Fallout archive   作:Rockjaw

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勇気の最高の段階は危険にさいしての大胆さである。
―――哲学者『リュック・ド・クラピエ・ド・ヴォーヴナルグ』


Heat Sand Suicide Squad Part2

突如として巻き起こった二拠点の消滅とネイトを筆頭とした強襲部隊の来襲。

 

「突破されただと!?」

 

「ぼッ防空設備がほぼ破壊されました!」

 

「基地内の部隊にも被害が拡大中!」

 

大騒ぎになっているのが指令室内だ。

 

今もひっきりなしに各部隊の損害報告やネイトたちの暴れっぷりが届き続けている。

 

「えぇいっ何をやっている!?たかが車両三台、さっさと仕留めんか!!!」

 

「し、しかし連中の火力が想定以上で…!」

 

「ならばパワーローダーでも戦車でも何でもいい!!!早く奴らを…!」

 

とうとう装甲兵器まで持ち出そうとする理事だが…

 

「か、格納庫で爆発!へ、ヘリが爆撃をしています!」

 

「な、なんだとッ!?」

 

さらなる凶報が指令室に齎された。

 

数十秒前、

 

「アヤネちゃん、今での奴らの対空装備は最後よ!」

 

「これで撃墜の心配は少なくなりましたねぇ♪」

 

防空設備にミサイルを叩きこみまくった一天号はとうとう空を我が物にし…

 

「一天号より各車、これより爆撃を行いますので注意してください!」

 

地上に見える格納庫に向け襲い掛かる。

 

機体下部には無誘導爆弾『Mk 82』が6発と満載され、

 

「一天号、Bombs Away!!!」

 

通り抜けざまに投下。

 

最早手足のようにベルチバードを操るアヤネにとって爆撃もお手の物。

 

リズムよく『Mk 82』を投下していき6発全てを一発ずつ、計六棟の格納庫に叩きこむ。

 

瞬間、衝撃波と炎が吹き上がり中に置いてあった兵器諸共爆散する格納庫。

 

するとレーダーに多数の小型飛行物体の反応が出現。

 

見るとメインタワーから無数の飛行ドローンがこちらに迫ってきている。

 

「飛行ドローン、出現!応戦します!」

 

すぐさまアヤネはターゲッティングHUDで飛行ドローンをロックオン。

 

レーザーと対空ミサイルを乱射し飛行ドローンを次々に破壊。

 

そしてすぐに一天号を翻しドローンの編隊を振り切る。

 

いかにドローンでも巡航速度時速400㎞を誇るベルチバードには追い付けない。

 

「ノノミ先輩、セリカちゃん!」

 

「後ろはお任せくださぁい!」

 

「来なさい、ハエみたいに撃ち落としてやるんだから!」

 

そこへ身を乗り出してドアガンとシンシアリティというそれぞれの得物を構えノノミとセリカが発砲。

 

追いすがる飛行ドローンを弾幕と狙撃で次々に撃墜していった。

 

「うっひゃあ!メガネっ娘ちゃん達、やるねぇ!私たちも負けてらんないよ、ハルカちゃん!」

 

「い、いっぱい兄様が用意してくれたのでいつでも行けます!」

 

そんな空で暴れる三人に触発されたのは爆弾に長けたムツキとハルカペア。

 

彼女の車には『BeepBeep♪』日本語で『ピンポーン』の意と描かれたフロントバンパーに特別な仕掛けが施されており、

 

「しゃがんでてよ、ハルカちゃん!!!」

 

「は、はいぃッ!」

 

ムツキはハンドルを切りそのまま兵舎であろう建物の側面の壁に向かってアクセルを踏み込む。

 

そして、フロントが壁に接触した瞬間…正面に向かって爆発が発生。

 

一瞬のうちに鉄筋コンクリート造りの壁に車両が容易に通れるほどの大穴が穿たれた。

 

『ワンクラッシュ・グッバイ』、『爆発ベント』を参考に作られた車両用モジュールだ。

 

車両が頑丈な物体にある一定の速度以上で衝突した際に作動、爆発を起こして衝突した障害物や車両を吹き飛ばすという恐ろしい仕掛けだ。

 

「ヒャッホォっ堪んなぁぁぁぁいっ!」

 

「ど、どこに乗り込んでぶげぇっ!?」

 

「ほらほらほらぁッ!退かないと吹っ飛ばしちゃうよぉ!!!」

 

そのまま兵舎内に乗り込み廊下を爆走するムツキの車両。

 

行く手を遮るオートマタも壁も次々に爆散させて突っ切っていき、

 

「おっ邪魔しましたー!」

 

そのまま反対方向の壁をフッ飛ばして外へ出ていった。

 

「お、追いかけろ!あのガキ共ただじゃ…!」

 

中にいたオートマタは当然追撃を仕掛けようとするが…室内のあちこちにある物が撒かれていることに気が付いた。

 

それは一見してカバンのようだが…赤いランプが点り電子音が鳴っていた。

 

「こ、梱包爆や…!」

 

その正体に気付いたが…一足遅かった。

 

