Fallout archive   作:Rockjaw

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リクエストがあったので吶喊で書いた幕間のホシノのストーリーです。


The Dawn...no, the Red Horus

午前5:00

 

「…ム…?」

 

まだ日が昇る前のアビドス。

 

寝る前に起きようと決めていた時刻ぴったりに目が覚めたネイト。

 

昨晩はそこそこ飲んだが幸い二日酔いしておらずすっきりとした目覚めだ。

 

(…あ、そうだ。今日はシロコが来る日だ。)

 

と、恒例になったシロコのCQC訓練があることを思い出し起き上がろうとすると…

 

「んん~…。」

 

「あ…。」

 

自分の体に抱き着く桃色の髪の少女、ホシノがそう声を漏らした。

 

(そっか…。昨日、一緒に眠ろうって誘ったんだったな…。)

 

女子高生と眠るなんて…と思われるかもしれないがこのネイト、中身は後期高齢者もびっくりの老人だ。

 

その精神のせいか…体が若返っても『反応』が鈍い。

 

(ふふっ可愛い寝顔しちゃってまぁ…。)

 

普段の昼行灯の姿とも戦闘中の鋭い表情とも違う幼さを感じるホシノの寝顔に微笑ましく思い優しく髪をなでると…

 

「ん~…ふへへ~…。」

 

気持ちがいいのか寝ながら笑うホシノ。

 

(と、ずっとこうしてるわけにはいかないな…。)

 

このままホシノの寝顔を堪能していたいが約束をすっぽ抜かすわけにはいかない。

 

そこでネイトはトレーニング用の『木人椿』にむけV.A.T.S.を照準、瞬間移動かのごとき速度でベッドから抜け出した。

 

テーブルクロス引きの要領で綺麗にホシノだけがベッドに残る。

 

「んん~…?」

 

と急に消えたネイトの存在を探して手を動かすホシノを見て…

 

(あっと何かかわりを…あれだ。)

 

ネイトはこれまた部屋の隅に置いてある『ペロロ人形』をとる。

 

とある縁で知り合った人物から押し付け…げふんげふん布教……おっほんプレゼントされた代物だ。

 

それを自分の代わりにホシノの腕の近くに置くと…

 

「ん~…へへ~…。」

 

ペロロ人形に抱きつき落ち着いたかのように再び穏やかな寝息を立てるのであった。

 

「んじゃ行ってくるな、ホシノ。」

 

ネイトはそのまま静かに着替え、出かける旨と昨晩のタコスの残りが冷蔵庫にあるという旨の書置きをして退室していった。

 

 

 

 

午前6:00

 

「ん…おはよう、ネイトさん。」

 

「おはよう、シロコ。昨日も朝が早かったのによく起きれたな。」

 

全身に汗をかくくらいのウォームアップをしたくらいでシロコが登校。

 

何時ものようにCQCの訓練を始めようとすると…

 

「ん?」

 

「どうかしたか?」

 

「…ネイトさん、昨日お酒飲んだ?」

 

シロコの嗅覚がネイトの汗から漂う微量なアルコールを探知。

 

「え、酒臭いか?」

 

「んん、そんなんじゃない。なんだか甘い匂いもする。」

 

「あぁ、ラム酒飲んだからか。」

 

「酔っぱらってないよね?」

 

「二日酔いじゃないから安心しろ。目も手元もしゃっきりだ。」

 

「ん…分かった。じゃあ始めよう。」

 

こうしてシロコの鼻の良さを再確認し、CQC訓練が始まった。

 

午前8:00

 

訓練を終えネイトは生徒たちと本日の日雇い作業員たちと共に現場に出発した後、

 

「ん~…あれぇ…?」

 

朝日に照らされホシノも普段より遅く目が覚めた。

 

「あれぇ…ここどこ…。」

 

と寝ぼけているのか普段の部屋の様子と違うとぼんやり思っていると…

 

「…………~~~っ!!!???!?/////////」

 

脳が目覚めたのか昨日の記憶が一気に蘇った。

 

「そ、そうだ…!昨日、飲み会の後ネイトさんと一緒のベッドで眠っちゃったんだ…!/////////」

 

目も覚めて顔が一気に熱くなることを感じるホシノ。

 

「わ、私何やってんだろ…!?ネイトさんとはいえ男の人と同じベッドで眠っちゃうなんて…!/////////」

 

改めて昨日の自分の行動の迷走ぶりを実感するホシノ。

 

だが…

 

「…でも、ネイトさんの匂い…とても落ち着いたなぁ…。/////////」

 

それでも…ネイトとの同衾は…ホシノにとって非常に安心でき幸せな物だった。

 

おかげで普段よりもぐっすり眠れあの二日間の激闘の疲れも吹っ飛び絶好調だ。

 

「…うへ、うへへへ…うへへへへへへ~♪」

 

と、ネイトの残り香が濃く残る毛布にくるまりしばし堪能するホシノだが…

 

「…はッ!?今何時!?」

 

さらに思い出した。

 

ここはアビドス高校内だ。

 

慌てて時計を見ると…8:35となっている。

 

(やっばぁぁぁい!!!もう皆来てる時間じゃん!!!)

