―――政治評論家『三宅久之』
「ふぅ~ただいま~。」
「あっお帰りなさい、ネイトさん♪」
「ちょっとどうしたの?なんかお疲れじゃない。」
ひょんなことからアル達便利屋68と義兄弟の契りを交わしたネイト。
その日の夕方、学校に帰ってきたが何やらお疲れ気味だ。
「今日はアルさん達に会ってたんじゃ…。」
「なに、アル達への刺客の対処で少しヴァルキューレに厄介になっててな。」
「うへ~刺客って随分物騒な話だねぇ。」
あの後、直ぐに便利屋68に差し向けられた傭兵たちは制圧。
ネイトがヴァルキューレの派出所に突き出してきたのでその調書等でこの時間までかかったのだ。
ちなみに、そこそこ賞金がかかっていた傭兵なので引っ越し祝いにアル達にその賞金は譲ってきた。
「なんでもカイザーと依頼の件で喧嘩別れしたんだと。そういえば、大将の様子はどうだった?」
「ハイ、怪我も軽症であと少しで無事に退院できるそうです♪」
「柴関ラーメンも屋台だけどすぐに再開するって!」
「それはよかった。」
と、柴大将を見まいに行ったノノミ・セリカ・アヤネから大将の容態を聞いていると…
「ただいま、今戻ったよ。」
「ん…先生、お帰りなさい。」
ちょうど先生も帰ってきたようだ。
見たところ何か騒動に巻き込まれたような様子もない。
あのゲヘナに一人で向かって無事で帰ってこれたのは相当幸運だろう。
「ゲヘナに一人で向かうって聞いたときは驚きましたが大丈夫でしたか?」
「うん、特に危ないこともなかったね。ただ時期も時期だからあまり長居はさせてもらえなかったけど。」
「当り前よ。何日か前にあんだけ風紀委員会相手にド派手に暴れちゃったんだから。」
「しかも護衛もなしだなんて無謀もいいとこだよぉ、先生?」
「あ、アハハハ…今アビドスの皆とゲヘナに入るのもまずいと思って…。」
「だったら、攫われかけた先生が一人で行くのも相当まずいぞ?」
「ま~ま~、ご無事で返ってこられたんだからいいじゃないですかぁ♪」
そんな風に今日会ったことを報告がてら賑やかに話していると…
「…で、大将の所に行って何があったんだ?」
「え…?」
「ノノミやセリカにアヤネ、どうしてそんな暗いの?」
ネイトと先生、この大人二人はすでに気付いていた。
一見してこちらに悟られないよう取り繕っているが…何か重大なことを知ってしまったということを。
「…やっぱり敵わないわね、ネイトさんや先生には。」
「そうですねぇ…。」
「伊達に半年以上一緒に過ごしてないんだ。そのくらいわかるさ。」
「それで…いったい何があったんだい?」
「それが…衝撃の事実ばかりでした…。」
こうなっては隠せないと思ったかアヤネが筆頭となって説明が始まった。
今日、柴大将の見舞いに行った三人はこんなことを聞かされた。
『少し前から退去通知を受け取っていた。』
『数年前、アビドスの借金返済のめどが立たずに建物と土地の所有権が移った。』
『その相手はカイザー関連の会社だったと記憶している。』
と。
「待て待て、あそこはアビドスの学区だ。いくら借金の抵当で抑えられてるからってそんな地上げみたいなことができるわけがない。」
ネイトが言うように通常学区内の土地や建物はそこを統治する学校が所有するものだ。
カフェのマスター所有のビルなどは例外中の例外だ。
ちなみに、マスターの先々代の時代の混乱期のゴタゴタ紛れになし崩し的に当時のアビドス高校分派から分捕ったとか何とか。
閑話休題
確かにアビドス高校は借金まみれで広大な土地がカイザーローンの抵当に入っていたはず。
返済が続いていたのにそんな強引な真似が認められるわけがない。
だが…
「…土地は抵当なんか入ってなかったのよ。」
「…は?」
そもそもその前提が間違っていたのだった。
「これを見てください。アビドス自治区の土地台帳『地籍図』です。」
アヤネがタブレットを操作し、大将の見舞いに行っていなかった面々にも見えるように机に置く。
「…おい、どういうことなんだ…!?」
「これって…そんな…!?」
その画面を見た二人は驚愕する。
「えぇ…柴関ラーメンが入っている建物はもちろん、アビドス自治区のほとんどが…私たちの学校の所有じゃなくなってたわ。」
「アビドス高校の所有と言える土地はこの校舎と…寮や資材置き場になっているくらいの土地しかなかったんです…。」