「き、起爆…ッ!」

 

ひょっこり天井からハルカが顔を出し起爆装置のスイッチを入れた次の瞬間、兵舎が爆発し瓦礫の山と化した。

 

そう、先ほど兵舎内を駆け抜けた際にハルカが車内に満載している爆弾を室内にばらまいていたのだ。

 

「やるねぇ、ハルカちゃん!」

 

「ま、まだまだ爆薬は沢山あります!」

 

「よぉし、じゃあ次行ってみよう!」

 

意気揚々とMk19の射撃を再開しながら次の建物へ向かい突撃するムツキとハルカ。

 

一方、

 

「あぁもうッ!撃っても撃ってもきりがないわね!」

 

側面にデカデカと『OUTLAW, I'M COMING!』アウトロー、ただいま参上!と書かれたハンヴィーを駆りなおもヘカートⅡを撃ち続けオートマタ達を粉砕していくアル。

 

「ドローンまで出てきたね…!グレネード貰ってきといてよかったよ…!」

 

カヨコもMP5Kだけでなくそこら中にパルスグレネードを投げ込みオートマタやドローンを無力化していく。

 

そんなこんなでカヨコの運転で基地内を縦横無尽に走り回っていたその時、

 

「ヤッバッ!アル、しゃがんでっ!」

 

「ほぇ?なに?」

 

珍しく焦ったカヨコの声に前を向き直ると…前方に迫るのは組まれた足場の壁。

 

どうやらカイザーが危険防止のため補強中の廃墟エリアに出てしまったようだ。

 

「ちょおおおおおおお!!!?」

 

これにはアルも銃を抱え大急ぎで車内に引っ込む。

 

幸い、足場をなぎ倒しつつハンヴィーは突破。

 

通り抜けた段階で組まれていた足場が音を立てて崩れていく。

 

「あ、危なかったわ…!…ん?」

 

アルは振り返りつつ状況を確認すると…崩れていく足場の中にある物を発見。

 

それは…老朽化で壁が崩れ丸見えになった廃墟ビルの柱だ。

 

見たところ、柱もだいぶがたが来ているようにも思える。

 

そして後方には車両に乗って追撃を仕掛けるカイザーPMCやドローンの群れ

 

「!カヨコ、そのまま真っすぐ走って!」

 

「了解っ!」

 

それを見たアルはカヨコに車両の安定を頼み素早く新たなマガジンを挿入したヘカートⅡを構え、

 

「こういうのはハルカの専売特許だけど!」

 

そのまま50口径りゅう弾を柱に向け撃ち込んでいく。

 

アルの狙撃技術によって叩きこまれ神秘によって強化された榴弾は一発で柱を粉砕。

 

それを一本だけではなく目に付く柱全てに撃ち込んでいきある柱を爆砕したタイミングでとうとう…

 

「お、おいこの建物崩れてっ!」

 

支えを失った廃墟ビルがとうとう倒壊。

 

追撃してきていたカイザーPMCやドローンが瓦礫に飲み込まれるのであった。

 

「ぃやったわ!追手は全滅よ、カヨコ!」

 

「ハルカ顔負けだね、アル!次行くよ!」

 

アウトローらしい大暴れに歓声を上げながらアルとカヨコは新たなる獲物を探し基地内を疾走する。

 

そして、残るは強襲部隊最強戦力を誇る…

 

「シロコ、残弾はどのくらいだ?!」

 

「ん…あと3分の1くらい…!」

 

「了解した!そろそろ場所取りに行くぞ!」

 

ネイトとシロコの車両だ。

 

二人は現在、周囲をカイザーの施設が囲まれた場所を疾走中。

 

当然、そこを守るオートマタやドローンに果てにはパワーローダーまでいるが…

 

「だ、誰かアイツらを止めろ!!!被害がデカすぎぐへッ!?」

 

「なんで、何でロケット弾に弾丸ぶち込めるんだよッ!?」

 

「盾は捨てろッ!!!撃ち抜かれバギャッ!?」

 

そんなことお構いなしに四方八方に弾丸を撃ちまくりスクラップの山を築き上げていた。

 

50口径で撃ち砕き、同時に2発飛来する5.56㎜弾に撃ち抜かれ、ロケット弾を撃てばそれを撃ち抜かれる。

 

「退け、俺がカタをつけて…!」

 

周囲のオートマタを押しのけパワーローダーが右腕の武装を構える。

 

だが、

 

「デカさが物を言うと思ったら…!」

 

ネイトはアサルトライフルをいったん収納し手に出現させたのはまるで…いやまんま『金属パイプ』にピストルグリップとトリガーを装着しただけの手作り感満載の武器だ。

 

しかも先端にはサプレッサー代わりか、オイルフィルターがねじ込まれている。

 

そんな代物をV.A.T.S.で照準を定めパワーローダーに発砲、くぐもった発砲音と共に発射物は飛翔し…

 

「あばばばばぶあッ!?」

 