 

この時間にはシロコはおろか対策委員会メンバー全員揃っていてもおかしくない。

 

そんなところに寝ぐせ満載&このシワシワになった制服のまま向かえばどうなるか?

 

「…………誤魔化さなきゃ…!」

 

己の保身のためホシノは素早く動く。

 

相棒の『Eye of Horus』を持ち技術室を脱出。

 

誰にも会わないことを祈りながら屋上に向かう。

 

…神はホシノに味方した。

 

「よ、よかった…!誰にも見られてないはず…!」

 

屋上に出たホシノはそのまま定番の昼寝スポットに直行。

 

「ここで時間を潰せば…!」

 

我ながら完璧なプランだ。

 

正直もう昼寝も必要ない位眠ったがマットレスに飛び込み寝転がるのであった。

 

……だが、ホシノは重要なネイトの教えを忘れていた。

 

『焦って出した作戦は無策よりも悪手』という教えを。

 

 

 

 

午前10:00

 

「ホシノ先輩、遅いですねぇ…。」

 

「ん…セリカは柴関ラーメンのバイトで今日は休みだしなんか寂しい。」

 

「まぁ、ホシノ先輩のことですからきっとお昼寝してるんじゃないですか?」

 

対策委員会室ではノノミ・シロコ・アヤネが集結。

 

いつになく遅いホシノがいつ来るかと待っていた。

 

と、そこへ…

 

「にゃにゃにゃ~、皆おはよ~。」

 

ようやくホシノが登場。

 

「あ、ホシノ先輩!おはようございます!」

 

「もう、お昼寝ばかりしてちゃだめですよぉ?」

 

挨拶するアヤネに少しお小言を投げかけるノノミに、

 

「うへ~、ごめんねぇ。ケテルとの戦いがやっぱり結構疲れてたみたいでさぁ。やっぱおじさんも年かなぁ」

 

ホシノは一昨日からの激戦の疲れが理由だと釈明する。

 

「あぁ~…確かに。アビドス高校に来てから一番の激戦でしたもんね。」

 

「私もちょっとまだ疲れが抜けていませんねぇ…。」

 

と、彼女がこの時間まで昼寝していた理由に納得するアヤネとノノミ。

 

事実、自分たちもあれからほぼバタンキューでまだ疲れが抜けていないのだ。

 

ネイトの次に大暴れしていたホシノが昼寝していたとしても何ら不思議ではない。

 

(やった…!誤魔化せた…!)

 

ここでも神は味方してくれた。

 

内心ガッツポーズを決めるホシノ。

 

…だが、彼女は忘れていた。

 

今ここに…

 

「…………。」

 

「あ、あれ?どったの、シロコちゃん?」

 

神をも食らうとされる『狼』がいたことをホシノは失念していた。

 

さっきから凄い形相でホシノを見つめるシロコ。

 

「…ホシノ先輩、今朝どこにいたの?」

 

「け、今朝?そりゃ自分の家で寝てたけど…。」

 

「…じゃあ、昨日の夜はどうしてたの?」

 

「い、言ったじゃん…。疲れていたからもうバタンキューだよ…!」

 

「…本当に?」

 

「ほ、ホントホント…!」

 

ホシノに追い詰めるようにじり寄りながらシロコはそう問い続ける。

 

「し、シロコちゃん?いったいどうしたんですかぁ?」

 

「何か気になることでもあったんですか?」

 

いつにないシロコの豹変ぶりにノノミとアヤネも戦々恐々だ。

 

だが…

 

「じゃあ…何でホシノ先輩の制服や髪から…ものすごくネイトさんの匂いがするの…!?」

 

「「…え?」」

 

シロコのその言葉に首がグルンと周りホシノを射抜くように見つめる。

 

(やっばぁ!?シロコちゃんの鼻の良さ忘れてた!!!?)

 

ホシノは一気に冷汗が噴出した。

 

そうだ、二年一緒に過ごしてきたのになぜ忘れていたのか?

