T.C.のロゴが刻まれ、裏面にはアビドスの校章が刻まれている。

 

「ちゃ、チャレンジコイン…。」

 

『チャレンジコイン』、軍隊において部隊内において受勲・褒章までには至らない程度の功績があった隊員や極近しい友人やVIPに歓迎の意味を持って渡されるコインである。

 

渡す際には流儀として握手をする右手に隠し持ち、握手をした瞬間に相手の掌中に渡すという一種のサプライズ演出が行われる。

 

これ自体に通貨としての価値は一切ない。

 

材質もおそらく真鍮だ。

 

「…ありがとう、ございます、ネイトさん…。」

 

それでもユズにとってネイトからの二つ目のプレゼント、大事に胸に抱きネイトに礼を呟く。

 

「ユズ~!何してんの~!」

 

「あ、待って、今行くから。」

 

モモイに呼ばれコインをポケットにしまいユズは皆の後を追いかけていくのであった。

 

―――――――――――――――――

 

―――――――――

 

―――――

 

場面は変わり、制御センター。

 

「う~ん…かなり古くからあるところみたいだね、ネイトさん。」

 

「多分、数十年や百年じゃ効かない昔に放棄されたんだと思います。」

 

「それにしても、設備に関しては、今のミレニアムにも、引けを取りません。」

 

コンピュータに詳しいモモイ達も加わり調査は進んでいく。

 

「そんな昔からこんなに発展してたのか、キヴォトスは…。」

 

「いえ、ここが例外と言うだけでそんなことはないと思います。」

 

「資材の納入記録はあるか?」

 

「…うう~ん、それっぽい物はないかなぁ。」

 

「私たちの前に、更新されたログは数十年前、ここに誰かが攻め込んできた、記録くらいです。」

 

「それがたぶんカイザーの記録だな…。」

 

「カイザーコーポレーションもここを狙って…。」

 

調査は進むがいまだに肝心なこの工業地帯がなぜ補給もなしに稼働し続けることができたか未だに不明だ。

 

すると、

 

《こちらシロコ。ネイトさん、応答願う。オーバー。》

 

「こちらネイト。どうした、シロコ?オーバー。」

 

周辺を探査に出向いていたシロコから通信が入った。

 

《現在、先生と一緒に北部を探査中だけど…先生が見覚えがある物見つけたって、オーバー。》

 

「見覚えがあるもの?どういうことだ、オーバー?」

 

《ちょっと待って、先生に変わる。》

 

《先生です。施設内でこれを見つけたんですが…。》

 

「何があったんだ、先生?」

 

《…説明するよりも見てもらった方が早いと思います。》

 

「…分かった、直ぐそちらへ向かう。アウト。」

 

どうもそこに重要そうなものがあるようだ。

 

「行くぞ、三人とも。」

 

『はーい。』

 

ネイトはモモイ達を連れてそこへ向かうことに。

 

適当な放置車両をクラフトで修復し進むこと数分後、

 

「シロコ、いったい何があったんだ?」

 

シロコの待つ工業地帯北部に到着。

 

「ん…私にもよく分からない。先生に聞いたほうがいい。」

 

「先生は?」

 

「この建物の奥。何かタブレットで操作してた。」

 

「そうか。案内してくれ。」

 

こうしてシロコの案内で施設内に踏み込むネイトとモモイ達。

 

「何があったんだろう…。」

 

「さぁな。だが、めぼしい場所はここしかない。」

 

「こんなどこにでもある建屋に一体…。」

 

「ここに、あのロボットたちが、生まれた、秘密が…。」

 

そんな会話をしつつ、進んでいくと、

 

「ネイトさん、お疲れ様です。」

 

「何がって…これは…。」

 

制御室らしき場所でタブレットを操作している先生のもとに到着。

 

その眼下に広がっていたのは…

 

「…石板?」

 

何やら文様が掘られた巨大な石板らしき物体が眼下に安置されていた。

 