叩きこまれたパワーローダーを中心に広範囲に蒼い波動が発生、パワーローダーだけでなく周囲のオートマタやドローンを飲み込み沈黙させる。

 

「大間違いだ、デカブツども!」

 

「ん…手作りのグレネードランチャー…連邦の武器ってすごいね。」

 

「パイプとばねとネジがあれば子供でも作れるさ!」

 

『パイプグレネードランチャー』、連邦で普及していた単発式のグレネードランチャーだ。

 

その名の通り40㎜のパイプに発射機構を取り付けただけの代物。

 

しかし、銃というものは『撃てて当たれば』いい物だ。

 

いい加減に作れば暴発の危険もあるがそこはエンジニアが本職のネイト、手作りであってもクオリティは一級品である。

 

と、そんなパイプグレネードランチャーに新たなパルスグレネード弾を装填していると、

 

「あっネイトさん、もうそろそろ無くなる。」

 

後にいるシロコのM2の弾丸がそろそろつきそうになってきたようだ。

 

「了解した!ちょうど目的地だ、そろそろオンステージと行こうか!!!」

 

まるで図ったかのようにハンヴィーは開けた駐機場に突入、

 

「登場は派手に行こうか!」

 

ネイトはハンドルにアクセルとブレーキを操り同心円状にハンヴィーをタイヤから煙がもうもうと立ち昇るほどの勢いでドリフトさせ続ける。

 

「なんだ、どういうつもりだ!?」

 

「構えろ、また何かしてくるかもしれんぞ!」

 

そこから一定の距離をとりカイザーPMCの兵士たちは包囲陣形をとる。

 

あの暴れようだ、何をしてくるか分からないため迂闊に手を出せず様子見に終始する。

 

…これが間違いだった。

 

次の瞬間、包囲していたカイザーPMC達は空からの暴力に襲われる。

 

「ランディングゾーン確認、周囲の脅威を排除します!」

 

ハンヴィーが巻き起こす煙目掛けて上空から一天号が接近、包囲中のカイザーPMC目掛けレーザーとロケット弾の雨を浴びせる。

 

「や、奴らのへリ…」

 

「ちっ散れっ!固まってたら一網だべっ!?」

 

あるオートマタは灰になり、またあるパワーローダーはロケット弾の直撃で粉砕される。

 

そして、ベルチバードは未だハンヴィーのドリフトで煙を上げる円の中に降下し機体横からロープが垂らされ、

 

「行ってくるね、アヤネちゃん!」

 

「援護、お願いしますねぇ!」

 

セリカとノノミがラぺリングし地面に降り立つ。

 

それを見届けた一天号は再び飛行形態になり飛び去って行った。

 

いつの間にかハンヴィーのエンジン音も止んでおり煙も吹き飛ばされ濃度が薄まっていく。

 

「く、くそっやりたい放題やりやがって…!」

 

「嘗めやがって、ぶっ潰してや…!」

 

先ほどの攻撃を生き残った者や増援が再び周囲を包囲するが再び鳴り響くハンヴィーのエンジン音。

 

「か、構え…!」

 

もう好きにはやらせないと武器を構えるとハンヴィーは煙幕を突き破り走り出し、

 

『グアアアアアア!!?』

 

進路上のカイザーPMCをなぎ倒しつつ突進…していったかと思うと大爆発を起こした。

 

その爆風が完全に煙幕を吹き飛ばすと…

 

「さぁ、ホシノ先輩を返してもらうわよ!!!」

 

「邪魔する人には容赦しませんよぉッ♠」

 

「ん…私達を止められると思わないで…!」

 

セリカ・ノノミ・シロコが闘志をあふれさせ各々の『特別』な得物を構え、

 

「Hell ya!!!本当の戦争を届けに来たぞ!!!」

 

先ほどの隙にX-02を纏いミニガンを構えるネイトが現れ、

 

「Rock and Rollッ!!!」

 

ネイトの掛け声の下、一斉に放たれた。

 

「どきなさいっ、屑鉄にするわよ!!!」

 

怒りをあふれさせるセリカはシンシアリティではなく背中に背負って降りた巨大な銃を構えパワーローダーに発砲。

 

大音響の銃声が周囲に轟き、

 

「ブヘェッ!?」

 

装甲が施されているはずのパワーローダーの機関部を一撃で破壊、燃料タンクまで破壊し爆散させる。

 

セリカのその銃はバレルが大きく後退し巨大な薬莢を排莢、バレルが再び前進しチャンバーに弾丸を送り込んだ。

 

非常に特異な機構を持つ銃だが…彼女のある得物の正当進化系と言ってもいい。

 

「かかってらっしゃい!今日の私はめちゃくちゃ獰猛な『チーター』よ!!!」

 

その名も『ゲパートM6』、14.5x114mm弾を使用するロングリコイル式対物ライフルだ。

 

元よりPTRS1941を使用していた彼女だがアビドス高校生徒の動きが洗練化し戦況の変化が高速化。

 

その動きに付いて行くにはPTRS1941はいささか長大過ぎた。

 

そこで新たな大口径ライフルをネイトに求め作られたのがこの銃だ。

 