「そして…それ以外の大部分の土地を所有しているのは…カイザーコンストラクションです…!」
街だけではない。
ネイトたちが普段廃墟を解体している区域からその先の砂漠・荒れ地に至るまで数千万坪の土地の所有権が書き換えられていた。
「つまり…自分の学区の土地を売って…!?」
「ハイ…取引の主体はアビドス高校の生徒会でした…。」
「…はぁぁぁ…。」
この事実にネイトは両目を抑え天を仰ぐ。
なぜその考えに思い至らなかったのか。
…だが、無理もない。
ネイトにとって『借金』や『ローン』と言うものは『抵当』ありきの存在だった。
ましてや自分たちの土地だ。
当時の生徒会の郷土愛はどれほどかは測りかねるが…そう易々と売るわけがないと高をくくっていた。
「…どうしてそんなことを当時の生徒会は?」
「…たぶん、最初は本当に借金を返そうと思ってのことだったんだろうね。多分、私の何代も前の生徒会がやった事だから詳しくは分かんないけど…。」
ネイトのそんな問いかけにホシノが推測を含んで答えた。
「ん…そういえばホシノ先輩は…。」
「これでも生徒会副会長だよぉ。当時はユメ先輩と二人っきりだったけどねぇ。」
「そうなんだ…。」
「ハイ、ホシノ先輩の言う通りかもしれませんが砂漠化が進んだ土地に高値がつくはずがなく…。」
「私たちが払ってた利子くらいの額にしかならなくて元本までは減らせなかったのね…。」
「それで土地を何度も繰り返してカイザーコンストラクションに売り払ってしまって…。」
「ん…凄い悪循環に陥ってしまっている。これじゃ土地はなくなるのに借金は雪だるま式に…。」
「そして、まだ手に入れていない最後の土地…このアビドス高校周辺の土地を手に入れようと…。」
「ヘルメット団に資金援助して俺達を排除しようとした…ってところか。」
なぜヘルメット団に資金援助を?
どうして借金返済中のアビドス高校を攻撃する?
ネイトの中でここ最近分かった点と点が繋がって線になる。
そして…
「奴らの目的は金なんかじゃない。このアビドスの土地そのものだってことか。」
カイザーコーポレーションの真の狙いも分かってきた。
「確かにあり得る話ですが…いったい何のために?」
「この砂漠に覆われたアビドスで一体何を…?」
確かに納得できるネイトの発言だが新たな疑問も生まれる。
カイザーコーポレーションが砂漠に覆われたアビドスで何をしようとしているのか?
ホシノから以前聞いたがこのアビドス砂漠にはめぼしい資源はない。
あるのはずっと続く砂の大地と廃墟だけだ。
ネイトのような稼業でもなければ買うだけ無駄な土地だ。
だが…
「…砂漠と言えば今日ゲヘナの風紀委員長のヒナから教えられたことがあるんだ。」
それを裏付ける情報を奇しくも先生は入手していた。
あの時、去り際にヒナからこういわれた。
『アビドスの捨てられた砂漠、あそこでカイザーコーポレーションが何かを企んでいるわ。』
と。
「そ、そんなことをゲヘナの風紀委員長さんがどうして…!?」
「あれだけ大きな学校だ。諜報部隊の一つや二つがいてもおかしくはないさ。」
「あッ!あのアコとかいういけ好かない奴がそういえば情報部とか言ってたわ!」
「一体カイザーはそんなところで何を…?」
これでより一層カイザーがアビドスの土地を狙っているという確信が強まった。
「ともかくカイザーコーポレーションが何かをそこで企んでいるというなら…!」
「セリカちゃんの言う通りです。全ての答えは…アビドス砂漠にあるはずです。」
「…よし、監視用『アイボット』を使って位置と内情を探ってみよう。」
「おぉ、あの丸っこい可愛い奴だね!」
「アイボット?」
「ん…ネイトさんが作ったロボット。ホントは資源探査とかが主目的だけど。」
「ヘルメット団の動向の監視のために改造したものがあるんですよぉ。」
『アイボット』、連邦時代からネイトも運用してきた小型ロボットだ。
資源の場所の調査や監視機器を搭載し偵察任務にも用いたりもした。
大人数で現地を調査するより目立たず行えるという利点がある。
そして…
「…俺からいいか?」
「どったの、ネイトさん?」
「…アビドスの土地のことだが…どうにか取り戻せるかもしれない。」
『え!?』
買い取られた土地を再びアビドス高校に取り戻す作戦もネイトは思いついていた。