大きさでいうとテニスコートほどはあるだろう。

 

「あれは?」

 

「私も断定はできませんが…小型で破損した物体がシャーレ地下にもあります。」

 

「先生、それは一体…。」

 

「連邦生徒会主席行政官の生徒からはこう聞いています。『クラフトチェンバー』と。」

 

「『クラフトチェンバー』…。」

 

先生はその物体について説明する。

 

それは失踪した連邦生徒会長が彼に残した謎の装置だ。

 

曰く、『大型の3Dプリンター』。

 

曰く、『オーパーツ』。

 

曰く、『連邦生徒会長のおもちゃ』。

 

ありとあらゆる物質を生成可能、素材を投入すれば家具すらも作れるという。

 

だが、その生成物はランダム性が強く現状は先生以外は使用不可のため連邦生徒会も価値無しと断じている。

 

「前にアヤネが言ってたやつがそれか…。」

 

「で、先生にあれが操作できるの?」

 

類似品のことは分かった。

 

問題はこれがそれと同じような働きをするかどうかだが…

 

《ダメです、先生。シッテムの箱の操作を一切受け付けません…。》

 

「…どうやら、この端末じゃ操作はできないらしい。何度やってもうんともすんとも言わないんだ。」

 

アロナが泣きそうな声音で先生にそう報告する。

 

「しかし、『クラフト』ねぇ。」

 

「ネイトさんが、やってくれた、改造も同じ、名前の神秘、でしたよね?」

 

「ひょっとして、ネイトさんなら動かせるんじゃ…。」

 

なんとも単純な理由だが確かにクラフトはネイトの十八番だ。

 

「ん…確かにここの管理権限を持っているのはネイトさん。」

 

なにより、ここのトップは事実上ネイトが握っている。

 

「…よろしいですか、ネイトさん?」

 

「やってみよう。」

 

先生と入れ替わり端末にPip-Boyを接続し操作を行う。

 

すると…今まで真っ暗だったディスプレイが点灯。

 

そこに表示されたのは…

 

「…元素周期表ですか、これ?」

 

「あ!授業で見たことある奴だ!」

 

「『水兵リーベぼくの船』って覚えてたなぁ。」

 

科学の授業でおなじみ、この世の構成する物質の元素を表記した『元素周期表』である。

 

「でも、なんでこれが…?」

 

と首をかしげる先生だが…

 

「…なるほど、そりゃ補給資材もいらないわけだ。」

 

ネイトは何やら納得したように声を上げる。

 

「ん…どういうことなの、ネイトさん?」

 

「見てろ。」

 

そういうや否や、ネイトはまずは82番目の元素に当たる『鉛』の部分にタッチする。

 

次に表示されたのは量の指定ページに映る。

 

「えッ!?これって…!?」

 

「まさか…!?」

 

ここまでくると他の面々もこの石板がどういう物か理解できたようだ。

 

「フム…じゃあ量はこのくらいにしとくか。」

 

ネイトは量を指定し、『決定』と表示されたボタンを押す。

 

するとどうだ?

 

石板が輝きだし…設置されたコンベアの上にキューブ上の物体が出現。

 

「まさか…!?」

 

「物体を生み出した…!?」

 

「く、クラフトチェンバーと同じ…!?」

 

「一旦降りて確かめるぞ。」

 

運ばれつつあるそれをコンベアを止めて制御室から階段を降り近づいて確認すると…

 

「ナイフで切れる柔らかさとライターでも溶ける融点の低さにこの重さ…完璧な鉛だな。」

 

特徴からして鉛であることが確定。

 

「ネイトさん、これは…!?」

 

「もう一つ試したいことがある。上に行こう。」

 

困惑する先生をしり目にもう一度制御室に戻るネイト。

 

その際、出現した鉛の塊をクラフトし箱と蓋に変化させ位置を出現位置辺りに戻す。

 