20㎏以上あった重量は17㎏まで軽減、長さも1,450mmと2mを超えるPTRS1941からすると相当短くなっている。

 

さらにロングリコイル式となり反動軽減も実現でき取り回しが大きく向上。

 

大型の銃であることに変わりはないがそこはキヴォトス人で日々の労働で鍛えられているセリカだ。

 

「撃たれたくないなら道を空けなさい!!!空けても今までの借り返すために一発撃たせなさい!」

 

いくら小型軽量になったとはいえ、自分の身長と大して変わらない巨大な銃を軽々振り回し撃ちまくる。

 

「ブげっ!?」

 

「滅茶苦茶だ、アイヅァッ!?」

 

装填されている弾丸は『DGE02』、徹甲焼夷榴弾という対装甲標的に特化した弾丸がオートマタに風穴を穿ちパワーローダーを破壊していく。

 

そして、装備の改良を受けたのはセリカだけではない。

 

「私の大好きな先輩を攫ったことぉ覚悟してくださいねぇ~♠」

 

愛用のリトルマシンガンVを構え弾幕を張るノノミだが普段と違って明らかに違う場所がある。

 

振りかざすリトルマシンガンVの下部に…もう一挺『別の銃器』が装着されているのだ。

 

「今日は特別にオマケですよぉ♠」

 

ノノミはそういうと左手で保持しているグリップに装着されたスイッチを押し込む。

 

それは電子トリガーで連動し下部に装着されている銃器の引き金を落とした。

 

瞬間、紙袋を破裂させたかのようなやや鋭さに欠ける銃声が連続で鳴り響き…

 

「ブげっ!?」

 

「ゴガっ!?」

 

「ぐ、グレネードだっ!あいつミニガンにグレネードランチャー括り付けてやがるっ!?」

 

空中で小規模ながらも曳火砲撃と見紛う爆発が起こり続ける。

 

「リトルマシンガンVで蜂の巣かぁ『マイクロボンバーG』でミンチかぁ、好きな方を選んでくださいねぇ♠」

 

『マイクロボンバーG』、正式名『25㎜グレネードマシンガン』。

 

カーゴボットにも装着されている小口径グレネード弾を連射する機関擲弾筒だ。

 

それを何と元から大重量のミニガンの下に装着、さらに弾道コンピュータを改良し時限信管によるエアバースト機能も付与。

 

はっきり言って無茶苦茶な改造だがそれをノノミは自慢の腕力を活かし軽々と運用。

 

「あ、あんなの反則だぐあッ!?」

 

「遮蔽から出ろ、エアバーストでやられぶげっ!?」

 

ミニガンの弾幕とグレネード弾による爆撃、圧倒的な大火力による破壊の嵐を撒き散らしていく。

 

共に大火力の装備を手にしているセリカとノノミだが、

 

「ん…これはキヴォトスだと初めて見るでしょ。」

 

シロコもとっておきの装備を持ち込んでいる。

 

それは一見してバズーカのような得物だが引き金を落とした瞬間…落雷のような黄色いアーク放電が発射された。

 

「ビベッ!?」

 

そのアーク放電が一体のオートマタに命中、内部回路を大電流で焼き尽くされた…かと思うと、

 

『アブバァッ!?』

 

その放電が近くのオートマタに飛び、そのオートマタから再び飛び出しまた近くのパワーローダーに…といった感じで伝播。

 

一撃で10体以上のオートマタやパワーローダーの内部回路を焼き尽くし撃破。

 

「逃げ切れるのなら逃げればいい。この『稲妻』が逃がしはしないけど。」

 

シロコが担ぐこの重火器。

 

『テスラキャノン』、大電力のアーク放電を発射するエナジーヘビーウェポンである。

 

かつて連邦に襲来した『エンクレイヴ』残党や一部のガンナーが所持しネイトが解析、完璧に再現した物をこの地で再生産したものがシロコが担いでいるものだ。

 

モジュールは『テスラビートンアセンブリ』『強化ビートン増幅レンズ』『テリプル共鳴ウェーブ発振器』、高威力と電流の伝播効果を付与する組み合わせだ。

 

弾薬はフュージョンセル、『アルケミーカルドロン』の導入により核物質の入手に困ることが無くなったので対ロボットやオートマタ用火器として運用が可能になった。

 

「ん…今までいろいろやってくれたようだけど許してあげる。全員ジャンクになってくれれば。」

 

ネイト仕込みの物騒な物言いで連邦の兵器を乱射するシロコ

 

「に、逃げろ!あんなの喰らったらそぐべぇっ!?」

 

「隠れろ!!!物陰にさえ入ればガガガガッ!?」

 

「ダメだ、この電気追いかけてくるぞババババッ!?」

 

半端な装甲など意味をなさず、遮蔽物があっても他の物を伝播して襲い来る電流になすすべなく撃破されていく。

 

そして、そんな彼女たちをも上回る戦果を出しているのが…

 

「に、逃げろ!!!あのミニガン、ただのミニガンじゃバガッ!?」

 