「ホントなの、それ!?カイザーから土地を奪い返す方法なんかあるの!?」
「それなら借金を返せてからも土地の問題に悩まなくて済むかもしれません!」
「ん…それは助かる。それにネイトさんの今後の活動も簡単に進めることができる。」
にわかに沸き立つセリカ・アヤネ・シロコだが…
「…そんな方法が本当にあるの、ネイトさん?」
「カイザーが何十年とかけて購入してきた土地をそんなおいそれとは…。」
「多分…購入代金程度では向こうはこちらに返しては…。」
ホシノ・ノノミ・先生はけげんな表情を浮かべる。
カイザーコーポレーションはそれほど執着している土地をそう簡単にあきらめるようなところではない。
おそらくここにある購入代金分だとしても首を縦には降らないはず。
さらにこれは正当な取引だ。
荒事を行おうとすると…こちらが悪者になる。
それでも…
「いや、必ず奴らはいつか音を上げる。俺の策は何度でも使える。だが…。」
自信を持ってネイトは答えるが…
「――――――――――――――。」
『ッ!!?』
続くネイトの言葉に…この場の全員が目を見開き驚愕した。
―――――――――――――――――
――――――――――
――――
それから二日後、ネイトはアビドスを離れ…
「こちらW.G.T.C.所属機体、識別名『一天号』。『ミレニアムサイエンススクール』管制塔、応答願う。」
《一天号。こちら、管制塔。着陸許可は出ています。第15ヘリポートへ向かってください。》
自らベルチバードを操り、科学の学校『ミレニアムサイエンススクール』に赴いていた。
管制塔に指示されたヘリポートに向かい着陸。
と、
「ネイト社長!お久しぶりです!」
「出迎え感謝するよ、ユウカ。」
ミレニアムセミナーの会計である早瀬ユウカが出迎えてくれて握手を交わした。
そして、
「貴方が噂のネイト社長ですか。」
彼女の背後にはひざ下まであろうかと言う真っすぐな白い長髪の生徒がいた。
「君は?」
「初めまして、ユウカちゃんと同じセミナーで書記を務めます『生塩ノア』と申します。本日はよろしくお願いしますね。」
セミナーの書記、つまりユウカの同僚の『生塩ノア』と言う生徒もネイトを出迎えに来てくれたようだ。
「セミナーの書記と言うことは…カイザーの契約を見つけてくれたのは君か。」
「アハハ…あんな契約を放置し続けてしまっていたのは書記として汗顔の至りですけどね…。」
そう、以前ユウカとともに勝ち取ったカイザーとの大型契約。
彼女はカイザーとミレニアムの数十年前の契約を短時間で見つけ出し詳細をまとめ上げたいわば陰の功労者なのだ。
なぜそんな彼女が己を恥じているのかと言うとミレニアムが保有する特許や交わした契約の管理なども彼女が担当しているからだ。
そんな自分がいくら昔とは言えこんな浪費の元となる契約を見落としていたことにノアはひどく落ち込んだのだった。
「なに、君のおかげでウチは大助かりだったんだ。感謝するよ。」
「そうよ、ノア。ネイトさんの契約のおかげでミレニアムの財政も潤うんだから。」
「そう言っていただけると幸いです。」
「では改めて。知ってると思うが、W.G.T.C.社長のネイトだ。よろしく頼む。」
「ハイ、よろしくお願いしますね。」
そんな彼女をフォローする言葉を交わし、ネイトとノアも握手を交わす。
「さて、さっそく案内をしてもらいたいところだが少し待っててもらっていいか?」
「どうかしたんですか?」
「あとからくる不埒物のために監視員を連れてきている。」
そう言い、ネイトは一旦ベルチバードに戻り側面ハッチを開けると…
「待機モード解除、これより警戒任務にあたります。」
ゾロゾロと中から4体のアサルトロンが下りてきた。
「なっなんですか、このロボット!?」
「アサルトロン、俺が作った戦闘用ロボットだ。」
「凄い…こんな完璧な二足歩行の人型ロボットは初めて見ました…!」
話には聞いていたがミレニアムを凌駕するネイトのロボットに口に手を当てて目を丸くするノア。
「気をつけろよ?並のキヴォトス人十人くらいなら近接戦闘で一瞬で片付けてしまうぞ。」
「い、いくら何でもちょっと警戒し過ぎじゃないですか…?!」
さすがに学校の敷地内にこんな戦力を展開されるのはセミナーとして少々いただけないので指摘するユウカだが、
「帰ってきてバラバラのベルチバードなんか見たくないからな。」