今度は端末で『水素』の項目を選択。

 

すると…今度は『同位体』の表示が出現。

 

「やはり…!」

 

しめた、という表情を浮かべるネイト。

 

その項目の中から迷わず『トリチウム』の項目を選択。

 

すると今度は先ほどと同じ場所からミドリの蛍光色の液体が流れだし鉛の箱の中を満たしていく。

 

「アレって何ですか?」

 

「トリチウム、平たく言えば『核物質』の一種だ。」

 

「か、核物質って!?」

 

『?』

 

ネイトが作り出した物質の正体に顔を青くする先生ときょとんとするシロコたち。

 

「安心しろ、先生。あの箱に浸からない限りこれだけ距離をとってれば無害だ。」

 

そこは核が身近な世界出身のネイト。

 

取り扱い方は十二分に心得ている。

 

すぐさまトリチウムで満たされた鉛の箱に蓋をして収納した。

 

「こ、これが、クラフトチェンバー、ですか…?!」

 

ユズを筆頭にこれもクラフトチェンバーと同じ仕組みかと想像するが、

 

「いや、仕組みは似て非なる物だろうな。」

 

ネイトはその種をもう見抜いているようだ。

 

「ん…どういうこと?」

 

「コイツは無から物体を生み出すんじゃない。『陽子や中性子、電子を結合させて別の物質』に変えてるんだ。」

 

ネイトのその答えに…

 

『…?』

 

いまいちピンとこず首をかしげる一同。

 

「…つまりだ。陽子数が少ない元素、水素や窒素や酸素だな。それを組み合わせて任意の物質を生成するのがコイツの仕組みだ。見てみろ、横に使える元素の量が表記されている。」

 

近くにあった機材の画面を見ると確かに横には水と空気に含まれる代表的な原子の量が書かれている。

 

「な、何それ…!?まるで錬金術じゃん…!?」

 

「言えてるな。さしずめ…『アルケミーカルドロン』と言ったところか?」

 

「『錬金術の大釜』…言い得て妙ですね…。」

 

「これでロボットに必要な材料を生み出していたってことですか…。」

 

「ん…材料は水と空気、無限のロボットの兵隊が生まれるのも納得。」

 

「多分、装甲に使う、合金とかも、簡単に、作れますね…。」

 

なんとも常識外れなまさに『オーパーツ』としか言えない設備だ。

 

と、

 

《こちら東部方面探索中のアヤネです。ネイトさん、端末を操作しましたか?オーバー。》

 

他方面の調査に向かっていたアヤネから通信が入る。

 

「こちら、ネイト。今しがたここの中枢機能を復旧させた。何か見つけたか、オーバー。」

 

《やっぱり。今現在、おそらく兵器生産ラインの建物の調査中ですがたった今機能が復旧。ディスプレイに製造可能な兵器群が表示されているのですが…。オーバー。》

 

「どうかしたのか、オーバー?」

 

《戦車や航空機のようなんですが…キヴォトスで運用されている物とはまるで違う物でして…。オーバー。》

 

兵器が身近なキヴォトス人かつ優れたパイロットでもあるアヤネでも知らないという兵器。

 

「適当に名前を挙げてみてくれないか?オーバー。」

 

《えぇっとですね…。》

 

違う世界出身の自分なら心当たりがあるかと思いアヤネにそこに表示されている兵器名を尋ねると…

 

「ッ!?なんともそれはそれは…!」

 

聞いた途端、ネイトは感嘆するような表情を浮かべる。

 

《ど、どうかしましたか?》

 

「…いや、アヤネ。今はそこは放置でいい。時が来れば動かすさ。オーバー。」

 

《り、了解しました。アウト。》

 

と、アヤネからの報告は一旦終える。

 

「ネイトさん、今の兵器の名前って何なの?」

 

「う~ん…一言でいうと…。」

 

モモイの質問に答えようとしたその時、

 