「うッ腕が、俺の腕ビィユッ!?」

 

「『ケテルキラー』だっ!!!ケテルキラーがでヴがっ!!!」

 

さらなる破壊の嵐を巻き起こしているのが…

 

「どうしたッ!?レッドチャイニーズなら屍踏み越えて向かってきたぞッ!!根性見せろ、ブリキの兵隊共ッ!!!」

 

迫りくるカイザーPMCにミニガンをお見舞いするネイトだ。

 

トライバレルのミニガンだが放たれる『5㎜弾』が…着弾と同時に炸裂しているのだ。

 

その爆発がオートマタの体を粉砕しパワーローダーの装甲を吹き飛ばし乗員ごと爆砕していく。

 

レジェンダリー効果『爆発』、おそらく連邦で収集できるレジェンダリーウェポンの中で『集団殲滅能力』と『単一戦闘能力』が最強の武器と言っていいだろう。

 

数々のPerk、『Heavy Gunner』『Demolition Expert』『United We Stand』『Lessons In Blood』がその威力を跳ね上げる。

 

5㎜弾という貫通力はある物の連邦製の弾丸でも下から数えたほうが早い威力だというのにその一発はまさに『必殺』と呼べるまでの凶悪さを見せる。

 

数々の人外の域のクリーチャー犇めく連邦でもこの銃を前に『原型』を保てていた存在はいなかった。

 

それはどうやらキヴォトスでも変わらない。

 

絵筆で塗りつぶすように眼前のカイザーPMCの軍団をスクラップに変えていく。

 

「アビドスを奪うつもりなんだろ!?だからホシノを攫いやがったんだろ!?だったらこうなる覚悟はできてただろうがァッ!!!」

 

貯めに貯め込んだ怒りを爆発させながらもその照準に一切の狂いはない。

 

その心はかつて踏みしめたアラスカの永久凍土のように冷静だ。

 

すると、赤熱した銃身が空転。

 

500発装填のベルトリンクが弾切れとなったようだ。

 

「た、弾切れだ!一気に押しつぶせ!!!」

 

好機と見たかパワーローダーを中心とした残存部隊がネイトに迫る。

 

「ほぉ、まだ骨のある奴らがいたか…!」

 

しかし、ミニガンだけがネイトがカイザーを『完膚なきまで叩きのめす』ために持ち込んだ武器ではない。

 

一旦ミニガンをスリングでぶら下げネイトが構えたのは緑の蛍光色の光をところどころから発する配線が張り巡らされたライフルだ。

 

それを迫るカイザーPMCに向け構え…引き金を落とす。

 

次の瞬間、眼前を緑の閃光が放射された。

 

未知の武器の登場にカイザーPMCの行き足が一瞬鈍る。

 

「な、なんだあ…え?」

 

閃光が脇を通り過ぎた一体のオートマタが足を止め隣を見ると…言葉を失った。

 

そこには…膝下以外が『蒸発』したパワーローダーと緑の粘液に変わった同胞だったものがそこにあった。

 

あまりにも衝撃的すぎる光景で固まるカイザーPMCだが…

 

「せっかくだ、お前ら全員発電機の材料にしてやるよ…!」

 

お構いなしにネイトは攻撃を続ける。

 

『プラズマ放射器』、物質がトリチウムまで分解されるほどの超高温のプラズマを火炎放射器のように放つ武器だ。

 

『オーバーチャージ・コンデンサ』、『火炎放射バレル』、『反動吸収ストック』、『リフレックスサイト』という反動制御と威力を向上させた構成。

 

射程は30mほどと銃器にしては短いが威力は…最早語るまでもないだろう。

 

「な、なんだあのじ…。」

 

「ど、どこだ!?なんで身体が消え…。」

 

「ぎぃやあああ腕、俺のう…。」

 

そのプラズマを浴びたが最後、一瞬のうちに蒸発するか緑の粘液に化けるかの二択だ。

 

しかも、たとえ掠っただけとしても無事では済まない。

 

「な、なぜだ…!?直撃…してないのにエネルギーががっがが…。」

 

腕に浴びただけのオートマタが間を空けて機能停止に陥る。

 

これも理外の能力だが…それがこのプラズマ放射器のレジェンダリー効果だ。

 

『痛打』、生物だろうが機械だろうがどんな装甲を有していようと関係なく『出血』による持続ダメージを与える効果だ。

 

この効果の特徴として…何度も重複するというものがある。

 

つまり、高レートで放たれる武器には最高に相性のいいレジェンダリー効果なのだ。

 

それを基より高威力のプラズマ放射器に付与されている、標的にとってはまさに悪夢の組み合わせとしか言えないだろう。

 

ネイトですらいくら敵でも生身の『生徒』相手には使用を封印していたが…相手はカイザーPMCだ。

 

そんな遠慮などすでに投げ捨てている。

 

最早戦闘ではなく『蹂躙』としか言えないシロコたちとネイトの戦闘。

 

包囲されていたというのにほんの2~3分程度で…

 

「クリアッ!」

 