「…………確かに。」
ネイトのもっともな指摘で何も言えなくなった。
先日のネイト救出時にこの機体が燃料補給を行った際の騒動はユウカも帰校後聞いている。
そんな機体が今度は自校の敷地内に駐機している。
ミレニアム生にとってはもはや目の前に垂涎のご馳走が放置されているようなものだ。
警備のための兵力展開は仕方ないと言える。
「さて、それじゃ行こうか。」
「ではご案内しますね。」
何はともあれ、初めてミレニアムサイエンススクールに足を踏み入れるネイト。
「しかし…やっぱ進んでるなぁ…。」
中に入るとその近代的な設備に見入りっぱなしだ。
まるでおもちゃ屋に来た子供のように目が輝いている。
「確か元エンジニアだったんですよね、ネイトさんは?」
「しがないフリーのな。久しぶりにその頃の気持ちが騒いでるよ。」
「うふふっ、じゃあ今日はとても楽しんでいただけますね。」
「…なんだか厳しくて冷静なところしか見てなかったからそんなワクワクしてるネイト社長は新鮮ですね。」
「年甲斐もなくはしゃいでしまったかな?」
「いえいえ、未知の物に心動くのは私たちもよく分かります、その感動に年齢は関係ありませんよ。」
そんな会話を繰り広げつつ三人が向かったのは…
「ここか…。」
「ハイ、ここがミレニアムが誇る部活の一つ『エンジニア部』です。」
「部室と言うよりもはや格納庫だな…。」
ネイトの言うように一部活が使うにはあまりにも広い部室を所有するミレニアムでもトップクラスの技術集団がいる『エンジニア部』だ。
「まぁ…これくらい広くないと若干危険ですからね…。」
「分かるよ、技術の発展は大概事故が伴うからな。」
そんな遠い目をするユウカに実感の籠った答えを返していると…
「おぉ、貴方はそれを理解してくれるんだね…!」
「ん?」
今来た道の方から声を掛けられそちらを見ると、頭の上に何やらデバイスが浮遊する端でまとめられた薄紫色の髪の少女がいた。
傍らには二基のガトリング銃が搭載されたロボットが控えている。
「彼女は?」
「彼女がこのエンジニア部の部長を務める『マイスター』、『白石ウタハ』先輩です。」
「お疲れ様です、ウタハ先輩。」
「ユウカとノアが案内しているとすると…貴方があの子たちがいつも話している『ネイト』さんと言うことでいいのかな?」
「その通り。W.G.T.C.社長のネイトだ。よろしく、ウタハ。」
「白石ウタハだ。そしてこのロボットは『雷ちゃん』。我がエンジニア部へようこそ、ネイトさん。」
互いに自己紹介しあい握手を交わすと…
「…うん、いい手だ。」
「良い手?」
「厚い皮にしみついたオイルの香り…。うん、貴方はいいエンジニアだ。それに銃を使う者特有のタコまで…あの子たちが言ってた通りだね。」
ウタハは手を通じて伝わるネイトのエンジニアや兵士としての技術の高さを評価する。
「お褒めの言葉をありがとう。」
「時間が許すならあなたとずっとテクノロジーについての対話をしていたいのだがそうはいかないね。」
「じゃあ、さっそく見せてもらえるか?」
「もちろん、付いて来てくれ。」
そう言い、ネイトたちを部室内に案内するウタハ。
「ウタハ先輩、ヒビキとコトリはどこに?」
と、ユウカがここにいないエンジニア部の部員について尋ねると…
「何でも『見たことのないヘリが来た』と言って工具をもって他所の子達と一緒に飛び出していってしまったよ。」
(((あ…。)))
ヘリポートでネイトが警戒していた事態まんまのことが起こってしまったらしい。
つまり…エンジニア部の部員や他所の生徒たちは今頃…。
「私も行きたかったがネイトさんの応対をしなければならないから残ったんだ。…どうかしたのかい?」
「い、いえお気になさらず!」
「そうかい?じゃあ、さっそくだけどご注文の品を紹介しようか。」
ウタハはそう言い、テーブルの上にあった布をはぎ取るとそこにあったのは何かの機材だ。
「名付けて『F・ハカール君』、ドローン搭載型の建造物延べ床面積測定デバイスだよ。」
「かなり小型なんだな…。」
「この手の技術は昔からあってね。3Dの測量技術に音波とスキャンレーザーを用いた内部探査で階層の計測を組み込んだ代物だよ。」
「疑うわけではないが精度は?」
「ミレニアムにある様々な形状のビル100棟を使って計測したけど誤差はコンマ0.001%を下回っている。倒壊した建物だって残った部分からほぼ正確な数値を出せる。」