 

狼耳を持つだけあってシロコは普通のキヴォトス人よりもだいぶ鼻が利く。

 

シャツの乱れなどを気にしてネイトの匂いがそのままなことをすっかり忘れていた。

 

そう、ホシノがすべきことは…シロコに見つからないよう理由をつけて学校を脱出。

 

家に帰ってシャワーを浴び制服を着替えることだったのだ。

 

「い、いやぁそういえば制服の予備がなくて昨日のをそのまま…!」

 

なんとか言い逃れようと我ながら苦しい言い訳をするも…

 

「ん…それはおかしい…!」

 

「お、おかしいって…何で…?!」

 

「じゃあなんで…今朝ネイトさんから漂ってたお酒の匂いもしてるの…!?」

 

(Noooooooooooo!!?)

 

ホシノ、心の絶叫。

 

そうだ、昨日あの晩ホシノは大人三人に囲まれ飲み会に参加していた。

 

ラム酒は非常に香り高く飲んでいないホシノもその匂いを存分に浴びていた。

 

それどころか…その匂いが混じったネイトに今朝まで抱き着いて眠っていた。

 

「うふふふふ…ホシノ先輩ぁい、説明してくれますよねぇ♠」

 

「昨晩から今朝まで…どこで何をしていたんですか…?」

 

いつの間にかノノミとアヤネも席を立ちホシノを包囲しながらにじり寄る。

 

「い、いやぁ…!来ないでぇ…!」

 

絶体絶命かと思われたその時、

 

「おはよ~、皆。シャーレの仕事が一段落したから顔を見せに来たよ。」

 

「せ、先生ぇ~~~!!!」

 

ここで先生が登場。

 

信頼していないと言っていたが今この時ばかりはホシノにとって彼は救いの神に思えた。

 

「あ、あれ…?みんな何してるの…!?」

 

「き、聞いて先生!みんな勘違いを…!」

 

異様なこの状況に先生も困惑する中ホシノがいの一番に助けを求める。

 

が…

 

「ん…先生。ちょっと聞きたいことがある。」

 

「なっ何だい、シロコ?」

 

「昨日の晩…何かやってた?」

 

そんなホシノの言葉を遮りシロコが先生に質問、四人の事情など知らない先生は…

 

「き、昨日の夜?…ネイトさんとホシノと一緒に親睦会を兼ねた飲み会を…。」

 

素直に答えてしまった。

 

「ああああああああああああああああああ!!!!?」

 

「え、ちょホシノ!?」

 

今度こそ、ホシノ絶叫。

 

「ん…これでアリバイ証明…!」

 

「じゃあ…取り調べを始めますねぇ?」

 

「黙秘権はありませんので・・正直に答えてください…。」

 

もう言い逃れできない。

 

三人の手が一斉にホシノに伸び、

 

「いやぁ…!いやあああああああああ!!!」

 

ホシノの悲鳴がアビドス高校中に響き渡った。

 

 

 

 

 

午前11:00

 

「ん~確かにネイトさんの匂いを感じますねぇ~♡」

 

「ノノミ、そろそろ変わって。」

 

「シロコちゃんは離れてても嗅げるんだからいいじゃないですかぁ~♡」

 

「それとこれは話が別。濃さが全然違う。」

 

「ちょ、ちょっとシロコ先輩もノノミ先輩も…!」

 

「…アヤネもやってみるといい。すごく安心できるよ。」

 

「えぇ!?…じ、じゃあ少しだけ…!」

 

先ほどとは打って変わってシロコ、ノノミ、アヤネはにこやかに会話していた。

 

「~ッッッ////////////!!!」

 

交互に顔を抑えて耳まで真っ赤のホシノを渡しあいながら普段嗅げないネイトの濃厚な残り香を堪能しながら。

 

これでは…生きた香り袋扱いではないか

 

「ほ、ホシノ大丈夫…!?」

 

「…してぇ…!許してぇ…!堪忍してぇ…!/////////」

 

『ダメ(ですぅ♡)(です)。』

 

結局あの後先生も交じりすべて白状させられたホシノ。

 

「ん…ずるい…!私もネイトさんと添い寝したことないのに…!」

 

シロコは歯ぎしりするほど羨ましがり、

 

「あらあらまぁ~まぁ~♪そんな甘えん坊なホシノ先輩、ぜひ見てみたかったですねぇ~♡」

 

ノノミは笑顔を輝かせながら羨ましがり、

 

「ネ、ネイトさんも軽率にそんな提案しないでほしいものです!仮にも大人なのに!///」

 

アヤネは顔を真っ赤にしネイトを怒りながら羨ましがった。

 

途中、

 

「い、一応聞くけど…ただ眠っただけなんだよね、ホシノ?」

 