「フンッどんなもんよ!」

 

「やっぱりこの組み合わせは最高ですねぇ♪」

 

「ん…これでだいぶ向こうの戦力を削れた…!」

 

周囲にはスクラップと蒼い熾火を放つ灰の山に緑の粘液が散乱していた。

 

ドローンもオートマタもパワーローダーも…文字通り『全滅』していたのだった。

 

「行くぞ、目指すはメインタワーだ!」

 

ネイトが先導し一行はメインタワーへと急ぐ。

 

道中も当然カイザーPMCの部隊と遭遇するが、

 

「引っ込んでろ、雑魚ども!!!」

 

「怪我したくないなら道を空けなさいっ!!!」

 

鎧袖一触とはこの事か、5㎜弾の炸裂弾幕に大口径の精密射撃で行く手を遮る敵を薙ぎ払い突き進んでいく。

 

「ぜ、前線部隊から報告!ケテルキラー率いるアビドス高校勢力によって部隊が次々と壊滅!」

 

「なッ!?詳細が分かりました!突入勢力の中に便利屋68が確認されました!」

 

指令室にはもはや悲鳴交じりの被害報告しか入ってこない。

 

誰一人として侵入者を撃破もしくは制圧したという報告はない。

 

「おのれ便利屋68め、飼い主に噛みつく駄犬どもめが!!!」

 

「り、理事…!?」

 

「何をしている!?相手はケテルキラーとはいえ若造とたかがアビドスの残党に半端な小悪党どもだろう!?」

 

アビドス勢力だけでなくかつて依頼した便利屋68まで自分たちに襲い掛かってくる事態にカイザー理事は怒鳴り散らすしかない。

 

部隊に対処を命令するも、

 

「しかし現在展開中の装備では…!」

 

桁違いの一撃をブチかますネイトたちにパワーローダー相手ではもはや手も足も出ないことも事実。

 

戦車も戦闘ヘリも駐機中にすでに爆撃で破壊されつくした。

 

それでも、

 

「ならば『アレ』を出せ!!!量産機ならば数も揃っているだろう!?」

 

「か、確認します!」

 

カイザーPMCには『切り札』が用意されていた。

 

オペレーターが確認すると…

 

「確認できました!量産機は一応動かせるとのことです!」

 

「ならばすぐに出撃させろ!!!それから第3~5部隊も出せ!!!」

 

「こ、ここの警備が手薄になりますが…!」

 

「構わん!とにかく奴らを始末するのだ!!!

 

そう言い終えると理事は指令室を後にしようとする。

 

「り、理事どちらへ!?」

 

「貴様らでは頼りにならん!私も出撃するから試作機を出せるようにしておけ!!!」

 

――――――――――

「アヤネ、付近の敵の状況は!?」

 

《前方の勢力以外は見当たりません!パワーローダーもそろそろ打ち止めのようです!》

 

なおも迫りくるカイザーの部隊を粉砕しながらメインタワーに迫るネイト一行。

 

相当大規模な拠点だったがそろそろあちらも品切れが近づいているようだ。

 

《ネイトお兄ちゃん!こっちも兵舎は全部爆破したよ!》

 

《こっちも各レーダーの破壊に燃料タンク付近の部隊を殲滅したわ!》

 

「よくやってくれた、兄妹!こちらもそろそろメインタワーに突入する、集合してくれ!」

 

さらにアル達便利屋チームも自分の役目を果たしてくれたようだ。

 

あとはタワーに突入しホシノを救出するだけだが…

 

「ッ!皆さん、ドローンが!」

 

《こ、こっちにも陸戦ドローンが!》

 

《ネイト兄、少し遅れるけどちゃんと行くから…!》

 

そこへ迫るはミニガンが搭載された多数の陸戦ドローン。

 

「ん…いまさらそんなのが出てきても足止めにもならない。」

 

「邪魔をするならみんな吹っ飛ばしちゃいましょう♪」

 

「アサルトロンかセントリーボットでも持ってきやがれ!!!」

 

四方から迫るがシロコ・ノノミ・ネイトがそれらを薙ぎ払い、セリカもシンシアリティに持ち替え撃ち抜いていく。

 

「こちら第3部隊、ドローンを展開!だが奴ら物ともしていない!『アレ』はまだ出せないのか!?」

 

《現在最終調整中!もう少し耐えてくれ!》

 

それを隠れながら報告する第3部隊。

 

想定などとうに越えた速度でドローンを破壊しつくしているネイト一行に驚愕しながらも指令室の報告を今か今かと待つ。

 

「ま、まだか!?もうドローンが…!」

 

そうこうしているうちにもうドローンがごくわずかとなってしまったが…

 

《こちら指令室、出撃を許可する!》

 

とうとうカイザーにとっての切り札がそのベールを脱ぐ。

 

地面のハッチが開き中から飛び出してきたのは…

 

「な、何よあれ!?」

 

「まだあんな兵器を持ってたんですかぁ!?」

 

「ん…パワーローダーよりも大きい…!?」

 