「ほぉ…計測完了までの時間は?」
「一定速度で飛ぶ必要はあるが…200mクラスの超高層ビルで最短2分、最長でも5分あれば計測完了するよ。」
「…見事な性能だ。」
さすがは最先端科学のミレニアムの中でもトップの技術を誇るエンジニア部だ。
エンジニアとして一家言があるネイトも舌を巻く超高性能っぷりだ。
が、このエンジニア部…
「おまけの機能として『自爆』機能も付けてある。」
「…何だって、自爆?」
ただ依頼通りの代物を作ることはなくいつも何かしらの『余計な』機能がくっついている。
「ウタハ先輩…またそんな危ない機能を勝手に…。」
「安心してくれ、ある操作をしないと爆発しないよう安全性は確保してある。」
そう自信満々で答えるウタハだが…
「安全性確保なら自爆機能なんか乗せない方が…。」
「それではつまらない。ロマンの追及を捨てることはできない。」
ノアのもっともな意見を一蹴、つまらない物を作りたくはないようだ。
「…あぁ~、分かった。じゃあ自爆しないよう注意して使うよ。」
これは尤もらしいことを言っても通じないとすぐに理解したネイト。
『マイスター』と呼ばれるだけあって彼女にも頑固な譲れない部分があるのだろう。
エンジニアとして少しはその気持ちは分かるので、いっそのこと諦めてそのまま使うしかない。
「ともかくほぼ注文通りに作ってくれてありがとう、ウタハ。これで作業が楽に進むよ。」
何はともあれ性能は文句のつけようがない。
ネイトはこの『F・ハカールくん』を受領することにした。
「なに、支払いはセミナー経由で貰えることになってる。たっぷり稼ぐことを期待してるよ、ネイトさん。」
「あぁ、目玉飛び出るくらい稼いでやるさ。」
たがいにそう言葉を交わし再び握手を交わす二人。
…だが、
「…なんでそんな力を籠めるんだ、ウタハ?」
なぜか、今度はウタハがネイトの手を放してくれない。
「聞いてるよ、ネイトさん。貴方は…とんでもない武器を持ってるってね。」
目を輝かせながらそうネイトに問うウタハ。
「…モモイ達か?」
「ノーコメント…と言いたいがミレニアムで貴方と関わりがあるのはユウカと彼女たちしかいないからね。」
情報の流出元はモモイ達とすぐに判明。
まぁ、口止めなどしてないのだから無理もないが…。
「彼女たちの与太話かもしれないのによく信じたな。」
「目を見ればわかるさ。アレは未知の物を見て興奮しているときの目さ。あんな目をして嘘が言えるほどあの子たちは不純じゃないからね。」
これはもう口八丁では手を放してもらえないと察するネイト。
「…で、俺に何をしてほしいんだ?」
「一発だけでいい。それを今ここで撃ってみてはもらえないだろうか?」
「ちょ、ちょっとウタハ先輩…。」
あまりにも強引な要求にユウカが彼女を諫めるが…
「…いいだろう。こんな良いものを作ってくれた礼だ。」
「ネ、ネイトさん…!?」
当のネイトはあっさりこれを受け入れる。
「感謝する。今標的を用意するから待っていてほしい。」
すぐにウタハは部室内の機材を操作し的を設置。
「材質は戦車にも使われる圧延鋼材、厚さは27㎝。おそらくキヴォトスで運用されるどの戦車よりも分厚いはずだ。」
ネイトの目の前に鋼鉄の塊が設置された。
相手にとって不足はない。
「じゃあ、次は俺の番だな。」
そう言いネイトが取り出したのはガウスライフルだ。
「!?いったいどこから…!?」
「そんな大きな銃持ってませんでしたよね…!?」
巨大なライフルを一瞬で出現させる、手品のような光景に驚くノアとウタハだが…
「悪いがそれは答えられない。俺が言われたのはこれを撃つだけだからな。」
「…やられたよ、そんな技術があるならそれの話も聞けるよう約束をすべきだったね。」
あいにくPip-Boyの仕組みを話す約束はしてないのでウタハもこれには口をつぐむ。
「それじゃ早速…。」
標的の鉄塊まで距離にして50m、ネイトはガウスライフルに最近搭載した5倍ブースター付きドットサイトで狙いを定め…発砲。
発砲の瞬間、反動を受け止める姿勢をとっていたネイトの体もかなり揺さぶられたが弾道その物に狂いはない。
空気摩擦による放電によって曳かれる蒼い軌跡は一瞬で鉄塊に到達し、火花を散らし着弾。
するとどうだ?