《こちら西部方面探査中のノノミですぅ。こちらはロボットの製造ラインの様ですぅ。》

 

《東部方面探索中のホシノだよぉ。こっちもどうやらロボットの製造ラインでケテルを専門に作っていたラインみたいだねぇ。》

 

他方面に向かったノノミとホシノからも報告が上がってきた。

 

どうやらやはりこの場所のメインの製造ラインはロボット製造のようだ。

 

「了解、ちなみにそこに端末はあるか?」

 

《ハイ、ありますねぇ。》

 

《こっちにもあるよぉ。》

 

「操作はできるか?」

 

《少々お待ちをぉ。》

 

《こっちもちょっと待っててねぇ。》

 

ネイトの指示を受け二人が端末を操作すると…

 

《あ、製造ラインの変更ができるみたいですぅ!》

 

《こっちもロボットから兵器や弾薬の製造にラインの変更ができるみたいだよぉ。》

 

どうやら製造物の変更可能だと判明。

 

「分かった、それが分かればいい。」

 

二人の通信にそう答え…

 

「一旦全員集合。…そろそろ帰ろう、アビドスに。」

 

全員に帰還の意志を伝えると…

 

《了解!》

 

全員が元気にそう返すのであった。

 

――――――――――――――――

 

―――――――――

 

――――

 

時は進み、

 

「また来るぞ、廃墟区画。今度はバラさせてもらうぞ。」

 

一行はベルチバードに乗り廃墟区画を脱出、アビドスへの帰還の途についていた。

 

唯一違うところを上げるなら…

 

「どうだ、アヤネ?『核融合エンジン』の調子は?」

 

《凄い、本当に燃料メーターが全然減りませんね…!》

 

「材料の調達にめどが立ったのは嬉しい誤算だったな。」

 

ベルチバードの機数が四機に増えそのすべてのエンジンが『核融合エンジン』に換装されている点だ。

 

『アルケミーカルドロン』で生成した分とプラズマ炸裂弾で粘液化したロボットの残骸からかき集めた『核物質』を用い再クラフト。

 

これで実質ベルチバードの航続距離は無限大となり補給の心配もなくなった。

 

ちなみに機数が増えたのは…

 

《ですが、こんなの持ち帰ってどうするんですか?》

 

「なぁに、成果を咥えて帰るのはいい猟犬として当然さ。」

 

《猟犬って…随分おっかない猟犬を飼っちゃいましたね、あそこ。》

 

「ご褒美が無きゃ主人にかみつく…な。」

 

『ある物』を吊り下げ運んでいるからだ。

 

そのうち二機にネイトとアヤネが乗り込み操縦し、残りの二機はネイトの機体に追従するようにMr.ガッツィーのパイロットが乗り込んでいる。

 

「そっちのみんなはどうだ?」

 

《えぇ、先輩たちやモモイちゃんはぐっすりお休みですよ。》

 

「昨日から働き詰めだったからな。アヤネ、君も自動操縦に切り替えて休むといい。」

 

《…分かりました、そうさせてもらいます。》

 

そう言い、アヤネも休ませネイトが他機を先導するために操縦を続ける。

 

…アヤネが無線を切ったのを確認し、

 

「…で?わざわざこっちに乗り込んで何の用だ、先生?」

 

「いやぁ、無理言って申し訳ありません。」

 

唯一ネイトの操縦する機体に乗り込んだ先生に話を振る。

 

「野郎二人きりだ。子供がいる場所じゃできない話もあるだろう。」

 

「まぁ確かに。あの子たちがいるとこだと少し話しにくい事でもありますし…。」

 

「もったいぶらずに話したらどうだ?」

 

そんな風にネイトに促され…

 

「実は…少しお願いがありまして…。」

 

先生はネイトにある頼みごとをするのであった。




『冒険とは、生きて帰ることなのである。』
――――冒険家 植村直己

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