身長が5mはあろうかというパワーローダーよりも二回り巨大な二足歩行の兵器。

 

両腕には肉厚化された三銃身の20㎜ガトリング砲と両肩部にはミサイルポッド、さらに背中には大口径のビーム砲を搭載している。

 

装甲もパワーローダーとは比べ物にならないほど分厚そうだ。

 

まさに鋼でできた『巨人』だ。

 

しかも一体だけではない。

 

地面のハッチが開き続々と現れ、その数は10体にも上った。

 

その名も…

 

「量産型『ゴリアテ』部隊、出撃完了!」

 

旧約聖書に登場する巨人の名を冠した大型機動兵器だ。

 

「ん…そこを退かないというなら…!」

 

シロコがテスラキャノンを構えると…

 

「三人とも、迂回して先に進め。」

 

「ネ、ネイトさん!?」

 

「今はホシノ救出が優先だ。ここは俺に任せろ。」

 

ネイトが一歩踏み出し、ゴリアテ全機を相手取ると宣言する。

 

「行け、俺もすぐに追いつく!」

 

「…ん…分かった、早く追いついて来てね…!」

 

「絶対よ!遅れたらただじゃ置かないからね!」

 

「ネイトさん、帰るときはみんな一緒ですよ!」

 

そんなネイトの言葉にシロコたちはそれ以上反論することなく先に進む。

 

「ハンッ!俺達と一人で戦おうってのか、ケテルキラー!?」

 

「せめて子供は逃してやったつもりか!?無駄なことを!」

 

それを見ていたゴリアテの搭乗員たちはネイトを嘲笑うような言葉を浴びせる。

 

対して、

 

「そんなのじゃないさ。お前たち相手にするなら…未来あるあの子たちがいない方がいいからな…!」

 

ネイトはそう答えながら両手にプラズマ放射器と…パラボラアンテナが装着されたハンドガンを出現させ装備、

 

「ここから先は『LOW』タイムだ…!」

 

ヘルメット越しでも分かる不敵な笑みを浮かべた声音で啖呵を切る。

 

「さぁ、さっさとかかってこい。レディを待たせるのは趣味じゃないんでな。」

 

「たった一人で俺たち相手にどれだけ持つかなッ!?」

 

連邦最高とキヴォトス最新の鋼鉄の巨人たちが激突する。

 

一方、先に進んだシロコたちはとうとう基地区画を抜けいまだ整備の進んでいない廃墟が広がる区画に突入。

 

だが、普段見かけるアビドスの廃墟とはどうも様子が違う。

 

「これって…黒板ですよね?」

 

「う、うん…。それ以外にもなんだか見慣れた物ばかりっていうか…。」

 

「ん…学習机にロッカー…学校にある物ばかり…。」

 

そう、周囲には普段自分たちが通うアビドス高校にもある備品が朽ちたようなものが散乱している。

 

さらに、

 

《皆さん、9時の方角を見てください!》

 

あらかたドローンも片付けたアヤネが上空から何かを見つけたようだ。

 

言われた方角を見ると…アビドス高校よりも大きな、それでいて覚えのある形状をした廃墟が鎮座していた。

 

「アレってもしかして…?!」

 

ノノミが何かの結論に至ったその時、

 

「お察しの通りだ、アビドス対策委員会の諸君。」

 

少し先の物陰からカイザー理事が初めてシロコたちの目の前に姿を現す。

 

「ここはアビドス高校、そのかつての本館だ。」

 

「アンタは…!」

 

「お初にお目にかかる。私はカイザーコーポレーションの理事にしてカイザーPMCの代表取締役だ。」

 

 

「アンタが今までウチの学校にちょっかいかけてホシノ先輩を攫った親玉ね!」

 

「フンッ、だからどうしたというのだ?」

 

「ホシノ先輩を返してください!さもないと…!」

 

「ん…痛めつける趣味はない。さっさと降伏して。」

 

強気の態度を崩さない理事にシロコたちも一切怯まず得物を構え降伏を勧告する。

 

だが…

 

「…ガキどもが、さっさとあの学校から出ていけばいい物を…しつこいと言ったらありはしないなぁ、アビドス対策委員会…!」

 

「なんですってぇ…!?」

 

鬱陶しさを隠そうともせずにカイザー理事は語り始める。

 

「対策委員会…ずっと貴様らが目障りだった…!これまで、ありとあらゆる手段を講じてきたというのに…!」

 

「やっぱりヘルメット団の人たちに私たちを…!」

 

「それでもお前たちは滅びかけの学校に最後まで残り…!繰り返し借金を返済しようとあがいて…!」

 

徐々にその声は怒りに染まっていき…

 

「当然じゃない、私たちの学校よ!」

 

「ある時まではよかった…!どうせ最後には諦めるだろうと思っていた…!だがッ!!!すべてあの男のせいでッ!!!どこからともなく現れたあの若造のせいで計画がっ!!!我々の計画がああああ!!!」

 

とうとう…ある人物への怒りを爆発させる理事。

 