キヴォトスに存在するどの戦車装甲よりも分厚いとされた鉄塊は一瞬のうちに貫通、背後に二つのこぶし大の貫通孔を穿つ。
その影響か、鉄塊に亀裂が走っていき…粉々に崩れ落ちた。
「…随分脆い鉄だな。焼戻しを甘くしたな?」
普段から撃っている武器のことよりも標的の鉄塊の状態が気になったネイトに対し…
「…す、凄い…!これが彼女たちが言っていた『ガウスライフル』…!」
ウタハは話にしか聞いてこなかったミレニアムを上回るテクノロジーであるネイトの武器に感激のあまり口数が少なくなっていた。
「ガウス…つまり磁力で発射される銃ってこと…!?」
「まさか…レールガン…!?しかも人が持てるサイズであんな威力の…!?」
ユウカとノアもミレニアム生であるが故に…この武器の異常性が一目見ただけで分かり言葉を失っている。
「それじゃ見せるもの見せたし俺はこの辺りで。」
頼みは聞いたのでそそくさと『F・ハカールくん』とガウスライフルを収納しエンジニア部の部室を後にした。
「ちょ、ネイトさん!?」
「今の銃がどんなのか少しくらい説明を!?」
「そんな殺生な!?もう少し対話しようじゃないか!」
その後をネイトの説明を求めながら騒々しくしながら追いかけるユウカにノアにウタハであった。
そんな姦しい三人を引き連れ馬耳東風と言った様子でヘリポートへの道をつかつかと歩いていくネイトだったが…
「…あ、そうだ。」
突如、何かを思い出したように足を止めた。
『ぎゃふん!?』
「あ、スマン…。」
そのせいでその背中に三人とも突っ込んでしまった。
女子高生とはいえ人三人にぶつかられて小動もしないのはさすがの体幹だ。
「イタタ…急に止まらないでくださいよ、ネイトさん…。」
「ま、まるで根が生えたみたいですね…。」
非難がましくネイトを見るユウカにネイトの体の頑丈さに驚くノアに…
「ようやく対話する気になってくれたか、ネイトさ…!」
目を輝かせてネイトを見上げるウタハだが…
「ちょっと寄りたいとこがあるんだが案内頼めるか?」
そんなウタハの要望を半ば無視し三人に要望を伝えたのだった。
―――――――――――――――
「ミドリ~、デザイン案できた~?」
「できてるよ、お姉ちゃん。それにしても筆が進むね。」
「ここ一月で三本くらい、シナリオとネーム、作るって過去最高。」
ここはゲーム開発部の部室。
モモイとミドリにユズの三人が各々パソコンに向き合いゲームを作るための作業を行っていた。
普段はかなりぐーたらでいつも締め切り前にヒーコラ言ってるモモイだがここ最近はまるで人が変わったように様々なジャンルのシナリオ作りに没頭している。
「やっぱりフレッシュでインパクトのある経験って大事だね!」
「それはそうだね。あんな経験…しようと思ってもできないだろうし。」
「ミドリのデザインも、かなり洗練、されてきた。」
「そういうユズだってプログラミングの速度上がったね!」
モモイだけではない。
ミドリもユズもそれぞれの作業分野でかなり成長している。
偏にこれは…と、その時、
『もしもし~、ゲーム開発部の皆。いるわよね~?』
「げっ!ユウカだ!なんかまずい事やっちゃったかな!?」
ノックの音と共にゲーム部の天敵ともいえるユウカが部室を尋ねてきた。
怯えるモモイと対照的に、
「大丈夫だよ、お姉ちゃん。ここ最近は遊んでないでちゃんと制作作業してるんだから。」
「ひぅぅ…!」
「ユズちゃんもロッカーに引きこもらないで…。あぁもう、私が出るね。」
落ち着いたミドリが二人を宥めユウカの応対をすることに。
「こんにちは、ユウカ。何か御用?」
「こんにちは、ミドリ。入ってもいいかしら?」
「どうぞ、少し散らかってますけど。」
ミドリに導かれユウカが部屋に入ると…
「わ、我々は作業中であ~る!その邪魔をすることは断固として拒否する~!」
「何やってんのよ、モモイ…。」
即製のバリケードのつもりか、そこら辺のゲーム雑誌を積み上げその陰からヘルメットをかぶりおもちゃの拡声器でまるでデモ隊のようなことを口走るモモイ。
「あ、でも作業中だっていうのは本当ですよ?」
「えぇ聞いてるわ。あのぐーたらな悪ガキのモモイが熱心になってるって噂になってるもの。」
「グータラとは何だー!ただ私は資料集めのためにプレイしてるだけだー!」
「ハイハイ、分かったわよ。今日はそんな話じゃないわ。」
「…え、私達を叱りに来たんじゃないの?」
「真面目に作業してるのに叱ったりしないわよ!アンタたちにお客さんよ、お客さん!」
「お客さん?」
正直、ゲーム開発部にユウカ以外の来客があること自体稀…と言うかほぼない。
誰かと思い首をかしげるミドリとモモイだが…
「どうぞ、いらっしゃっても大丈夫ですよ。」
ユウカが部屋の外に呼び掛け…
「お邪魔するよ。元気にしてたか、モモイにミドリ?」