シャーレとして万が…億が…兆が…いや京が一の『可能性』を考え先生がホシノにそう尋ねるも…

 

『たとえそれが那由他の彼方でも絶対そんなことをネイトさんからはしない。』

 

そこは全員口をそろえてきっぱり否定した。

 

先生自身、ネイトが生徒相手にそんなことをしないと言う確信に近いものがあったのでそこでその話は終わった。

 

で、それからはこの状況だ。

 

「あ…ホントにいい匂いです…。落ち着きます…。」

 

「うぅ…アヤネちゃんまでぇ…!/////////」

 

普段真面目なアヤネでさえホシノを抱きネイトの残り香に安心感を覚えていた。

 

「そんなにネイトさんっていい匂いなの?」

 

「う~ん…なんというかこう…何があっても大丈夫って思える匂いですねぇ♪」

 

「ん…一緒にネイトさんがいるって思える。なんだか疲れが取れたような気がする。」

 

「そうなんだ…。同性の自分には分からないなぁ。」

 

「じゃあ、先生。何日か留守にした後の自分の家の匂いってどう思う?」

 

「…あぁ~、なるほど。納得がいったよ、シロコ。」

 

そんな風にホシノから漂うネイトの香りをレビューするノノミとシロコ。

 

「やめてぇ…!思い出すとすっごい恥ずかしいんだからぁ…!/////////」

 

と、今朝起きた時に感じた羞恥心がいまだに残っているホシノ

 

「ん…でも幸せだったんでしょ、ホシノ先輩?」

 

「そ、それはぁ…。」

 

が、シロコのその質問には…

 

「…は、はい…。過去最高の熟睡でした…。/////////」

 

もじもじと人差し指同士をちょんちょんしながらもしっかりと答えた。

 

(…なにこの可愛い生き物…!)

 

その様子は普段の姿では考えられない小動物的愛らしさにあふれていたという。

 

と、その時。

 

「ん…決めた。ネイトさんに私も頼む…!」

 

「し、シロコ先輩!?」

 

決心を決めたように右手を握りしめながらシロコは宣言した。

 

「お昼寝マイスターのホシノ先輩が過去最高の熟睡なら間違いない…!私も熟睡する、そしてネイトさんを…嗅ぐ…!」

 

「真面目な顔でいう内容じゃないですよ!?」

 

決め顔でなんともトンチキなことを宣言するシロコにアヤネもツッコみ、

 

「そうですよぉ、シロコちゃん?」

 

「ノノミ先輩!」

 

ノノミも声を上げシロコを制した…が

 

「次は私の番ですよぉ~♪私も癒されたいしネイトさんを癒したいですぅ♪」

 

「えぇ~!?」

 

彼女もネイトの同衾を狙っているようだ。

 

「ちょ、ちょっと!?私たちもう高校生ですよ!?それなのにネイトさんと一緒に寝るのは…!」

 

さすがにアヤネもさらに声を張り上げてこの年になって親みたいなネイトと一緒に寝るという恥ずかしさを問うも…

 

「ん…イヤならアヤネはしなければいい。」

 

「い、嫌とは言ってないじゃないですか!…あ!」

 

「あらぁ~♪じゃあ、アヤネちゃんもお願いしてみましょうよ~♪」

 

「うぅ~…二人とも意地悪です…!/////////」

 

思わず出た本音に顔を真っ赤にするのであった。

 

「アハハハ…止めはしないけどネイトさんの迷惑にならないようにね?」

 

まぁ、添い寝するだけなら先生も彼女たちを止める理由はないのでそう注意するにとどめた。

 

「ん…そうと決まればネイトさんに直談判する。」

 

「じゃあ、お仕事現場まで行きますかぁ?」

 

「それは無理、人数が増えて作業スピードが上がってるから場所が特定できない。」

 

ここ数か月、生徒数と日雇い作業員の増加でアビドス廃墟の解体速度は目まぐるしく向上。

 

しかも、街道一つ片付くとまた違う場所へと向かうため作業員でなければ特定は難しい。

 

今から向かっても広大なアビドスでは日が暮れてしまうだろう。

 

「今日も一杯日雇いの方が来てましたからね。」

 

「ん…だから確実に仕留められる時まで待つ。ネイトさんもそう教えてくれた。」

 

「はぁい、じゃあネイトさんを待ってましょうねぇ♪」

 

と、シロコは待機を選択。

 

他の面々もネイトの帰りをここで待つことに。

 

「ねぇえ~…いい加減おじさん放してよぉ~…。/////////」

 

対策委員会室にそんなホシノの力ない声が響くのであった。

 

 

 

午後5:40

 

「ん…バスが帰ってきた。」

 