「あれほど懲らしめたのにっ!!!徹底的に苦しめたのにっ!!!あの男がッすべてを台無しにしやがった!!!借金は完済され生徒の数は増えッ我々の数十年に及ぶ計画を全部っ全部無駄にしやがったぁッ!!!」

 

『恨み骨髄に徹す』とはこの事か、理事の怒りの咆哮は止まらない。

 

「挙句の果てに奴はッ我々が必死にかき集めたこの土地を買い叩こうとしやがった!させるものか、ここには我々の悲願が眠っているのだっ!!!貴様らなどに渡してなる物かぁッ!!!」

 

「そんな浅はかで下劣な奴が何をしようと私たちの心は折れたりしないわよ!!!」

 

「ホシノ先輩だけじゃない、アビドスを返してもらうよ…!」

 

「負けませんっ!アナタのような情けない大人には、絶対に!!!」

 

その怒りを浴びようとシロコたちは全く恐れない。

 

さらにカイザーに屈しないという強い決意を胸に理事と対峙する。

 

「これ以上邪魔をさせるものかっ!!!戦争まで引き起こしたのだっ!!!我々は早く『アレ』を見つけねばならぬのだっ!!!」

 

「何言ってんのか訳分かんないわよッ!!いいからさっさと退きなさいっ!!!」

 

「クッフッフッフッハハハハッ!!!やれるものならやってみるがよいっ!!!」

 

次の瞬間、理事の背後の地面が吹き飛び…そこに『ゴリアテ』が出現。

 

見たところカラーリングが違うが…

 

「見るがよい!我々の技術の粋を集めた超強化外骨格!最高純度の素材で組成した装甲とアクチュエーターを搭載した、最新兵器だ!!!」

 

「さっきも見たわよ、それっ!」

 

「いいえ、おそらくあれはコスト度外視で作られた試験機…!」

 

「ん…関係ない。邪魔するなら叩き壊すだけ。」

 

どうやら先ほどの物は量産型のようだ。

 

コストや性能を妥協して造られた先ほどのゴリアテとは違い理事の乗るそれはけた違いの性能だろう、

 

その時、こちらに迫る二つのエンジン音。

 

「カヨコちゃん!しっかり合わせてよ!」

 

「あんまりこういうのは好きじゃないんだけどやるっきゃないねっ」

 

示し合わせたかのように集結したカヨコとムツキが駆る装甲ハンヴィだ。

 

「みんな、お待たせ!」

 

「ぜ、全部吹っ飛ばしてきました!」

 

「うわ~おっきい~♪」

 

「ふぅいままででいちばん派手な戦いだった…。」

 

「便利屋の皆!」

 

アル達が飛び降り無人となった二台はそのままシロコたちの脇をすり抜け、

 

「のぉわぁ来るなッ来るなああああああ!!?」

 

カイザー理事の後ろに出てきていたゴリアテに衝突。

 

『ワンクラッシュ・グッバイ』が作動、その爆発に巻き込まれたカヨコの車両が爆発炎上し続いてムツキの車両も爆発した。

 

「…兄さんにあとで怒られないかしらぁッ!?」

 

自分たちがやった事で思わぬ惨状を生み出したことにとうとう白目を剥き絶叫するアルであった。

 

「ん…大丈夫。私たちの車も吹っ飛んだ。」

 

「じゃあ平気だね~♪」

 

「アレがカイザー理事…!」

 

「えぇ…!滅茶苦茶ケチでしみったれた大人よ…!」

 

「あ、アル様から報酬を巻き上げた大人…ッ!!!許せない許せない許せない…ッ!!!」

 

「これでネイトさん以外全員集合ですねぇ♪」

 

全員無事で終結できたことを一先ず喜ぶ一同だが…

 

「クゥッ!!!?貴様ら便利屋あああああああ!!!」

 

爆炎の向こうから絶叫する理事の声。

 

そして…

 

「もう我慢ならん!!!貴様らはここで叩き潰してやるわあああああ!!!」

 

その炎を振り払いゴリアテを操りシロコたちの前に立ちふさがった。

 

「ん…アル達、まだいける?」

 

「当然!この前報酬ケチったのを後悔させてやるわよ!!!」

 

「あんなでくの坊より雷雲号のほうがよっぽど怖いわ!」

 

「クフフフッ♪私も貰った装備を使うチャンスだし暴れちゃうよぉ♪」

 

「私の銃じゃ通じなさそうだけど援護は任せてよ、皆。」

 

「よろしくお願いしますねぇ♪アタッカーはお任せください♠」

 

「わ、私も頑張ります!兄様に貰った銃であいつを吹き飛ばします!」

 

そんな理事になんとも軽い調子だが闘志を一切衰えさせないシロコたち。

 

「嘗めるなよ、小娘どもおおおおおおお!!!!」

 

「構えて、皆…っ!」

 

『了解!』

 

こうしてカイザーPMC本部キャンプ、最後の戦いが幕を開けたのだった。




戦いの決着は戦う者の戦意で決まり、勇者のみが勝利を収めることになる。
―――詩人『ジョン・ドライデン』
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