ネイトが部室の中に一歩踏み入れると、
「あッ!ネイトさんだぁ!」
先ほどの態度などどこへやら、ヘルメットも拡声器もぬぐい捨てネイトに駆け寄るモモイ。
「おっと。相変わらず元気いっぱいだな、モモイ。」
そんなモモイを受け止めて右腕に抱き抱えてモモイの健在を喜ぶネイト。
「ネイトさん、ミレニアムに来てたんだ!」
「すこし用事があってな。ついでに三人の顔を見ておこうと思ったんだ。」
「そうなんだ!ゲーム開発部の部室に来てくれて嬉しい!」
「俺も会えてうれしいよ。」
抱きかかえられたままネイトの首に抱き着き喜びを爆発させるモモイ。
「…なぁんでネイトさんにはあんなに素直になるのかしら。」
普段の悪ガキっぷりが鳴りを潜め素直な感情を爆発させるモモイに首をかしげるユウカに、
「ネッネイトさん、お久しぶりです…。」
おずおずとネイトのもとに近づき何やらもじもじするミドリ。
「ミドリも変わりないようで何よりだ。…ほら左腕なら空いてるぞ。」
「じ、じゃあ失礼して…。」
ネイトも彼女の内心を察して再び屈みミドリを左腕で抱きかかえた。
「ミドリも変わりないようで安心したよ。」
「…ネイトさんも健在のようでとても嬉しいです。」
「ハハッ俺はいつでも元気一杯さ。」
「…そ、その…私もお姉ちゃんみたいに…。」
「良いぞ、来い。」
「は、はい…!」
そして、ミドリも彼に促され首に抱き着いた。
「あらあら♪両手に花ですね、ネイトさん♪」
「ふむ、本当になつかれているんだね。」
「あ、ノア先輩にウタハ先輩!」
「こ、こんにちは///。」
堵から入ってきたノアとウタハは微笑ましそうに眺めている。
「それでユズは留守なのか?」
「あ、ユズならロッカーに隠れてるよ。」
「ユズちゃん恥ずかしがり屋で急な来客があると隠れちゃうんです。」
と、そんな会話をしているとロッカーが開き…
「あ、ユズ。」
「じ、自分から出てきた…?!」
これだけ来客がいるというのにユズが彼女の意志でロッカーから出てきて…
「ふ、二人だけ、ずるい…!わ、私も…!」
そう言うと開いているネイトの胸に飛び込んできた。
「い、いらっしゃい、ネイトさん。」
「やぁ、ユズ。元気そうで何よりだよ。」
「ネ、ネイトさんも、あれから怪我とか、してませんか…?」
「心配するな、そう簡単に俺はやられないさ。」
「よ、よかったです…。」
あの日のことがまだ記憶にあるのだろうかしきりにネイトの身を案じるユズ。
「全く…ホントネイトさんがらみになると人が変わったようになるわね。」
「フフッ♪それだけ魅力的な男性だってことですよ、ユウカちゃん♪」
「キヴォトスだとあまり例がない親しまれ方だね、興味深いよ。」
少女三人に抱き着かれ傍から見てもここまで嫌悪感が一切わかないのも珍しい。
まるでそれが普通であるかのような自然体のネイトの様子をユウカたちは興味深そうに眺めるのであった。
しばらくして、
「えぇーッ!今日はこのまま帰っちゃうのーッ!?」
「ごめんな、この後仕事があるんだ。また今度時間があるときにゆっくり伺わせてもらうよ。」
「いいじゃ~ん!一緒にゲームしようよー、ねぇいいでしょー!?」
遊べるものと思っていたモモイだがネイトもこの後予定が立て込んでいると聞かされて駄々をこねるモモイだが、
「モモイ、無理言っちゃだめよ。ネイト社長だって忙しいんだから。」
「お仕事なんだから仕方ないよ、お姉ちゃん。私だって残念だけど…。」
「また来てくれる、って言ってくれてるし、今日は我慢しよ、モモイ。」
「うぅ~ユウカだけじゃなくてミドリやユズまで…。」
ユウカやミドリにユズも彼女を説得し勢いは衰える。
さらに、
「よし、じゃあ約束代わりにゲーム開発部に一つ依頼を出そう。」
『依頼?』
「この封筒の中に入っているデータでVRシミュレータを作ってほしい。」
ネイトが懐から取り出した封筒をモモイに手渡し依頼をする。
「期限はどれくらいかかるかな?」
「え、えぇっとVRシミュレータで、スペックも詳細になってるのであれば…1週間もあれば組みあがります。」
「費用は?」
「そ、そんな…この前も一杯貰ったからこれくらい…。」
「ミドリ、友人だからこそその辺ははっきりしてくれ。」
「…じゃあ、10万円で受注します。」
「よし、じゃあ1週間後にまた来よう。代金はその時でその後の予定空けておくから夜まで付き合うぞ。」
「ホントに!?」
「あぁ、約束だ。」
「ぃやった~!」
その依頼品の受領の際に遊ぶ約束をすることで彼女の機嫌を取り直すのであった。
「さて、と。じゃあ俺はそろそろ行くよ。」
「一週間後、忘れないでね!」
「その時はもっと準備しておきます。」
「依頼も、しっかりこなしますから、安心してください。」
「頼んだぞ。じゃあ行ってくるよ。」