日も暮れかけたころ、ようやくネイト一行のバスが帰校。

 

その後、終礼と日雇い作業員への給与譲渡も終えネイトが一人校庭に残されたが…

 

『!』

 

この距離で5人は気付いた。

 

ネイトが…臨戦態勢に入っていることを。

 

「あの様子…ただならないことがあったようだね…!」

 

「な、何があったんでしょう…!?」

 

「ん…分からない。でも、今は声をかけるべきじゃない。」

 

「そうですねぇ~。集中を乱すわけにはいきませんもんねぇ~…。」

 

「うへ~…またトラブルが起こったのぉ?」

 

匂いが薄まりようやく解放されたホシノも含め5人は一旦機会を見送ることに。

 

その後、校内に戻り着替えたネイトが外出。

 

少しして…寮のほうで動きがあったようだ。

 

そちらを見ると二個分隊ほどの人員が装備を整え出撃しようとしていた。

 

装備は見たところ中距離仕様にスコープがマウントされたアサルトライフルやセミオートスナイパーライフルなどだ。

 

その銃全てにレーザーサイトが装着されている。

 

「ねぇ~何かあったのぉ?」

 

「あ!うっす、姉御!なんか『野良猫』が現れたみたいっす!」

 

「親分がポイントに誘い込むらしいんでそこに向かうんです!」

 

窓を開けて何をやるつもりか尋ねると隊員たちはネイトの指令をホシノに伝える。

 

「の、野良猫…?」

 

「多分、スパイですねぇ。」

 

「ネイトさんに?どこが…?」

 

「ん…それを聞き出すための出撃だと思う。」

 

「それでぇその野良猫退治終わった後どうするのぉ?」

 

「いつも通り『柴関ラーメン』で打ち上げっす!」

 

「「「…ほぉ?」」」

 

いいことを聞けた。

 

準備万端で迎え撃つネイトのことだ。

 

敗北の可能性はかなり低い。

 

ほぼこの後柴関ラーメンに向かうことは確実だ。

 

「じゃあ、お願いがあるんですけどぉ柴関ラーメンに到着したら連絡してもらえますかぁ?」

 

「連絡っすか、ノノミ姐?別に構わないっすけどなんかあったんすかぁ?」

 

「ちょっとお願いがあるだけですぅ♪急ぎじゃないのでぇ到着してからで構いませんよぉ?」

 

「分かったっす!」

 

「じゃあ、気を付けて行ってきてください。ネイトさんを頼みました。」

 

『了解!』

 

こうして出撃する部隊を見送るホシノたち。

 

「…ねぇ、ホントにお願いするつもりなのぉ…?」

 

見えなくなったタイミングで改めてホシノはシロコたちに尋ねる。

 

「ん…当然、待ってた甲斐があった。」

 

「絶好のチャンスを逃がすわけにはいきませんもんねぇ~♪」

 

「こうなったら行くとこまで行っちゃいましょう!」

 

「うへ~…ネイトさんの教練がこんなとこで生きちゃうなんてぇ…。」

 

悲しいかな、全てネイトが教えてきたことばかりだ。

 

こうなってはもうホシノでは止められない。

 

「…普通の生徒でもあんなに規律正しく行動できるなんて。」

 

一方、先生はネイトが鍛え上げた一般生徒の練度の高さに驚いているのであった。

 

それから…数十分後、ノノミのモモトークに…

 

《柴関ラーメン到着!セリカのお嬢もいます!》

 

ネイトがとうとう網にかかったという連絡が入った。

 

「それじゃあ、柴関ラーメンへ行きましょう~♪」

 

「ん…ついでに晩御飯もご馳走になろう。」

 

「もう結構いい時間ですもんね。あ、先生もいらっしゃいますか?」

 

「うん、君達だけで向かわせるのも心配だし皆の行きつけのお店に挨拶もしておきたいしね。」

 

戦場へ向かうためノノミ達は柴関ラーメンへ向かう。

 

「じ、じゃあおじさんは今日はもううちに帰…。」

 

と、ホシノは家に帰るために逆方向へ向かおうとするも…

 

「ダメですよぉ~♪ホシノ先輩も一緒に行かないと交渉材料に弱いんですからぁ~♪」

 

「え゛…!?」

 

この中で随一の力自慢のノノミに首根っこをむんずと掴まれ…

 

「じゃあ、柴関ラーメンへレッツゴーですぅ♪」

 

「うにゃあああああああああ!!!/////////」

 

悲しいかな、ホシノは振りほどくことができずにそのままノノミに首根っこを掴まれて連行されていくのであった。




可愛い子には旅をさせよ
―――日本の諺
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