『行ってらっしゃい、ネイトさん!』
そう、モモイ達に見送られネイト一行はゲーム開発部の部室を後にするのであった。
そんなこんなで短いながらも賑やかなネイトのミレニアム探訪だったが…
『キュ~…。』
「マスターの帰還を確認。状況終了、警戒任務から待機任務に移行します。」
「…ほらな?」
「全くこの子達ったら…!」
「あ、アハハハ…うちの生徒が申し訳ありません…。」
ベルチバードが停まっているヘリポートでは数多の生徒が気絶し伸びていた。
手には銃ではなく工具を持っているので…おそらくベルチバードやアサルトロンをばらそうとして返り討ちにあったのだろう。
これにはユウカはミレニアム生の節操の無さに頭を抱えノアもネイトに謝るしかなかった。
一方、
「おぉ!なんという性能の戦闘ロボットなんだ!雷ちゃんとぜひ戦闘試験を…!」
なぜかまだついてきていたウタハはアサルトロンの戦闘能力に感動し自分のロボットとの対戦を求めたが…
「『闘鶏やろうぜ』みたいなノリで言わないでもらえるか、ウタハ?下手すればその辺の校舎が真っ二つになるぞ。」
ドストレートにただでは済まないことを伝えられ…
「…じゃあ一体分解を…。」
「一人で勝てるんならいいぞ?」
「…分かったよ、諦めるよ…。」
その性能を知るための行動も封じられうなだれるのであった。
「それじゃ、また一週間後に寄らせてもらうよ。」
「ハイ、お待ちしています。」
「それから、生徒たちは自重するように注意しておいてくれ。」
「あとでみっちり言い聞かせておきますのでご安心を。」
「ネイトさん、時間ができたらそこで伸びているエンジニア部部員たちと共に対話をしよう。」
「それはぜひそうしたいがベルチバードを分解しようとしたことは謝って貰うからな、ウタハ。」
伸びた生徒を安全な範囲まで片付けた後、ネイトは別れの言葉を三人に交わし再びベルチバードで空へと飛び立つのであった。
その後に向かったのは…
「…戻ってきたぞ、廃墟区画。」
これまた懐かしさを感じる場所、ミレニアム郊外の廃墟区画であった。
ベルチバードはそのまま以前ネイトが廃墟区画に乗り込んだ場所まで向かい…
「良い仕事の前にはいい下ごしらえをっと。」
十分な高度をとりベルチバードに吊り下げていた爆弾を一発投下。
その爆弾はある一定の高度に達した瞬間に炸裂、周囲に蒼い波動が広がった。
「よし、『Mk82E』の性能もばっちりだな。」
Mk82E、いわば投下型パルス爆弾である。
廃墟区画での作業のためにこれもまた最近開発した新装備の一つである。
これで半径1㎞に機械にとって致命的な濃度のEMPをばらまき地面にいるロボット兵たちを一網打尽にし、
「じゃあ、周囲の警戒を頼む。」
「了解、マスター。」
4体のアサルトロンに周囲の警戒を任せ、
「さてさて…頼むぞ。」
これまた持ち込んだ『カーゴボット』に『F・ハカール君』を搭載し、廃墟ビルの測量開始。
ウタハの言う通りそこらのビルならあっという間に測量が完了し、
「延べ床面積は…ッと。」
その面積を記録し即座に解体。
「さて次。」
すぐさま次のビルを測量し解体を繰り返していき…
「…ざっと50棟解体か。高さまちまちだが…中央値およそ7500万くらいだな。」
応援のロボット兵が駆け付けるまでの間にハイペースで解体を済ませ…
「…やっぱロボット兵も美味しいな。」
爆撃で破壊したロボット兵の残骸も残らず解体。
ビルごと解体した際に入手した電子回路などの希少資源と合わせるととんでもない量の資材が手に入った。
それを重い体を何とか動かしベルチバード内の『スクラップボックス』に突っ込み、
「…我ながらぼろい商売だな、これ。」
滞在時間二時間弱で廃墟区画を脱出。
ネイトの言うように…たったこれだけでここ半年の収入を大きく超える収益を上げている。
そのままアビドスまでとんぼ返りし…
「…よし、請求書の送付完了ッと。」
外部通信用のPCで本日の請求書を作成しカイザーコンストラクション本社に送付。
正直言って数十億の大金をそう簡単に支払うかと言われると疑問だがそうは問屋が卸さない仕組みになっている。
「契約の中に『遅れたら一日ごとに50%の違約金を乗算』っていう条項盛り込んでるから支払いの心配はないだろう。」
しかも、契約は見かけ上社内稟議を通すまでもない小規模なものだ。
そんなネイトの予想通り二日後…
「…よし、振り込まれてるな。」
W.G.T.C.の口座への振り込みを確認。
ざっと…40億近い収益であった。
その5%を契約通りセミナーの口座に振り込み…
「…よし、計画を始めよう。」
確認作業は終わった。
そして45日後…すべてが動き出した。
『人類の歴史は早い話、土地の奪い合いの歴史です』
―――ドラマ『地面師たち』より地面師『ハリソン山中』